ツルリンドウを愛でに猛暑の古賀志山へ

2020年8月11日(火) 快晴 猛暑

会津駒ヶ岳でツルリンドウを見て、古賀志山のあのツルリンドウはその後どうなっているだろうかと気になった。

ツルリンドウを初めて見たのは昨年8月、お客さんと安達太良山に登ったときだった。
茶色の細い茎が地を這い、茎の途中に開きかけた朝顔のような淡紫色の花を見つけた。
はて、これは?
花はどう見てもよくあるリンドウなのだが、これまで管理人が見てきたリンドウは地面から茎を直立させ、茎の先端に花をつけるものだったので戸惑った。
図鑑で見るリンドウの仲間を頭に思い浮かべていると、まだ実物を見たことのないツルリンドウが思い浮かんだ。
そうか、これがツルリンドウなんだなという確信に至った。

Wikipediaによると、特徴として北海道・本州・四国・九州の山地の木陰に生え、蔓が地面を這ったり草木にからんで長さ40-80 cmになる。葉は対生し、3本の主脈が目立ち、開花時期は8-10月。葉腋に淡紫色の鐘状の5裂した花をつけて、紅紫色の果実が花弁の先に実る、とあり千葉県でレッドリストの絶滅危惧Ⅱ類、東京都で準絶滅危の指定を受けている、とある。

安達太良山では周回コースの往きと帰りで見たが数はわずかだったが、ツルリンドウの生育に適した環境はなんとなくわかった。
安達太良山でいえば適度に陽射しが遮られる林で、つる性だから絡みつく相手がすぐ近くにあることが条件になりそうだ。
これを古賀志山にあてはめてみるとなんとなくそれらしい場所が浮かんできた。

なぜ地元、日光ではなく古賀志山(広義の古賀志山山域)なのか?
理由は単純で、広範囲を歩き回る必要がないから(笑)
管理人は毎年、古賀志山に花が咲き始める3月から毎週のように山域をくまなく歩き回っては「古賀志山に咲く花たち」シリーズとして、咲いている花をブログで紹介しているが、今年は5月13日から咲いている花に加えてツルリンドウを探し始めた。
Wikipediaにあるように花期は8月になってからなので、まずは葉っぱ探しだった。
つる性、地面を這う、対生、目立つ主脈という特徴を頼りに探したところ、それは思ったほどの苦労をしなくても見つかった。
都合、3カ所にツルリンドウを探し当て、開花する8月を待ち望んでいたのである。

コロナ禍と長梅雨で3ヶ月遅れの会津駒ヶ岳初登を先週3日に済ませ、次に予定している燧ヶ岳、安達太良山、磐梯山までの間に会津駒ヶ岳で痛めた膝を回復する必要がある。
古賀志山をリハビリの場と考え、ツルリンドウ探しに行くことにした。

ちなみにこの日は全国921の観測地点のうち、778の地点で30度を超え、230地点が35度を超える猛暑日となったそうだ。一部には40度超えの地域が出、「熱中症警戒アラート」が発表された。
古賀志山がある宇都宮市(※)では37.3度を記録した(12日付け東京新聞)。
※管理人が今日、歩いたルートは日光市だが、山としては古賀志山山域に属している。

今年から利用し始めた内倉林道の駐車地に車を駐めて歩き出すことにしたがこの炎天下、人は日陰に移動できるが車にとってここは過酷な場所になろう。
今日はすぐ戻るから我慢して欲しい。
ちなみに、なぜ気温が上がるこんな時間から歩き始めるのかというと午前中はスポーツジムに通って体力をつけ(消耗か?)、一旦家に戻って昼飯を食べ、それからの出発になったからだ。
ジムで汗が流れ、熱々の昼食で汗を吹き出しそしてこれからまた、汗をかこうという今日一日のスケジュールだ。身体が干からびなければいいのだが。


普段の山行ではポールは使わない管理人だが今日は車内に置きっぱなしにしているうちの1本を取り出して携行することにした。
今日の山行では必須なのである。


内倉林道のずっと先に弁天岩がそびえているのを見て、ここを左へ。


ツルリンドウを探し求めて今年になってなんど、このルートを歩くのだろうか?


ポールを前方に突き出し、ぐるぐる回しながら歩く。
理由はまだ話さない(笑)


ツルリンドウの蕾を見つけた。
まるで朝顔のつぼみですね。


ここのは開いていた。


少しアップで。


真上から


横から
この場所のツルリンドウはこれを最後に終わりとなる。
3株あっただろうか、群落を作らないのはつる性ゆえに相方がいないと大きく生長しないから、あえて同種競合を避けているのではないだろうか?


ドングリになったミズナラ。
強風かなにかで落下したのであろう。
ドングリはクマの大好物なのでミズナラ林は気をつけて歩かなければならないが、古賀志山山域は幸いまだクマの侵入はない。安心して歩ける。


岩が見えるようになると腰掛岩が近い。


その腰掛岩。
ちょいと休憩。


ここは標高400メートル。
眺めは悪くない。


多くの人が歩くルートではないだけに、今日はこの蜘蛛の糸との格闘である。
歩き始めからずっとポールをぐるぐる回しながら蜘蛛の糸を壊しながら歩いている。
管理人に悪意はないが糸が顔にまとわりつくのはそれは嫌なものなのだよ。


鳥屋山(とややま)を過ぎくさり場の手前まで来ると2015年の豪雨によって崩落した斜面が目に入る。再発を防ぐための工事がまだ行われている。


ここで鎖が設置された岩場をふたつ下りる。


ここで尾根は分岐するので南向きの尾根に入る。


鉄塔237号


ここのツルリンドウも立派に咲いていた。


つぼみも多かった。


こうして上を向いて咲いているとリンドウであるとハッキリわかる。


つる性ゆえにツルリンドウの多くは向きが一定しない。


2カ所のツルリンドウをたっぷり堪能したのでそろそろ帰るとしよう。


内倉林道に戻ると駐車地はすぐ。


オオバギボウシ


振り返って奇っ怪な形の弁天岩を見上げる。
いやぁ、それにしても暑かった。
林の中は陽射しが遮られるとはいえ、風の通り抜けがないため汗が噴き出し、駐車地に着いた頃はTシャツはびしょびしょになりさらには、Tシャツで吸収できない汗がズボンに移って尻まで濡れた。