いつもの静けさを満喫できたGW中の古賀志山(ガイド登山)。

2023年5月4日(木) 晴/暑い

ゴールデンウィーク後半2日目。
東照宮周辺は観光客の車で大渋滞している(はず)。
奥日光の山へでも行こうとすれば湯元まで普通なら1時間で着くのに最低でも3時間、東照宮前を通過するタイミングが悪ければ5時間はかかる。
そうなるとおちおち登山などやっていられない。
自宅を日の出前に出発するのであればまだしも、東照宮前の通過が8時を過ぎるようだと登山口に着くのが午後になるというのも誇張ではない。

そこで管理人はこの時期と紅葉の時期は奥日光に行くことなどしない。
できるだけ自宅にいるか、山に行きたくなったら渋滞とは反対方面の古賀志山に向かうようにしている。

この日、管理人は、経営している宿の常連客で、これまでスノーシューツアーで数度ご一緒したことのあるMさんと登山をする予定でいた。
Mさんの希望はツツジが盛りの鳴虫山だった。
だが、懸念があった。
上に書いた渋滞である。

鳴虫山は登山口まで日光駅から歩いて行けるのと、ツツジが見事なのでこの時期だけは人気がある。
また、周回コースがあるのもいい。
日光駅に近い御幸町登山口まで歩いて登山を始め、下山は憾満淵(かんまんがふち)というのが周回コースである。
憾満淵は国道に近いのでバスを利用して日光駅まで戻ることができる。
マイカーだと御幸町周辺にいくつかある有料駐車場に駐めて歩き始めるわけだがこの時期、そこへ行くまで渋滞を覚悟しなくてはならないし、憾満淵まで行こうとすれば登山開始が何時になるか見当がつかない。
帰りもまた混む。
登山の行程にまた、下山して宿に戻るのに支障がないようにしなくてはならないというのが管理人の心配事であった。
それはバスを利用する場合も同じだ。

そこで急遽、Mさんに提案したのが古賀志山だった。
これまでの経験で車の渋滞がないのと、電車で日光まで来る30分前には最寄りの新鹿沼駅に到着するという利点がある。

距離はその日の体調によって自在に設定できる自由度が古賀志山にはある。
適度なアップダウンは楽でもないし苦痛でもなく、10キロほど歩けば心地よい疲労を感じ、Mさんには満足してもらえるだろう。
ツツジは終わっている頃だが鳴虫山にはない花を観ることができる。
Mさんは管理人の提案を快く了承してくれた。

古賀志山の登山口となる宇都宮市森林公園の駐車場は平日でもそこそこ埋まるから、ゴールデンウィークの今、満車にならないかという心配はあったが、Mさんとの待ち合わせ時刻からして大丈夫であろう。
それに古賀志山登山を含めて森林公園を訪れる7~8割が近隣住民なので、日光の観光地と異なりゴールデンウィークだからといって人が殺到することはないはずだ。
ちなみに、Mさんとは新鹿沼駅に7時52分に着く電車で待ち合わせの約束をしてある。

メモ
(GPSはGeographicaを使用した)
・歩行距離:13.2キロ(GPSログをカシミール3Dで処理した値)
・所要時間:7時間13分(写真撮影と休憩を含む)
・累積標高:1306メートル(アップダウンのうち、上昇分の累積)

連休真っ只中の宇都宮市森林公園駐車場。
利用者の7~8割は地元の人なので連休とはいっても混雑は普段の週末と同じくらいだ。
この時間、まだ1/3ほど空いていた。
管理人が初めて古賀志山を訪れたのは2014年10月27日だった。
日光は紅葉が始まり国道が大渋滞する時節である。
渋滞に合わずに行ける山はないかと探したのが日光へ向かう車列と反対方向の古賀志山だった。
反対車線の渋滞を尻目にスイスイ走ることができ、以来、日光が渋滞で混雑する時節は古賀志山へ行くと決めてある。


岩場がなく、といって単純すぎることもなく、古賀志山の面白さを特徴づけるアップダウンの多いルートとして管理人が選んだのが鞍掛山から斑根石山(P559)を経て古賀志山に至る、古賀志山山域の中では長距離を歩けるルートである。
登山道は森林公園駐車場のすぐ脇を入っていく。


新緑のトンネルの中を花を探しながらのんびり歩いて行く。


コアジサイ
開花にはまだ間がありそうだ。


めぼしい花と出合うことがないまま長倉山に着いた。
ここからは北に向かって下りて鞍掛山に行くルートと北尾根が選べる。
両者はP431の少し南で交わるがそこに至る距離はかなり違う。
鞍掛山を経由した場合だと5キロ、北尾根だと合流点まで1.6キロと鞍掛山経由の方が3.4キロも長い。
Mさんは長い距離を歩きたいという。
今日は左回りに歩いて最後に古賀志山に行く予定だが、右回りの場合だと合流点辺りで疲れを感じたら鞍掛山へ行かず、北尾根で登山口に戻るという方法がある。
バリエーションルートの多さはこのようにエスケープルートとして使うのに便利だ。


ベニバナツクバネウツギ
パッと見、ニシキウツギかと思ったが、ニシキウツギの花は下向きにつく。
それと萼片がツクバネウツギの特徴であるきれいな星形になっていることでベニバナツクバネウツギであることがわかる(といっても、帰宅して写真を再確認してからだが)。


長倉山から下りて鞍掛山へ行くには一旦、林道を渡る。
その林道までの道が明るくまた、歩きやすく、管理人のお気に入りである。


林道を横断して鞍掛神社の鳥居をくぐる。
沢に沿って少し歩くと大きな岩の窪みに佇む2体の石像が見つかる。
2体とも頭と腕がなく、胴体だけになっている。
明治時代におこなわれた廃仏毀釈によって壊された石仏ではないかと管理人は想像している。


ミヤマナルコユリ


大岩手前の岩を登るMさん。
管理人よりもはるかに多くの山を経験しているMさんは身のこなしが軽い。


展望のいい大岩に到着。
正面に古賀志山と御嶽山が、足下には宇都宮市街地が望める。
地元の人とおぼしき先着者3名あり。


小休止の後、鞍掛山へ向かった。
ここが「大岩」と呼ばれる理由がおわかりだろうか?


鞍掛山は展望こそないが山頂は広く圧迫感はない。
Mさんと管理人は大岩で休みを取ったので素通りした。

なお、この先からアップダウンが連続する。
嫌でも疲れるのでオーバーペースにならないよう、コントロールが必要になる。


この新緑もやがて濃い緑に変わり、梅雨時ともなると鬱陶しさを感じるようになる。
それまでの間、この爽やかな緑の中を歩くのを楽しむことにしよう。


標高472メートルのシゲト山からの眺め。
シゲト山は南北に短く東西に長い尾根を持つことから、場所によっては槍のように尖って見え、「鞍槍」とも呼ばれている。
それをわざわざ見るために別のルート歩いたことがあった。


ツツジが咲き終わり今は新緑が目を癒してくれる。


左の大きな岩を通過すると間もなく猪倉峠。


この辺りを地理院地図で見ると短い距離の間にピークがいくつもある。
それほどアップダウンが多いことを表している。


道はここで長倉山からくる北尾根と合流する。
右へ行くと手岡峠を経て古賀志山へ行く。


鞍掛ルートはアップダウンがあるかと思えば平坦な道があり、そして岩だらけの道だったりと変化に富んでいて飽きない。


古賀志山山域を歩いていると展望が開ける場所がいくつかある。
眼下には畑や水が張られた田んぼ、家や工場が間近に見え、人の営みが感じられる。
これが里山の良さなのだと思う。


自然が造り上げた美といっても差し支えのない岩の階段。
柱状節理の岩塊が長い年月を経るうちに崩れていき、階段状になったというのが管理人の認識。


道は突き当たって左がP559、右は弁天岩へと分ける。


斑根石山(P559)の斜面に群落をなすヒメイワカガミ。
咲き終わって枯れた花が多いがまだ数個の花を観ることができた。


間もなく「伐採地」。
伐採地とは、古賀志山によく訪れる地元の常連さんの呼称で、檜が伐採されて見通しが良くなったこの斜面を指し、管理人が古賀志山を歩き始めた頃のランドマークとしての存在だった。
今では檜の幼樹が育ち、以前の面影はなくなっている。
また、ここ数年であちこちの斜面が伐採地となっているので固有名詞としては通用しなくなった。


伐採地を富士見峠まで下りてきた。
ここを左へ折れると駐車場だが古賀志山へは直進する。


富士見峠からの上りはやや厳しい。
ここまでで10キロ以上は歩いたはずなので脚が重い。
頑張りどころだ。


いえ~い、古賀志山山頂だ!
この時間になるとさすがに人はまばらで、出会ったのは5人だけだった。


富士見峠まで下り、右へ曲がってゴールへと向かう。


ツボスミレ(ニョイスミレ)


シャガのミニ群落。


シラユキゲシ


水場まで下りてきた。
水量は多いとはいえないが飲み水としては十分な量だ。
山で水と出合うとホッとするのはなぜだろう。


芝山橋を渡り、右に赤川ダムを見ながら駐車場に向かった。


オマケの画像(場所は公開しないでおく)
キンランを発見したので撮ったが酷いピンボケ。
携行したカメラはキャノンIXY650だがマクロにとても弱い。
今日はいつものNikonのS7000(かなり古い)を自宅に置いてきたのを後悔した。
S7000もマクロに強いカメラではないがIXYはS7000にかなり劣る。
そろそろ別のコンデジを探さなくては。
画像に映っているのはMさんのPowerShotだが、果たして映りはどうであったろうか。



いつもの静けさを満喫できたGW中の古賀志山(ガイド登山)。」への2件のフィードバック

  1. 本島純子

    身のこなしは・・・重いです(^◇^;)

    PowerShotはIXYの上位機種になると思うのですが、やはり接写はいまいち・・・ですね。
    まあ、オートで撮っているので文句も言えませんが(^◇^;)

    ソニーと比べると、キャノンAFのほうが「はずす」率が高いような気がしています。
    SONY DSC-WX500ヘの乗り換え検討中・・・(販売終了機種なのでメルカリ狙いですが)

    ヤマレコアプリの記録でいくと
    距離 11.2km ↑897m ↓890m  
    となっていました。
    誤差にしては、大きいですよね・・・?!

    なにはともあれ、行き先選定の段階から大変お世話になりました!
    また、よろしくお願い致します。

    返信
    1. 亀歩き 投稿作成者

      カメラの情報をありがとうございます。
      私も物色し始めましたが、種類が多すぎて的を絞ることができないほどです。
      安い買い物ではないのでじっくり時間をかけたいと思います。

      山行記録はスマホ内蔵のGPSに依存するためバラツキが大きいですね。
      また、地図アプリ内でのデータ処理の方法も異なるため、機種間で比較するのは意味がないというのが私の認識です。
      といいながら、ときには3台、4台を携行して記録を採ったりしています(笑)

      返信

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