古賀志山、馬蹄形ルートを含む大外回り18キロを歩いて運動不足を解消!!

2016年4月30日
赤川ダム~天狗鳥屋~長倉山~鞍掛山~手岡峠~P444~腰掛岩~作業小屋~北ノ峰~赤岩山~御嶽山~古賀志山~北コース広場(一部・東陵の岩場を下る)~赤川ダム

ゴールデンウイークに入り、観光名所・日光にありながら営業活動に積極的でない我がペンションは3日になってようやく本格的な仕事となる。だからそれまで目一杯、遊びたい。
この時期、奥日光方面は観光の車で混雑することがわかっているので、行くとすればやはり渋滞とは反対方面の古賀志山だろうなぁ。

そういえば最近は18日に行ったきりご無沙汰で花もずいぶん変化しているはずだから、そろそろ見に行かねば。
ただねぇ、花の盛りの時期は写真を撮る時間が長くなってしまって、長い距離を歩けないのが最大の難点で丸一日かけてへろへろになるまで歩きたい管理人にとって花の季節は悩ましいのだよ(^^)
花も見たいし長い距離も歩きたい。この両者を叶えるためにはやはり時間をかけるしかあるまい。

今日、予定しているのはマニアックな人に人気がある、古賀志山の西から北にかけて大回りする馬蹄形コース。でもそれだけでは物足りないので古賀志山の北東に位置する鞍掛山コースをプラスしてみた。これで15キロ以上のトレッキングが可能になる。
ちなみに馬蹄形コースを歩くのは今回で4回目。過去3回の経験から、時間は花の観察も含めて最低8時間。写真を撮る時間が長くなれば10時間はかかるかもしれない。
あっ、さっきから写真、写真と書いているが管理人はカメラマンではない。山行の記録のためにたくさん撮る必要に駆られていてそれで時間がかかってしまうだけ(^^)

参考
1回目:15年6月30日・・・こちら
2回目:16年1月03日・・・こちら
3回目:16年1月09日・・・こちら


8:28
今日の赤川ダムそして、水面に映る古賀志山は実にきれいだった。
古賀志山は杉や檜が植林されているが広葉樹も多く、今は新緑の季節を迎えて萌えている。
今日は古賀志山が最後になるルート設定、しかも日没になるかもわからないので、ここでじっくり眺めておくことに。


今日は赤川ダムの真北に位置する天狗鳥屋をスタート地点とするのでそれまでの道すがら、花を観賞しながら歩く。
これは古賀志山全域に生育するタチツボスミレ。古賀志山だけでなく日光広域に生育しているスミレの仲間では一般的なものだ。


天狗鳥屋へは整備された登山道(ただし、地図にはない)もあるが、今日は先日見つけた直登コースで時間短縮を図ろう、、、、


のつもりだったのだがこんなロープがあったのでつい悪戯心が出てしまい、ロープをつかんだ。つかんだまではよかったのだが身体が持ち上がらない。片手に杖を握っているため腕に力が入らないのとザックが重すぎるためだ。杖はピッケルの代わりに使えないものだろうかと持参した。そして、ザックは65Lという大型のを背負い中味もぎっしり詰まっているから15キロくらいの重さになっている。中段までいって諦めて下りることにした。
そんなわけで時間短縮の目論見は見事に外れ、最初から大汗をかく始末だった。


ここのツクバキンモンソウはほぼ終わっていた。


今が盛りのチゴユリ。古賀志山全域に生育している。可愛い花だよね。


ツツジの中ではこのヤマツツジがもっとも元気だ。


天狗鳥屋から長倉山への道は緩やかで快適なトレッキングが楽しめる。
が、長倉山から鞍掛山へ至るのに急斜面を下って、それから登り返さなくてはならない。


10:00
鞍掛神社の入口付近にある双神体。
廃仏毀釈によるものだと思うが頭と腕がもがれて頭には代わりとなる石が乗っている。


双神体から先、傾斜は急に厳しくなるが先が長いのでヤマツツジやトウゴクミツバツツジなどを眺めながら、焦らずゆっくり登っていく。これはアブラツツジ。丸い実のようなものが花で先端が少しめくれているのが全開の状態。


10:28
ここは鞍掛山手前の「大岩」という展望地。古賀志山から西へつながる主稜線がよく見える。


小田代ケ原や戦場ヶ原でよく見るズミが標高の低い古賀志山(実際には鞍掛山)にもある。
管理人、この一年で古賀志山をかなり広範囲に歩き回ったつもりだがズミはここでしか見たことがない。昨年、蕾を見てまさか古賀志山にズミ? と思ったのだが開花してみると紛れもなくズミであった。


大岩の脇で見つけたアオダモ。


大岩を下りて10分ほど歩けば鞍掛山だが、そこへの道は平坦で歩き易く、気持ちのいいトレッキングが楽しめる。


これはトウゴクミツバツツジ。
盛りは過ぎたが標高が上がるとまだ見ることができる。


アカヤシオ、トウゴクミツバツツジと続いたツツジはこのヤマツツジに変わり、しばらくはこの朱色の花が楽しめる。


ここのツクバキンモンソウはまだ元気だ。


11:30
鞍掛山から先はかなり長い距離、日光市との境界線上を歩く。
この鞍部は「猪倉峠」と名がつけられているが地図には描かれていない。日光市に猪倉という地名があり、そこから採ったものだと思う。いずれにしても山ではそこがどこなのかを識別するための、正式ではないにしろこのような地名即ち、記号は必要だと思っている。


12:27
鞍掛山コースと馬蹄形コースを分ける重要なポイントとなる「手岡分岐」。
今日は鞍掛山から尾根上を歩いて画像手前からここに来た。馬蹄形コースはここを右斜めに下るのだが非常にわかりづらく、気づかずに直進(実際には左カーブ)すると古賀志山へ行ってしまい、馬蹄形コースに入れない。


帰宅してからわかったのだが葉っぱが2種、混在している。両者、バラ科の植物だが黄色い花はミツバツチグリに違いない。


13:30
ピーク444の尾根に達するにはこの岩場を乗り越えるのだがここでも杖がじゃまになった。


昨年9月、豪雨によってピーク444の斜面で大規模な崩落があった。土砂は植林された桧とともに沢に流れ落ち、さらには沢を600メートルも走って県道に達し、民家に被害をもたらせた。
県道に堆積した土砂を取り除くのに3週間もかかったほどだ。


13:35
ピーク444。
地図を見ればここが標高点であることがわかるが、ここにはそれを示すものはない。


13:41
古賀志山主稜線の北側を走る稜線の最後の部分、腰掛岩。よくぞ自然はこのような形の岩をこしらえたものと感心するが、実に良くできている。


これで何度目の食事だろうか、、、、忘れた(^^)
距離が長く時間がかかるので絶えず物を食べていないとエネルギー切れを起こす。管理人の主食は菓子パン。それとバナナやカロリーメイトなど立ち食いできるものを携行することにしている。
それに加えて今日はコーヒーまで付くといったサービスの良さだ(^^)

なお、古賀志山山域は岩場が多いので両手を空けておかないとならないため、これまでトレッキングポールは使ったことがなかったのだが冬山でのピッケルの有効性に目覚めてからというもの、ピッケルに代わるものとして、今日は古賀志山で初めて、取っ手がT型になっているポールを使ってみた。

1100円という信じられない値段で買ったものだがキャプテンスタッグというちゃんとしたアウトドアメーカーの製品。それを使いやすくするために若干、手を加えてある。
結果、急な斜面ではその効果は抜群であったがロープや鎖を使う岩場ではとてもじゃまになった。古賀志山で使うにはもうひと工夫、必要だ。


14:09
腰掛岩から南へ進路を変え、赤岩山へと向かうがそれには一旦、大きな沢に下りて林道を横切り、反対側の斜面に取り付く必要がある。
この沢は昨年9月の豪雨によって山が崩れ、そこから流れ出た土砂で埋め尽くされている。


沢を横切って反対側の斜面に取り付く。その入口がここ。


14:20
馬蹄形コースを歩く際の目印となる作業小屋。この小屋が見つからない場合は道を間違っていることになる。もっとも地図とコンパスがあれば脱出は容易だが。


14:30
次の目標地は標高433メートルの北ノ峰だがその直下の岩壁に大きな洞窟があって、お坊さんの墓が収められている。台座の上に卵形の石が乗っているので初めは石の像かと思ったのだが、書籍を買って調べると坊さんの墓でそれを無縫塔ということがわかった。
現在は名板が設置されている。


無縫塔から北ノ峰に行く前にもうひとつ、立ち寄りたい場所がある。案内板にある「籠岩」である。


14:40
特別、見て面白いというわけではなく、単に距離稼ぎ(笑)


GPSの距離計は籠岩でちょうど10キロを示した。が、このGPSは仕様で時速4キロ以上でなければ積算されないらしい。だから実際にはもっと歩いているはず。


14:48
古賀志山から派生する主稜線のもっとも西に位置する北ノ峰に着いた。地図には三角点の記号と標高が描かれているだけで名前の記載はない。
ここから古賀志山へはいくつかの岩を乗り越えて行く、古賀志山でもっとも魅力的なルートだ。


15:10
赤岩山手前の猿岩。
時間がじゅうぶんあれば岩に上って休憩したいところだが、今日は眺めるだけでパス。


さすがに標高500メートルを超えるとトウゴクミツバツツジはまだ十分、見られる。


15:19
標高535メートルの赤岩山を通過。
山頂は展望が悪いためこの50メートル先にある今は使われなくなったパラグライダーの離陸場で息を入れることにする。


岩にへばりつくようにして咲くヒメイワカガミ。
群落を作るので見栄えはいいが岩の斜面を好んで生育するので見る方にとっては命がけだw


マクロで。
日光のはピンクの花(イワカガミ)で日当たりのいい場所に生育するが、古賀志山のは岩陰を好み花は白い。環境に適応していくうちに花の色や葉の形、大きさが異なっていくらしい。


ここも難所のひとつ。
昨年末から何者かの悪意によってロープ外しが繰り返された問題の岩。
今は登山者の善意で頑丈なロープが取り付けられている。などとここで書くとまた取り外される恐れが出てきそう。
昨年末、ここに巻き道があることを教えてもらったので通ってみることにした。この岩の基部を右へ斜めに入るのだが途中で藪になったので間違ったのかもわからない。


これはアカマツなんでしょうねぇ? 小さな松ぽっくり(雌花)と若芽が目に入った。
本木をもっと詳しく見ればよかったのが木をみて森を見ずの例えの通り、花に気をとられて木を見ず。アカマツにしておこう。


16:07
古賀志山から北ノ峰に続いている主稜線の中間に位置する中岩。ここも眺めがいい。
この南側にカニの縦ばいと呼ばれる急斜面の難所がある。


中岩から先、御嶽山まで見晴らしはいいが滑落してしまいそうなやせ尾根が続く。
が、こういう道って好きだなぁw


中岩を下りると今度は高さ5メートルほどの岩を垂直に下るという試練が待ち構えている。
画像は岩を降りて振り返ったところだが、ここでも手に持つ杖がじゃまになった。


16:29
ふ~、ようやく御嶽山だ。


NPO法人「古賀志山を守ろう会」によって今年、設置された山座同定盤。
ここ御嶽山山頂からの展望は素晴らしく、360度のパノラマである。
ロープが外されたり設置したばかりの道標が引き抜かれたりとトラブル続きの古賀志山だが、どうかこのまま何ごともなく登山者の役に立ってほしいものだ。


山座同定盤のすぐ脇に色のきれいなヤマツツジがある。ヤマツツジを通して日光連山が見える。


御嶽山から古賀志山に向かうには鉄梯子を下り、次にこの岩の直下の巻き道を通り抜ける。
画像は通り抜けてから振り返ったところだが先月半ば、ツアー登山で来ていた女性がこの岩を乗り越えようとして足を滑らせ、10メートルほど落ちて命を落とした。前日の雨で岩が濡れていたのが原因であろうと推測するが、巻き道があるのにわざわざ濡れた岩の上を歩くか普通? 無謀を自負する管理人でさえやらない。見ず知らずの人ながら、こんな場所で命を落とすなんて実に悲しい、貴重な命を、実にもったいない。合掌。


16:53
へろへろになりながらもなんとか最後の目的地、古賀志山に辿り着いた。
この時間、誰もいない。当たり前か?
これで馬蹄形コースは歩き終えた。


古賀志山から下るにはいくつかのルートがあるが、見晴台まで移動して東陵コースの岩場を下りることにした。緊張はまだ続く。


東陵コースはさらに道がいくつかに分かれている。
今日はこれまで歩いたことがない道を下ってみることにした。当然ながら地図に道は描かれていない。が、どの辺に出るかはこれまでの経験でおおよそわかる。この道は方角からいって北コースのどこかへ出るはずだ。


17:27
おぉ、広場に出た。これでまた、道をひとつ覚えた。
広場というのは北コースを歩き始めて30分ほどの所にある平らな場所で、一息つけるところだ。地元の常連さんが集う場所になっている。昨年9月の豪雨で土砂に埋まってしまったがその後、丸太のベンチが作られた。


17:48
北コースの入口部分。
フェンスの下が細野ダムから赤川ダムへと流れる赤川。ここに橋がかかっていたのだが昨年9月の豪雨で流出してしまい、現在は川を渡れない。フェンスの手前が現在の道。


公園管理者の耳に入ると叱責されそうだが、流出した橋の基礎となる鉄骨が今もなお残っていてそれを渡るとアスファルトの道路に出る。橋が流出する前のコースだ。
その道路脇にもいろんな植物があって楽しめる。今はニリンソウが盛り。


タツナミソウも盛りだった。


18:01
赤川ダムほとりの憩いの広場。
日没前の静かなひとときを独占した。

馬蹄形コースは通常、古賀志山を起点に西側を大回りして図上の「分岐」までのコースを指している。これが馬の蹄の形に似ていることから付けられたコース名だと思う。
このコース、古賀志山から北ノ峰までは地図に道はないもののルートははっきりしているがそれから先が難しい。特に林道内倉線の北側は尾根の分岐が多く、違う尾根に引き込まれやすいので注意。紙地図とコンパスは必須だ。
この日、管理人は馬蹄形コースに加えて鞍掛山コースも歩いたが、距離が長いので健脚向きだと思う。馬蹄形コースだけを歩く場合は分岐まで行ったら南下して古賀志山へ下りるコース(あるいはその反対回り)をお勧めする。それだけでも10キロは稼げる。
なお、ルートがわかりづらいことを考慮してGPSのログをダウンロードできるようにしておいた。クリックでD/Lしてください→こちら
GPSの指示にしたがって歩けば一周できると思うが、それじゃぁ馬蹄形の面白みはわからないと思うよ、きっと(^^)