古賀志山の未踏ルート、「岩コース」という案内板を過信してしまった。

2015年8月19日(水)
古賀志山山域の鞍掛山。
鞍掛神社入口~分岐~奥の院~鞍掛山~鞍槍~猪倉峠~P431~長倉山~鞍掛神社入口

100本以上のルートがあるとされる古賀志山山域を歩き始めて5ヶ月になった。
この間、月に一度だったり毎週だったりとランダムではあるが、未踏ルート制覇を目標に足繁く古賀志山に通い、今日で14回目になった。とはいっても、14回すべて古賀志山山頂に立ったというわけではなく、古賀志山山域のどこかを歩いたという数え方をしている。

GPSのログを地図に投影し記録を重ねてみると古賀志山を中心に軌跡が縦横に延び、未踏ルートを歩き込んできたことがわかる。それらルートの存在は管理人が経営するペンションの常連客で宇都宮在住のOさんに教えていただいたり、古賀志山で出会った地元のハイカーから聞いて知り得たものである。

古賀志山を歩くとわかるが、国土地理院の地図に描かれた正規のルートから派生する道がたくさんあって、この道を行くとどこへ辿り着くのだろうか的な好奇心 というかロマンを満たしてくれるのが古賀志山のいいところだ。すべてを歩き尽くしたら次は、たくさんあるルートの中から季節や気分、体調でその日、もっと ふさわしいと思われるルートを選べばいい。
古賀志山山域の大外を歩くと20キロにもなるが、内側であれば5キロから10キロの範囲に収まるので日帰りで楽しむにはちょうどいい距離だ。その距離でさえ、ルートによっては鎖やロープを伝って岩を上り下りすることができるので物足りないということはない。

DSCF2631GPSの軌跡が表示されたPCモニタを見ながら、次はどこを歩こうかなと考えるのが古賀志山から帰ってきてからの管理人の楽しみなのだが、今回は4月に行ったときに気になった鞍掛山の「岩コース」を歩いてみることにした。距離にして300メートル強にしかならない未踏のルートだが、4月に見た案内板の「岩」、「鎖」という文字にたまらない魅力を感じた。
鎖やロープを伝って岩の上に立つ、危険ではあるがその快感がたまらない(^^)


DSCF2628鞍掛山へのルートは古賀志山の起点となる赤川ダムに車を置き、長倉山を経由するのが一般的であるがガイドブックに、長倉山を経ず鞍掛山登山口まで車で入れると書かれていたので今日はその通りにしてみた。
それにしても対向車が来たらアウトという狭い林道を走らなくてはならないので、次に行くときは車はいつもとおり赤川ダムに置くことにしよう。


DSCF2633車を置いた林道の分岐を右へ入ると間もなく、弐の鳥居という、石の大きな鳥居があるのでくぐって先へ進む。これが弐の鳥居とすれば壱の鳥居はどこに?


DSCF2636沢の流れに沿って上流へと向かう。


DSCF2642途中に鞍掛山神社への道標があるので道標が導く方を見ると小ぶりながら形のいい滝がある。
この滝のすぐ脇に洞窟があり、それが神社だ。


DSCF2644鳥居をくぐって15分ほどで分岐と出合う。
右は4月に歩いたので今日は左の岩コースと書かれた道を歩くことにした。
さてどんな厳しい岩が待ち構えていることやら。


DSCF2648傾斜はかなり厳しくなり息が上がってきたが肝心の岩がなかなか出てこない。


DSCF2649前方が開け、鞍掛山への道標が現れた。
結局、岩場ではなかったし岩を伝う鎖もない。
案内板のイラストにある「岩コース」、「鎖の急登」とはもしかすると上の写真のことなのだろうか。
そういえば鎖は急斜面に敷設されているし鎖の左には大きな岩があった。
だが、岩コースと呼ぶにはそれは違う。期待は外れた。


DSCF2653鎖の終わり部分に鞍掛神社の「奥の院」である、小さな祠が鎮座している。


DSCF2650奥の院から鞍掛山山頂へはわずか100メートル。
492メートルの丘のような山頂で、木が茂って見晴らしはない。といって適度な広さはあるので鬱陶しいというほどでもない。
今日で三度目の鞍掛山だが今回の未踏ルートつぶしはここでお終い(^^)。
さてこれからどこへ行こうかな?


DSCF2654鞍掛山から登山口まで下山するのに30分とかからない。といってこの近くには他の未踏ルートはないのでここから先は前に歩いたことのある鞍掛山縦走コースを歩くことにした。まずはシゲト山を目指して北西へ進む。
シゲト山は標高480メートルのピークだが地図には山名も標高も描かれていないのでこれが正式な名称なのかどうかもわからない。
一方、ここは「鞍槍」とも呼ばれているがその理由は南北に短く東西に長い裾野を持つことから、見る角度によっては槍のように尖っているから名がついたと思う。


DSCF0569鞍槍を真西から眺めるとこのように槍の穂先のように見える。右に見えるのが鞍掛山。
鞍掛山と鞍槍を結ぶルートはあの尖った穂先につけられている。
ただし、東西方向の裾野は緩いので山頂に立つのに厳しくはない(7月11日、鞍槍の1100メートル西から撮影)。


DSCF2655鞍槍から北面の展望は良く北に高原山(写真)、西には日光連山が見える(はず)。


DSCF2657ママコナ


DSCF2662オニヤンマが目の前にやってきてのでホバリング中を撮った。


DSCF2665鞍槍から南西へと進路が変わると、桧林の猪倉峠に出る。
ここから南へ下るルートもあるのだがそれはアスファルトの林道なので未踏には含めないでいる。


DSCF2669猪倉峠からピーク431を経てこの分岐に至るが、ここを道なりに進むと古賀志山へ向かう。
が、古賀志山へ行ってしまうと車の置き場所が遠くなってしまうので、ここを左に曲がって長倉山へ向かう。


DSCF2671分岐から長倉山へ至るルートも桧林だが伐採され展望のいい場所がある。切り株に腰を下ろして先ほど歩いた鞍掛山と鞍槍を眺めながら昼食とする。
展望はいいし他に誰もいない。この眺めを独り占めして40・50分はいただろうか。
至福のひととき。


DSCF2676昼寝でもしたくなるような眺めと天気だがそろそろ下山しなくては。


DSCF2677東南から南へとルートの変節点にこのようなものが。
刻まれた文字は古く風化して判別できないがかろうじて「牛」という字が見える。牛ねぇ、牛頭馬頭の「牛」であろうか?
ちなみにこの石の後は切り立った崖。


DSCF2679やがてアスファルトの林道に降りる。この林道を左へ行けば鞍掛山の登山口に至るのだが、林道歩きはつまらない。
予定通り、直進して長倉山経由で出発地点に戻ることにした。


DSCF2681緩やかな傾斜を登ると標高360メートルの長倉山である。桧に囲まれて展望はない。
ここを北に向かって登る尾根を下ると先ほど横切った林道と交わる。


DSCF2682最後の斜面から林道を見下ろす。林道の手前に沢が見える。


DSCF2684沢だ~、この流れを楽しみにしていたのだよ。
なにしろ全身汗びっしょりだから冷たい水で身体を拭いたかった。
手ぬぐいに水をたっぷり含ませて顔、手、首の汗をぬぐい取る。快感のひとこと。


DSCF2688沢と並行する林道を車置き場に向かって進むが、林道は他の沢からの水で洪水のようになっている。


mapGPSの記録によると全行程は6.5キロ、所要時間4時間50分。
今日は地図とコンパスを頻繁に使いながらなおかつ、休憩時間を多くとりながら歩いたので、実歩行は3時間半くらいだろうか。
鞍掛山に至るのに今日は岩コースを歩いたが、分岐を右へ進むと鞍掛山の東に大岩という好展望の場所があって面白い。