古賀志山で見る花たち(2019/03/27)

古賀志山は岩場が多くて危険というイメージがある一方で、春から夏は麓から山頂までいろんな花が咲く、花の宝庫でもある。それは古賀志山に咲く花だけを紹介する書籍があることでもわかる。

2015-09-13 20.32.06本の著者は宇都宮市に住むご夫婦で、95年から古賀志山を歩き始めたとプロフィールにあるから、古賀志山4年生の管理人とは年期が違う。古賀志山を隅から隅まで歩き、どこにどんな花が咲いているかを知り尽くしているのであろう。
発行元は地元の日刊紙を発行する下野新聞社で、239種が写真付きで紹介されていて定価は1000円+税。

但し、この本は図鑑とは違うから花の特徴には一切、触れていない。
花を見つけたらこの本でおおよその見当をつけ、帰宅したら図鑑やネットでさらに詳しく調べるという使い方が合っている。
それと、紹介されている花が古賀志山のどのへんで咲いているのかが書かれていない。古賀志山山域はそれほど広くはないが、それでも4.5キロ四方あるから咲いている場所が書かれていないというのは探すのにそれなりの努力を必要とする。
場所が書かれていない理由として推測だがいくつか挙げてみた。
1.古賀志山山域ならどこででも見られる。
2.場所は自分で探しなさい。その方が楽しいでしょという出版社の編集方針。
3.古賀志山は100以上の地図にないルートがあるので場所など説明できない。
4.場所を特定すると多くの人が訪れて踏み荒らされたり盗掘される。

花を愛するハイカーの気持ちとしては上記4の理由が妥当だろう。もっともだと思う。
それだけに、この本に紹介されている花を見たいという人はバリエーションルートやときには藪こぎをしてまで、古賀志山をあてどなく歩き回るという積極的な姿勢が求められる(笑)。いや、笑い事ではないな。それは岩をよじ登ったり崖っぷちを歩いたりするので危険だもの。
管理人の経験では古賀志山で出会う地元の人に丁重に尋ねることで教えてもらえることが少なくなかった。

以上の前書きは年に一度、最初の花廻りのときに掲載しています(内容は毎年同じ)。


2019年3月27日(水) 晴れ

今日見た花
シュンラン、キクザキイチゲ、カタクリ、タチツボスミレ、エイザンスミレ、ショウジョウバカマ、アカヤシオ、ヤマツツジ

古賀志山の登山口となる宇都宮市森林公園駐車場は平日にもかかわらず8割方、ハイカーの車で占められている。多くは地元の古賀志山愛好家だ。
この駐車場は中央に見える電柱を境にして、道路側には昼夜停めておくことができるが柵内は時間の制約がある。時間外はゲートが閉められるので下山が遅くなるとわかっている場合は道路側に停めるのが無難。


駐車場脇から北に上る道路に沿って歩いていくと灌漑用の赤川ダムある。
古賀志山のスタンダードな登山口は赤川ダムよりさらに北にある。
今日、管理人はこの位置から右へ入っていった。


今日のルートの入口。
スタンダードなルートに比べて登山者はほとんどいない。


シュンランが見つかった。


ローアングルで。


明るい林間


花を探しながらのんびり歩いていくと356メートルのピークに到着。
地理院地図には山名もピーク記号も描かれていない。


356ピークから降りると小さな沢の流れがあり、そこにキクザキイチゲがある。
6株しかないが毎年同じ場所で咲いてくれる。


近くのミズナラの下には落ちたドングリが芽を出そうとしている。


スミレ登場!
これはごく一般的なタチツボスミレ


こちらはエイザンスミレ。
管理人の地元、日光ではあまり見ることがないが古賀志山にはたくさん分布している。


今日の管理人のお目当てがこれ、ショウジョウバカマ。
同じく日光ではキスゲ平でしか見ることができないが古賀志山にもある。


群落を形成するには至らないものの30株くらい点在していただろうか。
この先へ行くと100株くらいの群落がある。


群落場所に向かって歩いているとなにやら不吉な雰囲気が、、、
この桧林の斜面に群落しているのだが伐採によって斜面がずいぶん荒れているではないか。


前に来たときの記録によるとちょうどこの斜面だった。群落は。
林もなくなっているし斜面は無残にも削り取られている。
ショウジョウバカマ全滅。


気を取り直して腹を満たすことにした。
古賀志山は遅い時間に歩き始めても明るいうちに帰ることができるから、他の山と違って総菜パンを立ち食いしてすぐに下山ということをしなくても済むのがいい。


フライパンで少量の湯を沸かして早茹でパスタを投入。湯がなくなるまで茹でるとちょうど良い歯ごたえに茹で上がる。そこへバジルソースを入れれば出来上がり。


同じ道で帰るのも脳がないので大岩(鞍掛山手前の470ピーク)へ向かう。


悲鳴を上げるほどの急斜面。35度くらいはあるだろうか?


大岩から古賀志山を眺める。
今日は古賀志山へは登らない。


大岩からの下山で遠くにアカヤシオを見つけた。
急斜面なので近づくことは困難。ズームで撮った。


これはヤマツツジ。
古賀志山山域は面白い山で、アカヤシオにトウゴクミツバツツジ、ヤマツツジ、ヒカゲツツジなど本来、咲く時期が微妙にずれているツツジ類がすべて同時に見られることがある。


岩の窪みにある双神体。
頭や腕などが欠損していて見る影もないがこれは江戸末期から明治期の廃仏毀釈によって破壊されたものと聞く(定かではないが)。


もう一度エイザンスミレ


赤川ダム上流にある細野ダム


駐車場手前の赤川ダム。
ここは桜並木になっていて、大きな枝垂れ桜もある。


蕾はまだ固そう。
開花は4月になってからだろうか?