高原山5座目の明神岳を果たしたが計画の甘さで大失態。

2017年4月5日(水)

7:50/大鳥居~8:19/枯木沼~9:18/弁天沼~10:36/明神岳分岐~12:47/明神岳~13:08/展望台(昼食)~14:01/P1640~14:15/ゲレンデ下降~14:35/管理道路~15:08/有料道路~15:47/大鳥居

計画では明神岳ピストンの予定だった。
7:30/大鳥居~8:20/枯木沼~9:10/弁天沼~9:50/明神岳分岐~11:30/明神岳~11:45/ゴンドラ駅(昼食)~13:50/明神岳~14:10/御岳山~14:30/弁天沼~15:10/枯木沼分岐~15:40/大鳥居

スノーシューツアーの定番コース、霧降高原丸山へ向かって歩いて行くとまず八平ヶ原で、次に丸山の尾根から高原山がよく見える。
高原山は鶏頂山、釈迦ヶ岳、中岳、西平岳の総称で日光市に属する鶏頂山から始まり、東へ右回りに釈迦ヶ岳、中岳、西平岳へと尾根が続き、外輪山の様相を呈している。尾根に立って見下ろすとそこは深さ700メートルもある噴火口に見えるから、これら4峰は外輪山に間違いないのであろう。
4峰とも標高1700メートルを超えるが1794.9メートルの釈迦ヶ岳が主峰といえそうだ。実際に八平ヶ原から遠くに見る釈迦ヶ岳は中岳と西平岳を従えて堂々とした山容を見せている。
釈迦ヶ岳は日光市、塩谷町、那須塩原市にまたがり、登山道も釈迦ヶ岳に収束されている。このことから見て、釈迦ヶ岳主峰説に間違いはないであろう。と、管理人は独自のというか、勝手な説を唱えている(笑)遠くに見えるあの山の頂に立ってみたい。
これは山歩きをたしなむ人、共通の思いであり、誰も否定できないはずだ。
昨年3月、主峰・釈迦ヶ岳を目指した。
しかし、せっかく尾根続きの4峰だ。釈迦ヶ岳だけで終わらせるのはもったいない。4峰縦走をやってみようと考えた。9時間かかって駐車場に着いたときは足がふらつく始末であった。雪は少なかったとはいえノートレースの雪の上を自分でルートを考えながら歩かなくてはならなかったし、釈迦ヶ岳から西平岳へ向かうルートは隠れて見えない危険箇所がいくつかあった。距離も長かった。だが、疲れ果てはしたが達成感も大きかった。
高原山9時間の死闘→こちら

釈迦ヶ岳の頂にもう一度。2日後の31日、今度は矢板市・学校平からのルートで登ったのだが、前回とは趣が異なり、このルートは15キロのトレッキングが楽しめることがわかり大きな収穫となった。
こちら

鶏頂山、釈迦ヶ岳、中岳、西平岳の4峰を総称して高原山と呼ぶのは先ほど書いた通りだが、鶏頂山と釈迦ヶ岳を結んでいる尾根の中間に位置する御岳山から北へ向かって延びる尾根があって、御岳山の2キロ先に明神岳がある。さらには明神岳の北東1.3キロの位置に前黒山がある。明神岳はハンターマウンテンスキー場の母体となっている山だ(画像参照:明神岳と前黒山の間の斜面が白く見えるのがスキー場)。
この2峰を高原山に含めていいのかどうか管理人にはわからないが、高原山と尾根でつながっているから同じ山域であることは明らかである。
ならば次の目標は明神岳と前黒山と決め、6峰完登をやってみたい。

問題はルートである。
明神岳はハンターマウンテンスキー場の最上部に位置し、車道からの距離は2.6キロと短い。しかし、地図に道は描かれていない。そこで昨年、4峰を歩いたときのように、鶏頂山の東の麓、大鳥居を起点に地図に描かれているルートで御岳山に出て、そこから尾根伝いに北上する方法を考えた。
地図で見る限り、最初の下りと明神岳直下の登りが厳しそうだがその間は緩やかなアップダウンと読める。だが、歩き始めてからの距離が片道推定6キロ強と長いのがいやな材料だ。
昨年の実績では御岳山までの4キロを2時間半かかっているから、大鳥居から御岳山の往復8キロだと4時間が消費される。残りの2キロに果たしてどれほどの時間がかかるのか。無雪期であれば1時間、浅い残雪だと1.5時間と見ておけばいいのだが、雪が深いと2時間は見ておく必要がある。すなわち、大ざっぱには次のような計画だ。

大鳥居~4.0キロ/2時間半~御岳山~2.3キロ/1時間半から2時間~明神岳=計6.3キロ/4時間から4時間半
もちろん、これは片道なので、往復だと帰りの御岳山からの長い下りを減算して7~8時間といったところ。まっ、いつものことながら10時間以内ならば良しとして、実行に移すことにした。


鶏頂山の登山口はふたつある。
いずれも日塩有料道路に面していて日光に近い方の赤鳥居の建つ登山口と、そこから800メートル先の元鶏頂山スキー場だ。両者並行し枯木沼で交わるからどちらから歩き始めても時間のロスはない。
昨年は元スキー場から歩き始めたので今回は赤鳥居にしようと考えたのだが道路脇の駐車場にはまだ雪がごっそり積もっていて使えず、昨年と同じように元スキー場を出発点とした。
なお、昨年はこの大鳥居を車でくぐって大駐車場まで入れたが、今年はご覧の通りだ。道路脇の待避所に車を置いて歩き始めた。先着車が1台駐まっていた。
ちなみに、ここから歩き始める場合は鳥居をくぐると遠回りになる。鳥居の反対、鳥居に背を向けて歩くのが正解。



元スキー場のロッジ脇が登山口で信仰対象の山らしく、案内板には登拝口と書いてある。この奥に見える林に向かって歩いて行く。



雪は締まっているので始めはチェーンスパイクで歩いてみよう。
深くなったらスノーシュー、アイスバーンの急な斜面に出合ったらアイゼンにピッケルをと、今日は冬道具満載で歩き始めた。ザックの重さは12キロほどになっている。



この斜面など荒れてもいないのでスキー場のゲレンデとしてまだ十分に使えそうだ。
踏跡がいくつか確認できるが真新しいのがある。先着車の持ち主かもわからない。


振り返ると展望が開けていた。
おそらく会津の山並みだと思うがあまりにも遠くて山名は特定できず。


これはゲレンデなのか登山道なのかわからないが広く歩きやすい。


歩き始めて30分。枯木沼入口に到着した。
鳥居の先は湿地帯になっている。
昨年は池塘が見られたし木道も露出していたが今年はまだ厚い雪に被われている→昨年3月29日の枯木沼


枯木沼を抜けた辺りから雪が深くなり、ここでチェーンスパイクからスノーシューに履き替えることにした。



おそらくリフト券売り場だったのであろう朽ちた小屋。
1961年にオープンしたらしいが当時、日本は好景気に沸いていたはずだ。
バブル景気崩壊後、数年は営業を続けたが隣接する大規模かつ近代的なスキー場に規模、設備とも勝てず、2000年に閉鎖されたという。


弁天沼
雪のない季節の状況は知らないが質素な鳥居に石碑、鐵の鐘楼、祠などがあり、ずいぶんと神々しい雰囲気が漂っている。


地名から察してどこかに沼でもあるのだろうことを想定し、念のため地図にある道の通りに歩くことにする。
道を外して沼にどぼん、などといった事態にならないようにするためだ(笑)


弁天沼からはこれ以上スノーシューで歩くのに適したフィールドはないというほど、平坦で広い林が広がっている。周りを見回しながらのんびり歩いているうちに傾斜が変わった。


傾斜がきつくなった先が鶏頂山と釈迦ヶ岳を結ぶ稜線だ。
ここを右へ行くと鶏頂山、左が釈迦ヶ岳。
先行者の踏跡はここから鶏頂山へ向かっている。管理人は釈迦ヶ岳方面に向かう。


分岐から釈迦ヶ岳へのルートの積雪は多くない。
それが返って足を遅くした。
傾斜がきつくまた、木々がこみ入っているのでスノーシューがじゃまになった。といってアイゼンあるいはチェーンスパイクに履き替えようという気持ちにもなれなかったのは、先を急ごうという焦りがあったのかもしれない。


尾根の南側は切り立っていて大きな雪庇が張り出している。木がある場所までなら大丈夫と思って近づくと雪のブロックもろとも数百メートル落下する。なにしろ足は地面の上ではなく雪の上にあるのだから。


ピーク1690。このすぐ手前が御岳山。
ここで道は釈迦ヶ岳方面と明神岳方面に分岐する。
昨年はここを直進して釈迦ヶ岳へと向かった。800メートル先、1時間弱で釈迦ヶ岳に着いた。
今日は明神岳方面へ北上するが未踏ルートであるため時間が読みづらいところだ。
地図を見ると分岐から明神岳に向かって市境線が続いているのだが、この分岐は市境線よりやや東に位置していることがあとからわかった。ただし、明神岳へ向かうのになんら差し支えはない。
まずはいきなり30度もある急斜面を下ることになった。斜面は広く、尾根にはなっていないため、とにかく北へ向かって下ることにする。


ピーク1690からの急な下りをクリアすると、そこは広い雪原が広がっていた。
今いる位置が市境線の上らしいことがGPSが示す緯度経度でわかった。
市境線の次の変曲点に向かってコンパスを合わせる。


なんとなく尾根らしくなってきた。
それにしても広くていい尾根だ。


ふたたびだだっ広い雪原と化す。


ミズナラの古木。


急斜面への進入を防止するロープがある。
明らかに人が歩いている証。


ヤシオツツジに違いない。


見上げると木の構造物が見えた。
見晴らし台なのだろうか。
傾斜も急になったしここは明神岳直下と思われる。


明神岳への道を示す道標の脇をすり抜けると、、、、


先ほどの見晴らし台よりも大きい構造物が見えた。
ここから左へ杭が一定間隔で並んでいる。雪の下は木道らしい。
一応、順当に杭に沿って歩いてみた。だが、杭は明神岳を巻いて敷設されていることがわかった。


見当をつけて杭から外れて斜面を上がったところ、そこが明神岳山頂だった。
木々に囲まれて視界はない。山名板は明神岳西峰山頂、標高は1640メートルとある。
おかしい。
GPSで現在地を確認するとここは地理院地図にある1627メートルの明神岳に間違いない。しかしなぜか、山名板は1640メートルになっている。それに地理院地図には西峰という記載はない。
地図を見るとこの北北東にもうひとつのピークがある。そこの標高が1640メートルだ。
この山名板にある標高1640メートルとは、もうひとつ先のピークを表していることは明らかだ。山名板の制作ミスであろう。


山頂をあとにさらに北へ向かって歩いてみると、ふたつの展望台があることを示す道標があった。
右つまり、いま来た道を戻ったところに日光連山を眺める展望台があるらしい。ということはさきほどの大きな構造物がそうなのか?
今日の目的は高原山そして明神岳から振り返って日光連山を眺めることにある。
時間のロスはやむを得ないが先ほどの構造物すなわち、展望台に戻ろう。


丸太の杭に沿って戻り、展望台にやってきた。


展望台に立って眺めると高原山がすぐ目の前に見える。いい眺めだ。
ここからだと丸山から眺める山の位置関係が逆転し、左が釈迦ヶ岳、すぐ右の小さなピークが中岳、西平岳は釈迦ヶ岳に隠れて見えない。
その右のこんもりしたのが御岳山でその右のきれいな三角形を描いているのが鶏頂山である。


高原山の右が日光連山のはずなのだが今日はかすんで見えない。
おそらく気温が高まるこれからの季節はかすんでしまうのだろう。

今日は思いの外、時間をくってしまった。
計画だと明神岳山頂に11時半に着く予定だった。
歩き始めが計画よりも20分遅くなったことにくわえて雪が深かったこと、さらには御岳山からのルートが広すぎてわかりづらかったことなどが理由である。
これから昼メシを食べて、いま来たルートを辿って戻るとすれば日没の可能性もある。高原山5座目は終わったのだから欲張らず、時間をかけて探索してみたいと思う。
帰りはスキー場のゴンドラで下山すればいい。同じルートを戻って日没を迎えるよりもその方が安全だ。
そう思ったら気持ちに余裕が出た。山頂を隅々まで歩いて次の目標とする前黒山の参考にしよう。


ゴンドラで帰ることに決めたことで時間は気にしなくてもよくなった。
展望台を降り、さきほどの明神岳山頂を通りすぎ、道標にあった関東平野展望台までやって来た。ここが地図にあるもうひとつのピークで標高は1640メートル。祠のある明神岳よりも高い。

山名板が立木にくくりつけてあった。
山名板は明神岳となっているがここは地理院地図に山名が描かれていない。
地理院地図にある明神岳は先ほどの祠のある場所、正確には北緯36度55分14.10秒、東経139度46分18.60秒の場所なのであり、ここではない。

察するに、祠のある場所が明神岳「西峰」となっているので、そこは本当の明神岳ではないと考えた取り付け主は、西峰よりも標高が高いこの場所を本当の明神岳だと思い込んで山名板を取り付けた、そう考えると合点がいく。
ただし、それは地理院地図が間違っていることを前提とした場合だ。はたして地理院地図が間違っているのかどうか、それは管理人にはわからない。

いずれにしても地理院地図のピーク1627が山名板だと1640になっていたり、地図にない場所が明神岳になっていたり、とてもややこしく不自然な感じがした。


さらにおかしいのは同じ場所に別の山名板があって、それには標高1627とあることだ。ここは地図で明らかなように標高1640メートルなのである。
同じ場所に標高1640メートルと1627メートルの山名板が並んでいることの違和感。こうなるともう、基本となる地理院地図の記載を無視した自己主張争い、山名板取り付け争いというほかに言いようがない。
山の所有者の許可なく山名板を取り付けることの是非は別問題として、山名板を取り付けるのなら地形図を読む能力を身につけてからにしてほしいと願う。
地理院地図にも間違い、というよりも長い間、更新されないことによる現状との不一致が散見されるが、山名板のつけ間違いはおおかた、取り付ける側の地形図の誤読あるいは無視に原因があるようだ。このようなデタラメは登山者を惑わすだけだ。


山頂をあとにして、ご覧の通り管理人はいま、スキー場のゲレンデ内を歩いて下っている。
山頂からゴンドラ乗り場まで行ってみると、4月になって運行を終了したことがわかった。
リフトはまだ動いているが下りでは利用できないことは知っている。リフトの係員に相談したところ、ゲレンデの端なら歩いてもかまわないとのことだった。
ゲレンデの端、まさにこの部分を下っていたところ、パトロール員に咎められ、丁重ながらも厳しく注意された。リフトの係員よりも権限が強いはずなので素直に従うことにした。
が、ここから明神岳に登り返して同じルートで帰ることなどとてもできそうにない。パトロール員監視の下、このまま降りることを許してくれた。
山姿の男がゲレンデを降りていく様は周りには奇異に映ったであろう。それを許したスキー場は利用者に非難されるかもわからない。大げさかもわからないが、それくらいの感性は管理人にもある。
シーズン終了間際の平日ということもあって例外扱いをしてくれたものと考え、自分の不甲斐なさを恥ながら下っていった。
ゴンドラで降りることなど計画外であったため、当然ながら運行期間は調べていない。その迂闊さに気持ちが萎えた。
のんびりと昼メシなど食べず、山頂で余計な探索などせず、山名板になど気を取られずにいたならば同じルートで戻れたはずだ。計画の変更が災いをもたらせた。思考はどんどんマイナス側に振れていく。気持ちはますます萎えていく。


最後のリフト降り場の手前にスキー場の管理道路があって、そこから有料道路に出るようにとの指示があった。


ようやく有料道路に出られたが管理道路はやけに長く感じられた。
ここから大鳥居までどれくらいの距離なんだろう。そんなことを思いながら重い足を運んだ。


ハンターマウンテンスキー場より一足早くシーズンを終えたエーデルワイススキー場。


管理道路から歩き始めて5キロ、1時間10分かかってようやくスタート地点の大鳥居まで戻った。実に長い道のりだった。


昨年、初めて歩いたとき、大鳥居から弁天沼を抜けて鶏頂山と釈迦ヶ岳を結ぶ稜線に出るまでの間の雪原の素晴らしさに感嘆した。
今日も昨年と同じルートを辿ったわけだが、この雪原こそスノーシューで歩くのに相応しいことを確信した。
稜線に出るまで約2時間、往復4時間ならツアーに最適である。ルートがわかりづらいという難点はあるが、これはなんどか通うことで克服できる。
明るく開放的で変化に富んだ景色。危険な場所はなくまた、読図の練習にもってこいのフィールドの広さはきっとお客さんに満足してもらえることだろう。問題は日光から遠いということ、これさえ解消できれば頻繁に利用したい。

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