来冬向けの設定であったが待ちきれず、早くも「おとぎの森コース」のツアーをやってみた(^^)

2015年3月21日(土) おとぎの森コース(光徳~旧山王峠)

来冬のためにと18日に実踏したルート、「おとぎの森コース」の正式なツアーを、来冬を待たずにおこなった。
気温の上昇に伴い雪が緩みまとまった雪が降らない限り雪質の向上は望めないので、今冬のスノーシューツアーは今日が最後と考え、参加者の反応を見ながら来冬への課題を抽出することを目的にしたツアーである。

雪の質は非常に悪い。積雪量こそまだ50センチから深いところで1メートル近くあるものの、春特有の暖かな日差しにあたった雪は溶けて多量の水を含みぐずぐずの状態で、陽のあたらない場所でもそれまでの雪質とは明らかに違っている。それでも、靴のままで歩こうとすれば膝下まで潜ってしまうからスノーシューは必須であるが、歩くとキュッキュッという音のする新雪からはほど遠く、こればかりは管理人にはどうすることもできない。

今日のお客さまは都内にお住まいのKさんご夫妻である。予約を受けた時点で雪質の劣化は免れないことを伝えてあったが、まさにその通りとなった。だが、こんな悪い状況にもかかわらず楽しんでいただけたのは行程中そして、昼食時の会話でKさんは今回で4回目のスノーシュー経験ということに理由があるようだった。これまで3回、他のツアーに参加したそうだが平坦ばかりだったり下りばかりだったり、バスの団体ツアーだったりと、必ずしもKさんのニーズを満たしてはくれなかったことが察せられる。
もっと早く管理人が主催するツアーの存在に気づいてくれていれば、存分に楽しんでもらえるコースをご案内したのにと残念な思いだが、来シーズンに期待していただくことにした。

“おとぎの森コース”などと命名者自身、気恥ずかしい思いをするが、いつもながらに管理人の突然のひらめきというか、いい加減さなのだがコース名とは裏腹に、標高差は300メートルもあるし距離は6.5キロあるからそれなりの脚力が必要だ。スノーシューの経験者にもふだんから山を歩いている人にも、充分に満足してもらえるコースであると思っている。

自然環境といった観点で書けば、このコースの際立つ良さは植生が変化に富んでいることがいえる。
広大なミズナラ林を抜けるとウラジロモミとコメツガの林に入り次に、開放的なカラマツの林。最後に再び針葉樹の林だ。それらに混じって推定樹齢200年ほどのブナが2本、ダケカンバやウリハダカエデといった広葉樹も多い。それらの織りなす自然の美しさがなんとも言えない魅力を創出している。片道3キロほどの行程でこれほどの植生の変化が見られるのは日光では珍しく、それゆえに現実離れしている意味で、“おとぎの森”と名付けた次第だ。管理人が乙女ティックだったりロマンティストなわけでは、決してないww
Kさんご夫妻は自然がお好きなようでにわか仕込みの管理人の話に耳を傾けてくれていたが、管理人の下手な解説なしでもここの自然には誰もが魅了されるはずだ。

IMG_0543急傾斜の尾根を登らなくてすむ巻き道の存在に気づいたのは12日であったが、これによって登りはずいぶん楽になった。
もちろん、参加者の脚力次第では急な尾根を登るのもいい。

IMG_0547行程中、このカーブミラーを4箇所通過するが、その場所、地形もほぼ覚えることができた。

IMG_0548ツアーでお客さまに喜んでいただくポイントは、ガイド自らがこのような現象に至る想像力を働かせることだ。

IMG_0549正面に山王帽子山が見えてきた。12日はあの中腹、なだらかな斜面の直前まで登って撤退した。
それにしても3月下旬とは思えない澄んだ空気。空が真っ青だ。

IMG_0551東を見ると雲の下に日光連山のひとつ、大真名子山が見える。
じつはこの日、日光連山を境にして東は曇り、西は晴天と明暗を分けた。
太平洋からの湿った空気は標高2千メートルの山が連なる日光連山を越えることができず、連山の手前で上昇気流となって雲を作るが、山の西側は晴れることが多い。今日はその典型であろう。

IMG_0553今日の目的地、旧山王峠に着いた。
国土地理院の地図からも消えているし雪のない時期は笹で隠れてしまうのでおそらく見つからないはずだ。

IMG_0554ランチの前に記念写真を撮らせていただいた。
昔はこの道標から北へ、涸沼に下りるルートがあったのだろうと推測する。

IMG_0557
帰路、シカの足跡とともに雪が30センチほど深くえぐられたところが数カ所あったのが気になって、詳しく観察した。

IMG_0560脚で雪をえぐり埋もれていた笹を食った跡であった。この時期、シカにとってはふだん食っている餌が雪の下に埋もれてしまっているために脚で笹をかきだす作業を本能的に身につけているのであろう。
が、
日光にシカが増えすぎたのは近年、雪の量が少なくなり、真冬でもこのように餌にありつけることが挙げられる。シカの生息数を一定に保つのに雪が重要な役割を果たしていることがわかる。

IMG_056618日に発見したブナであるが、今日、この手前にもう1本の巨木があるのを見つけたのは収穫であった。

IMG_0570これはウリハダカエデ。
樹皮が緑の縞模様をしていてそれが瓜の肌に似ていることから付けられた名前であるが、紅葉する木として知られている。

IMG_0573往きに巻き道を通ったが帰りは尾根を下ってみた。

IMG_0575往きと帰りの踏み跡を対比してみた。
右は往きの踏み跡。ほとんど潜っていない。
左は帰りの踏み跡だが5センチほど潜っている。
今日の気温はプラス5度と暖かく、わずか数時間で雪が緩んだものとわかる。
来週はより気温が上がりそうなので雪の劣化は加速するであろう。
今シーズンのスノーシューツアーはこれで最後にしよう。

 

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