南会津・花三昧の旅、3日目は三ッ岩岳へ。広大なブナ林を楽しめたが霧に泣いた。

2017年8月3日

小豆温泉(7:00)~旧道分岐(9:10)~三岩小屋(11:02)~三岩岳(11:59)~三岩小屋(13:08)~旧道分岐(14:16)~小豆温泉(15:44)

3日目を迎えた。
今日、帰宅するが宿の窓から見上げる空は青い。
この二日間、天気に恵まれなかったので今日の青空は貴重だ。
山歩きで欲張るのはケガの元だがそこのところは慎重を期せばいいだろう。ぜひとも最後の一日を無駄にしないようにしたい。

さてどうしよう。
などとわざとらしいことは言わない。
行き先はすでに決めてある。「三ッ岩岳」だ。
登山口が日光へ向かう国道沿いにあって、帰宅日に登る山としてこれほど適している山はない。


昨晩お世話になった会津駒登山口にある民宿「こまどり」。
会津駒に登る登山者でほぼ満室だった。
お上とご主人に別れを告げてこれから三ッ岩岳へ。


三ッ岩岳の登山口となる小豆温泉スノーシェッド(斜面からの落雪が道路を塞がないようにするための開放式のトンネルのようなもので、国道にはいくつもある)の脇に車を駐めた。


登山口はスノーシェッドの出口(入口ともいう)にある。


気になったのはこの案内板だ。
なんとも気にかかる注意書きだ。
実は今日のルートを計画するにあたっては昭文社「山と高原地図」のエリア外なので、昨年発行されたヤマケイ「新・分県ガイド(改訂新版)」を参考にした。
それによるとここから歩き始めて沢をいくつか渡り、旧道と出合ったら山頂へ向かうとある。
どう見ても案内板の方が古いのでガイドブックにしたがってここから歩き始めることにしたのだ。


ガイドブックにしたがってスノーシェッドの上に乗り登山口を目指す。
貴重な体験をしているわけだが滑り落ちそうな傾斜なのでこわごわ歩く。


ガイドブックの通り、階段が見つかった。


おぉ、前途を象徴するかのようだ。
だが、これがガイドブックに紹介されている新道なのだ。自信を持って歩こう。


藪を抜けるとブナが待ち受けていた。


橙色のキノコ。
これはタマゴダケ、タマゴタケと濁らないのが正しいらしい。が開いたもので食用になるそうだ。


沢と出合った。
ガイドブックによるとここを渡渉するらしいが川幅が広く、ジャンプしなくてはならない。
地形的に助走ができないのでその場から飛ぶしかないが、大丈夫かなぁ。


短足ながらも向こう岸に飛び移ることができ、これで第一の難関はクリアしたことになる。
この後、どんな試練が待ち受けているのだろうか?
こんな藪なのかそれとも崩落地なのか?


ヨツバヒヨドリ


オカトラノオだろうねぇ、たぶん。


これが先ほどのタマゴタケが生まれてすぐの状態(?)
このトマトのような部分が開くと先ほどの画像のように普通のキノコの傘になる。
さらに驚くことにこのトマトは卵状の殻に包まれて地面から生えてくるのだ。それが名前の由来らしい。
あまりにも神秘的なので検索してみるとタマゴタケの生態を解明(笑)したウェブサイトが見つかったので紹介しておく→こちら


あまり楽しんでばかりもいられない。
このルートは昨年発行のガイドブックには紹介されているものの、初っぱなから藪を歩かせられたり渡渉を強いられたりと難易度が高いのだ。
この先、どんな難関が待ち受けているかわからない。心してかかろう。


名前のわからない花。


これはノリウツギ


ホツツジ
花がどんどん出てくるが、知ってる花ばかりなのであまり新鮮味は感じない。


藪から解放されてごく普通の道になった。


う~ん、オオバギボウシかなぁ?


遠目にマルバダケブキかと思ったが花の付き方と葉っぱの形が違う。
オタカラコウですね。


これはキンコウカ(金黄花)。
この二日間でよく見た花だ。


このルートには小さい沢が数本流れている。
沢と出合うたびに飲んだり手ぬぐいに水を含ませては汗を拭ったりした。


前述したガイドブックに「旧道分岐」と書かれた地点と交わった。
ガイドブックには管理人が歩いて来た道が現在使われていて、出合った道は旧道と書かれている。が、実際には違っている。
管理人が歩いた道は廃道寸前で、部分的に藪になっている。危険な箇所もあった。
登山口のスノーシューシェッドにある注意書きのほうが正しいようだ。


ここまで来るのに2時間を超えた。
三ッ岩岳までまだ3.3キロ、さらに2時間はかかりそうだ。なかなか手厳しい山である。


マイヅルソウが実になっている。


おっと、これは一体、、、だれかアクセサリーでも落としたのか?
白い球がふたつ並んで、まるで目玉のようだ。黒目が出目金(金魚の種類)のように飛び出している。
う~む、奇っ怪な!!
拾って災いを呼ぶのもいやなのでそっとしておこう。


ツルアリドオシ
なんとも地味~な花だ。蔓蟻通というのが和名だそうだ。


木々にシラビソ(オオシラビソ?)が目立つようになった。
地面はかなり水を含んでいる。


モミジカラマツ


日光でもよく見るギンリョウソウ。
種明かしをすると、先ほどの白い目玉はこれの実なのだ。
実も奇っ怪だが花も奇っ怪。


標高が上がったためか咲いてるマイヅルソウもあった。


シダ、苔の生えた倒木、コメツガにシラビソ。地面はジュクジュクし、靴が沈み込む。


予想外だがハクサンコザクラがあった。


イワイチョウも


そう、猫の額ほどだがここは湿原なのだ。名板は見あたらない。


足下にハクサンコザクラを見つけたのでしゃがんで撮る。


ツボスミレ


モミジカラマツ


道は窓明山へと分岐し、そこに避難小屋があった。
丸太を組んで造った立派な小屋だが内部はアルミの脚立が置かれていたりあちこちにロープがかかっていたりで決してきれいとは言えなかった。


アカモノ


ハナニガナ


この辺りから霧が立ちこめるようになり山頂からの眺めは期待できなくなった。


ミツバオウレン


あれが山頂かな?


イワカガミだが枯れ始めている。


ふう、ようやく山頂だ。
歩き始めて5時間近くかかった。
ガイドブックに記載されている標準時間は3時間55分になっているので1時間もオーバーしている。
花を撮る時間が長いとはいえ、1時間オーバーとはガイドブックとの乖離が甚だしい。
やはりガイドブックに紹介されている廃道寸前の道を歩いたのが大きな理由だろう。


山頂からの展望はいいと書かれているが濃い霧で望めない。
周りを見回す気持ちもなく、昼食に取りかかった。
自宅を立つ前の日にコンビニで菓子パンを調達したが日数も経過したので車に置いてきた。
代わりは民宿で作ってもらったオニギリ弁当だ。食欲をそそる。
山での食事として菓子パン以外は久しぶりだ。
海苔とシソに包まれたおにぎりが1ヶずつ、それに唐揚げ、味噌のシソ巻き、お新香、デザートがパックになっていた。美味しくいただいた。


上空を赤とんぼが飛び交っている。
よく見るととんぼに混じって大きな蝶もいる。
やがて笹の葉にとまり羽を広げた。
キアゲハだ。


タテヤマリンドウ(ではないかも?)


イワイチョウ


霧は湿原にも立ちこめるようになり朝とは違って幻想的な光景に変わった。


シナノキンバイ


この山のルートは全体的は樹林帯の中を歩くが、ほんの部分的に視界が開けることがあってホッとする。
ここから東に人工的に切り拓いた斜面が見える。
地図を広げて確認すると会津高原高畑スキー場らしい。


旧道分岐まで戻ったのでここからはガイドブックにある旧道すなわち、現在使われている道を歩くことにした。


旧道は広大なブナ林だった。
曇天ではあるが薄緑色のブナの葉のおかげで林内は明るい。


ハナホウキタケ


ホツツジ


車道が見えた。
これで8時間半にわたる山行が終わる。
3日間のうち、今日がもっとも疲れた。


現在利用されている登山道にはこのような案内板が。
平成7年国体の山岳縦走競技でどんな競技が行われたのかを調べたかったが、残念ながら詳しい情報は得られなかった。


登山口からスノーシェッドまで400メートルを重い足取りで歩く。