那須連峰、朝日岳・三本槍岳・茶臼岳16キロ縦走

2022年6月13日(月) 晴れ→曇り→雨・朝のうち強風

20キロの行程を歩く体力を維持しておくことは疲労や判断力低下がもたらす遭難を防止する観点からとても大切だと思っている管理人だが、コロナ禍で登山を控えた影響によって体力はみるみる衰え、腹回りに脂肪をたっぷり蓄えておよそ登山には不釣り合いな体型に変化した我が身を見るにつけこれから先、まだ登山を続けるのであれば体型改善が急務であると危機感を募らせている。

このところ古賀志山に咲く花の探索ばかりで歩行距離は8キロ未満の山行が続いていて10キロ以上の行程はない。
近いうちに女峰山16キロを予定しているが今の体力では難しい。
かつてのように山道を20キロ以上歩ける体力に戻したい、それが今、管理人が望んでいることである。

梅雨の合間の晴天が期待できる今日、古賀志山を離れ、2年ぶりに那須の山を訪れることにした。
咲いている花のことが気になっていることに加えて、体型改善向けの距離が歩けるので女峰山の予行演習に適していると考えたのである。

メモ(GPSはiPhone7を使用した)
・歩行距離:15.9キロ(GPSログをカシミール3Dで処理した値)
・所要時間:7時間22分(写真撮影と休憩を含む)
・累積標高:1306メートル(アップダウンのうち、上昇分の累積)

雨の心配は拭えないものの晴れが期待できる貴重な日となった。
この日を逃すとしばらくの間、登山に適した日は訪れない。
そんな管理人と同じ考えの人がいかに多いことか、峠の茶屋駐車場は満車に近い状態だった。
いや、梅雨の合間の晴れという要因ばかりではない。
那須連峰はルートがたくさんあって選択の自由度が高い。ルートを組み合わせると20キロ以上のロングトレイルを設定できる。
ルートのどこからでも雄大な展望が楽しめるし地形が変化に富んでいて那須のさまざまな顔を見ることができる。
そして多種多様な植物が生育していて花好きにはたまらない魅力を備えている。
いわば各地の山の良さがギュッと凝縮されているのが那須連峰の魅力ではないだろうか。

日光から2時間20分かけて駐車場に着き車のドアを開けると冷気を伴う強い風に見舞われた。
今日の管理人は薄手の中間着の上にこれも薄手の防風ジャケットという、この時期のスタンダードいうべきウエアだが、外は耐えられないほど寒い。
那須の山は強風が吹くことで知られているが麓がこれほど寒いのなら標高が上がれば気温はもっと下がる。
ザックから雨具上下を取り出して着込み、フードを被った。手袋も必須だった。


おっ、なにやら新しい建物が、、、
トイレを兼ねた休憩所だった。
右の出入口を通り抜けると登山口への階段がある。


登山届用のポストを備えたパトロール小屋。


那須岳神社入口の鳥居。
ここが実質的な登山口となる。
ちなみに那須岳神社は茶臼岳山頂にある。


マイヅルソウ
そういえばこの登山道はマイヅルソウの群落があることを思い出した。


ベニサラサドウダンの蕾


イワカガミが盛りだ。


峰の茶屋跡避難小屋(以下、避難小屋)に向かって歩いていると先ず目に入るのが避難小屋と朝日岳の間にそびえる剣ヶ峰。


左に目をやると大きな茶臼岳がで~んと構えている。


この強風の中、避難小屋に向かって歩いて行く登山者。
軟弱な管理人はこの風にすでに気持ちが萎えている。
今日は途中、挫折して撤退かもな?


白いイワカガミ。
女峰山で初めて見たときなんだろうと思って調べたところ、ヤマイワカガミであることがわかった。
那須連峰も女峰山と同じくピンクのイワカガミとこれが同居している。
古賀志山にも白いイワカガミがあるがそれはヒメイワカガミで、古賀志山にはイワカガミやヤマイワカガミはない。


避難小屋が見えてきた。


避難小屋に着き、これから今日1座目の朝日岳(3つ並んだピークの右から3つ目)へ向かう。
ここからだと茶臼岳がもっとも近いが茶臼岳に登って体力を消耗してから朝日岳、三本槍岳に登るのは厳しいことから、茶臼岳は最後に体力が余っていたら登るようにしたい。


朝日岳に行くには剣ヶ峰の中腹にある登山道を進む。
道は細く右側は急斜面だが足元を見ながら歩けば問題ない。

ところで、帰宅してデジカメからPCに写真を取り込んで再生すると中央がボケていることが判明。
今日撮ったすべてに同じ現象が見られた。
CCDが劣化しているのだろうか?
ただの水滴であればいいのだが。


剣ヶ峰から先はガレ場あり岩場ありで変化に富んではいるのだが緊張感は否めない。


こんな怖いところも、、、


福島県との境に連なる流石山、大倉山、三倉山(右から)。
いつか歩いてみたい管理人憧れの縦走路なのだが周回ルートがとれないので二の足を踏んでいる。


「朝日ノ肩」から朝日岳を見上げる。
朝日岳の向こうに道はないのでここを起点にピストンになる。


本日の1座目、朝日岳に登頂。

運動不足が原因なのかこのところ10キロ前後で太もも前面の筋肉が硬直して激しい痛みを感じることがある。今日は10キロ以上歩く予定なのでここで梅丹のミネラル系サプリ「2RUN」を飲んで予防とする。


茶臼岳が一望。


朝日岳を降りて朝日ノ肩を北へ向かうと隠居倉と清水平を分ける石積みの道標(那須連峰はこういう道標が多い)があるのでここを北へ、一本道を行く。


目指す三本槍岳が見える。
初め、山名から察してさぞ急峻な山なのであろうと想像したが実際に遠くから眺めるとなだらかで優しい姿をしていることに先入観を改めた。
『三本槍岳の地名の由来は、昔、この山頂の領地がはっきりしないため、会津藩、那須藩、黒羽藩の3藩が領地を確認するため定期的に集まって槍を立てた故事による』・・Wikipedia
ちなみに残雪期はマウントジーンズスキー場のゴンドラと中ノ大倉尾根で割と簡単に登ることが出来る。


清水平手前の下り傾斜に咲いていたアズマシャクナゲ。
咲いたばかりと見えてとてもきれい。
そういえばここにはハクサンシャクナゲもあったはず。


木道が現れるとここから先は清水平。


清水平
地理院地図には湿地の記号が描かれているが中を歩けるわけではなく1本の木道が三本槍岳に向かって延びているだけである。


ミツバオウレンは三本槍岳に向かう間、随所に見られた。


ムラサキヤシオ


緩急織り交ぜた登山道の終わり近く。


山頂は14・5人の登山者で賑わっていた。
団体登山のようだった。


団体が去ると管理人ひとりになった。
360度の展望をゆっくり楽しみ写真を撮り、それから昼食にした。


燧ヶ岳とその右に会津駒ヶ岳から大戸沢岳に続く長い尾根。


山容から察して高原山(鶏頂山、釈迦ヶ岳、中岳、西平岳の総称)でしょう。


なんとも判別しがたいが左から、赤薙山から女峰山へ続く長い尾根、その右は男体山さらにその右は白根山であろう。


三本槍岳の山頂で30分ほどの休憩の後、下山にかかった。
上りでは気がつかなかったがミネザクラが咲いていた。


フデリンドウかな?


朝日ノ肩を避難小屋へと向かう。


朝日岳と三本槍岳を登り終えて避難小屋まで戻ってきた。
歩き始めてここまでで距離9.5キロ。
梅雨明けに予定している齢74歳記念の女峰山登山のためにも距離を延ばしたい。
今日の最後の1座として周回ルートで茶臼岳に登って下山しよう。


牛ヶ首に行く途中の無間地獄。
水蒸気を上げているのは茶臼岳が盛んに活動している証だ。


牛ヶ首に着いた。
この時間、登山者は誰もいない。
さて茶臼岳だが、目の前に山頂への斜面が見えるがここから登れるわけではない。
東へ、ロープウエイ山頂駅まで行ってそこから登る。


ロープウエイ乗り場への分岐から山頂を目指すわけだが、ここから山頂まで傾斜20度の斜面を標高にして200メートル登らなければならない。
歩き始めからここまで距離12キロ、疲れている。
ロープウエイで降りたらどれほど楽だろう、そんな気持ちがよぎるがここは正念場だ。
女峰山を目指すにはこれくらいの試練は覚悟しておかなくてはならない。


足を引きずるようにして登った。
傍目には遭難者が彷徨い歩いているような足取りに見えたことだろう(誰もいなくて良かった)。


ふ~、なんとか登れた!
これから先は下りあるのみ、気持ちが一気に楽になった。
気がかりなのは辺り一面霧に包まれ、いつ雨が降ってもおかしくないことだ。


濃霧の中を足元に注意しながら慎重に進む。


避難小屋の手前でポツポツと始まった。
ここで雨具を着けることにした。


雨はまだ小降りなので岩が滑るようなことはない。


雨が激しくならないうちに登山口に到着したのが幸いだった。


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