古賀志山の「赤岩」。垂直の壁に足が震える。

2016年12月02日(金) 晴れ、春の陽気

森林公園駐車場~芝山橋~北コース途中から滝岩へ~中尾根~ピーク559~弁天岩~伐採地~富士見峠~古賀志山~東陵見晴台~東陵コース~芝山橋~森林公園駐車場

日光市の健康福祉の一環で市の補助による人間ドックを隔年で受けている。脳ドックと人間ドックを交互に受けているのだが今年は人間ドックの番。
人間ドックでは毎回、良好な結果が出ていて身体には問題はないらしい。山登りは健康にいいから続けた方がいいと言われている。アルコールは適量なら差し支えないと言われているいや、そう解釈している。

昨日がその受診日だった。
ここ数ヶ月、気になっていることがある。
突然、咳が出て止まらないこと、深夜に胃痛で目が覚めることだ。咳と胃の痛みは逆流性食道炎が関係しているらしいので、医師に申し出て胃カメラを使って詳しく診てもらうことにした。検査をしながら説明があって胃と食道にはまったく問題ないと言われた。原因は別にあるのかもわからない。
ひととおりの検査が終わり最後に総合診断があった。

長い間、同じ病院に通っているが総合診断を担当した医師は初対面だった。
こちらが挨拶をしてもなんら反応がない。デスクの上に置かれた結果表をじっと見ているだけだ。聴診器のあと、診察台に寝かされて膝の下を叩いてその反応を見るいわゆる、膝蓋腱反射がおこなわれた。この間、医師は無言だった。看護師が医師の代わりに指示を与えてくれた。
医師が初めて喋った。
「白米を止めて玄米にしなさい。そうしないと寝たきりになる。あなたは脚気だ」、と。
それを言い終わると医師は背中を見せて、デスクに向かい合った。とりつくしまもなく、否応なく部屋から追い出された。
う~む、白米はNGで玄米はOK、寝たきりに脚気という言葉の他に発しないこの医師は正しいのか?

自宅に戻り脚気をキーワードに情報をネットで探しまくる。
脚気はビタミンB1の欠乏による末梢神経障害であることがわかった。
ビタミンB1の欠乏など管理人にあり得ない。健康にはひと一倍気を遣っているから食べ物に偏りはないはずだ。
ビタミンB1を含んだ食品を調べてもどれもよく食べている。
唯一例外はウナギである。
そういえばここ数年、ウナギなど口にしたことがないなぁ、匂いすらかいだことがない(^^)
でもウナギ以外はよく食べているからビタミンB1が足りないことなどあり得ないのだ。

管理人、両足を手術している。
2009年に右足の踝(腓骨)を骨折し手術で骨をつないだ。2011年には左膝の靱帯を交換(再建というらしい)した。
手術は健全な神経や血管をメスで切断するので術後は後遺症が残っても不思議ではなく、管理人の場合は氷水に足を漬けたかのような冷たさを感じることがあるし、つねっても痛みを感じない部分があるなど、いまでも自分の足ではないような違和感がある。それが膝蓋腱反射を鈍らせているのではないか、そんな気がしている。

ただ気になる記述があった。
管理人の山での主食は高エネルギーを作り出す菓子パンやエネルギーバーだが、これら炭水化物食品をエネルギーに変換する際にビタミンB1が使われるそうだ。スポーツドリンクに含まれている糖分もエネルギーの基だから、同じようにビタミンB1が使われる。
つまりその日、摂取したビタミンB1は山で消費しきってしまい、食べ物だけでは補えず、登山中はビタミンB1の欠乏状態にあるという仮説が成り立つ。
ちなみに、白米を多く食べる場合も当てはまるようだが、管理人が食べる白米は一日あたりせいぜいご飯茶碗1杯半と少ない。
それにしてもだ、山歩きの頻度が多いとはいえ週に1回から2回だ。その間の食生活はきちんとやっている。それゆえ、脚気の原因がビタミンB1の欠乏にあるとは信じられないのだ。

翌日、すなわち今日の山行後、近所の薬局へ寄ってビタミンB群中心の医薬品とサプリを3種類、買い込んだ。
成人が一日に必要とするビタミンB1は1.4ミリグラムだそうだが購入した薬とサプリを規定量を守って服用すると200ミリグラムに達する。これは重篤患者が病院で投与される量を上回るがビタミンB群はとりすぎても排出されるので量が多くても問題はないらしい。
管理人の脚気がいつ始まったのかはわからない。脚気など昔の病気だと考え膝蓋腱反射などおこなったことがない。
まずは薬とサプリを続け、膝蓋腱反射を小まめにやろう。
改善の見込みがなければ他に原因があると考え、そのときは専門医をさがして相談しよう。きちんと説明してくれる医師をさがして。

昨日はそんなことがあったので今日の山行は気分を晴らすのが目的となった。
でわでわ、、、

赤川ダムの水面に映る古賀志山。
気温は10度。緑があれば春と間違ってしまうような穏やかさだ。昨日のイヤな気分を忘れさせてくれる。


赤川ダムの畔を左に見ながら古賀志山の入口に向かってゆっくり歩く。


芝山橋脇の登山口。
ここから赤川に沿って北コースへ向かうが、北コースと出合うまでの道は細く、また滑りやすいので注意。


北コースに入ったばかりの登山道。
古賀志山を目標にするのであればこの道の続く限り歩けば迷わず着ける。
管理人はちょいと脇道へ、、、


北コースを5分ほど歩いたらコースと分かれて薄い踏跡のある斜面を登っていく。
10分ほど歩くと大きな岩壁と出合う。ここまで来ると踏跡はなくなり岩壁に沿って斜面の上に向かっていく。
踏跡は消えているがここが昔の参道であることを前に確かめてある。


岩は左へ湾曲し、コーナー部分に石の像が見える。


石の像は炎を背負っていることから不動明王だ。
小柄で可愛らしい顔をしている。


不動明王を右に見ながら岩壁に沿って進む。


地面から1メートル半くらい上に小さな洞窟があり中に石の祠が置かれている。「山ノ神」である。
この辺りは宇都宮市福岡町細野に属し、昔は霊地として参拝されていたそうだ。
手前にあった不動明王は山ノ神を守っているのであろう。
ここで山ノ神に手を合わせこれから神聖な岩に足をかける許しを請う。
Mt.masaoのブログ「古賀志山にあらず細野山なり 」に詳しい→こちら


不動明王→山ノ神と歩いてそのすぐ先にほぼ垂直に切り立った大きな岩がある。8メートルくらいの巨大な岩だ。ネットにおける情報は少ないがこれが滝岩、と管理人はこれまで呼んでいたが、実は「古賀志山を守ろう会」代表の池田正夫さんが、この岩の正式名は「赤岩」だと教えてくれた。したがって、以後、「赤岩」と呼ぶことにするが過去4回、ここを訪れては弄ばれている。はたして今日はいかに?
※過去の記事はあえて訂正せず、当時の知識のまま「滝岩」としておく。
※古賀志山山域の岩にそれぞれ名前がついているのは信仰の対象として古くから崇められてきた証である。ただし、間違った名前で呼ばれている岩も多々ある。


古賀志山山域にある岩はこれまでずいぶん経験し、多くの岩はロープや鎖を使わないで上り下りできるようになった。
しかしこの岩は管理人の技量では無理だ。垂直なので重力の影響をまともに受ける。
手がかり足がかりとなる凹凸が岩にないために、10キロのザックを背負い、登山靴で上るのは自殺行為に等しい。
そこで既設のこのトラロープにすがって登っていくのだが、万一、手が滑ったりしたらそのまま地面に激突する。
持参したスリングでハーネスをつくり身体にくくりつけ、別のスリングでハーネスとトラロープを結んで命綱とする。これで最悪の事態は避けられる(たぶん)。
あぁ、しかしこのトラロープも怖いね。角度のついた岩であれば補助的に使うだけだが、垂直の岩だとロープが切れないことに100パーセント賭けなければならないものな。

滝岩改め「赤岩」に関する過去記事
2015年11月24日
2015年11月17日
2015年11月12日


あと1メートル半、気を緩めるなよ!
赤岩はふたつの巨大な岩が直角に合わさっていて、左側には凹凸がないため手足を引っかけることができない。右足だけ岩の凹凸に引っかけてロープを握った両手で身体を移動していく。左脚は身体のバランスをとる役にしか立っていない。


ひぇ~~~!!
見上げるのと見下すのとではえらい違いだ。
登り終えて足が震えているのがわかった(^^)
岩の基部に着いてロープに手をかけるまでの心の準備に10分、登り始めてここまで10分かかった。
わずか8メートル上がるのに10分もかかるというは水平移動と垂直移動との違い。
でもいずれはここをロープを使わず、自分の手足だけで上りたいという大それたことを考えていないわけではない(笑)


上った後のご褒美はこれ。


「赤岩」を上りきると前方に大きな岩の塊が見えてくる。
細野ダムから始まる中尾根である。まずはあそこへ。


目の前が中尾根。
あ~、やはり地面はいい(^^)


地図のピーク496手前に1本の枯木がある。
特徴的な場所なのでここが中尾根に間違いないことがわかる。


尾根の右側に2本の大きな檜が寄り添うように並んでいる。
二枚岩の入口である。
ただし今日の進行方向だと檜は1本にしか見えないので要注意。


斜面に向かって直進(西)する道と斜面を巻くように右(北)へ行く道との分岐がある。
直進すると古賀志山から北へ延びる尾根道に突き当たり、右へ行くと途中で西へ向きを変えて沢に入り込む。
ピーク559へはここを直進した方がわかりやすい。が、へそ曲がりの管理人は巻道を行く。ピーク559を目指すのにその方が複雑で面白いからだ。


檜林から下ると沢と出合う。ここを559Pと書いてある方へ。


地形を地図と見比べながらガレた沢を上っていく。
ピーク559へは途中から右へ入る。たしか踏跡があったと思う。


無事にピーク559への道と合流。


ピーク559に到着。
丸太で組んだベンチがあり地元の人の憩いの場になっている。


ここからの眺めはよく、日光連山が一望できる。
画像はズームしたものだが男体山の裾野に冠雪した白根山が見える。雪が深くなる前に登っておきたいものだ。


ピーク559の少し先で古賀志山から北へ延びる道と合流する。
そのまま北へ向かっていくと道は大きな岩に阻まれる。


これがその岩。ロープがかかっている。
地元では弁天岩と呼ばれているがこの部分だけを指すのか岩全体を指すのか管理人にはわからない。


弁天岩のトップは遮るものがなにもなく、日光連山を見渡せる。
今日はここを昼食の場としよう。
この時期の日は短い。日没を避けるのはここを14時に出発して帰路につかなければならない。それまでの30分、この景色を噛みしめながら昼食にしたい。


弁天岩を降り、元来た道をピーク559に向かって進む。


中尾根の末端と合流する。
ここを左へ折れると中尾根を歩いて下山口の細野ダムまで行けるが最後は急な岩場を下ることになる。


今日は最後に古賀志山に立ち寄るので中尾根末端を左に見て直進し、伐採地→富士見峠という順路を辿る。ここは伐採地と呼ばれる開放的な場所。


育った檜を伐採した跡に幼樹が育つ。
幼樹の幹の先端が折られているのがわかる。
詳しいことは別の記事をお読みください→こちら


伐採地に立ち止まり、振り返るとここからも日光連山がよく見える。


富士見峠を通過。
道標を左に折れると北コースとなり芝山橋が下山口となる。
古賀志山へはここを直進する。


富士見峠から急斜面を登ると古賀志山と東陵見晴台との鞍部に出る。
古賀志山はここを右へ2分。


古賀志山山頂。
昼時は地元に人で賑わうがこの時間になると誰もいない。


先ほどの鞍部まで戻って次は東稜見晴台に立つ。
宇都宮市街が一望できるのと遠く筑波山まで見渡せるので人気の場所になっている。
今日はここから下山することにした。


東稜見晴台から下山するには岩を3つ降りるのと5つ降りるという、ふたつのルートがある。
後者は岩場をふたつ余計に経験できる東南稜コースだが、最後に森林公園の中を30分ほど歩かなくてはならない。
今日は欲張らず、岩を3つ降りる東稜コースで下る。って、どちらにしても所要時間に変わりはないのだが。


いい色に染まったアブラツツジ。


岩を3つ下ってからの東稜コースは長い尾根が芝山橋まで続くため、滑り止めにチェーンスパイクを装着した。


落ち葉が堆積し地面を覆い隠している。スリップしやすいのがこういったロケーションだ。こんな場面ではチェーンスパイクが活躍してくれる。


地元の人が反省岩と呼んでいる休憩スポット。
岩の上に乗ることもできるし巻くこともできる。


岩の上に乗ると北に位置する中尾根の全貌が見渡せる。


下山口の赤川に戻ってきた。今日はまだ明るいうちに下山できた(笑)
赤川の流れの方向に歩いて行くと芝山橋に行き着く。


コースのGPSデータをご入り用の方は
ここをクリックしてダウンロードしてください。
なお、危険箇所が多数ありますのでご利用にあたっては事故のないように十分、ご注意ください。

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