ゴンドラ運行終了の那須連峰・三本槍岳への再訪は完全徒歩で。

2018年3月27日(火)

県道駐車地(9:03)~この間、尾根の肩を歩く~P1462(10:37)~1714(12:03)~清水平分岐(13:11)~三本槍岳(13:53/14:20)~清水平分岐(14:41)~1714(15:18)~P1462(16:07)~この間、尾根を下る~県道駐車地(16:50)
※上り4時間50分(2時間35分)、下り2時間30分(1時間19分)
※距離:12.6キロメートル(9.3キロメートル)
※カッコ内は前回ゴンドラ利用時


那須の山々はどれも荒々しくてなおかつ、雄大で、管理人の好みにぴったりである。
昨年だけで4度しかも6月から歩き始めて4度なので密度が濃いといえる。
冬の那須連峰もいいのではないかと今年は1月に茶臼岳に登っている。いずれも期待に違わず、管理人を満足させてくれた。
であれば次に目指すのは茶臼岳のすぐ隣の朝日岳ということになるが、そこへ行くには剣ヶ峰という難所をクリアしなくてはならず、管理人には敷居が高い。→こちらで想像ください。
ところが驚いたことに朝日岳よりもさらに北に位置する、那須連峰最高峰の三本槍岳へは管理人の技術、体力でも行けるらしいという大発見をした。といっても某情報サイトのおかげであるが(^^)

管理人、2年前に福島県の山に目覚め、登り始めた。
地理的な問題もあってまだ栃木県境および県境に近い福島の山しか登っていないが、見聞を広げるためにも山の情報をもっと知りたいと考えて、福島県の山の情報交換を目的とするフェイスブックのメンバーとなった。800名を超えるメンバーからの情報は多彩で、嫌でも管理人の夢を膨らませてくれる。あるときMt.ジーンズ那須スキー場のゴンドラを利用して三本槍岳に登ったという投稿があった。
ほう、なるほど、へぇ、それはそれはと訳のわからない言葉が口をついて出、さっそく地図を広げると同時に、スキー場のウエブサイトにアクセスしてゴンドラの情報を収集することにした。
その上で念には念を入れ、現地へ飛んである心配事についてスキー場のスタッフに質問したのだ。
それはゴンドラの運行時間についてであった。
管理人はとにかく足が遅いのだ。普通の体力の人の2割から3割、余分にかかる。
要因はいろいろあるが、時間がかかるようになったのは山が本当に楽しめるようになったここ数年のことである。歩みが遅いのではなく、立ち止まって景色を眺めたり地図で山座同定したり、写真を撮ったりするのが管理人の山歩きのスタイルである。花の季節になると写真を撮るために立ち止まる回数がさらに増す。
時間を気にしながら歩かなくてはならないとこれら管理人の楽しみが奪われる。
そこでズバリ、もしもゴンドラの終了時間に間に合わなかったらどうなるのか、これがスキー場のスタッフにぶつけた質問である。
はたしてそれにたいする答は、、、こちらをご覧ください。

時間に追われることなくマイペースで三本槍岳を往復するにはゴンドラを利用しないのがベスト、それが結論であった。
そのためには下調べは欠かせない。
前提はスキー場に迷惑をかけないよう管理地内には立ち入らないようなルート設定をすることである。
地図を子細に眺めると中の大倉尾根に乗るまでに、2本の尾根があることがわかる。スキー場に近い尾根と遠い尾根である。
そこでその2本の尾根を探しに現地に行ったのが先月の12日と28日である。その上で尾根の入口近くに駐車スペースがないかどうかも下調べの対象とした。
幸いなことに2本の尾根ともにすぐ近くに2・3台と狭いながら駐車スペースがあった。厳冬期はここを雪の堆積場にするのであろう。しかし3月ともなれば車が邪魔になることはないだろう。
管理人が選んだ尾根はスキー場から遠い方だ。福島県境まで270メートルしかない。ここならスキー場の管理地内から外れるはずだ。

実践の前にもうひとつ、調べておかなくてはならないことがある。
三本槍岳への一般ルートとして使われる、中の大倉尾根の状況である。
ゴンドラを使わずに歩き始めたとして、中の大倉尾根が厳しくて三本槍岳にたどり着けなかったら本末転倒である。
まずは三本槍岳に立つことを目標に、ゴンドラを利用して歩いてみよう。
そう考えて今月14日、管理人が経営するペンションの古い常連さんを誘い、Mt.ジーンズ那須スキー場のゴンドラを利用して登ってみた。→そのときの様子

メインルートで感触をつかみ、それに地図で把握した尾根の状況を加味して計画を立ててみた。それを実践したのが今日なのである。

ゴンドラを使わないルート中の大倉尾根へ向かうにはピーク1462と県道290号線を結ぶ尾根を利用する。
ここを入口とすることは過去2回の下見で決めてあった。
しかしその尾根に乗るには道路に敷設されている高さ5メートルほどの擁壁を乗り越えなくてはならず、それは無理だ。
下見の際に観察したところ、擁壁は5メートルの高さがずっと続いているのではなく、円を描いて両側が地面と同じ高さになる。画像がその位置である。


今日もチェーンスパイクで道具はチェーンスパイクにした。
ただし、昨日あたりから4月並の気温になるとのことなので雪が緩んで足が潜ってしまうようになることも想定し、スノーシューをザックにくくりつけて歩き始めた。
なお、前回14日はスキー場のゴンドラで直接、中の大倉尾根まで行って歩き始めたわけだが、その際も足回りは同じ、チェーンスパイクとスノーシューであった。つまり、地形図から判断してアイゼンは必要ないのだ。
この場所から中の大倉尾根までのルートは傾斜が10度くらいなので中の大倉尾根よりも緩い。


歩きやすいいいルートだ尾根に乗るにはまず車道から歩き始めて限りなく西に近い北すなわち、西西西西北(こんな呼び名、実際にはありませんからね。念のため※)に向かって進んでいく。
すると1500メートルほどで尾根に乗ることができる。
林は笹が隠れているためか歩きやすい。
※32方位での呼び名だと「西微北」に相当するようだ。


尾根を見上げる進行右の斜面、尾根を見上げる。
当初の予定では早いところ尾根に乗って中の大倉尾根に向かおうと思っていた。普通、尾根の方が安全だし見通しもいいのでより確実に目標に向かって進めるからだ。
ところが、尾根に乗るにはこの傾斜を直登しなくてはならない。傾斜は30度くらいある。
それに尾根に沿ったいま管理人が歩いているところは尾根と並行した緩やかな斜面だ。いずれ尾根と交わるならばこのまま歩いていった方が無駄な労力を使わずにすむ。
尾根は帰りに歩いてみよう。


尾根と合流。広い。尾根と並行した林を進んで行くとここで尾根と合流した。
リボンが付いていることからこの尾根、やはり管理人の予想通り、中の大倉尾根に行くために使われているようだ。


素晴らしい尾根とても広々していて素晴らしい尾根だ。
来てよかった!


間もなく中の大倉尾根広い尾根はずっと続いている。


ピーク1462にある展望台おっ、これはピーク1462にある展望台ではないか。
無事に中の大倉尾根と合流したわけだ。


暑くて下着1枚歩き始めて1時間半、これは計算通りであった。
どんな計算か?
事前に地図を使って計測したところ、県道からここまで距離が2.3キロと出た。
管理人、山の平坦路で時速3キロ(強度Ⅰ)、ごく緩い傾斜で時速2キロ(同Ⅱ)、それよりきつい傾斜だと時速1.5キロ(同Ⅲ)、急な傾斜だと時速1キロ(同Ⅳ)という速度で歩けば疲労せずに長時間歩けるというのを経験則にしている。
地形図を見て、10度くらいの傾斜だと強度Ⅲになるので時速1.5キロで距離2.3キロを歩いた結果が1時間半というわけだ。

それにしても暑いぞ。
気温が上がることは予報で知っていたので軽装で来たがすでにアウターを脱ぎ、中間着を脱ぎ、今はアンダーのみで歩いている。


茶臼岳と朝日岳中の大倉尾根に乗ると展望はさらに良くなって茶臼岳や朝日岳がすぐ近くに迫ってくる。


スノーシューに履き替えた気温は20度に達した。
雪が緩んでチェーンスパイクが潜る。
ここでスノーシューに履き替えてみた。多少でも足の負担を減らせればいいと思う。


標高1714標高1714を含む斜面が見えてきた。
三本槍岳はあそこの最上部(画像右のピーク)に隠れてまだ見えない。


左から茶臼岳、鬼面山、朝日岳、ピーク1900、1856いい眺めだ。
左から茶臼岳、鬼面山、朝日岳、ピーク1900、1856


シャクナゲのつぼみシャクナゲのつぼみ。
アズマだろうかそれともハクサンだろうか?


前岳と赤面山が望める中の大倉尾根の少し北に前岳と赤面山が望める。これもきれいな稜線だ。いつか歩いてみたい。


朝日岳がよく見える左には朝日岳がよく見える。


この辺で尾根の5メートルくらい下を歩くようになる。右側は斜面になっている。


ちょっと怖い斜面進行右に長い斜面が広がっている。
傾斜は急ではないのだがこのルートでもっとも緊張する部分である。


ガレ場に差しかかるガレ場に差しかかる。
ここまでスノーシューを着けてきたが、ここで再びチェーンスパイクにつけ替えた。


前岳への分岐を少し過ぎると特徴的な大きな岩が見えてくる。
この上り斜面もあの岩で終わってその後、距離は短いが下りに転じる。


特徴的な形の旭岳右に目をやると特徴的な形の旭岳が見える。


旭岳をズームで旭岳をズームでとらえる。
実に魅力的な山のように見えるが地図には登山道が描かれていない。研究の余地あり。


ルートは平坦に近い下りとでも言っていいだろうか、大展望を楽しみながら三本槍岳へ向かっていく。


そうそう、山頂手前はこんな感じだった。


三本槍岳に登頂ふ~、長かった~。
4時間50分かかって登頂した。
前回14日は中の大倉尾根に乗ってからここまで2時間35分だった。今日は中の大倉尾根に乗ってからも3時間10分かかっている。
これすべて雪質が軟化して歩きにくくなったためである(ということにしておこう)。


快晴微風という実に穏やかな中、管理人の他に人はいない。独り占めである。
ゴンドラの冬季運行が25日で終わり、中の大倉尾根に乗る手段が途絶えたのがその理由であろう。ゴンドラの距離と標高差を歩くという苦労はあったが、その甲斐はあったというものだ。


この景色にしばしうっとりする管理人である。


旭岳


大峠山、流石山、三倉山の見事な稜線。
三座同定を楽しみたい方はこちらで。


遅い昼食遅い昼食となったが途中で行動食を食べているから二度目ということになる。
実はこの他にコンビニのパンが2袋、ザックに入っているのだが24日あたりから風邪気味で、身体はだるいわ食欲はないわ、鼻が詰まって息苦しいわで体調最悪、食欲不振なのである。無理して胃に押し込んでいるというほうが相応しい。


山頂には30分いただろうか。
この時期、もう日没を心配する必要はないとはいえ、昼食が14時過ぎというのはいただけない。眺めを楽しみながら下山することにした。


ときどき振り返っては眺めを惜しむ。


県道に出る尾根に乗った中の大倉尾根が終わって県道に出る尾根に乗った。
帰路は県道に出るまでずっと尾根を歩いてみるつもりだ。


尾根は県道に近くなるにつれて細くなり、木々が多くなってきた。


藪とは言えないまでも木々を避けながら歩く必要に迫られた。


尾根の末端。車道がすぐ目の前尾根の末端まで来ると県道に向かって切れ落ちていて、木につかまりながら慎重に下る必要があった。


県道との段差、1メートルほどまで下り、手にしたポールを道路についてエイヤッと飛び降りた。