2014年12月8日(月)
指定廃棄物最終処分場の候補地を視察する機会があったので行ってきた。
場所は栃木県塩谷郡塩谷町寺島入にあり、ほとんど無名の地域だが全国名水百選として有名な尚仁沢湧水と4キロしか離れていない。
同時にこれは大変な驚きなのだが候補地から北北西に1キロも行くと日光市に入る。
尚仁沢湧水の清冽な流れは景観として素晴らしい上に訪れた人には飲み水としても人気がある。候補地内を流れる西荒川も尚仁沢と同じように清流であり、その流れは美しい。
しかし、ここへの道のりがあまりにも厳しいため尚仁沢ほどの人気スポットにならなかっただけで、景観の美しさも水の清さも尚仁沢と同じと思って差し支えない。
国はここを指定廃棄物の最終処分場(現在はその候補地)にするというのだから無茶な話である。
辺鄙な国有林であり観光客もハイカーも訪れることがないからそこを利用しようという発想だと思うが、流れこそ異なるものの環境省が指定した全国名水百選と隣り合わせになっている川なのである。
ちなみに指定廃棄物とは福島第一原発事故で発生した放射能を含む廃棄物のうち、放射能濃度8000ベクレル/Kgを超えるものと定義されている。
地元では盛んに反対運動が展開されているがそれは当然であろう。
管理人が住むエリアの水源に処分場を作られるようなものであり、いくら国が安全だと言っても完璧な安全などあり得ないことは福島第一原発の事故が証明している。
2.5万地図で見ると候補地と日光市とは1キロしか離れていない。
集合場所となった塩谷町役場からは高原山(西平岳、中岳、釈迦ヶ岳)がよく見える。
その山に降った雨が地下水となり塩谷町の水源になっているそうだ。
荒れた林道を西荒川に沿って行くと幅20メートルほどの大滝がある。
ここに至る林道下の流れは実に美しい。
大滝。「栃木県の道と川百選」になっている。
指定廃棄物最終処分場の候補地はこのすぐ上だ。
上流に向かうとここから先、西荒川に隣接する杉林が候補地になっている。
林道はさらに荒れ、Uターンも困難になったのでここからは徒歩で。
候補地を後に地形的には隣り合わせになっている全国名水百選の尚仁沢にも行ってきた。
高原山の中腹に位置し、10数カ所の湧き出し口がある。
候補地にもこんな場所がたくさんあるだろう。
環境省(当時は環境庁)により昭和60年に全国名水百選に選定されたとある。
一方、ここから4キロしか離れていないのに、塩谷町寺島入は指定廃棄物の最終処分場候補地になるとはなにかの冗談か。