今年1登目の女峰山は凄まじい風で11時間超え(画像多数につき閲覧注意・笑)

2017年5月8日(月) 快晴、強風

キスゲ平(5:40)~小丸山(6:12/6:20)~焼石金剛(6:46/7:00靴替)~赤薙山(7:30/7:35)~奥社跡(8:28/8:38)~P2209(8:47)~一里ヶ曽根(9:36)~(鞍部でスパ着)~P2318(10:23)~女峰山(11:30/12:00食事)~P2318(12:48)~一里ヶ曽根(13:28/13:35水場)~P2209(14:14)~奥社跡(14:36)~赤薙山(15:36/15:45食事)~焼石金剛(16:05/16:11靴替)~小丸山(16:27/16:36)~キスゲ平(17:00)

今日はイントロなしでいきなり書き始めるぞ(笑)
画像が多くその説明だけでも大変なので前口上を書いている余裕がない(公開してから追加するかもね)。

今年の初登だ。
無事に下山することだけを念じ、身を軽くして登ることにした。
天空回廊は疲れないようにランニングシューズで上る。登山靴はレジ袋に入れて階段を上がりきるまで手に持って歩くことにする。
アイゼンは不要とみて置いてきた。小物を入れるサコッシュも行動食も置いてきた。カメラは1台にした。着替え用の衣類として持ち歩いている中から下着は外した。いつも3枚持ち歩いている手ぬぐいは1枚だけにした。これで1キロ半は軽くなる。


5月特有の青空とカラッとした空気。実に気持ちがいい。
ゴールデンウイーク中の仕事の疲れを今日という日で癒したいと思う。
明日になると雲が多くなるとの予報だし、雪は日一日と融けて少なくなる。
残雪の女峰山を堪能しようと思うなら、今日を逃したら他にない。


早朝のカタクリはみな一様に花を閉じてうつむいている。
こちらを向いてごらんよ。
いやん、まだ寝起きで化粧もしていないんだもん、恥ずかしいわ。
そんなことないよ、素顔の君はとてもきれいだよ。
そお、そんなこと言ってくれるのあなただけね。

階段を上る苦しみから逃れるため、カタクリを仮想の女性として現実にはあり得ない会話で気を紛らわす管理人なのである。


天空回廊の中段、700段目に到着した。
園地は元スキー場を再利用して造られていて、ここからは30度もある上級者コースの上に階段が設置されている。厳しいっすよ、ここから先!
100段ごとに段数が書かれたプレートが貼ってあるので、100段上がったら息を整えさらに100段、そんな工夫をすることで疲れを最小限に抑える。
靴を入れたレジ袋を片手に持ち、空いているもう片方の手は手摺りを握り身体を引き上げるようにすると足の負担が軽減される。


階段が終わると標高1601メートルの小丸山に乗る。
正面に赤薙山が見える。
赤薙山は標高2010メートルだが冬でも備えさえしっかりしていれば安全に登れる山で、管理人は好んで登っている。
管理人が経営している宿の常連さんと同行することもあるが、山頂へ行くまでの稜線上に広がる展望にみなさん例外なく感動してくれる。
なお、女峰山は赤薙山を超えてさらに5つ目のピーク。遠いぞ~。


焼石金剛
名前の由来は過去のブログでどうぞ。


焼石金剛から振り返って北東の方角を見ると高原山(鶏頂山、釈迦ヶ岳、中岳、西平岳の総称)が望める。
遠くから見る形もいいし登って損のない山である→こちら


数百グラムとはいえ、靴を軽くすることの意味は大きい。ここまで軽快に歩くことができた。
できることならこのままランニングシューズで歩き通したいところだが、そうもいくまい。
防水ではないし甲の部分がヤワだ。小石や木の根にぶつかっただけでも痛い。
脱いだランニングシューズはレジ袋に入れて目印となる場所を選んでデポしておく。
チェーンスパイクの出番はまだない。


赤薙山直下のやせ尾根を通過。
ランニングシューズはこの樹林帯にデポして帰りに回収するつもり。


右に赤薙山を示す道標だがここは直進してもすぐに交わるからどちらへ行ってもいい。


次は女峰山へ導く道標が表れるが、赤薙山と指している方へ行く。
女峰山方面に行くと途中、斜面が崩落していて危険なのだ。
それに道は赤薙山の先で交わるから遠回りにはならない。


赤薙山直下の斜面。
この辺りから雪が表れる。
雪はしっかり締まっているので潜る心配はない。
つま先でカットしながら登れば滑る心配もない。


5時40分に階段を登り始めて1時間40分。
この間、写真をたくさん撮ったり靴を履き替えたりしたので実質1時間20分くらいだろうか。


山頂から見る女峰山


こちらは男体山


さあ、これから赤薙神社奥社跡(以後、奥社跡と書く)へ向かって進もう。
赤薙山から見る奥社跡への道は平坦でいかにも快適そうだが、、、


なんのなんの、歩き始めるとすぐ、こんな岩場を通過するスリルが味わえる。
岩場はここだけではなく、奥社跡に着くまで随所に現れて退屈はしない。
それに大きな段差があったりして息つかせぬくらい変化に富んでいる。
ちなみに正面に見える大きなピークのことを管理人は「偽赤薙山」と呼んでいる。理由は後ほど。
ピークの左に見える雪を被った山が女峰山。


岩場の他に木の根が露出した段差もたくさんある。
こういう場所こそ注意が必要で、不用意に木の根に足を置いたりするとツルッと滑ることがある。足の置き場を慎重に選んで身体を上へと移動する。


奥社跡(P2203)を正面にとらえた。
その右のピークは2209。
女峰山が奥社跡の左に見えるがそこへ行くには奥社跡からピーク2209に移動して、次に方向を西へ変えてアップダウンが続く長い稜線を辿る。だから女峰山は厄介なのだ。


この上が奥社跡。


長かった~
歩き始めて2時間50分。
赤薙山から1時間53分もかかっている。
そして女峰山へはここからまだ3時間はかかる。


雪はこれまでよりもずいぶん増えた。
ここから50メートル下るのでチェーンスパイクを着けるかどうか、ここで見極めることにしたが、傾斜が緩いので滑ったとしても尻餅をつくくらいだ。靴のままで行こう。

奥社跡と次のピーク2209とは標高でわずか6メートルしか違わない。
しかし、ピーク2209へ行くには奥社から一旦、2154メートルの鞍部に下り、そこから登り返すため、下りと上りの標高差を合計すると100メートルに達する。決して楽ではない。

広くて気持ちのいい鞍部。
ところがこれがくせ者なのだ。
深い樹林帯なので無雪期でもわかりにくいのに道が雪に埋もれてしまうとお手上げだ。この時期はコンパスをセットして歩く。
しかし悪いことに、地図に描かれている道は実際とはずれていて、地図にある道のようにピークには続いていない。ピークの少し西側を通るようになっているのだ。地図を使ってコンパスをセットするのではなく、コンパスが示す磁北線に向かって忠実に歩いて行く。少しでも外れると藪に入り込んでしまうから注意。


雪がたっぷりあるので無雪期だと登れないピーク2209の上に立ってみた。
山頂は狭くコメツガが目立つ。


ピークを西へ向かうと2・3分で正しい道と合流する。
快適な稜線歩きが楽しめるのもここから先。


ハクサンシャクナゲの花芽。
開花は7月。


「ヤハズ」


ヤハズまで来ると女峰山が大きく見える。
だがまだ遠い。


う~ん、いいですなぁ、この雪の稜線。
たまらんです(笑)


こんな場所もあるが見た目ほど危険はない。
チェーンスパイクはまだ着けていないが滑ることもなかった。


どこまでも続いてほしい雪の稜線(^^)
しっかり締まって潜ることもない。


会津の山並みが見える。
右端の平らな台地は会津駒ヶ岳から大戸沢岳へ向かっている稜線だと思う。


曲がりくねったダケカンバがまるでオブジェのように見える。
ここを通り過ぎると、、、、


ピーク2295の一里ヶ曽根。
これで赤薙山から数えて4つ目のピーク。この先2つ目が女峰山だ。
風は先ほどより強くなっている。


一里ヶ曽根はすぐに急でガレた下りに転じ、水場の横を通り次のピーク2318(稜線右のピーク)へと向かう。
画像中央に見えるのはピーク2469で三角点がある。ただし地図にその記載はなく、等高線が閉じられていることでピークであることを知る。
女峰山はその先、160メートルの場所にあって2469に隠れて見えない。


一里ヶ曽根とピーク2318との鞍部に降り立ったので地面が露出した場所にザックを下ろして、疲れを回復することにした。


これから先の急登を考えてここでチェーンスパイクを装着。


水場を示す道標。
この雪だと水場は埋まっているんじゃないだろうか。
帰りに見てみよう。


ピーク2318
立ち枯れした木が十数本ある特徴のある場所だ。
なぜ同じ場所にある木が立ち枯れたのか?
本で知ったのだが原因のひとつに強風説があるそうだ。この場所のように強い風にさられていると木は根っこごと激しく揺れ動くため根が痛み、やがて枯れてしまうらしい。
ここで道は南に転じて女峰山を目指す。


肉眼ではっきりと女峰山をとらえられるのもこの辺りから。
中央に見える大きなピークは稜線の少し下に30センチくらいしかない怖い道がある場所。その右のごつごつしたところにロープがあり、岩をよじ登る。ごつごつした右端は三角点のあるピーク2463(ただし地図にはない)、その右の小さいピークが女峰山。
と、地図を見ながらこの記事を書いているが、これらをすべて頭に入れるのは大変なんだよ。現場でスラスラと言えればいいのだが。


これまで北風をうけながら歩いてきたが、風はこの辺りからさらに強くなり、身をかがめないと歩けなくなった。
まずいぞ、これから先、危険箇所が待ち構えているというのに。


白根山
身の危険を感じながらも見るものはちゃんと見ている(笑)


燧ヶ岳


これが細くて怖い道。右は深く切れ込んでいる。
ダケカンバやコメツガが南側に傾いでいてここの風の強さを物語っている。
いま、風は北すなわち画像の右から激しく吹きつけている。
あおられて転倒しないように両手を斜面につけ、風が治まるのを待つ。


同じ場所から目を上げて前を見る。
中央に見える稜線の右、左の斜面が白い小さなピークが女峰山だ。
あの斜面がどうなっているかはこれからわかる。


ズームで見るとこんな感じ。
山名板がハッキリわかる。


雪は厚く堆積している。


これでもか、これでもかと続く厚い雪。


福島県そしてその向こうに越後の山並みが見える。


高みへ、高みへと歩を進めていく。


3メートルほどの岩場にロープがかかっている。
ふだんならロープを使わず登ってしまうところだが強風で体勢が不安定なため、今日はロープにすがって岩場をよじ登る。


次はハイマツ帯だ。
飽きることのない女峰山への道。


すでに遮るものはなく山頂が目の前に迫ってきた。
この雪の斜面を上りきれば山頂である。
遠くから左の斜面が白く見えたのはこの部分。


おぉ、女峰神社が見える。
強い風の抵抗にあったが女峰の神がここまで導いてくれた。


山頂は女峰神社のすぐ先。


天候は朝と変わらず快晴のまま。
我が母なる山、女峰山は管理人の初登を祝ってくれているかのように見える。が、それにしてもこの風には悩まされる。我が母なる女峰山は管理人の体力と精神力が試しているのだろうか。
いつもならここに三脚を立て、タイマーで自撮りするのだが強い風に三脚などなんの役にも立たず、諦めた。となればスマホを使っての自撮りだが、とてもではないがこのブログに載せることはできない。


山頂からの展望はほぼ360度。
日光市に属する山はもちろんのこと、群馬、福島、新潟の山が見える。


山頂からの展望
大真名子山の左に男体山がある。


祠を風よけにして昼メシを済ませ、帰路につくことにした。
道標が示す先は唐沢小屋。行者道、寂光神社に降りるルートだ。いずれも下り一方なので楽だが距離は2キロほど長い。


ハイマツの樹林帯までこの白い稜線が続く。
風がなければ雪の稜線歩きの醍醐味を味わえるところだが、そんな気持ちの余裕はない。


ハイマツの間を抜けるとき、強い風にあおられて身体が横倒しになった。女峰山に来てこんなこと初めて経験する。


振り返ると女峰山がもうあんなに遠くに見える。
この場所のように稜線からほんの1メートルでも下に身を置くと風はまったく感じない。
風は稜線の上を舐めるようにして通り過ぎるからだ。
実はここまで来る間に、往きに通過した細い道そして、ロープのある岩場ではあまりにも強い風に、停滞と移動を繰り返す羽目になった。


女峰山の下は深い谷になっている。
その谷底からモヤが湧き上がっている。
いや、モヤではない。茶色の煙だ。
まさか山火事?
違う、黄砂だ。
崩落により地肌がむき出した斜面の土が強風にさらわれて土埃が舞っているのだ。


ピーク2318を通過。
一時的なのか、風は止み、人心地がつく。
さて、道はここから東へと変わる。


一里ヶ曽根への下りは広い斜面なので前方に見えるピークをよく見ながら慎重に。


鞍部手前の水場を示す道標。
ここを左に折れるとすぐ水が流れている場所があるのだが、、、


水場はまだ厚い雪に埋もれている。
今日の飲み水はスポーツドリンク750ミリ、水道水1リットル、お湯450ミリを用意してきた。
この水場が使えれば半分の量でいいのだが、この時期は期待してはいけない。
水場の雪がなくなるのは早くて今月末、遅ければ来月半ばになるだろうか。


一里ヶ曽根へのガレ場を登っていく。


一里ヶ曽根を通過し次はピーク2209を目指して快適な尾根を歩いて行く。
気温は15度を超えているが雪はまだ締まっていて潜ることはない。しかしあと数日もすれば雪は緩み、膝まで潜るようになるのだろう。


ヤハズを通過


ピーク2209の下り斜面からピーク2203(奥社跡)を見あげる。


鞍部へ降り、これから奥社跡へ向かって上りに転じる。ルートはわかりにくい。


奥社跡では立ち止まらずにさっと通過。
予定の時間よりも90分ほど遅れている。
日没になる心配はないが疲れも出ていることから足が自然と急いでいる。


アップダウンの連続でだいぶ足に来ている。
赤薙山と女峰山を結んでいる尾根は標高差473メートルなので単純にいえば低山レベルだが、往きも帰りも激しいアップダウンがあるため数値では計り知れない厳しさがある。
これを累積標高という指標で表すと、女峰山の場合は上り2000メートル、下り2000メートルという言い方をする。厳しいのだ。
奥社跡から赤薙山へ向かって足を引きずるようにして歩いていると、画像の大きなピークが迫ってくる。
一刻も早く下山したい気持ちから、このピークがどうしても赤薙山に見えてくる。ところが違うのだ。
これを超えたのが本当の赤薙山なのだ。そこで管理人はこれを「偽赤薙山」と呼んでいる。


急な岩場を下る。


着いた~
ここまで来ればもうなにも心配することはない。
気持ちはすでに下山したつもりになっているが気を引き締めよう。


やせ尾根を下って小丸山へ。
デポしておいたランニングシューズを回収することは忘れなかった。


登山靴を脱ぐとムッとする匂い、じゃない臭いか、が立ちこめる。
汗で靴下が濡れている。ゴアテックスとはいえ10時間も履きっぱなしだと致し方ない。


足下のいい場所を選んで縫うようにして下っていく。


小丸山に着き、これから園地の中へ。


最後の難関は1445段の階段を下って駐車場に降りること。
今日の山行で足はくたびれているからステップを踏み外さないよう、慎重に降りたことはいうまでもない。


園地一面に咲くカタクリ。
20数万株といわれるニッコウキスゲに匹敵するほどの数ではないだろうか。


ふ~、なんとか無事に戻ることができたものの11時間をオーバー。
残雪に加えて強風の中を歩いたので時間がかかったのはやむを得なかったとはいえ、さすがに厳しかった。
それにしてもなんだな、こんな山行は先の短い命をさらに縮めるようなものだ。
まっでも、これができるうちが華だと思い、これからも苦しみを我が友として歩んでいこう。


所要時間は11時間24分と長いがこの中には多くの休憩時間他が含まれる。
管理人の場合、記録用に数百枚という写真を撮るし遠くに山が見えれば山座同定をおこなう。
したがって一般の登山者であれば、管理人の所要時間の7・8割が標準ではないかと思う。


本日の取得物。
半袖Tシャツに手袋、フェイスタオルなど。
落とし主には申し訳ありませんがゴミとして処理しました。



累積標高の多さがこのルートの厳しさを物語っている。