鹿沼の石裂山。まるで古賀志山のような荒々しさに怖じ気づくw

2016年11月29日(火) 晴れ、10度

加蘇山神社~石裂山・月山分岐~行者返し~奥ノ宮~剣ノ峰~石裂山~月山~石裂山・月山分岐~加蘇山神社

先週の金曜日に古賀志山を歩いた後、日曜日あたりから両太ももとふくらはぎに筋肉痛が出はじめた。
やはり2週間以上のブランクがあったので筋力が弱っていたのかもしれない。
週一の山歩きを課していたのに間を開けてしまったのがいけなかった。
ゼロから鍛え直しとまではいかないまでも、二歩も三歩も後退したのは事実だ。
早いところ元の調子に戻すために少し間を詰めて歩くようにしよう。

栃木県の山を紹介するガイドブックの中から、近場で面白そうな山はないかと物色していたところ、管理人の重い腰を上げさせるような、食指の動く山が見つかった。
『はしごとやせ尾根をたどる信仰の山』・・下野新聞社「栃木百名山」
『ハシゴと岩稜をたどる信仰の山』・・随想社「栃木の山150」
『展望とスリルの信仰の山』・・山と渓谷社「栃木県の山」
はしご・やせ尾根・岩稜・スリルというキーワードがいい。まるで古賀志山みたいじゃないか。
場所は鹿沼市郊外。昨年登った岩山よりも奥にあるが車で1時間半くらいで行けそうだ。

それにしてもどの出版社も同じようなキャッチコピーとは能がない(笑)。最後は3社とも、信仰の山などというありきたりの言葉で締めくくっている(爆)

山の名前は石裂山(おざくさん)。
石を裂く山?、裂けた石の山? 由来はわからないがなんとも強烈な名前だ(笑)

よしっ、行ってみよう!


石裂山の登山口にあり古色蒼然とした佇まいの加蘇山(かそやま)神社。歴史は古いらしい。


神社の脇から歩き始める。


歩き始めは工事用の林道風だったが山道らしくなった。


竜ヶ滝。落差は3メートルほど。


滝のすぐ上に四阿(あずまや)があって休憩できるようになっている。


四阿のすぐ先で道は二手に分かれる。
左が石裂山で右が石裂山と峰続きの月山へ。
1周するとここで交わるわけだが、初回の今日は石裂山から月山へと廻ってみることにした。


直径2メートルはあろうかという巨大な杉。
加蘇山神社にもこの規模の杉の木があることからこの辺り一帯、昔から杉の植林がおこなわれていたのだろうか。あるいは大きさから見て天然の杉なのだろうか。


これはカツラ。
樹齢は推定で1000年以上。高さ23メートル、幹の直径は杉と同じく2メートルもある。昭和32年に栃木県の天然記念物に指定されている。と、近くの説明板に書いてある。


中の宮


中の宮から進行方向に目をやると巨大な岩に鎖がかかっているのが見えた。
あそこを登るのか?


岩の基部まで来て左下に目をやると洞窟らしき穴を見つけた。
降りてみると高さ3メートルほどの岩がふたつ、150センチほどのすき間を空けて向き合い、その上に1メートルほどの岩がかぶさっている。ひとつの大きな岩が、あたかもふたつに割れているようにも見える。
読めたぞ。
これが石裂山の名前の由来だ! って、そんなわけないか(笑)


お~、すっごい!
ガイドブックによるとこの岩場を「行者返し」と言うそうな。
厳しい修行に鍛えられている行者さえもここを登れず、引き返したという言い伝えなのだろうか。
岩は苔むしていかにも滑りそう。鎖を使わず登りたいとは思うものの、無理そうだ。


鎖は太い。古賀志山の鎖よりも太い。
握るにはかなりの握力を必要とする。それにあまりにも重いので身体に引き寄せるのも大変だ。


鎖場を登ると次は奥ノ宮だ。
ジェットコースターのレールを思わせるような長いはしごが設置されている。


アルミ製の階段、というかハシゴ。
その左には古い鎖が。


ハシゴを上った先に巨大な岩(石裂岩)があり、下部が洞窟になっていて鳥居と祠がおさまっている。
祠が奥ノ宮でしょう。
この先に道はないので戻る。


なんだかとてもワイルドだぞ(笑)


この荒々しさは古賀志山並だ。


木を見て森を見ず(?)
道はここで鋭角に左へ曲がるが、気づかずに直進して5分のロスタイム。
全体を通して言えることだが、道標はしっかりしているものの背が高いためうっかりすると見落としてしまう。
この道標は道の左上、斜面側に立っているため余計に背が高く、丸太の支柱が木の幹に見えて通り過ぎてしまったのだ。そりゃオマエの目が悪いからだ。えぇ、ごもっともでw


道が平坦になった。
山頂はもうすぐか?


いや、そんなに甘くはなかった。
今度はハシゴだ。しかも下り。


お次は岩尾根。


視界が開けて西剣ノ峰。


西剣ノ峰のすぐ脇に視界が開けた場所があり、目の前に全体が岩でできている山が見える。
これが石裂山に違いない。
この岩の頂点に行かなければならないわけだが、あそこに道なんかあるのだろうか?


西剣ノ峰から下る。


登り返す。
先ほど正面から見た石裂山を右から回り込んでいるらしい。


石裂山と月山との分岐。


ふ~、幾多の難関を乗り越えてやっと着いただよ。
標高は低いが登山口から550メートル上がるのでそれなりに楽しめた。


ここが三角点であることを示す石柱だが文字から察して相当、古そうだ。
そもそもこれは旧字体なのか?
調べると「三」を除いて旧字体にもない。かなりデフォルメされている。


山頂は北西だけ視界が開けていて日光連山がよく見える。


30分ほど休憩をとり昼食。久しぶりにカップラーメンにした。
それから先ほどの分岐まで戻って月山に向かう。


地図で見る限り緩やかな稜線になっているが実態はご覧の通りだ。


石裂山から10分ほどで月山に到着。
朽ちて柱だけになった神社がとてもクラシック(^^)


石裂山よりもこちらの方が日光連山がよく見える。
左から男体山、男体山のすそ野に小さく見えるのは太郎山か?、その右は大真名子山、大真名子山のすそ野に見えるのが小真名子山、、、、そして我が母なる女峰山だ。どの山よりも雪が多い。


これはヤシオツツジでしょう、きっと。
ここまでの道すがら、結構見つかったので5月はいいのかも?


丸太で組んだ階段があるところなど、古賀志山の南コースによく似ている。


道がない。
さて、どちらへ行ったらいいものやら?
注意書きのプレートがあるくらいだから間違いではないはずなのだが、、、、
とりあえずあのプレートまで行ってみることにしよう。


道は落ち葉に隠れて見えなかったが無事に通過。
次はかなり荒れた斜面の下りだ。


下りはこれで終わりかな?


往きに通った石裂山と月山との分岐まで戻ることができた。
写真は振り向いて撮ったもの。
往きでは気がつかなかったが月山との距離は1.2キロと刻まれている。いや、そんなはずはない。鎖やハシゴはなかったがこの疲労感は5キロは歩いたような感覚だ。


10時35分に歩き始めたので4時間44分かかって駐車場に戻った。
参考にしたガイドブックによるとそれぞれ3時間40分、3時間55分となっている。
今日は初めてなので地図とコンパスを使って地形と照らし合わせながら歩いたので妥当なところか。


ついでに登山口にある加蘇山神社に寄ることにした。
戻りにこの階段を数えたら100段あった。
なお、ここから見える3本の木は杉。樹齢500年以上、高さ50メートル、幹の径2メートルもある(と説明板に書いてある・笑)。


無人の神社だがなかなか荘厳な佇まい。



高低図だと一方的に上って一方的に下っているように見えるが、標高差545メートルに対して累積標高値はその倍以上の1251メートルに達している。上っては下りまた上るという山なのである。

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