2025年11月4日(火) 晴れ/我慢できる寒さ
管理人が通常の山行の他に、7月の誕生月以後、必須と決めているルーティンが年内に3つあり、9月2日にそのひとつ、女峰山(帝釈山で折り返し)を終えたわけだが、疲労感から腑抜けのようになり、もう老体を酷使するのはやめて、日々猫と一緒に寝て暮らそうかなどと思うようになった。
それほど女峰山は辛く苦しい山行になったわけだが、思い起こせば昨年から今年にかけて山行回数が減って、身体に負荷をかけることが少なくなった。
悪いことに能登半島でのボランティア活動中にやったギックリ腰の治りが遅く、今年になってもまだ尾を引いているような不健康な状態だ。
今年の女峰山は例年になく厳しく感じた。
行程表を振り返ると、前回(2023年)に比べて各区間ごとの所要時間が長くなっている。
精いっぱい歩いているつもりでも、歩く速度が遅くなっていることが結果に表れている。
山行を終えた次の日になっても疲れが取れないし、疲れは数日続く。
昨年から今年にかけての山行回数の減少が体力の低下を招いているという理由があるのかもしれないが、それよりも加齢が原因で体力の低下が進行していることを事実として理解しなくてはならないと思うようになった。
体力の限界に挑む気力が薄れているのも加齢によるものであろう。
そんなことを考えていると、冒頭に書いたように、猫と一緒の暮らしの方が気楽だし、疲れることもない、そんな気持ちになってくる。
年間3ルーティンのうち、散々な目に遭ったが女峰山はなんとか終わった。
残るふたつのうち、急ぐべきは中禅寺湖1周である。
本格的な寒さが訪れる前にやっておきたい。
雪が積もる前にやっておきたい。
そんなわけで、紅葉見学で渋滞が避けられない、その真っ只中へ飛び込んでいこうとしているわけだが、渋滞を避けるためにはどんな工夫をすべきか、体力のことよりも管理人の頭は前日までそのことしか考えられなかった。
メモ(T-REXで記録した)
・歩行距離:25.0キロ(GPSログをカシミール3Dで処理した値)
・所要時間:7時間35分(写真撮影と休憩を含む)
・累積標高:1060メートル(アップダウンのうち、上昇分の累積)
行程表
06:53竜頭之茶屋~07:00遊歩道入口~07:23赤岩~07:48熊窪(ウエア上2枚脱ぐ)~08:02千手ケ浜(雨具のパンツ脱ぐ)~08:25黒檜岳登山口~08:35俵石~09:09梵字岩~09:26白岩~10:20松ヶ崎~10:42大日崎~11:28阿世潟~湖岸で10分休憩~11:56狸窪~12:13伊大使館別荘記念公園(昼食15分)~12:56立木観音(トイレと休憩10分)~13:10大鳥居~13:31西六番~14:04西十三番(休憩10分)~14:35竜頭之茶屋
自宅から中禅寺湖周回の起点となる竜頭滝へは、通常40分で行ける。
しかし、出発が遅く渋滞にはまると3時間かかるのが普通である。
紅葉時期の渋滞は3時間が普通、とまさに日光は連日、異常なほどの渋滞が続いている。
今日自宅を出発したのは5時半を回ったころ。
渋滞はまだなく、ごく普通の所要時間で竜頭滝に着いた。
7時に遊歩道を歩き始められるよう、時間を調整し、駐車場を出発した。
中禅寺湖に向かって国道を横断すると、遊歩道入口がある。
ここを起点にして左回りに中禅寺湖を周回するのをこれまで数回おこなってきた。
所要時間の目標は休憩時間を含んで7時間を切ること。
一昨年は6時間30分、その前の年は6時間47分で1周した。
遊歩道は山の斜面を横切るように南下していく。
ここはミズナラが多いが、新緑は遅く黄葉は早いのが特徴で、今まさに終わろうとしている。
10分ほど歩くと岩の上に乗る。
見渡すと西にこれから行く千手ヶ浜が見える。
赤岩滝の階段を登るとそこは展望台になっていて、中禅寺湖を南北に切った、東半分がよく見える。
湖畔を歩くと言っても遊歩道は湖畔から数メートル乃至、10数メートルの高さにあり、湖を見下ろすように歩いて行く。
高山への入口、熊窪。
ここを右へ、山へ入って行くと高山峠を経て高山に登れる。
気温は低いが日差しを全身に受け、汗ばんできた。
ここで5枚重ね着している、上1枚を脱ぐことにした。
備忘録のために書いておくと、上半身はメリノの長袖アンダー→薄手のハーフジップ→パタゴニアのフーディ→モンベルの薄手のダウン→モンベルのウインドシェルという5枚構成。
脱いだのはダウンのみ。
下は厚手のTRIMTEX、その上にモンベルの雨具といった構成。
赤沼から出ている低公害バスの終点、千手ヶ浜へは1時間2分とほぼいつものペースで歩くことができた。
東西に長い中禅寺湖のここは西端に当たり、6月のクリンソウで有名な地だが、見るべきものがないこの時期は閑散、というより無人だった。
ここでズボンの上に履いていた雨具を脱いだ。
いよいよ無人地帯、南岸に入る。
人家もなければ車道もない。
歩く人も少ない、というよりほぼいない。
遊歩道は社山や黒檜岳だけといった山の連なりの麓を歩くが、山に遮られて日差しが届かないため気温が低い。
ここから似たような画像を続けて3枚掲載しておく。
千手ヶ浜から数えて1本目の真新しい標識。
前の画像の位置から22分、1キロメートル進んだ地点にある標識。
表示は千手ヶ浜から2.1キロとなっているが、阿世潟への距離を示す数字は8.6キロメートルのまま変っていない。
次は前の標識から100メートル先にあるが、阿世潟への距離が一気に7.5キロメートルに変わった。
要は2本目の標識に書かれている阿世潟への距離がおかしいわけで、山ではこういう間違いをときおり見ることがある。
登山者にわかってもらうために設置した標識のはずだが、設置主体の行政と工事を請け負った会社との意思疎通がうまくいっていないのが原因、と昔こういう間違いは絶対にしてはならない仕事に携わっていた管理人には気になるところだ。
責任の所在がハッキリしない行政のやることだから通用するのであろう。
こんな例もある→太平山山域・青入山における標識設置ミス(11:09の画像)
南岸には地理院地図に描かれていないが、中禅寺湖に注ぐ沢が数本ある。
黒檜岳から社山を経て半月山に続いている長い稜線は、いくつもの尾根と沢が湖に接していて、そのうちの数本の沢は水が流れて中禅寺湖に注いでいる。
中禅寺湖を取り巻く路は遊歩道とはいえ、全区間にわたって湖と同じ標高というわけではなく、湖から10数メートル上は、遊歩道というよりはむしろ登山道と言い表したほうがいいくらいだ。
日差しのない南岸は葉が落ちるのも早く、それが地面一面に広がって遊歩道を隠している。
遊歩道は湖に沿っているので湖が見える部分を歩いていれば迷うことはないが、堆積した枯れ葉の下には折れた枝や石ころ、木の根が隠れているので注意が必要。
斜面に塩ビのパイプを埋め込んで、伏流水を引き込んでいる。
真夏であればそろそろ水を入れたボトルが空になる頃、ここで給水するのもいいかもしれない。
黒檜岳の登山口からここまで、湖を東へ向かって歩いて来たが、ここから方角を南へ変えて阿世潟へ向かう。
このすぐ先の湖側に石像が安置されている。
記憶では火炎を背にした大日如来だっと思う。
斜面が遠ざかると日差しが届くようになった。
斜面直下の薄暗い湯歩道を歩いてきたので、これほど天気がいいとは気がつかなかったというのがオーバーではない言い方であろう。
社山の登山口、阿世潟に到着。
歩き始めてここまで14キロ。
残すところあと10キロになった。
休憩は熊窪でウエアを脱いだときと千手ヶ浜で雨具のパンツを脱いだときの2回、そして写真を1枚撮る10数秒のみ。
実はここまで来るのに、管理人の身体に異変が生じていた。
骨盤の外側の筋肉、大腿筋膜張筋に痛みを感じるようになった。
大腿筋膜張筋は太ももを上げたり、前に出したりするときに使われる筋肉で、日頃から使っていないと弱ってくる。
それを今日、ここまで来る間にたっぷり使った。
この日を目標に、自宅でスクワット他、下半身を強化するための筋トレはしてきたが、大腿筋膜張筋を鍛える有効な種目が思いつかず、家トレでの盲点になっていたのである。
山歩きに勝る山歩きのためのトレーニングはないを持論としている、その実践がこのところまったくできていないのが原因であると思っている。
ちなみに、千手ヶ浜からここまで約10キロの区間ですれ違ったハイカーは男性2人組、ソロの女性、ソロの男性、ソロの女性の計5人と、いつになく多かった。
阿世潟から先、国道に出るまで、アスファルトの林道歩きを強いられる。
これまで枯れ葉が積もってフカフカの遊歩道を歩いてきただけに、固い地面を歩くのは筋肉の疲労を加速させる。
阿世潟を過ぎると遊歩道の脇に男体山を一望できる砂浜が広がる。
ここにベンチでもあれば腰をかけ、この景色をずっと眺めていたい気持ちになれるのだが。
広葉樹の紅葉・黄葉を上に観ながら歩いて行くが、ここにカエデやツツジがあったらどれほどきれいだろうかと想像する。
アスファルト歩きで加速した大腿筋膜張筋の痛みはピークに達している。
どこかで休もう、その一心でここを目指した。
5分でも10分でもいい、休憩しよう。
そうしなくては25キロの完歩は困難だ。
いやはや、前回も前々回も、こんな情けない気持ちになることなどなかったのに。
昔、イタリア大使館の別荘として使われていて、それを栃木県が買い取って公園にしたが、敷地は広く、敷地のどこからでもうっとりするほどの景色を観ることができる。
公園で休憩がてら、持参したホットサンドを味わうようにして食べ、20分後に重い腰を上げた。
ちなみに、イタリア大使館別荘のすぐ隣がイギリス大使館別荘で、そこも栃木県が買い取って一般に公開している。
立木観音近くのベルギー大使館別荘とフランス大使館別荘は現存している。
国道と交わると、そこにここから先は二荒山神社の神域であることを示す大鳥居が建っている。
中禅寺湖北岸の遊歩道はここから始まる。
国道と歩道、並木とその左が広いテラス状の遊歩道。
ここは路線バスが通行するだけにさすがに人が多い。
中には日本人もいるのだろうが、言語や顔立から察するに、9割はインバウンドだ。
円高に逆転し、インバウンドがいなくなったらここはどうなってしまうのだろう、とレジャー業に身を置き、地理的条件ゆえに対象となる客は日本人だけに限定している管理人は余計な心配をしてしまう。
北岸の遊歩道は国道の少し下に敷設されていて、車の通行を気にすることなく歩ける。
ここは外交官の別荘跡、西六番と呼ばれている。
広葉樹の間を歩いていく。
国道から一段下がった遊歩道は車の音がまったく気にならない。
これほど素晴らしい場所が我が家のすぐ近くにあれば毎日でも散歩したいところだ。
大腿筋膜張筋の痛みに耐え、足を引きずりながら車を置いた竜頭滝の駐車場まで戻ることができた。
辛かったが、やることをやったという気持ちだ。
女峰山も疲れて辛かったが、今日は筋肉痛を伴う疲れだ。
実践の少なさが筋肉痛につながったのが明かなだけに、筋トレも不可欠だが、「山歩きに勝る山歩きのためのトレーニングはない」、「山の体力は山で鍛える」、という持論が不発に終わったことを身をもって体験した次第だ。
さて、問題はこれからだ。
日光駅へ向かう道は1本のみで迂回路はない。
いや、なくはない。
光徳から山王林道を走って川俣へ抜け、そこから鬼怒川方面に向きを変えて途中、霧降高原道路に入る、ホチキスの針のような形の道を走って帰るのだ。
距離は3倍と長くなるためそれなりの時間がかかるから気持ちが乗らない。
といってこんなに大混雑している場所で国道の渋滞が収まるのを待つわけにはいかない。
とりあえず静かな場所に移動して待機しよう。
と選んだ先は光徳である。
観光スポットではないことから人が集中せず、静かだ。
4時半まで待機し、それから日光駅に向かって走ろう。
ということで走り出したものの、いろは坂の入口に差しかかるとそこから先、まったく動いている様子がない。
いろは坂に入ってしまうとUターンできないため、脇道に入って渋滞とは反対の道路を進み、二荒山神社の駐車場に駐めて待機。
陽が完全に落ち、車の音が聞こえなくなった6時半に走り出した。
自宅へは7時に着いた。







