4回目の中禅寺湖一周は天気に恵まれ昨年のタイムを更新、これで女峰山も大丈夫かもしれないと気を良くしている管理人である。

2015年5月11日(月) 中禅寺湖一周(菖蒲ヶ浜~千手ヶ浜~歌ヶ浜~菖蒲ヶ浜)
天候:快晴、気温:5~20度

昨年11月からちょうど半年経ち、体力が維持できているかどうかを試すために一周26キロの中禅寺湖を歩いてみた。
湖に沿ったトレールなので標高差は数メートルしかないが、距離が長いのでそれなりの体力がないと歩けない。
昨年は3回目だったのだが7年ぶりに歩いたためか足が重くて苦労した。7年前と比べてあきらかな体力低下である。おまけに最後になって右足にマメを作ってしまい、ペースダウンを余儀なくされた。

今年はスノーシューツアーを40日おこない、春になってからは週一の山行で体力の向上に努めてきたのでその効果を確かめたかった。

最近の管理人は、低山を好んで良く歩くが、低山とはいえ重力に逆らって身体を上へと移動するため太腿の筋肉を使う。山に登るのだからその筋肉だけ鍛えればいいではないかと思われるが、管理人が好む低山歩きでもトレッキングの要素が大きい10キロ以上となれば登る下るという動作に加えて、前進に必要な筋力も求められる。
中禅寺湖一周はまさに、その長い距離からいって前進に必要な筋力を鍛えるにちょうどいいコースなのだ。

今月末に予定している女峰山は体力勝負である。山を上り下りする筋力と平地を長い距離歩ける筋力の両方が求められる。
霧降からのピストンは今月6日におこなったが、お客さんが希望している東照宮裏に抜けるコースだと山頂までが8キロ、山頂から下山口まで10キロ、標高差は登りが1140メートル、下りにいたっては1700メートルもある。男体山がいくら厳しいとはいっても標高差は1200メートルに過ぎない。相手が女だからと舐めてかかっては手ひどい仕打にあう。意中の人を口説き落とそうと思うなら心身ともにしっかり鍛えておかなければならないのだよ(^^)

日も迫っている。それまでに18キロを歩き抜く体力があるのかどうかを試してみよう、そのためにも中禅寺湖一周コースがいいのだ。
日光の山で人が大勢登るのは白根山と男体山くらいのもので、他の山は休日でも人が少ない。その山でなにか非常事態があったら為す術がない。携帯も通じないし人にも会わない。下山予定になっても帰ってこない、と家族から警察に通報がない限りその人は山中で心細い思いをしながら救出を待つしかない。

中禅寺湖は一周を遊歩道が取り巻いていて歩ける。それを便宜上、国道と並行する北岸そして車道も人家もない側を南岸と呼んでいる。北岸であればいざとなったら路線バスに乗れるが南岸はそうはいかない。したがって不退転の覚悟で臨む必要がある。最悪の事態に自分自身で備えなくてはいけない。それは山と同じ意味を持つ。

そんなわけで、台風6号が接近する今週は、天気のいい日は今日しかない。寄る年なみで睡眠時間がどんどん短くなっている管理人なのだが、なんとか4時間眠ることができた。朝飯も食べずに飛び出して、スタート地点となる龍頭滝へ向かって車を走らせた。

結果(GPSはiPhone7を使用した)
・歩行距離:25.6キロ(GPSログをカシミール3Dで処理した値)
・所要時間:7時間39分(写真撮影と休憩を含む)
・累積標高:1048メートル(アップダウンのうち、上昇分の累積)


中禅寺湖一周はこの後、6年ぶりとなる2021年6月にも行っているので興味のある方は参考にご覧ください。
→「遊歩道工事の前に急遽、中禅寺湖一周を敢行(靴壊れる)


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出発はここから。
龍頭滝に車を置いたら国道を横断して中禅寺湖へ向かう道を進むとこんな標識がある。
廃業した西武プリンスホテルのスキー場があったところだ。


IMG_2719いや、これはすごい。
バイケイソウの群落だ。


IMG_2720バイケイソウの群落を過ぎるとすぐに中禅寺湖遊歩道。
遊歩道といえば聞こえは良いが崖っぷちを歩いたり岩場を歩いたりもする。ときおり、滑落事故も起こるので甘く見ていけない。


IMG_2722ほう、大きな岩の隙間に育つトウゴクミツバツツジだ。盆栽のような風情を感じさせる。


IMG_2723まず最初に見る中禅寺湖の光景。
これから先、行く手には湖しかないので今から感動していては仕方がない。


IMG_2728トウゴクミツバツツジは全体的には咲き始めといった具合。


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高山へ分岐する熊窪。
右(北)へ進路を変えると高山山頂へ。あるいは、高山峠を経由して低公害バスが走る市道に出る。


IMG_2733熊窪の砂浜だが水の透明度はとても高い。


IMG_2738あと数日で咲こうと待ち構えているトウゴクミツバツツジ。まあ、他の木が咲いているのでじっくり待とうよ。


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クリンソウで有名な中禅寺湖西端の千手ヶ浜だ。クリンソウの季節になると徒歩やバス、遊覧船で来る人、人、人の洪水となる。
今や日光の大観光資源なのだがその季節は管理人にとって憂鬱だ。


IMG_2743花だけ見るとヒトリシズカだが葉っぱが違う。あとで調べてみるが群落だ。


IMG_2745乙二郎橋を渡って南岸へと移行する。


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湖をバックにミネザクラ(タカネザクラ)がいい感じ。


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南岸に入ってすぐ、黒檜岳への分岐。
黒檜岳へは2011年に行ったことがあるが展望がなかった印象を持つ。


IMG_2759アズマシャクナゲが咲いているが6月の花という印象があるので少し早すぎないか?


IMG_2768中禅寺湖の水面高は1260メートルだが周囲を取り巻く遊歩道は多少のアップダウンがある。こんな岩場もあって楽しめる。


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北岸に位置する男体山は中禅寺湖を歩いているとどこからでもよく見えるが、ここから見る男体山は大きすぎず、ちょうどいい。
とにかくデカイのだ。男体山ってのは。


IMG_2783アズマシャクナゲはかなり多く咲いていることがわかった。
身近では湯ノ湖周辺で見られるが南岸のも見事だ。


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梵字岩に到達。
梵字というくらいだから名前の由来は仏典と関連するのだろうか。


IMG_2797ボルダリングができそうな大きな岩の間をすり抜ける。


IMG_2801再び男体山。
男体山がたびたび登場するのは中禅寺湖を歩く限り避けられない。


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大日崎の突端にある石仏、大日如来像。背には炎を背負っているように見える。
遊歩道から一段下がった場所に男体山に向かって鎮座しているので、ここをなんの気なしに通過しようとすると見落としてしまう。


IMG_2822南岸は岩場も多いがこのような快適なトレイルもある。


IMG_2830中禅寺湖はほんの数メートルの浅瀬が急に落ち込んで、水深数十メートルにもなる。最深部は160メートもある。
この水の色の違いはそのためである。


IMG_2835歩道などと優しい名前が付けられているが、周回しようと思うと厳しいものだ。


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行程を半分過ぎると阿世潟に出、ここから社山への登山コースに分岐する。


IMG_2847地形図上では阿世潟から先は軽車両が通れる道の表示に変わる。


カエデの「ひこばえ」。


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半月峠へ分岐する狸(むじな)窪。


IMG_2858雪を冠した白根山が一望できる。あわよくば残雪のあるうちに登りたいのだが。


IMG_2860この辺りからアスファルト道路に変わってつまらないので花を観察することに。
これはニリンソウの一輪目が咲いているところ。二輪目は一輪の花柄の根元に蕾を付けている。


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栃木県が管理運営する旧イタリア大使館別荘。
はて、休業中? と思ったら月曜で休館だった。
最近、曜日の感覚が麻痺している管理人である。


IMG_2867旧イタリア大使館別荘の隣では同じく栃木県が買い取ったイギリス大使館別荘を一般に開放すべく、改築中である。


IMG_2868どこにでもあるタチツボスミレ。


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板東十八番礼所の中禅寺。


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男体山の登り口となる二荒山神社。
中禅寺からは土産物店や飲食店、民宿が建ち並ぶ道を通過するがやはり車道歩きは疲れる。
ここまで30分もかかった。


IMG_2878再び遊歩道に入るとすぐにリンドウが目に飛び込んできた。可愛いねぇ。


IMG_2881車道と並行する北岸の遊歩道だが南岸が静かなのに対して、北岸は脇を通る車の音がうるさく感じる。


IMG_2894ひぇ~、驚いた。キビタキちゃんだ。
この写真は32倍のデジタルズームだが10数枚撮ってまともなのはこれ1枚。
といって光学の高倍率はでかくて重くて登山には不向きだから、デジタルズームを使わざるを得ない。


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ボートハウス前を通過。


IMG_2901ゴールに近づくと車道歩きを余儀なくされる。


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龍頭滝に帰ってきた。
スタートして7時間39分、歩いた時間は6時間14分なので昨年11月を30分ほど短縮している。上出来であろう。


中禅寺湖を一周するのはこれで4回目だが、まともに歩けたのは2007年と今回の2回だけ。
初回の2006年は立木観音辺りで突然、激しい股関節痛で足が動かず、足を引きずるようにして龍頭滝までたどり着いた。辛かった。
それが悔しくて翌年2007年5月には筋トレを入念におこなうとともに荷物の軽量化に努めたのがよかったのか、前回のタイムを1時間50分も短縮することができた。管理人の体力と脚力はピークに達し、怖いもの知らずで山行を繰り返していたのもこの時期である。

その後、調子に乗りすぎて相次ぐケガを経験。山行は中断を余儀なくされ、3回目は7年後の2014年11月となった。この年になってようやく山行が再開でき、かなり数を踏んだにもかかわらずタイムは2007年に及びもつかず、加齢による体力の低下を嫌というほど思い知らされた。その上、右足にマメを作ってしまい、このときはかかとで歩いて帰ってきた。
そして半年後となる今年は山行数をさらに増やし、今日、通算4回目の中禅寺湖一周となった次第だ。タイムは昨年より30分短縮できたので、加齢に逆らって若干ではあるが体力が向上していることを実感できた。

お客さんとの女峰山山行を目前に控え、クリアすべき課題はまだある。今日の中禅寺湖一周もだが、高度を経験するためには白根山にも登りたい。でも本業が忙しくなってきたし、無理だろうなぁ~。


地図の向きの通り、上側のコースを北岸。下側のコースを南岸と呼んでいる。
北岸は中禅寺湖東端の二荒山神社大鳥居から菖蒲ヶ浜まで路線バスが運行しているので疲れたら乗ればいい。
西端の千手ヶ浜からは低公害バスが運行していて国道の赤沼まで行ける。
ポイントは南岸を何ごともなく歩けるかどうかにかかっている。
人家はないし車は通行できないのでなにかあったら頼りになるのは携帯電話だけ。
クマの生息エリアも南岸である。

赤いラインはGPSが記録したログを地図上に表示させたもので、この作業はPCソフト「カシミール3D」がやってくれる。