古賀志山のモアイ像、3時間さまよって意外な場所で発見。

2015年9月23日(水)
南駐車場~バリエーションルート~ヒカリゴケ~猪落~古賀志山~御嶽山~古賀志山大神~モアイ像(対面岩)~ヒカリゴケ~大日堂~南駐車場

国土地理院地図に描かれている正規のルートの他にバリエーションルートが100もあるとされる古賀志山だが、今年3月から始めたバリエーションルート歩きもこれで17回目(正規ルートを含め18回目)となった。
地元日光の山を差し置いてなぜ、これほどまで古賀志山に熱を入れるのかと言えばやはり面白いからであろう。古賀志山山域は日光でいえば湯ノ湖から小田代ケ原、戦場ヶ原の範囲とほぼ同じ面積なので広いとは言えない。
しかし、その中に公園内の散歩道、登山道、厳しい岩場、垂直の岩壁、川、史跡が混在し散歩やサイクリング、ロードバイク、軽ハイキング、ロングトレッキング、岩登り、ロッククライミングが楽しめる。また、眺めのいい場所が随所にあるので老若男女がそれぞれのスタイルで楽しんでいる。
ようするに週に一度、一年間通ったとしても毎回違った楽しみ方ができるのだ。飽きることがない。

管理人が古賀志山を楽しむスタイルは上に書いた楽しみ方のうち、自転車とロッククライミングを除くすべてだ。その日許せる時間や天候、体調によって楽しみ方を変えることができる、それが変化に富んだ古賀志山山域の魅力なのであろう

難点は情報が少ないことだ。バリエーションルートだから当然と言えるが管理人のようにバリエーションルートすべてを歩き尽くすという目標をもっていても情報が乏しいために計画を組むのは不自由する。とはいってもすべてのバリエーションルートを誰にでもわかるよう、詳しく説明しようなどと考えれば同じルートを少なくとも5回は歩いてその都度、丹念にメモを採らなくてはならないから、詳しい情報などあり得ようもない。
管理人は幸い、宇都宮在住のOさんからアドバイスを得ながら古賀志山山域を歩くようにしているが、つてがない人はとりあえず古賀志山へ行ってみて、そこで出会った地元のハイカーに尋ねるのがベストだ。皆さん、とても親切なので危険箇所も含めて教えてくれるはずだ。

FB_IMG_1441822144825さて今日は、以前Oさんから送られてきた写真で気になっているのがあったのでそれを探しに行った。
Oさん曰く、古賀志山の「モアイ像」だそうだ。なるほど人の顔をした岩だ。
おおよその場所も教えてもらっているがそこは前に数回歩いている。しかし、それらしき岩は探しても見つからなかった。もしかすると写真を撮れる場所はこの位置だけなのかもわからない。
ということはOさんがモアイ像の写真を撮った場所は管理人がまだ歩いたことのない、バリエーションルートのひとつなのであろう。

DSCF3201市営南駐車場からアスファルトの林道を歩くとすでに秋色であった。
これはシロヨメナ、ノコンギク、ユウガギクのどれかと迷うところだが、花の大きさと葉の形状から察してノコンギクであろうと思う。

DSCF3203林道をてくてく歩いているとこのような踏み跡が見つかった。北へ向かっているので不動の滝(※)あたりに出るのだろうか。未踏ルートなのでちょうどいい、入ってみよう。
※「不動の滝」は実際には存在せず、滝神社脇に流れ落ちる「男滝」のことを指すことが後にわかった。

DSCF320515分ほどでこのような岩に当たった。先ほどの道はこの手前で迂回しているがとりあえずこの岩を登ってみることにした。
さあ、この先はどこへ行くのやら。

DSCF3206うへっ、これは無理だ。少し下って歩けそうな場所を探すことにした。

DSCF3213右へ回り込んでみると垂直の壁がずっと続いている。
よく見ると壁にクライミング用の金具が打ち込まれている。壁に沿って少し歩いてみたが通り抜けできるようなすき間はない。
ここは諦めて元の道に戻ることにした。

DSCF3216垂直の壁の下部に降り立ち、踏み跡を歩くことにした。ここは過去、4回くらい歩いているはずだ。
岩壁に沿って進むとヒカリゴケが見られる洞窟があってそのへんにモアイ像があってさらにその先から猪落に出られる、、、、はず。
が、今日もモアイ像は見つからなかった。

DSCF3234ヒカリゴケの洞窟をすぎて進路を北東から北西に変えると猪落(ししおとし)である。猪落は尾根が岩陵で構成されていて岩の上を歩いたり、岩の間を縫って歩いたりする。

DSCF3237猪落の上部から振り返ると南東の視界が開け、宇都宮市街が見える。

DSCF3239ここで正規のルートと交わる。古賀志山と御嶽山を結ぶ稜線だ。右(東)へ行くと古賀志山、左(西)が御嶽山である。
今日これからの予定は古賀志山→御嶽山→赤岩山→猿岩→駐車場というルートだ。
モアイ像は今回も探すことはできなかった。

DSCF3241穏やかな天気に恵まれて、山頂は10数人の地元の人で賑わっていた。
管理人が初めて古賀志山の山頂に立ったのは昨年の10月27日だからもうすぐ一年になる。古賀志山が山域の中核を成しているが、ルートの設定いかんで必ずも山頂に立てるわけではない。
過去18回のうち、たしか3・4回は抜かしていると思う。

DSCF3245稜線上にあるもうひとつのピーク、御嶽山。北側に向けて視界が開けていて日光連山や那須の山々が見えるのでこちらを好むハイカーも多い。
空気が澄む冬のここからの眺めは絶品だそうだ。

DSCF3247御嶽山からピーク559、小マラ岩を臨む。

ヤマハギ山頂のヤマハギ。
御嶽山で昼メシを食べながら、今日もモアイ像が見つけられなかったことを考えると、悔しい。これから先、古賀志山に来ることは数え切れないほどあると思うが、やはり今日の目的が達せられないのは悔しいとしか言いようがない。

今日の当初の予定であった赤岩山を止めて、もう一度モアイ像を探してみよう。きっと未踏ルートにあるはずだから、往路で通ったヒカリゴケの洞窟まで降りてみることにした。ただし、登ったのとは別のルートで。

mapNPO法人「古賀志山を守ろう会」がネットで公開しているマップは未踏ルートつぶしに役に立つ。それによると古賀志山と御嶽山を結ぶ稜線から猪落に至るルートを下り始めてすぐ、道が分岐していて古賀志山大神を経由して対面岩に至る、管理人未踏のルートがある。
未踏ルートを丹念につぶしていくことも管理人の目標なので、気を取り直して行くことにした。

DSCF3256分岐を5分ほど下ると古賀志山大神(この場合の呼び名はこがしさんおおかみ)と出合った。ここまでマップの通りだ。次は対面岩を探そう。
南へ下るルートがあったので急勾配を注意して下っていくとまたもや分岐だ。
少し迷ったが猪落の方角へ向かってみることにした。反対の方角に行くと絶壁。

DSCF3257急勾配を降りながら遠方に目をやると岩壁の右端に岩の出っ張りが見える。
もしやと期待を持ってさらに下ってみた。

DSCF3266落差2メートルほどの垂直の壁にロープが下がっている。ロープを伝ってさらに下ると岩の輪郭が鮮明になり、それは紛れもなくOさんが送ってくれた写真のモアイ像だ。

DSCF3275壁伝いに進むと「対面岩」と書かれた標識がみつかり、マップ通りに歩いたことがわかった。そうか、モアイ像の正式名は対面岩というのか。
感じとしていつも左に見ながら歩く道の、岩の裏側に当たるようだ。
次はOさんが送ってくれた写真と同じ構図の場所を探すことにした。

DSCF3281ロープをもう1本下ると木に遮られることなく、岩全体を見られる場所に降りることができた。
Oさんはおそらくここから撮ったのであろう。
なるほど、人の顔に似た岩が左に位置する岩と対面している構図だ。

FB_IMG_1441822144825これがOさんが送ってくれた写真(冒頭のと同じ)。
管理人が撮ったのは若干ズームを利かしているが場所は一致。
ふ~、これで念願のモアイ像を見つけることができた。

DSCF3289道はまだ下っているので降りてみるとそこはヒカリゴケの洞窟がある場所であった。
なんだ、終わってみればそんなことか(^^)

キバナアキギリキバナアキギリ。

DSCF3293ロッククライミングで賑わう滝神社。

 

イワギボウシの群落が見つかった。他の場所にもあったがいずれも終わりに近く、写真も撮らなかったがここは水が流れていて気温が低いのであろう、ちょうど見ごろであった。

DSCF3306霊感スポットの荒澤瀧。

DSCF3309大日堂。
道はここで南へと進路を変え、林道に至る。
このお堂の裏側にも道があるように書かれているので次はその道を探ってみよう。

DSCF3311途中、分岐があったので未踏の道を選んだ。それでもちゃんと林道と合流。

DSCF3318車を駐めた市営南駐車場から、北コース入口がある赤川ダムへ向かった。
川の氾濫で流された橋がその後、どうなっているか心配だったためだ。
橋は13日に見たときからなんら進展はなく、そのままの状態であった。

DSCF3322最後はお決まりのごとく、赤川ダムの堰堤から日没間近の古賀志山を拝んで帰ることにした。