山でバテないために山での食事について考える・・・その2(食べるタイミングについて)

山でバテないために山での食事について考える・・・その1では、山歩きで消費されるエネルギーを計算して、それに見合う食料調達を古賀志山を例に、オニギリと菓子パンの数に置き換えてみた。

その結果、オニギリ6.6ヶまたは、菓子パン4ヶが登山開始から下山終了までの必要量として計算された。
実際に管理人が食べたのは山頂での菓子パン2ヶだったから必要量には達していないが、自宅に戻ったら風呂に浸かり、その後は冷たいビールというお決まりの予定だったので、下山終了時の空腹状態は問題としなかった。晩ご飯まで2時間だからエネルギーが枯渇するには至らない。
ただし、持っていった量は菓子パン5ヶだった。

古賀志山の例では昼食は山頂で食べたが、山での食事はどんなタイミングで摂るのがいいのだろうか。
青空の下、山頂で景色を眺めながらの食事は普段、食べることのないカップ麺でも最高のご馳走になるし、具が少ししか入っていないオニギリでも美味いと思う。乾燥野菜をたっぷり入れて作る袋麺だったら言うことなし、絶品である。
しかし、長距離、長時間にわたる山行の場合、カップ麺や袋麺を食べるにはそれなりの場所が必要だし、お湯を沸かす手間も時間もかかるから空腹をしばらく我慢しなくてはならない。
カップ麺や袋麺は行き慣れている山で、計画通りに事が運ぶことを前提とした方がいいのかもしれない。
それと山頂で食べる喜びを得るために、空腹を我慢してまで頑張って歩かなくてはならないのだろうか。

空腹で生死の境をさ迷った経験(^^)をしてからの管理人はというと、“空腹を感じたら、すぐにその場でなにかを食べる”ように変えた。それまではやはり、“山頂派”だった。
が、例のハンガーノックの一件であっさりと改めた。

消費エネルギーは時間の経過に比例するから長距離、長時間にわたる山行では山頂に着くまで我慢するよりも数回に分けて食べる方が、使った分のエネルギーの補充という観点から理にかなっているといえる。
体力が少し消耗したかなと思ったら、食べてエネルギーを補充して再び歩く。1・2時間後、疲れたかなと思ったらまた食べる、その繰り返しを下山終了まで続けるのが理想だと思う。
それに一度に全量食べて満腹にすると身体の動きが緩慢になるし満足しきって気持ちに緩みが出るのか、頭の回転が鈍る(そうでなくても鈍いのに)。

管理人の山での主食は菓子パンだ。それもなるべく甘いものにしている。
コンビニでは小さいあんパンが4つセットになっているものを売っている。写真のあんパンは1つ119キロカロリー。これを1つないし2つ食べれば元気が出る。
ぜんぶ食べれば476キロカロリーにもなり袋麺と同等のカロリーだ。それに袋麺と違って調理するための水も熱源もいらない。長時間の行動で休憩する時間も惜しまなくてはならない場合など、最短時間でエネルギー補充が可能になる。
他にもクリームパンとかチョコレートパンとか、クルミパンだとか、小さいのがいくつ か袋に入っているのを買ってもっていく。100円当たりのカロリーに換算するとオニギリを凌駕す る(^^)

今年になって集中的に歩くようになった古賀志山は、宇都宮市の里山ながらルートに富んでいて、100以上あるとされるルートを組み合わせると20キロくらい歩けることがわかった。途中で疲れを感じたらエスケープルートを使って登山口まで短時間で戻れるので安心感はあるのだが、ヘトヘトに疲れてもあえてそれをせず、計画を完遂するようにしている。古賀志山は長距離の訓練にいい。
そのためにも食料はしっかり持っていく。そしてよく食べる。
といっても量をたくさん食べるというのではなく、短いサイクルでよく食べる。1~2時間に一度は立ち止まって食べているのではないだろうか。

空腹を感じたらそこがどこであろうがザックを下ろして食べることにしている。小さくても1ヶか2ヶ食べるだけで体力の回復がめざましい。
長時間にわたる場合は立ち止まっている時間がもったいないので小さいあんパンが入っている袋を手に持ち、歩きながら食べることがある。歩き食いと立ち食いのワザは大切ですよ(^^)

重要なことは食べたものがエネルギーに換わるには数10分かかるので、完全に空腹になる前に食べることだ。枯渇したエネルギーにたいして一度にたくさん食べて体力の復活に時間をかけるよりも、まだ十分残っているエネルギーにたいして消費した分だけ補充してあげる方が体力は長く持続できる。

雨の日だとレインカバーがザックを覆っているのでザックの蓋を開けるのが面倒になる。そのため、カロリーメイトやソイジョイなどに代表されるエネルギー補充食品をザックの腰ベルトに付いているポケットやポーチなどに入れておき、主食が取り出せないような状況でもすぐに取り出して食べられるようにしておく。個包装なので中味を濡らす心配がないし小さなバー1本でオニギリ1ヶに相当するカロリーがある。

この他にひとくち羊羹も小さいながらカロリーが高いので山歩きに適した食品だと思う。管理人は常に2・3ヶもっていていつでも食べられるようにしている。ベビーチーズなんかもいい。
カロリーメイトやソイジョイ、羊羹などを山用語では主食と分けて行動食と呼んでいるが、小さくてもカロリーが高く、名前の通り歩きながらエネルギーが補充できるのがいい。賞味期限が数ヶ月先までというのも助かる。

行動食としては他にバナナなんかがいい。バナナはカロリーは低いがブドウ糖が多く含まれていて食べるとすぐにエネルギーに変換されるらしい。ジェルタイプの行動食は同じカロリーを得るには重量があるので管理人はあまり利用していない。
以前、チューブに入ったコンデンスミルクを歩きながら食べた(というか、吸った)ことがあるが、甘すぎてチューブが空になった頃には気持ち悪くなったことがあり、それ以来、携行しなくなった。あれは行動食というよりは非常食のカテゴリーだ。非常時に砂糖といっしょに紅茶に入れてカロリーを高くするのが本来の使い方らしい。
果物だったら生よりも絶対にドライだ。軽いし、甘みも栄養も凝縮されているからいかにも身体に良さそうだ。ただし、高価なのが難点。それと砂糖をまぶしてあるものが多く、手がべとべとになる。イチジクを乾燥したやつは砂糖をまぶしていないし、味も最高。ただし、ドライフルーツの中ではもっとも高価!

主食と行動食が混在してしまったが、山でバテないための食事について整理すると以下のようになろうかと思う(あくまでも管理人の場合)。
・消費するエネルギーをあらかじめ推測しておき、それに見合った食料を調達する。
・上記は計算するまでもなく経験値がもっとも信頼がおけるので山行記録をとっておくといい。
・一度に食べるよりも下山まで何回かに分けて食べる方が好調時の体力を長く維持できる。
・雨の中でも藪の中でも、とにかくどこででも食べられる、強い精神力を養う(^^)
・それと、立ち食いと歩き食いね。
・山の食事に贅沢は求めない。簡素、質素、高カロリー。
・パンだったら1ヶか2ヶ、余分に持っていると気持ちの上で安心できる(余ったら晩ご飯にでも)。
・同じく、余分に持っていると行程がくるった場合に役に立つ。
・主食と行動食とを厳密に区別する必要はなく、状況に応じて食べ分けるのがいい。
・ザックを下ろさなくてもエネルギーが補充できるよう、どこかに高カロリーの行動食をしのばせておく。って、別に隠し立てすることではありませんが(^^)
・・・
う~ん、まったく整理されていない(爆)

その2、終わり。
文字ばかりでお見苦しい点をご了承ください。気がついたことがあれば続編でもと思っています。
また、水分補給についても書きたいところですが、水分補給は奥が深くてなかなか到達しません。でもいつかは、、、

山でバテないために山での食事について考える・・・その2(食べるタイミングについて)」への2件のフィードバック

  1. blackriver

    山での食事について検索していたところ、偶然にもいつも登っている古賀志山の記事を見つけましてコメントを残させていただきました。
    私の古賀志山での経験談になってしまいますが、以前はエネルギー補充を充分にしようと、スポーツドリンク、甘い食べ物、菓子パン、ブドウ糖タブレットなどを積極的に食べていた時期もあったのですが、血糖値が急激に上がりすぎるせいか、最終的には低血糖を招いてしまって倒れそうになったことが何度かありました。
    その後いろいろと自分の体で人体実験した結果、30分ぐらい毎に「おにぎり一口」程度を、少なくとも50回以上(口の中で液状になるくらい)良く噛んで飲み込むということを繰り返すと、体力がぐんと長持ちするようになりました。おにぎりですと、血糖値が急激に上がることがなく、後でじわじわとエネルギーになってくれるようです。
    「頂上に到着したら食事を食べよう」という「場所」で決めるのではなくて、「30分経ったらその場所で一口食べよう」なんていう感じで、「時間」で食事をすることを心がけると良さそうです。
    機会がありましたらこんな方法も試してください。

    1. 亀歩き 投稿作成者

      blackriverさま
      体験に基づく貴重なコメントをありがとうございます。

      私もblackriverさんのご意見に賛成です。
      blackriverさんがオニギリなのに対して私は菓子パンという違いはありますが、おおよそ1時間に菓子パンを1ヶ程度食べるようにしています。
      ただし、菓子パン1ヶで400キロカロリーくらいあるので、1袋に複数個はいっているその1ヶだけにして満腹(これが血糖値を上げる原因?)を避けるようにしています。雨の日だとパンをザックから取り出すのが面倒なのでザックの腰ベルトにSoyJoyをいれておき、傘の下で黙々と食べています(笑)。
      オニギリは嫌いではないのですが重いのと、開封したら食べ切らなくてはならないため、もっと軽く(反面、かさばりますが)、高エネルギーが補給できる食品として菓子パンに落ち着きました。

      blackriverさんは古賀志山によく登っているご様子、いつかお目にかかれることを祈っております。

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