エブリイ車中泊仕様改造日誌(ギャレー/調理・給排水システム)

2021年2月5日~25日
作業が3週間にわたったのはアマゾンで注文した部品(特にポリタンとヒンジ)の納期が遅かったことによる。

管理人が昔、大型のキャンピングカーを所有していたことは前に書いたとおりだ。
家族5人(当時は子供3人)が寝ることができ、トイレとシャワーが使えた。
水は100リットル積むことができるので設備のお粗末なキャンプ場に行ってもなんら不自由はなかった(排水も100リットル)。
洗顔と歯磨きはガス瞬間湯沸かし器(5キロのLPGボンベを2つ積んでいた)から出るお湯を使うので寒い日でも快適だった。
と、自慢話のように聞こえるかも知れないが、翻ってエブリイにはトイレもシャワーもないし、顔を洗うこともできない。天と地ほどの落差がある。
その「地」に今、管理人はいて、「天」にはほど遠いがかつてを懐かしんでエブリイの改造にいそしんでいる次第だ。

そのエブリイで登山口まで行って雨だったら、登山を諦めて、一日中車内で過ごすには最低限、どんな設備を必要とするかを考えると、トイレやシャワーは無理だとしても、せめてお湯を沸かしてコーヒーを飲んだり調理をしながら過ごしたい。
そのためには水とガスコンロは必須だろう。
水はペットボトルを持参してヤカンに注ぎ、コンロで沸かせば済んでしまうものだが、どうせなら昔所有していたキャンピングカーのように、水道の蛇口からヤカンに水を注いで沸かせるような設備に近づけたい。車内で顔を洗ったり歯磨きができるような洗面台もほしい。
望ましくは調理台があったらいい。
汚れた水は排水タンクに溜めて、後で処理するようにしたい。
と、夢はどんどん膨らんでいく。

そんな設備をすでにベッドや収納庫を設置して狭くなったエブリイの車内に備えつけるにはどうしたらいいのか、それが大きな課題だ。
でもやってみたい、昔乗っていたキャンピングカーの装備に近づけるためにも。

まずはラフスケッチから始めた。
給排水用に使うポリタンはキャプテンスタッグの5リットルのをアマゾンで購入(配送が遅かった)。
シンクはダイソーで見つけたステンレストレーを使うことをあらかじめ決めておき、それを基に収納する箱の寸法を計算していく。


材はコンパネよりもやや見栄えのいい針葉樹の合板を使ったが、合板1枚で済むように採寸図を書いてホームセンターの工作室でカットした。
近くの「カンセキ」というホームセンターだが、ここは工作室を無料で使わせてくれるので重宝している。カットが済めば車に積み込むのも楽だ。店舗は小さいながら地元に根ざした営業形態がいい。
一方、カンセキから車で10分もかからない場所にある「カインズホーム」は、木材カットの手続きが実に面倒だ。
買った材の会計を済ませ、そのときにカットを依頼する。
カットは店員が行うが、カットが済んだら再びレジに並んで、今度はカット代を支払う。
レジが空いているときはいいが、混んでいるときなど、商品の会計と1カットわずか50円の会計を別々に行なわなくてはならないため、時間を無駄に消費してしまう。
この時間差が災いして、空いている隣のレジでカット代を支払って店を出ようとしたときに、材の会計をした件の店員から、「お客さん、カット代は払いましたか?」、とレジに並んでいる他の客の前で大声で質された。
それは店として店員として、絶対にやってはならないことであり実に不愉快な思いをしたことがあった。
客に面倒を強いる会計システムや店員の対応など、カインズホームは解決すべき問題がいくつかある(もちろん、会社には指摘した)。
まっ、これは本文とは関係のない話。


始めにトレーを填め込む台を作った。
使うのは外側。
ジグソーを使ってカットした。


ダイソーのトレーを填め込んだところ。
こうして見るとトレーというよりもシンクとして十分通用する見映えだ。
画像を見てわかると思うが、このトレーは中が高く、その廻りが一段低くなっている。
この形状が災いして高いところに落ちた水が表面張力でそこに留まったままとなり、低い部分に流れていかないことがある。
その場合はトレーを持ち上げて傾けてあげれば済んでしまうが、どこかに底が平らなトレーが売っていないかどうか、探し歩いているところだ。
なお、排水タンクが満タンになったときはトレーを持ち上げて排水タンクから排水ホースを抜き出す都合上、トレーは填め込んであるだけで固定はしない。


トレーには水を排水タンクに落とす穴が必要なので、ステップドリル(高かった)という穴開け器をドリルにセットして、適当な穴の大きさを開ける。普通のドリル歯だと大きな穴を空けることができないのでこんな道具を使った次第。
「リーマ」という手動の穴開け器もある。


この時点では左隅に穴を空けたが、その後、気が変わって追加で買ったトレーの右隅に空けた。
四角い箱はポリタンから水を吸い上げるための電動ポンプで、内蔵の充電式電池で駆動するから配線は不要(ありがたい)。
本体の側面に給水用のシリコンパイプを差し込む穴が空いていてパイプをそこにセット、パイプの末端はポリタンクに差し込んでおく。
電動ポンプは固定する必要はなく、シンクの近くならどこに置いても問題ない。稼働中は大きな音がするが、振動で動いたりすることなく蛇口からの水はトレーに落ちる。
ここまで来ればトレーという呼び方ではなく以後、シンクと呼ぶことにする。


箱の製作過程。
給水タンクと排水タンクが収まる最小限のサイズにした。
2つのタンクは動いたり飛び出したりしないように、タンクの形に合わせて余った板を添えてある。
また、上から大きな負荷がかかる箱ではないので、力がかからない部分は木工ボンドによる固定を多用した(クランプで押さえている部分)。


2つのポリタンとシンクを収めた箱。
ポリタンは中の水量の確認とともに楽に脱着できるように板で囲むことはしない。
それと給水タンクが空になっても補給する術がないときに備えて、後日、もうひとつ追加で購入した。
給水タンクが2つで10リットル、排水タンク5リットルが1つということになるが、数日間の車中泊であれば水を補充することなくまた、排水も捨てることなく間に合うだろう。
シンクを使わないときは上にフタをしてテーブルとして使う(画像の通り)。
箱の両側が出っ張っているが後ほど説明する。
このポリタンには大きなねじ込み式のキャップと蛇口がついている。
キャップと蛇口は分離でき、キャップには蛇口を取り付けるための穴が空いている。
その穴を利用して給排水のパイプを差し込む(蛇口は使わない)。
ちなみに、このユニットは合板で製作したのでそれなりに重い。また、給水タンクを満タンにすれば10キロくらいの重さになる。
重心が低いので車内に置いてもよほど滑りやすい床でなければ動くことはない。車が横転しない限り、ひっくり返ることはないだろう。


上蓋の中。
電動ポンプは固定していないので使わないときはシンクに収めてフタができる。
金物の網はダイソーの同じコーナーで売っていた。おそらく天ぷらを揚げたときの油切りに使う金網だと思う。
使い終わった器は洗ってこの網の上に伏せて置けば水切りになるだろう。


先ほどの両側の出っ張りだが、折りたたみヒンジで側板に取り付けてあり、持ち上げるとシンクの両側にこのようなテーブルが出現する。
赤いヒモはユニット全体を移動する取っ手のつもりで取り付けた。
車内の別の場所に移動したり、車外に持ち出して使うことを考えた次第。
課題がひとつ。
両側の台がシンクよりも低い位置にあるが、理想は3つのテーブルをすべて平面にしたかった。
折りたたみヒンジの取り付け位置を変更すればそれは可能だが、そうするとユニットを移動する際の取っ手となるヒモを付けることができない。もう少し知恵を絞ってみよう。


折りたたみのテーブルはこのような使い方ができる(右側も)。
シンクの排水口はこの時点で右に移動した。
別に左でもかまわないのだが電動ポンプに接続する給水パイプの差し込み口が電動ポンプの左側にしかないことから、パイプの取り回しの都合で吸水口を左側に、排水口を右側にした。


水の勢いは強くもなく弱くもなく、ヤカンに注いだり手を洗ったりするのにちょうどいい強さだ。水ハネすることもない
歯磨きはまったく問題なくできるが、顔を洗うにはちと狭い。きっと水が廻りに飛び散ってしまうだろう。
おしぼりに水を含ませて顔を拭うことくらいはできそうだ。


調理が終わって次の目的地へ移動するのに、ガスコンロを仕舞うのが面倒ならゴムバンドで固定しておけばいい。
コンロの下の黄色い敷物はシリコン製の鍋敷きで、耐熱性があり滑り止め効果に優れている。
この画像で初めて紹介するわけだが、この給排水システムをガスコンロ置き場や食器置き場、缶ビール置き場として使う場合、車の傾きによっては台から滑り落ちることがある。
そんなときの滑り止めとして絶大な効果を発揮する。
使ったばかりの熱い鍋やフライパンなんかを置いても焦げたり溶けたりすることはない。

ところで、ここまでで、読者がもっとも必要とする説明をしていない。
なんだと思います?
管理人自身、給排水システムの構築に当たって、大がかりな装置としないためにも最大の課題とした内容である。
それはシンクに流れ落ちた水をどのような方法で排水タンクに回収するかということだ。
これについては管理人も目からうろこという、実に素晴らしいアイデアがYouTubeに紹介されていたので、それを参考にするのがベストだと思って、管理人がやったことはあえてここには紹介しなかった。
灯油を移すときに使う手動のポンプを改造して「受け」とするアイデアだ。


灯油ポンプを加工して排水受けにした図。
どうか作者のYouTubeも参考にしてください。
給水タンク(左側)には電動ポンプのパイプが差し込まれている。



3月17日
本体の横に取り付けてあった折りたたみのサイドテーブルだが、知恵を絞ってフラットになるようヒンジの位置をずらした。
取っ手となる赤いヒモは取り外し、代わりにサイドテーブルに指4本入る穴を空けてそれを取っ手とした。
サイドテーブルが開いているときでも折りたたんであるときでも、穴に指を入れて持ち上げてユニットを移動できるようになった。
シンクは中央のテーブルの下に隠れている。


外で調理や食事をしても大丈夫な場所であれば、ユニットを外に持ち出してサイドテーブルを広げればシンク付きの大きな調理台となる(もちろん、エブリイの車内でも可能だ)。
シンクを使う場合は中央のテーブル(フタ)を外す。