2015年の山歩きまとめ。古賀志山が33回で他を圧倒(地図で紹介)。

2015年12月31日(木)

とうとう今年最後の一日となった。
今年をひと言で言うと、怪我による長い空白から抜け出て、山への「再帰」あるいは「復帰」元年といっていいだろうと思う。それを示すのが61回という山行回数だ。怪我する前の健康な頃よりも多かった。仕事などしている余裕がなかったww
なお、1月から3月はスノーシューのガイドで忙しく、プライベートな山行はしていないので上の数字は9ヶ月での回数だ。月平均7回といったところ。
全体はこちらで。スノーシューツアーの総括はこちらで。

DSCF5465怪我の後遺症を考えて無理をせず、まずは低山からと思って登り始めたのが古賀志山であった。
管理人がガイドを務めるスノーシューツアーに今シーズンだけで6回も参加してくれた、宇都宮市在住のOさんが背中を押してくれた。Oさんは出会った時すでに古賀志山に50回も登っている、古賀志山の常連さんであった。Oさんが提供してくれる情報の中で岩場と花、特に岩場は日光の山では経験できないだけにとても刺激的で魅力あるものであった。吸い込まれるように岩と花を求めて古賀志山に通い詰めた。

9月になってNPO法人「古賀志山を守ろう会(以下、守ろう会)」の存在を知った。
グーグルで見つけたのだが貴重な資料満載のホームページを公開している。古賀志山に関するネットの情報は、同じ場所にもかかわらず複数の異なる名称が表記されていて混乱していたが、守ろう会のホームページで正しい名称を知ることができた。山や岩、祠などの歴史的背景も知ることができた。
正しい知識をもって古賀志山に向かい合おうと思ったのは、守ろう会の存在を知ってからのことだ。

Oさんそして、守ろう会の存在があってこそ、管理人の古賀志山への探求心というか、好奇心が満たされたものと思っている。その結果、3月から数えて今月28日で33回を数えるに至った。
あっ、でも、日光の山をやめてしまったわけではなく女峰山、白根山、社山に黒檜岳、鳴虫山他諸々に行っており、その数は25回になる。また、鹿沼の岩山、篠井富屋連峰(宇都宮アルプス)にも行っている。それよりも古賀志山の方が上回っているということであり、古賀志山に命を捧げたというわけではない(同じようなものか・笑)。

これまで地の利で日光の山にはずいぶん登ってきたし今でも気が向くと登るけれど、山歩きの面白さという点で古賀志山と比較すると、残念ながら古賀志山にかなわない。
主観の域を出ないが以下、具体的に比較してみる。
・100本のルートに対して、1本のみ
・岩場ありに対して、岩場なし
・アップダウンの繰り返しに対して、一方的に上り一方的に下る
・展望地多数に対して、展望地少
・麓から山頂まで花だらけに対して、部分的
・歴史の跡多数に対して、少ない
・クマの恐怖なしに対して、どこでもクマと出遭う危険あり
・今のところまだヤマビルを見ていないのに対して、ヤマビルの生息範囲が拡大
・人は多いが適度なのに対して、小田代ケ原や戦場ヶ原、千手ヶ浜などほぼ飽和

言わずもがな、左が古賀志山である。
古賀志山山域は狭い。3.5キロ四方しかなく広大な日光に比べれば箱庭レベルといってもいい。その箱庭の中に山のあらゆる要素が詰まっている。だから短時間でいろいろな体験ができて面白いし、飽きない。100もあるルートを組み合わせることで20キロ以上の距離を歩くことができる。カスタマイズ自由自在なのが古賀志山だ。その100ものルート、いつ歩き終えるのか。

ルートの分岐に道標などないから地図とコンパスを使って自分が進むべき方向を選ぶ必要がある点で、読図の勉強にこれほど役に立つ地形はないと思う。万一、迷ったかなと思ってもそこは狭い山域なので適当に歩けば、山域をぐるりと取り巻く林道や県道に出て難を逃れる。が、それは管理人はしない。地図とコンパスを使って自分の行き先を見定めて進む。その方が読図力は向上する。

深田久弥、日本百名山の選定基準によれば、百名山は山に品格があること、山に歴史があること、山に個性があることとされるが古賀志山は歴史があることと個性 があることでは合致する。個性でいえば、そんなもの超越して一癖も二癖もある難物である(^^)
歴史の面では昔から地元の人に信仰の対象とされそれは3.5キ ロ四方という狭い範囲の中に多くの祠や社、石像があることで示されている。

品格面で見ると、、、これはどうかな(^^)
地理院地図に描かれていないルートが100以上もあるというのは、林間を勝手に歩いて道にしてしまったのであろうし、岩壁のあちこちにはクラ イミング用の金具など人工物が取り付けられている。歩くのにじゃまだからという理由で地主が知らぬ間に木が伐採されたという話しも聞くし、岩場からハイカーが滑落して重傷を負う事故も多い。これらは客観的に見てマイナス要因であろう。
しかし、それらを考慮しても山の魅力を形作る材料の方が多いと管理人には思える。

管理人が現在、古賀志山に足繁く通っている目的は、100以上あるとされるバリエーションルートを歩き尽くすことなのだが、ただ漠然と歩き回っているわけではない。狭いながらも地形が複雑なのを利用して読図能力の向上が狙いのひとつだ。日光の山では求められることのない読図能力が、古賀志山では必須である。

DSCF5631バリエーションルートは岩の上り下りが不可欠だ。ロープや鎖のある岩場もあれば両手両足を使ってよじ登らなければならない岩場もある。それらの岩場をどうすれば安全に上り下りできるのだろうか、それを追求するのも目的だ。
そのため関連する本を買い集め、10冊ほどになった。クライミング用品も溢れるくらいになった。ここまで知識と実践の幅を広げられたのは古賀志山に通うようになってからだ。

花の種類が多いことも魅力だ。いや、種類が多いだけでなく、登山口から山頂までずっと、花を観ながら歩ける楽しみは日光にはない。

長い間、日光の山に登ってきたけれど、今年ほど目的意識を持って山を歩いたことはなかった。古賀志山を通して得た知識は管理人にとって大きな財産である。
岩場は面白い。今まで眠っていた自分の中の可能性を引き出してくれる、そのトリガーとなり得る素敵な要素だ。自分でいうのもなんですが、管理人、かなり危険を好む性癖があることもわかったw

この一年、本当にいい経験をさせてもらった。
Oさんには心から感謝している。ありがとう。
古賀志山を守ろう会が公開している貴重な情報は管理人の探求心を大いに満足させてくれた。会のますますの発展を祈ります。
古賀志山で出会った地元の人の親切には頭が下がる。
皆々様、管理人は来年も足繁く古賀志山に通いますので、これからもご指導のほどどうかよろしくお願いいたします。
最後に、このブログの読者にはいつも饒舌な記事にお付き合いくださってありがとうございます。来年もよろしくお願い申し上げます。


mapこれまで掲載しないことにしておいた、33回分の古賀志山歩きの軌跡を地図1枚に集約して掲載しておきます。
読図ができてなおかつ、古賀志山をとことん追求したいと思っている方は参考にご覧ください。
軌跡はGPSで記録したものをカシミール3Dを使って地理院地図の上に再現したものですが、そのほとんどは地理院地図にルートが描かれていません。
くどいようですが読図ができて初めて、古賀志山のバリエーションルートを安全に楽しめます。
なお、軌跡の中にはバリエーションルートにもなっていない、かなり危険な岩場の上り下りや藪歩き、道間違いが含まれていることもお忘れなきよう、お願いいたします。