薬師岳、大木戸山、三ノ宿山ほかアカヤシオ咲く修験の道を歩く。

2016年4月26日(火) 晴れ
ロープウエー明智平駅~明智平~細尾峠~薬師岳~丸山~大木戸山~三ノ宿山~和の代

春爛漫、アカヤシオが盛りだ。
昨日25日は恒例となった鳴虫山のアカヤシオを堪能したのだが、アカヤシオの美しさはやはりツツジの中では格別だ。
なんというか猪口一杯の日本酒で白肌がほんのり染まった色っぽさというか、といっていやらしさはなくあくまでも楚々とした雰囲気は乱さず、“ねぇ、いっぽさんも一杯いかが?” などとか細い声で迫られでもしたら一杯が二杯とすすみ、おまけに“今夜は帰らないでね、、、” などとずいぶん古典的な落とし文句をささやく。いや待てよ、世の中にそんな甘い話などあるものかとあらためてよく見たらそこには紛れもなくアカヤシオがあるだけ。
なんだ幻想だったのか、罪な花だww

昨日の鳴虫山は7キロを歩くのに6時間半もかかってしまった。別に体調が悪かったわけではなく、アカヤシオを見つけるたびに立ち止まって写真に収めるといった繰り返しで実に効率の悪い歩きだったためだ。
でも今日は推定で13キロ歩かなくてはならないからのんびり歩いていては日没になってしまう。
といってアカヤシオなどに脇目も触れずに先を急ぐというわけにはいかないだろう。今日の山行は計画性が求められる。

今日のルートはアップダウンが多いのが特徴でバテてしまわないように、計画は事前にじゅうぶん練ったつもりだ。
地形の起伏をグラフにしてみると、前半は長い距離のアップダウンが2回、後半は小刻みなアップダウンが7回と多いから、身体に変調を来すとすれば後半だ。前半を無理せず体力を温存しておいて後半に備えることが重要である。

もう少し具体的にとらえてみると、ルートはスタート地点となるロープウエー明智平駅からゴールの和の代まで標高差で700メートル下るのだがその間、ジェットコースターのように激しいアップダウンを繰り返す。
アップダウンのうち上りだけを加算すると1263メートルでこれは男体山に登るのと同じだ。下りにいたっては1932メートルにもなるからいずれにしても足に負担がかかるのは間違いない。
消費するエネルギーは2000Kcalにはなるだろうからエネルギーが枯渇しないよう、行動中に最低でも1000Kcal分は食べなくてはいけない。
朝食で500Kcal摂取しておけば行動中は2000-500=1500Kcal必要、持参の食料で1000Kcal補充すれば1500-1000=500Kcalが体内に残る。下山時は空腹でもいいと考えれば最後に500Kcalを使い果たしても問題ない。その方がビールが旨く感じるし(^^)

また、エネルギーを2000Kcalも消費するということはそれに伴って発汗も激しくなるから、水分はいつもより多めにした。ハイポトニック系のスポーツドリンクを500ミリ2本。それに水道水を700ミリ。水道水は水分補給にも使えるが怪我をした際に傷口を洗い流すのに有効である。スポーツドリンクではそれができない。

この他に非常用のサプリとしてスポーツドリンクの塩分だけでは不足することを想定し、塩分を多く含んだタブレット、ミネラルを多く含んだタブレット、塩の粒などを携行している。
昨年8月、気温30度を超える中、鹿沼の里山に登った際に下りで太腿に痙攣が起き、立っていることができなくなった。多量の発汗にスポーツドリンクだけでは塩分が足りず、痙攣を引き起こしたようだ。そのときに上に書いたサプリを摂取して治まった経験から、管理人の山行には欠かせないものとなった。
鰯の頭も信心からと言われるかも知れないが、スポーツ生理学の本を読んでも塩分の大切さが強調されているから、これらのサプリはあながち鰯の頭ではないと思っている。以上、余談。


9:25
今日はいつもと違って登山口までマイカーでは行けないルート設定だ。
ゴールの和の代に車を置いてそこから路線バスに乗り、第2いろは坂の明智平で下車。ロープウエーで上ったところがスタート地点となる。


ロープウエーの終点は展望台になっていて、中禅寺湖をバックに華厳滝の全貌を見ることができる。日光の絵はがきに収められている景色がここで撮ったもの。


レンズをずっと引くとアカヤシオもカメラに収まるが華厳滝の迫力がなくなった。


まあとにかく、展望台から始まる登山道のアカヤシオはすごい。


09:57
あまりノンビリしていては行程に差し支えるから先に進もう。
まずは茶ノ木平近くまで標高240メートルを一気に上る。
先頭を行くのは常連で健脚のWさん。10年前からのお付き合いだが今日のルートはWさんの提案によるもの。


ほう、男体山の裾野の向こうに白根山が見える。雪はほとんど解けこれからが登山にいい季節となる。


10:42
茶ノ木平と細尾峠との分岐点。まっすぐ進むと茶ノ木平へ。
細尾峠へは笹が生い茂った道を行く。
ちなみにここが今日のルートの標高最高地点で1610メートル。


笹は腰高まである。一応、これが地図に描かれた正規のルート。


10:51
大きな岩の上に不動明王が鎮座している。
ここが地図に描かれた「篭石」かと思ったのだがGPSで現在位置を調べると少し手前だ。
ただし、この大きな岩といい、地形といいここが「篭石」のような気もするが。


地図の「篭石」の先に水が流れている場所があった。地面からの浸出水のようだが雨が降れば水場として利用できそう。
大きな葉の植物はおそらくバイケイソウでしょう。


コースの右手にアカヤシオの群落を見た。
すごい数のアカヤシオだ。それに色がいい。
さっそく近くまで行ってみた。


いやぁ見事だ。
管理人、これまでいろんな場所にあるアカヤシオを見たがここのは圧巻。素晴らしいのひと言だ。


どうです、この色合い。ツツジの女王と言って差し支えないほど。


最高標高点から400メートル下って細尾峠に到着。
車が5台。いずれも目当てはアカヤシオであろうと思う。
ここを起点に茶ノ木平方面にも薬師岳へも行けるがどちらもアカヤシオを観るのに不自由しない。


11:56
車道脇の道標には「前日光高原」などと地図にない名称が書かれているが、前日光とは鹿沼市のことを指す。もっと識別しやすい具体的な名称にすればいいのに。
それを補う意味でハイカー手作りの道標が立てられている。
薬師岳へはここを登っていく。


昨年、薬師岳に登ったとき、ルートが崩壊した危険箇所があったが現在は修復されている。


12:36
4時間ちかくかかってようやく薬師岳に着いた。少しノンビリしすぎた感がある。


360度、どこを見てもアカヤシオ、アカヤシオ。


お次はアカヤシオのトンネル。


ルート南側に昨年登った夕日岳が、、、


フデリンドウ。
アカヤシオばかり観ていたのでこの色にホッとするね。


ピーク1121とピーク1159の鞍部にも石の祠があり、昔、修験道として使われていたことがわかる。

13:53
ここは地図にあるピーク1159のようだ。
ルートはピークを少し離れてついている。


ピーク1159から丸山に登り返すがここは厳しかったぁ。


14:25
丸山着。
地図には標高点1242として書かれている。


このルートはカタクリが多い。
もうほとんどが終わっているが日陰のはまだ美しさを保っている。


14:51
大木戸山。
ここから次の三ノ宿山へ向かうには標高で120メートル下って80メートル上るが、歩き疲れた身体には厳しい。

15:11
大木戸山と三ノ宿山との鞍部にある祠。
中に薬師如来像が収められている。
昨年12月は和の代からここまでをピストンしたのだ。


15:23
大木戸山から30分ほどで三ノ宿山に着いた。広大で平らな山頂をもつ。
これで全行程の2/3を消化した。

16:06
ピーク1158を通過。今日の修験道歩きはここで終え、ピーク1047を経由して和の代に下山する。
修験道はここから東に向かいピーク1051を越えさらに滝ヶ原峠を経由して鳴虫山へと続いている。


ピーク1047の三角点。
ルートを50メートルほど外れるのであえて来なくてもよかったが、写真だけ撮って引き返した。


ピーク1047手前にある朽ちた道標。「やしおの湯」に導いている。


送電線の鉄塔。
送電線は地図に描かれているからいい目印になる。この下をくぐる。


鉄塔から北西の方向がゴールとなる和の代「やしおの湯」だ。


ここまで標高が下がるとアカヤシオは見られなくなり、トウゴクミツバツツジが多い。


古河グループの水力発電所に当たるのでここを右直角に折れる。


17:17
最後にこの鉄塔の下をくぐると「やしおの湯」前の車道に出る。