日光最大の滝、雲竜瀑へ。

Exif_JPEG_PICTURE冬はクライミングのメッカとしてその存在が知られクライマーや氷の造形美を楽しむ人が訪れるとしても、雪のない時期に訪れるのはよほど強い動機をもった人の他にはいない。

大きさでいえば落差170メートルだから日光に48もあるとされる滝の中では最大だ。私は7・8年前に一度、滝を見るのとは別の目的で渓谷の南側の切り立った崖の上から細い糸のように流れ落ちる雲竜瀑を見たことがあるが、以来、特に訪れることもなかった。

それは滝にたどり着くまでのアプローチの悪さが足を遠ざけているからで、車でもっと近くまで行けるのなら動機がなくても訪れていることと思う。

山の中だったら5・6時間歩いても景色の変化が楽しめるし咲いている花を楽しめるから平気だけれど、何の変化もないアスファルトの林道を2時間も歩くのは苦痛でしかない。

それが今年になって3度も足を運んだのには強い動機があったからで、1度目は予定しているガイドのための下見に、2度目と3度目はお客様をガイドしてという具合だ。

以前の経験から林道を重くて堅い登山靴で歩くのは苦痛でしかないことを学んでいるので、疲れを軽減するためにこの3度の訪問は普段ウォーキングで使っているトレールランニングの靴にした。

それと林道から外れて滝の直下まで行くには川の中を歩かなくてはならないので長靴を持参する。長靴といってもデパートやホームセンターで売っているような、いわゆる雨靴、ゴム長といわれる長靴ではなく農作業用の長靴だ。

普通の長靴は足のサイズをぴったり合わせても脱着が楽なように踵から膝までは脚の太さに比べてかなり余裕があるためとても歩きづらい。
その点、農作業用の長靴は畑や田んぼなど地面が不安定なところが主な活躍の場となるため、足を動かしやすいよう生地が薄くて柔らかく、つま先から膝まで足に密着するためとても動きやすいのが特徴である。

ただし、足に密着するため動くと汗をかくし、そうなると密着度合いはさらに増して脱ぐのが困難になるのも特徴だ。私など川から上がっていざ脱ごうとして10分ほど格闘したことがあるから頻繁に脱着を繰り返す用途には勧めない(普通は農作業以外にはあまり使われないだろうけれど)。

 

Exif_JPEG_PICTURE持参した農作業用の長靴。ザック右側には登山靴も。

Exif_JPEG_PICTURE長い林道の往復には登山靴ではなくスニーカータイプの靴だと疲れない。

Exif_JPEG_PICTURE「暴れ川」の異名のある稲荷川には砂防堰堤がいくつもあり、中には明治時代に造られたものまで。
ここは現在、工事中の日向ダム。

Exif_JPEG_PICTURE林道は全行程アスファルト。
登山靴で歩くには厳しい。

Exif_JPEG_PICTURE長い林道歩きがようやく終わり、雲竜瀑への標識が見えた。

Exif_JPEG_PICTURE標識のすぐ先に沢に降りる立派な階段がある。

Exif_JPEG_PICTURE階段を下りるとこのような流れが待っている。
渡渉するにも河原がないので必然的に流れの中を歩くことになる。

Exif_JPEG_PICTURE川に入る前に長靴に履き替える。

農作業用の長靴は足にぴったりフィットするので空気が入らず、とても歩きやすい。

Exif_JPEG_PICTUREこんなところも通過する。これが「友知らず」だろうか?

Exif_JPEG_PICTUREおぉ、雲竜瀑が見えてきたぞ。

Exif_JPEG_PICTURE雲竜瀑の真下に到着。
その大きさに圧倒され声も出ない。
霧が出ると滝の上部が見えなくなるほどの大きさである。
これを見て龍が雲に登る姿を想像し、雲竜瀑の名がついたのでしょう。

Exif_JPEG_PICTUREその名の通り、河原に咲くカワラナデシコ。

Exif_JPEG_PICTURE階段まで戻って長い林道歩きで帰路についた。