雪の古賀志山に初挑戦。緊張を強いられた一日であった。

2016年1月19日(火)
赤川ダム駐車場~北コース入口~バリエーションルートで反省岩~東陵岩場~見晴台~古賀志山~御嶽山~滝コースで聖観音~対面岩(モアイ像)~南コース~赤川ダム駐車場

昨年の春から通い始めた古賀志山は新緑や花、紅葉を見たことはあるが雪景色をまだ見ていない。いつかは見てみたいものだと思っていたところ18日、太平洋の低気圧が首都圏に雪を降らせた。当然ながら古賀志山にも積もったはずなので、これ幸いとばかり視察(などと大げさなものではありませんが^^)に行ってきた。

雪がなくても危険な古賀志山のバリエーションルートに雪が積もるとどう変化するのか、岩場はツルツルになって登れなくなってしまうのだろうか、それをこの目で見てみたかった。


10:54
宇都宮市森林公園の駐車場は雪が降った翌日ということもあって車は少ない。台数はざっと数えて25台。
普段ならこんなに遅い時間だったら平日でも満車になっている。

駐車場に隣接する赤川ダムから正面に古賀志山が望める。
白くなっている部分が見られるから雪上歩きが期待できるかも知れない。

赤川ダム脇のアスファルト道路を歩いて今日は北登山道(北コース)まで行くが、この道は散策する人、ジョギングをする人、自転車を乗る子供達で賑わう場所なのに、それらの人を見かけないのも雪の影響によるものなのであろう。

北コースの入口となる赤川にかかる橋が崩壊し、いまだに修復に至っていないため、橋を渡らずにコースに入れるよう、このような道標が立てられている。
登山者有志によるものだそうだ。

今日の未踏バリエーションルートは北コース入口から通称「反省岩」のある尾根まで約300メートルだ。
わずかな距離だが古賀志山のバリエーションルート全踏破を目指している管理人にとって貴重な300メートル(^^)

この先の尾根が芝山橋を起点にしたときに使われるもの。
ここまで積雪は10センチほど。いつもの古賀志山とは異なる雰囲気の中を歩くことができた。

思いの外、雪が多い。こんな日は靴だけだと滑る。チェーンスパイクを着けて歩いている。

11:40
「反省岩」と呼ばれている展望の良い大岩に着いた。岩の上に立つと中尾根が見渡せる。

岩の上からは中尾根しか見ることはできないが、中尾根の全貌を知るにはいい場所だ。
中尾根は広角でも1枚の写真に収まりきれないほどの長さなので、デジカメのパノラマモードで撮ってみた。
歩いてみるとわかるが全体が岩の集合体でできている。土の部分はもちろんあるし様々な樹木が生育している。が、多くは岩陵だ。

東陵ルートの岩場に近づくと道は狭く急傾斜になる。片側は雪の谷になっているのでそれなりのスリルが、、、

12:27
東南稜ルートと交わり、岩場が始まる。幸いなことに岩に雪は付いていないし、凍ってもいない。
最後の岩場を登り切るまで複数の鎖とロープを伝って高度を稼ぎ、最後の鎖で上ったところが東陵見晴台。
ちなみに東南稜ルートを歩くと岩場はあと2つ(たしか)増える。

12:48
ここが東陵見晴台。
この位置からだと東から南にかけての見晴らしがよく、数メートル移動すると木立にじゃまをされるが北に釈迦ヶ岳、北西に日光連山が見る。
条件のいい日であればスカイツリーと都心の高層ビルが見られる。今日がその日だった。
ただし、小さなデジカメで撮せるほどではない。目で見て楽しむレベル(^^)

13:28
古賀志山山頂。
雪の上に踏跡はあるがこの時間、誰もいない。

古賀志山から御嶽山に向かって歩くと赤い鳥居がある。これが地理院地図に表記されている鳥居なのだが、管理人は当初、ここが御嶽山なのだと思った。地理院地図には御嶽山の表記がないためだ。
その後、いろいろ知るようになりわかったのだが、この鳥居は御嶽山とはまったく関係ないもので、群馬県榛名山中の天狗山を拠点にする宗教法人、「大世自神霊宗」が建立した小社跡だそうだ。

13:44
ここが御嶽山。
ただし、地理院地図のピークにありながら地図には山名はもちろんのこと、標高も描かれていない。航空写真だとわからないような場合は地理院の職員が実踏して旧地図を改訂することになっているはずなのだが。

これが地理院地図。
御嶽山は古賀志山の南西に位置するピークだが山名もピークであることを表す標高も描かれていない。
赤い鳥居の位置に鳥居記号が描かれている。おそらく地理院は航空写真に写る赤い鳥居を御嶽山と誤解しているのだろうと思う。地図に山名が入るのはいつになるのやら。

御嶽山からの眺めはとても素晴らしいのだが先ほど、東陵見晴台から見えた日光連山は雲に隠れてしまった。
どうやら雪が降っているようだ。

今日は雪の古賀志山を歩きたい、ただそれだけが目的だから、なるべく雪深いルートを辿るようにしている。
御嶽山から瀧神社に向けて桧林を下ってみることにした。雪はけっこうな量。
足下はチェーンスパイクを着けているが傾斜が急なので時折、ズルッといくことがある。

14:18
瀧神社の手前の分岐を東に折れると岩下道の始まりになり、岩壁の洞窟の中に聖観音(せいかんのん)がある。
俯いた観音様の前には2体の仁王象がカッと目を見開いて立っていて、その対照的な姿がほほえましい。

野ウサギの足跡だ。
雪がないときには絶対に見ることなどできないが、間違いなく生息している証。

14:40
久しぶりにモアイ像(正式には対面岩)を見てみたくなった。
岩下道から外れてガレ場を5分ほど歩けばこのユーモラスな人面岩を見ることができる。言い得て妙とはこの岩にあてはまる。

上の写真は正面に見える岩にへばりついて撮ったもの。この他にモアイ像らしく撮れる場所はない。
残念なことにここでもロープが取り外されているのを確認した。
この岩を上ると「対面岩」の案内板に行けるのと、古賀志山大神にも行けるのだが、ロープなしでは困難だ。
さらには上りよりも下りの方が危険である。

雪の上に青インクを数滴、垂らしたかのようなきれいな色が広がっている。
色の正体を確かめたくて青く染まった雪を少しずつどかしていくと、最後に数ミリほどの形の崩れた青い粒が現れた。何かの木の実らしい。
岩下道は秋にも歩いているのだが、青い実のなる植物などまったく気付かなかった。
今年の秋の課題にしておこう。

14:52
岩下道はここで終わりとなり、直進すると南コースと合流する。
進路を北(写真の方向)に変えると管理人が御来光を仰いだ猪落(ししおとし)に行く。
この太い木の幹に、行き先を示す黄赤のプレートが取り付けられていたのに取り外されていた。
岩場のロープといいここのプレートといい、なんらかの明確な意図を持った人の仕業であろう。

南コースと合流し、、、

林道・古賀志山を赤川ダムに向けて歩く。
チェーンスパイクはまだ外せない。

林道の途中から森林公園内の遊歩道に入って2500メートルほど歩くと起点とした駐車場に着く。

やはり雪のため時間がかかった。
全行程6.8キロを時速1.4キロという超スローペースで歩いたことになる。
もちろん写真を撮ったり植物を観察したり、そして、菓子パンをかじる時間も含めてだが、はて、菓子パンはどこで食べたっけ? 思い出せない管理人である(^^)