常連さんと行く男体山は厳しくもあったがシロヤシオの宝庫だった。

2018年5月25日(金) 晴れ

二荒山神社(8:45)~四合目(9:44)~山頂(12:09/13:30)~四合目(15:30)~二荒山神社(16:25)
歩行距離:12.2キロメートル
所要時間:7時間40分(休憩を含む)
累積標高:1532メートル
※残雪を想定しチェーンスパイクを持参したが、その心配はないとわかり車内に置いて歩き始めた。

多彩な趣味を持つ当ペンションの常連、T.Hさんだが、今の関心事はもっぱら登山だという。
夏のテント泊デビューを目指し、テントや寝袋もろもろ一式を買う予定でいるそうだ。
そして夏の山行のために交通事故のリハビリを兼ねて現在、トレーニングに余念がない。

日光の山をよく知っているのと近隣であるという理由で、2016年に初めて管理人がガイドを引き受けて今日で10回目。
今年になって赤薙山(8回目)、社山(9回目)と難易度を上げ、そして今日10回目は男体山。仕上げは白根山という計画を組んでいるT.Hさんなのである。
几帳面かつ慎重な性格が幸いしているのか、リハビリ登山は順調で、管理人が見ても事故の影響などまったくわからないほど回復している。

日光を象徴する山、男体山は日本百名山に数えられているため人気が高く、登山者が多い。
標高は2486メートルで白根山より90メートル低いが特筆すべきは登り口からの標高差だ。
中禅寺湖畔の二荒山神社から登り始めるのだが、標高差は1200メートルもある。女峰山のようにアップダウンがあったり平坦な稜線があるわけでなく、ただひたすら登っていく。苦行そのものなのである。
深田久弥をして「非常に急峻で、湖畔から頂上までひたすら登りずくめである」と言わしめたのが男体山である(深田は1942年8月に登っている)。

管理人は過去に二度、登っているがその厳しさゆえに三度目はよそう、と腰が引けていたところへT.Hさんからガイドの依頼だ。
依頼主に楽しんでもらうにはガイドの心に余裕がなくてはだめなのに、腰が引けていてはどうしようもない。男体山よりも厳しい山に登って体力をつけ気力を奮い立たせようと登ったのが21日の女峰山であった→女峰山

さあ、今日はT.Hさんの期待にガイドとして応えることができるのでしょうか?

男体山登拝門男体山の登拝門。
山に登るのに鳥居をくぐることはあってもこのような重厚な門をくぐるのは日光ではここ男体山だけ。
なんだか気持ちが引き締まる思いがする。


登拝門の先は急な階段登拝門をくぐるといきなり急な階段が出現する。


階段を登り切ると一合目。ここから樹林帯となる。
これから先、新緑の下の快適な道、、、を想像していると裏切られること必至。
なにしろ階段と同じように急傾斜なんだから。


アスファルト道路三合目から四合目まではアスファルトの林道を歩く。
登山靴でアスファルト道路を歩くのは苦痛だが、今日は女性のゲストと一緒だ。楽しく歩こう。


アスファルト道路地図で計測すると距離約1.3キロ。単調だが男体山登山で唯一、息を抜けるところ。


四合目四合目で再び急な山道となる。


傾斜は急で立ち止まるとザックの重みで後へ転倒しそうになる、ということはありませんが、目の前に見えるのは地面しかないというほどの傾斜。
ときどき振り返っては景色を見て疲れを癒すことに。


シロヤシオうふぉっ、シロヤシオだ。


T.Hさんは管理人にピタリと着いてきてくれているので安心していられる。


もしやこれはヒカゲツツジかと思わせる、やや緑がかったシロヤシオ。


五合目五合目に到着。


五合目の避難小屋トタン板でおおわれた建物は避難小屋


休憩できるようベンチはあるが板の間はない。それに補修用の資材が積まれている。
突然の雨や雷から身を守る緊急避難のための小屋と考えた方がいいであろう。


シロヤシオの向こうに中禅寺湖シロヤシオの向こうに中禅寺湖が見える。


ガレ場始まるガレ場始まる。


急傾斜のガレ場急傾斜のガレ場。
石の多くは地面に埋まり動くことはないが、小さい石は浮いているので不用意に足をのせるとグラッとくる。足下をよく見ながら慎重に上っていく。


八合目に到着八合目に到着。
滝尾神社(たきのおじんじゃ)の小さな祠がある(画像の建物は社務所のようなもの)。


九合目の砂礫帯九合目から上は火山の砂礫帯。


この砂礫は実に厄介で、滑って足に力が入らない。


ふ~、やっと山頂が見えた。


男体山山頂念願、悲願叶って男体山山頂に立つことができ、手を合わすT.Hさん。
ここまで休憩を含んで3時間25分。標準時間(※)だった。
※昭文社「山と高原地図」に記載の時間(ただし、休憩時間は考慮されていない)。

御神剣小高い岩の上に建つ御神剣。昔は鉄製であったが腐食により折れたことからステンレス製(県内の篤志家が奉納)に替わった。

男体山の山頂は広い。三角点や太郎山神社、御神像、噴火口など興味をそそられる対象があるので入念に見て歩くことにする。


白根山白根山


一等三角点2484メートルの一等三角点。
2002年まではここを男体山の山頂、というよりはもっとも高い場所としていたが、2003年になってここよりも2メートル高い場所が見つかり、現在は標高2486メートルとしている。
ちなみに女峰山とは2メートル違うだけ。


さあ、昼ご飯さあ、昼ご飯だ。
コッフェルを火にかけたT.Hさん。
なにが入っているのかな?


今日の山メシコッフェルの中はレトルトカレーでした。
持参したご飯に湯煎したカレーがT.Hさんの今日の山メシ。
う~ん、幸せ、満足!!


カレーメシ図らずもT.Hさんと同様、管理人もカレー(^^)
日清の「カレーメシ」でした。
カレーメシは容器が大きいので中味をジップロックに移し替えて持参。ジップロックの中に沸騰したお湯を直接、注ぎ入れて5分。食べる前によくかき混ぜればできあがり。それなりの味がします。
ただし、これだけだとカロリー(448kcal)が足りないのでコンビニのおにぎりとバナナを食べ、下山に必要なエネルギーとした。


太郎山太郎山


御神像の二荒山大神
このあと、噴火口が見える場所に移動して身を乗り出してのぞき込むなど広い山頂を歩き回って1時間ほど費やした。
そろそろ下山することにしよう。


下山こそ注意に注意を重ねて慎重に降りましょう。


岩場も慎重に。


中宮祠の町並み中宮祠(ちゅうぐうし=この辺り一帯を指す地名)の町並みが見えてきた。


往路では頭上の木々を見落としがちだが、下りだとシロヤシオがやたらと多いことに気づく。


シロヤシオとトウゴクミツバツツジの下を歩くT.Hさん。


四合目の鳥居四合目の鳥居に到着。
ここから三合目まではアスファルト道路。


三合目。ふたたび樹林帯の中へアスファルトの林道が終わると三合目。
ここからふたたび樹林帯の中へ。


登拝門に着いて今日の山行が終わった。登拝門に着いて今日の山行が終わった。
T.Hさんは大いに満足された様子でほっとする管理人である。