古賀志山50回登頂の山ガール、ついにスノーシュー全コースを制覇。その間、わずか1ヶ月。ガイドも負ける健脚ぶりだ。

2015年3月5日(木) 天候:晴れ
湯元~刈込湖~光徳10キロの難コース

スノーシューツアーのガイドを務める管理人はコースの詳細をホームページで紹介しているが、難易度の低いコースから管理人でさえあまり行きたくないコースまで6つを、お客さまの脚力や登山経験に応じて使い分けている。

難易度の低いコースから列挙すると、・小田代ケ原、・金精沢、・庵滝、・丸山、・刈込湖、・湯元~刈込湖~光徳1周となる。

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Oさん初めてのツアーは2月5日、丸山だった。

ツアーに初めて参加したOさんをご案内したのは2月5日、雪深い丸山であった。初めてなのになぜ、いきなり★印が4つもつく丸山かといえばOさん、宇都宮の住人であり宇都宮と言えば低山ながら本格的な岩壁クライミングができる古賀志山を有している。健脚向けには鎖場のコースがあるしもちろん、一般向けのコースもあって平日でも多くの人で賑わう、地元では人気のある山なのである。
Oさんはその古賀志山をすでに50回以上も登っている山ガール、というよりは古賀志マニアなのだ。

昨年10月、管理人が初めて古賀志山に登ったときのことを書いたブログ記事をたまたま見つけて、スノーシューに興味を持ってくれたという経緯がある。スノーシューは初めてとはいえ、同じ山に何度も繰り返し登るという、非常にマニアックなOさん相手に★印が1つや2つのコースは失礼だし、3つでも物足りないはずだ。
スノーシューで歩くには無雪期の山歩きのおおよそ倍から3倍の運動量になるが、Oさんには丸山が最適であろうと判断したのだ。

今年の丸山は例年よりも雪が多くまた、降る日も多いことからいつでも新雪が楽しめてお客さんにはとても喜ばれている(さすがに3月になってからはそれも望めないが)。
2月5日のことはブログに詳しく書いたのでご覧いただきたいがOさん、とにかく管理人でさえ負けるほどの健脚であり、なるほどこれが同じ山を50回も登っている人の実力なのかと感じ入った次第だ。

さて、管理人が主催しているスノーシューツアーのコースは冒頭に書いたとおりだが、6つのコースを用意しているので通ってもらうのは当然、6日間ということになる。
ところがここに抜け道があって(^^)、庵滝コースは小田代ケ原コースを兼ねるし、湯元~刈込湖~光徳1周コースは刈込湖コースを兼ねるので、最短4日間で全コースを達成することが可能なのだ。
Oさん、宇都宮にお住まいという地の利を生かして2月5日から毎週、日光に足を運ぶという熱心さでひと月後の本日5日、残った最後のコースに挑戦する日を迎えたのだ。


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スタート地点とゴール地点が異なる場合、車をどこに置くか迷うが今回はゴールの光徳温泉に置いて路線バスでスタート地点の湯元温泉に向かうことにした。
こうすればゴールが遅くなってもマイカーを取りに別の場所まで移動することもなく楽だ。
バスの待ち時間は20分。寒かった。

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刈込湖へ行く場合のスタート地点となる湯元源泉。地中から温泉が湧き出している場所だ。ここから温泉街の各旅館、遠くは中禅寺湖までパイプラインが敷かれている。
地熱も高いので雪は積もってもすぐに溶ける。

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源泉から歩き始めて10分で金精道路に乗る。ここが刈込湖ハイキングコースの実質的な入口である。

無雪期であればこの斜面を横切るようにして刈込湖に向かうのが指定のルートだが積雪時は歩きづらくまた、雪崩が怖いので雪が積もっている時期だけ歩けるいわゆる、冬道を進む。

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冬道を歩いて蓼ノ湖に着いた。沢からの流入部分を除いて結氷し、幻想的な雰囲気が漂う。

IMG_9880上の写真の対岸が沢からの流入部分。ここは凍らない。

IMG_9883蓼ノ湖から北に斜面を登っていくと小峠だが、水色のリボンが誘導してくれるので道迷いの心配はない。
また、この日は雪が締まって歩きやすかった。

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斜面を登って小峠に到着したがなんか変だ。
あるべきところにあるものがない。

IMG_96242月25日の小峠はまだ道標の一部が見えていたのに、この日(上の写真)は完全に埋まっていた。
10日間で30センチほど増したようだ。

IMG_9911小峠で無雪期のハイキングコースと冬道が分岐して刈込湖で交わるが、冬道を歩くことにした。
冬道はドビン沢といって、ダケカンバの林を歩く開放的なロケーションだ。

IMG_9942刈込湖間近になると両側から斜面が迫り、雪崩にも気をつけなくてはならない。あちこちで崩れている。

IMG_9946こんなものを観察しながらのんびり歩けるのがいい。
地衣類のサルオガセである。寄生植物ではないのでどうやって栄養を取り込んでいるのかわからないが、空気中の湿気を水分として生育しているのであろう。

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歩き始めて90分。刈込湖に着いた。天候はイマイチであったが辛うじて太郎山が見えたので良しとしよう。
まだ12時前だが前途多難が予想されるのでここで昼ご飯にする。気温が下がってきたのか寒い。

IMG_10002刈込湖からは夏道を使って涸沼に向かうが、幅1メートルほどの道は雪が積もって斜面になっているし、深い。
スノーシューにぐっと力を入れて雪面に食い込ませるようにしながら歩くのがコツだが、それなりの力を必要とする。
Oさん、怖~い、落ちる~を連発するが、楽しんでいるようにも見える。

IMG_9972涸沼近くになると30度もある斜面を横切る作業が待っている。
雪面が凍っていてスノーシューのクランポン(金属爪)が利かないので、滑落しないように慎重に歩かなくてはならない。
このようなスノーシュー泣かせの難所はまだまだ続く。

IMG_10004Oさんの体重は完全に右足1本にかかっていてクランポンがしっかり利いていることがわかる。
次は左足を前に出すときに同じように、足1本に体重をかけるが、Oさん完璧にできているので安心して見ていられる。
が、スノーシューを使い慣れていない人にはそれが難しく、バランスを崩して沢側に滑落、ということがままある。といってもせいぜい2メートルで止まるがww

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着いた着いた。ここが涸沼だ。
窪地のお花畑だが植物はシカに食い荒らされて昔ほど多くはないらしい。
らしいと書いたのは、立ち入り禁止区域なので特別な許可を得ない限り、植物の観察ができないからだ。

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さぁてと、ここからが今日、最大の難関の山王峠超えである。最大斜度40度という厳しい傾斜を登る。
ここには階段が設けてあって無雪期はその階段を登るわけだが、そもそも山に階段があるというのがいやらしい。それは傾斜が厳しいことを表しているのだ。
そこで、階段が雪に隠れて見えない冬は、登りやすそうな取り付き部分を探して峠に向かって直登するのが正しい。
ところがOさん、なにを思ったのかそこはちょっと無理では?という管理人の声を無視して、もっとも厳しそうな斜面を登り始めてしまった。
あの~、そこはついて行くガイドが大変なんですけどぉ、、、同じく無視(泣)
お付き合いするしかないようだww

IMG_0095急傾斜を登るには脚力の強さもさることながら、コツがいる。
スノーシュー先端のクランポンを思い切り雪面に突き刺して、そこを足場とするのだ。山用語で言うキックステップだ。足場がしっかりできれば雪で体重を支えることができるので、片足に全体重をかけても足場が崩れることはない。
しかし、キックステップを正しくおこなうには強い脚力が必要であり、脚力の弱い人はこの動作ができず、足場がすぐに崩れてしまってなかなか前に進まない。

IMG_10010キックステップで急傾斜をどんどん登っていくOさん。
管理人は立木につかまっては腕の力で身体を引き上げるようにして登るが、Oさんはそんなことはしない。古賀志山50回の実力恐るべし、である。
ここで管理人はキックステップに失敗して雪の上に膝をつき、手にしていたカメラを雪まみれにしてしまった。レンズに付着した雪を拭っているうちに差はみるみるうちに開く。

IMG_10016おぉ、山王林道が見えてきた。あと残り30メートル。

IMG_10018この雪の深さにシカも苦労しているものと見える。30センチほどの深さの足跡がついている。

IMG_10020シカの足跡を追いかけていくと無残にも樹皮を食われた、大きな木の前に出た。後の皮がまだ残っているのですぐには枯れないだろうが、無残である。

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山王林道に乗ったOさん。
取り付き部分からここまで一度も休むことなく40分。これまでの最短記録だ。強い脚力と技術力の成果である。
ここまでくれば全行程の2/3を消化したことになり、あとは下りながら光徳まで行くのみ。

IMG_10024雪がデコボコに堆積して歩きづらい道路を100メートルほど進んで再び登山道に乗り、登山道の山王峠を経由して光徳へと進む。

IMG_10026これまで深い樹林帯の中を歩いてきたので景色は見えなかったがここに来て、ようやく男体山が望めた。火口がよく見える。

IMG_10028こちらは太郎山。
手前の大きな斜面は山王帽子山だ。

IMG_10030光徳へは道に迷うほどの深い樹林帯を進んでいく。念のためコンパスをセットした。

IMG_10032光徳の近くまで来た。
光徳は古くからクロスカントリースキーがおこなわれていて、今でも愛好家に人気がある。
写真はクロカンスキー専用のコース。長いのは20キロもある。駐車場に行くにはここを一度、渡る必要があるが歩きやすいといった理由でコース上を歩くのは荒れる原因になるので避けたい。

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ゴール地点に到着。
源泉をスタートして約10キロ、3つの湖を見、急斜面を横切ったり登ったりしながらのロングツアーが終わった。所要時間はちょうど6時間。
Oさんによる全コース制覇の瞬間であった。


とにかく終わった。
10キロの雪道しかも長いトラバースに急斜面の直登と、管理人でさえ根を上げる難コースを歩き通したOさんを讃えてあげたい。
これでOさんはホームページで紹介している6つのコースを達成したことになるが、紹介していない常連専用コースというのもあるので、機会を改めてぜひとも挑戦していただきたいと思う。
無雪期であれば落差90メートルという大滝を訪ねることができるし片道5時間かけて登る女峰山も面白い。鳴虫山バリエーションルートといったマニア向けのコースもある。日光は奥が深いのである。

3月も半ばに近づきスノーシューツアーも終盤を迎えた。雪はまだ十分あるものの、都心ではサクラの便りが聞こえる季節になり、心はスノーシューにあらずといったところであろう。
ガイドの需要がなくなったら管理人はプライベートで山行を楽しむべく、すでに先の予定を検討し始めている。メインはやはり地図に道のない山行である。
道迷いの恐怖と闘い、熊との遭遇に怯え、発狂するほどの孤独感にさいなまれる。そんな緊張感がたまらないww

昨年から歩き始めた日光修験道をもっと深く知りたいし、よほどの健脚でない限り困難とされている錫ヶ岳日帰り登山も今年の目標だ。あぁ、行きたいところがありすぎて、考えていると頭が痛くなる(^^)。本業に力が入らない(爆)

最後に、管理人はお客さんとのツアー以外、山行は単独と決めている。もともと歩くのが遅い方だし花や景色をたくさん写真に残したい。地図に道がない場所を好んで歩く管理人には地図読みが必須である。十数分歩いては回りの地形と地図を見比べるといった、きわめて時間のかかる歩き方をする。同行者がいたら迷惑をかける。

信頼できる常連さんと歩く場合は管理人は後方から、進む方角や危険箇所の有無などをアドバイスしながら歩くようにしている。単独行の力を養ってほしいからであるが今回、Oさんにたいしても管理人は後方支援という立場で、最小限のアドバイスを与えるにとどめた。
どれほどの役に立ったかわからないが、雪に埋もれて道が見えないところをガイドに頼らなくても歩けるようになってほしいとの願いをこめたつもりである。このブログには人物を後方から撮った写真が多いのはそういった理由による。

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