読図 上空千メートルから道迷いを俯瞰する

2014年9月26日(金)
忘れもしないこの日、管理人はかつてない異常な体験をしたので 2ヶ月を経た今日、再発防止のためにもそのときの状況を整理しておきたいと思います。
ツツジで知られる鳴虫山は季節になると大勢のハイカーで賑わいますが、紅葉にも早いこの時期は訪れる人も少なく、自分のペースでのんびり歩くことができます。

140926鳴虫山道迷い目的地は鳴虫山の南方、約3.5キロにある火戸尻山でした。
足首の手術や膝の手術で久しく山歩きをしていなかった管理人にとって、久しぶりの10キロ超えのロングコースでした。

一度目の道迷いは鳴虫山山頂から火戸尻山へ向かう尾根でした。300メートルほど南下して南東の方角へ進路を変えるつもりがそのまま歩き続け、気がつくとA地点。ここまで急な下りをなんの疑いも持たずに来てしまいました。

本来、稜線上を歩くはずがいつまで経っても下り続けるのでさすがにおかしいと思い、ここでようやく現在地をGPSで確認したのでした(時すでに遅しですが)。
なんと、南東の方角へ歩くはずがそのまま南下しています(図では西に向かって下っていますが実際には南南西)。
どういう精神状態だったのでしょうね。

ここで、来た道を分岐まで戻ればよかったものの、欲をかいて広い斜面をAからBへとトラバース(鳥瞰図では隠れて見えません)してようやく正規のルートであるBの尾根に乗ったのはいいのですが、実はトラバース中に伐採された木に足を取られて転倒し足から出血してしまったためにその処置で時間をとられ、B地点に着いたのは11時と遅くこの日の山行は中止にしたのです。

久しぶりの山行で初っぱなから道を間違えるわ転倒はするわで意気消沈し、足取り重く鳴虫山を後に同じ道を帰ることにしました。
が、ここで二度目、三度目の道迷い。
きっと怪我した足を気にしながら下ばかり見て歩いていたためでしょう、C地点で進行方向と90度も違う別の尾根に入ってしまいました。
したたか飲んで秋葉原から総武線でお茶の水に行くところを千葉方面に行ってしまうようなものです。なんども歩いている鳴虫山なのに、こういうことが現実に起こるんですねぇ。

E地点まで来たとき尾根が急に落ち込んでいることをおかしいと思い引き返しましたが、尾根の合流点(D)まで戻ったところで今度はそこをC地点と勘違いして右へ、F地点まで来てしまいました。
こうなると単なる道迷いではなく、もはや老人の徘徊状態です。おかしいと思う判断が働いただけマシ、というもんです。
気を取り直してF地点からD地点を経由してC地点に戻りましたが意気消沈はさらに加速し、管理人の山歩きも今日が最後か、と思うに十分なくらいの落ち込みでした。

鳥瞰図を眺め、今さらながら見事な道迷いであったと感心します(泣)。


140926鳴虫山道迷い2今度はおなじみの「カシミール3D」を利用して1/2.5万地形図上にGPSの軌跡を描画し、道迷いの原因を考えてみました。

初っぱなの道迷いですが、鳴虫山を南下して火戸尻山に向かう途中にある分岐をB地点に向かって進路を変えるべきところ、そのまま進んだわけですが実際のところ、それはなぜなのか管理人にも原因がよくわかっていません。
強いて挙げれば、この分岐はまだ先にあると思ってそのまま進んでしまったのですね(実際には南南西に向かっていますが)。
おそらく久しぶりの山行(しかも、地図にルートのない)だったために距離感がつかめなかった、というところでしょうか。

二度目、三度目の道迷いですがこれは原因が明確です。
いまでもハッキリ覚えていますが火戸尻山を断念したことと足に怪我を負ったことで意気消沈し、うつむいてとぼとぼと歩いていたためです。
いや、それよりもこれ以上の怪我はイヤだなと思って足下を注意しながら終始、下を向いて歩いていたからかも知れません。

C地点は鳴虫山から見て、右カーブから左カーブになる転換点になっていて幅4メートルほどある尾根の、歩く部分によっては自動的に左カーブに入れるし管理人のように尾根の右端を歩いているとD地点に行ってしまうという地形的な特徴があります。
D地点にも同じことがいえ、分岐に気がつかないと自動的にE地点に行きます。

三度目はD地点をC地点と思い込んでしまったのが原因ですが、C→DとD→Eとでは距離が3倍も違います。にもかかわらず、D地点をC地点を間違った。
それほどこの日は感覚が鈍っていたようです。初っぱなの道迷いと怪我のショック、火戸尻山断念ということが重なって冷静な判断ができる状態ではなかったのだと思います。

以上、くどくどと書きつらねましたがこれだけ書いて頭の中を整理しないと同じミスを繰り返すのですよ、管理人は。