日光鳴虫山・素麺滝という楚々とした名前だが歩きは厳しかった

2014年12月03日(水)

我がよき山友であるWさんから鳴虫山の麓にある素麺滝へのお誘いがあったので気軽にOKしてしまったが、なかなか厳しい歩きであった。
Wさんは過去に行っているのでスタコラ先へ行ってしまうが、初めての管理人はWさんの足を追いかけるのが精いっぱいである。
沢ヤさんではないので靴は普通の登山靴だし、ロープなどないから両手両足で必死になって沢を遡行し、なんとか目指す素麺滝そして、餅洗滝にたどり着くことができた。

随想社「日光・四十八滝を歩く」によれば、素麺滝は大谷川に注ぐヤキバ沢にあり4段の滝で構成されているという。ヤキバ沢という奇妙な名は昔、ここに火葬場があったことからつけられたそうだ。
もちろん昔のことだから、立派な建物があって強力なバーナーで一気に焼いてしまうといった設備があったはずはなく、切り出した木を組んで燃やしたのであろうと想像するが、こんな場所でなぜという疑問も湧く。いずれ文献でも探して調べてみたいものだ。
というわけで「焼き場沢」が転じて「ヤキバ沢」になったのだと思う。
素麺滝はその名の通り流れが長く緩やかで、素麺を思わせる姿なのでついた名なのでしょう(これも調べてみましょう)。

素麺滝の上でふたつの沢が合流していて左のカニ沢(これは由来が書かれていない)にはこれもまた奇妙な名の、「餅洗ノ滝(もちあらいのたき」がある。同書によると由来はふたつあるが、捕獲した鳥獣の内臓をここで洗い流したことから「モツアライ滝」という名がつき、それが転じたようだ。
「焼き場沢」と「モツアライ滝」。なにか関係しているような。

滝をあとに合峰経由で鳴虫山山頂に立ちその後、P1058から尾根を下って岩屋観音まで足を運んだがWさんは昨日、岩屋観音へ行くつもりが違う尾根に入ってしまいそのまま志度淵川に下りてしまったそうだ。
だからここは過去、二度の経験がある管理人が道案内をすることになった。といっても先を行くWさんの後ろ姿に声をかけるだけの役なのだが(笑)。

そんなわけで無事にゴール。
日曜日に発症した腸脛靭帯炎の再発はなく、天候も良く快適な一日であった。
なお、今回はスタート地点とゴール地点が2300メートルも離れているため、地の利を生かしてまずゴール地点に管理人の車を置いてそこから家内運転の車でスタート地点まで送ってもらうことで30分ほど、時間短縮を図った。
アスファルト道路を登山靴で歩くのは管理人がもっとも苦手とするところなので、家内におんぶしてしまった感じだ。


 

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含満淵に立つ慈雲寺山門。

門をくぐると含満淵の美しい流れに出合う。

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ヤキバ沢の下流にある堰堤。
これから上、堰堤を数カ所、乗り越える。

IMG_7619沢沿いに30センチほどの踏み跡があるだけ。
Wさんはすいすい先へ。

IMG_7626人様に知ってもらっていいような状態ではありませんね。

IMG_7623管理人は日光の滝をかなり見てきましたが、これまででもっとも厳しい歩きです。

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4段で構成されている素麺滝の最下段(たしか)。
落差は3メートルほど。巻き道はないので流れの左側を必死でよじ登った。

IMG_7627これも素麺滝。名前はこの流れからついたのであろう、と思わせるほどに楚々としている。

IMG_7640ここも左からよじ登った。

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これがモツアライいや、「餅洗ノ滝」。
小ぶりながらいい形をしている。

IMG_7647近くに錆だらけながら金属の銘板が。

IMG_7649ケルンがあることから人は訪れるのでしょう。私たちのように。

IMG_7656さて、ここから合峰への尾根に出なくてはならないが、ここを行ってみる。

IMG_7658かなり急な登りだが立木があるのでつかまって楽をさせてもらった。

IMG_7659合峰への尾根に乗ったところで男体山が。

IMG_7664合峰までアップダウンがいくつもあるが、登りは急傾斜で厳しい。

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化星宿(けしょうのしゅく)跡。

昔、ここに間口五間、奥行き二間の建物があって、真冬の修行に使われたそうだ。

IMG_7677髭のような草が集まった珍妙な斜面を登るWさん。

IMG_7671今度は下り。
ホンの少しくだってはその2倍、3倍も登るのが合峰までの尾根。

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ようやく合峰に。
スタートして2時間半か。いい線です。

IMG_7683この階段が見えたら鳴虫山山頂はすぐ、のはずなのだがすでに息絶え絶え。

IMG_7685鉄パイプの階段が終わると次は丸太の階段が。
そりゃ~、っと自分に言い聞かせながらヨタヨタ登る。

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鳴虫山山頂に到着。
山頂は霜柱がびっしり立っていてまるで雪が降ったかの様子。

IMG_7695P1058そして岩屋観音への急な下りを安全に歩くためにチェーンスパイクを装着する。

IMG_7696着けている感じがしないほど軽く、そこそこのグリップ力がある。

前回、11月21日はずるずる滑ったことの反省から。

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さて、いよいよ岩屋観音へ向けて落ち葉が堆積した尾根を下る。
落ち葉の下は霜柱。

IMG_7701急な下りが終われば快適な尾根歩きを楽しめる。

ちなみにこの尾根は「中ソネ」と呼ばれ、昔は修験道として使われていたという。

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岩屋観音手前の分岐。
岩屋観音はこの先の右手にある。志度淵川は左へ下る。

IMG_7706前2回、スルーしてしまったこの道標に刻まれた文字。
池田正夫著「日光修験・三峰五禅頂の道」によれば、「右なきむし山、左かんおん堂 女講中」と書かれ、修験道の道標なのだそうだ。

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岩屋観音に到着。
管理人は11月に2回そして、今日で3回目の訪問でした。

IMG_7711観音様、また来ましたよ。

同書によるとこの観音様は江戸時代に奉納されたとある。

IMG_7723今日のゴールとなる志度淵川堰堤に向かって延びる快適な尾根だが、下るほどに荒れてくる。

IMG_7719途中、1箇所、視界が開ける場所があって日光連山が一望できた。
男体山は雪雲のようだ。

IMG_7717女峰山と赤薙山。
この美しい山並みは管理人のお気に入りです。

IMG_7722行く手で見つけたなんらかの糞。
この大きさから察して熊かも?

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宇都宮と清滝を結ぶ有料道路がこの尾根の下を通っている。
志度淵川堰堤まであと数分の位置。

141203素麺滝今回たどったコース。

画像はDAN杉本氏による「カシミール3D」を利用して1/2.5万地形図上にGPSの軌跡を描画したものです。


データ
天 候:晴れ
距 離:約8.3キロ
時 間:8:15含満淵スタート、08:59素麺滝、09:21餅洗滝、11:00鳴虫山、12:13岩屋観音(昼食)、13:12志度淵川堰堤、13:23御幸町
コース:今回歩いたのは地図に道がない、いわゆるバリエーションルートです。他にハイカーはなくトラブルがあっても救助を要請する術がありません。歩くには十分な脚力と装備が必要、特に沢の遡行は経験者の同行が必要かと思います。

最後に今回の説明に歴史的要素をいれましたが出典は次の二冊の書籍です。
・奥村隆志著「日光 四十八滝を歩く」・・随想社
・池田正夫著「日光修験・三峰五禅頂の道」・・随想社

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