車中泊は管理人の原点回帰であることに思い至る。


2021年12月1日(水) 走行距離:247KM
車中泊の旅、第2回。北陸4泊5日・5日目
道の駅「能生」~十日町~湯沢~(関越道)~沼田インター~丸沼高原~(金精道路)~自宅

エブリイによる車中泊旅行も最終日となった。
明日2日は工事業者が来るため管理人が立ち会わなくてはならない。
唯一、それが旅行を終える理由である。

幸いと言うべきか残念なと言うべきか、極寒体験はできなかったが、あれこれ考えながらの車中泊は厳冬期でもきっと役に立つであろう確信を得ることができたのは収穫だった。

脱サラして旅館業を生業にするようになってからバブルの終焉、阪神淡路大震、リーマンショック、東日本大震災と原発事故、コロナ蔓延という、管理人の生業に直結する経済状況を経験してきた。

落ちる一方の売上げで決算は赤字を出し続けている。
しかし反面、自由になる時間が有り余るほどできた。
その時間をこれまで趣味の登山に当ててきたが、ここに来て昔の旅行熱が頭をもたげ始め、それが9月の3泊4日、今回の4泊5日の車中泊旅行に結びついた

旅館業を営んでいるくせに旅行先での宿泊場所として旅館を選ばないのはいろいろな理由がある。
10代のころのテント泊バイクツーリングやユースホステルの旅、20代のころの車中泊体験が管理人の旅の原点になっているのであろう、不自由な旅が好きである。
人は誰しも歳をとると若いころの思い出に浸ったり、若いころの体験をもう一度したくなるそうだ。そうやって現在の自分の歳を忘れたいのかもしれない。
管理人が今、そういう歳になり、原点回帰に向かっている。
あぁ、あのころはよかったな~、そんな昔に戻りたい、と。

当初、遠方の山に登るのに、登山口の近くで車中泊すれば翌日、運転の疲れを残さずに登山ができると考え軽貨物車エブリイを車中泊仕様に改造したわけだが、登山であればせいぜい1泊か2泊で済むが、9月と今回、数泊の観光旅行に使ってみたところ、疲れることもなく予想以上に快適な旅行に終わった。
であれば登山の前後に使うだけではもったいない、もっと積極的にたとえば真冬の車中泊旅行にも使おう、そのように思うようになった。

難を言えば、、、
旅行熱が高まる一方で登山熱がやや下がってきていて、直近の登山からすでにひと月以上も間が空いているし、その前数ヶ月間は月に一度というペースにダウンしている。

ひところのあの登山熱はこのまま消えてしまうのだろかそれとも再燃するのか、管理人にもわからない。

屋根を叩くバシッバシッという音で目を覚ました。
車が上下左右に揺れている。
カーテンを開け運転席の窓ガラスを通して外を見ると大粒の雨が容赦なく窓ガラスを叩いている。
車の揺れは風のせいであった。
テレビとも新聞とも無縁の生活のこの数日、スマホの天気予報すら見ていない。
登山ではないから天気のことなどまったく気にしていなかった。


車を建物の脇に移動したが強い雨と風の影響は避けることはできなかった。
昨日スーパーで買っておいた惣菜で朝食とし、出発することにした。


走り始めてしばらくすると雨は止んだが風は強いままだった。
揺れる車の中はまるで船に乗っているようだった。


遠方に虹が見えたので車を停めた。
雨の中を登山することはないから虹などこれまで見たことがなかっただけに、しばし魅入っていた。


今日はカーナビに従って日光への最短コースを走ることにした。
道の駅「能生」を出たら直江津まで走り、直江津からは国道253号線と353号線で関越道湯沢インターまで行き、沼田で下りて日光まで約240キロ、4時間半というのがカーナビの見積もりである。
実際にはそう簡単にはいかないだろうから6時間を予定した。

カーナビはここ、国道353号線の十二峠の手前で左折との指示があったので指示にしたがったところ、とても走れるような道ではなく、引き返して塩沢に向かって直進した。
管理人が実際に走ったのはスカイラインではなく、その手前の道に入り込んでしまったことがここまで戻ってわかった。といってこれから山道のスカイラインを走ろうという気にはなれない。


巨大なリゾートマンションが立ち並ぶ湯沢インター手前を通過。
つまらない景観を見るにつけ日本海を後にしたことの無念さが甦ってくる。
これからなんの面白みのない関越道で自宅に向かうのだと思うと気持ちが萎える。


関越道は絶えず登板車線を走って沼田で下りてインター近くの回転寿司で昼食とし、白根山の入口までやってきた。
27日に降った雪が緩んで泥濘のようになっていた。
こういうときに車で入り込んだりすると脱出が難しい。
しかしあれだなぁ、漁港近くのスーパーで買ったパック詰めのにぎり寿司にくらべると、回転寿司のネタは格段に劣ることがわかるというものだ。


最後に、エブリイに積んであって今回使わなかった防寒対策グッズとして以下を紹介しておきたい。
モンベルの羽毛寝袋(800FP)
寝床は封筒型寝袋と毛布の2枚構成だが、それでも寒かったら毛布の内側にモンベルの寝袋を入れるつもりだった。

電気毛布
消費電力が小さいので300Whのポータブル電源で一晩は使える。
ブリキの湯たんぽと並んで車中泊では最強の防寒対策となる。

300Wのセラミックファンヒーター
万が一、イワタニの「風暖」に異常が発生したとき、非常手段として使うつもりだった。
ただし、ポータブル電源では2時間の使用が限界なのであくまでも非常手段として持参した。電気が尽きたら調理に使う卓上コンロが暖房機の代用として出番となる。

ブリキの湯たんぽ
就寝時の暖としてこれ以上のものはなく、エブリイに常備してある。

バラクラバ(目出し帽)
いくら寝床が暖かくても頭と顔が露出しているとそこから放熱し、身体全体が冷える。
そんなとき、バラクラバを被るととても暖かい。

モンベルのダウンジャケット
非常用として一年中、ザックに入れてある。

以上の防寒対策を施せば車内で寒い思いをせずに済むと思う。
まして、凍え死ぬということはないであろう(複合的な要因さえなければ)。

いつか上のすべてを使わなければならないほどの極寒の地で車中泊を経験してみたいものだ(笑)。

5日間にわたる管理人の北陸車中泊の旅にお付き合いいただき、誠にありがとうございました。

この後、サマリーとして、4泊5日でかかった費用をまとめ、公開します。