スッカン沢は滝だらけ。素簾の滝、仁三郎の滝、雄飛の滝へ。 

2017年5月23日(火) 晴れ

晴れと夏日の続くここ数日、涼を求めて昨年行ったことのある栃木北部、那須塩原市の滝巡りをしてきた。
管理人が住む日光市は今から10年前に広域合併がおこなわれ、日光市は栃木県の面積の1/4を占めるほどに広がった。
すなわち、それまでの今市市、藤原町、足尾町、栗山村が合併によって日光市となったわけだが管理人、合併前のそれら市町村のフィールドをほとんど知らない。
山歩きをするのに合併前の日光市(便宜上、現在の日光市にたいして旧日光市あるいは旧日光とする)だけで事足りていたからだ。

管理人が初めて旧日光以外の山に登ったのは足尾町(旧上都賀郡足尾町、現在は日光市足尾町)の薬師岳~地蔵岳~夕日岳を縦走したときだ。
とはいえ、それさえ合併から8年も経ってからのことだ。さっきも書いたけど、それまで山歩きをするのに合併前の日光市だけで十分だったのだ。
日本百名山や二百名山を目指して全国を歩く人たちに比べて管理人は、ただひたすら旧日光の山を登り続けてきたのである。偏執的な傾向があるのかなぁ、おいらは?
もとい、気に入った山なら極めるまでなんども登るという気持ちが人一倍強いのだよ(笑)

そんな管理人の“タガ“が外れたのは宇都宮市の低山、古賀志山を知ってからだった。この山なくして現在の管理人の山への取り組み姿勢を語るのは困難である(そのへんのところは「古賀志山」と検索してください)。
日光じゃなくてもこれほど管理人の心を魅了する山があるんだ、というのが古賀志山の印象であった。それからだ、旧日光にとらわれず、あちこちの山に登るようになったのは。

古賀志山は日光の南に位置するが、日光の北に目をやると昔、家族で行った奥鬼怒がある。その近くには降った雨を太平洋と日本海とに分ける分水嶺の山、黒岩山や帝釈山、田代山、荒海山などが連なっている。それらは現在、日光市に属する(正確には福島県境)が合併前は塩谷郡栗山村だった。荒海山は藤原町だったかな?
旧日光以外の山を知れば知るほど、管理人には栃木県の奥深さが理解できるようなった。栃木県はとてつもなく広い。そしてまだまだ魅力的な山がたくさんある。
いままで旧日光の山に固執していたのが我ながらウソのように思える。

今日、訪れたスッカン沢は日光市の北西、栃木県北部の那須塩原市にある。
昨年10月、矢板市八方ヶ原の学校平から雷霆ノ滝と咆哮霹靂ノ滝を目指したのだがその際、案内板には他にも雄飛の滝、素簾の滝、仁三郎の滝とあるのを見て、機会ができたら是非行ってみようと計画を温めていた→雷霆ノ滝と咆哮霹靂ノ滝

じつは案内板にはこれら5つの滝は沢は異なるものの、連続して見ることが可能となっている。雷霆ノ滝と咆哮霹靂ノ滝は桜沢に、素簾の滝、仁三郎の滝、雄飛滝はスッカン沢にかかる滝で、案内板を見ると1本のハイキングコースで結ばれているのだ。
ただし、2011年の東日本大震災によってハイキングコースの一部が崩落したため、学校平を起点にした場合は雷霆ノ滝と咆哮霹靂ノ滝へは行けても素簾の滝、仁三郎の滝、雄飛滝への道は閉ざされて行くことができない。これら3つの滝へ行くには別の入口に改める必要があった。
そこで今日、別の入口から歩き始めてスッカン沢にかかる雄飛の滝、素簾の滝、仁三郎の滝を見てきた次第だ。


塩原と矢板を結んでいる県道56号線にスッカン沢にかかる橋がある。
橋のたもとの駐車場に車を置くとこの画像のような光景となる。
スッカン沢へはここから見える橋(雄飛橋)を渡り、階段を下る。


雄飛橋から見下ろしたスッカン沢。
遊歩道は沢の左岸(流れに向かって左)についている。
河原の石や岩が光沢のない茶色であるのが目につく。


これが遊歩道。
沢から10メートルくらいの高さにある。アップダウンはなくほとんどフラット。


この沢にかかる3つの滝のうち、最初に出合うのが素簾の滝でここだけ川原に降りて眺めることができる。
素簾とは「すだれ」の意味だが、実際に見て初めて名前の由来がわかった。


スッカン沢の対岸は高さ10メートルはあろうかと思える岩壁が連なっており、岩壁を伝って水が流れ落ちている。、その幅は100メートルはあろうかと思える。
これら全体が「すだれ」状に見えることから素簾の滝という名前が付いたのであろうが、管理人にはすだれに見える流れの個々が独立した滝に見えてしまうほどだ。
全体を見て素簾の滝というよりも、個々に名前を付けてあげたいくらいだ。


こんな素晴らしい光景にも出会えた。
天然の岩風呂かと思ってしまいそうな光景だ。
右の流れがスッカン沢の本流で左は素簾の滝の一部。
ここで注目すべきは水の色である。
硫黄泉のように濁っている。
高原山(鶏頂山、釈迦ヶ岳、中岳、西平岳の総称)を源流とするスッカン沢は火山の成分が含まれているため、このように青白く見えるそうだ。
ちなみにスッカンとは酢っ辛いが転じたらしい。魚も住めないとある。
雄飛橋から見下ろしたときに石や岩が茶色に見えたのは火山成分によるものと思う。


次は仁三郎の滝。
橋のすき間から覗くと全体が見える。


仁三郎の滝。
落差はそれほど大きくはなく、5メートルほど。


最後が雄飛の滝。
素簾の滝からここまで200メートルちょっと。
日光には霧降三滝という3つの滝を巡るコースがあるが、それよりもお手軽。


雄飛滝は仁三郎の滝より少し大きいかなといったところ。


雄飛の滝を過ぎるとスッカン沢を渡る橋と出合う。
木製の大きな橋だが吊り橋ではない。


この橋を境にして名前がスッカン沢から鹿股川に変わるようだ。
構造はかなり複雑でこの平らな橋を渡ったら階段に変わり、次に対岸の階段を上って下るようになる(記憶では)。


上りの階段は右岸の岩壁から落下したと見られる岩によってふさがれていた。
6年前の地震は大きな傷跡を残したまま現在に至っている。


この先が崩落地らしく通行止めになっていた。
今日はツアーではないため同行者はいないが、お客さんを安全に目的地まで案内するのを生業としている管理人としてはここまでを視察すれば十分であった。引き返すことにした。
先ほどの立派な橋や階段は朽ちるに任せるのだろうか、とてももったいない気がする。


この階段を上ると県道56号線。


雷霆ノ滝と咆哮霹靂ノ滝がかかる桜沢へ行くにも、素簾の滝、仁三郎の滝、雄飛滝がかかるスッカン沢へ行くにも交通のアクセスは非常に悪い。
電車やバスだと絶望的である。
したがってどうしてもマイカーが必須となる。
だから空いているだろうと思って雄飛橋の駐車場に入ったところ、7・8台の車が駐まっていた。辺鄙な場所にありながら知られているのかもわからない。大きな三脚を肩にしたカメラマンが多かった。