古賀志山の猿岩、地名板損壊という無残な光景に強い怒り。犯人像に迫ってみた。

2016年11月3日(木) 晴れ

2ヶ月ぶりに古賀志山を歩いた。
ルートは以下の通り、馬蹄形の右回り。
森林公園P~東陵岩場~東陵見晴台~古賀志山~御嶽山~中岩~赤岩山~猿岩~北ノ峰~腰掛岩~P444~手岡峠(仮称)~長倉山~森林公園P

詳しい山行記録は後日書くとして、この記事では今日、気がついた下記2点について取り急ぎ記録しておく。
(1)岩場に新しい鎖が取り付けられたこと。
(2)猿岩に設置されている地名板が壊されていたこと。
こちらも参考にご覧ください→繰り返されるロープ外し

古賀志山の一般ルートとしてもっとも利用者の多い北コース入口に当たる芝山橋に、古賀志山に100以上あるとされるバリエーションルートのひとつ、東陵コースがある。
広葉樹の明るい尾根道を進んでいくと別の尾根と合流する。そのすぐ右を見るとルートを塞ぐかのように巨大な岩が待ち構えている。その岩が古賀志山に隣接する通称、東陵見晴台へと続く岩場の始まりである。

古賀志山山域には手がかりがなければ上れないような急峻な岩場が数多く存在する。その多くは鎖やロープが取り付けられているので慎重に行動すれば、岩が雨で濡れているといった悪条件でない限り、事故は起きない。
ただし、既設の鎖は古いしロープはすり切れていたりまた、取り付けられている相手(支点)が枯木であったりというように、利用する側にとって必ずしも安心できるものではない。

東陵見晴台へと続く岩場は長く、数本の鎖が取り付けられている(※)。
そこに真新しい、いかにも頑丈そうな鎖が既設の鎖と並行して下がっているのを見た。

※東陵が終わって次に古賀志山主稜線に移ったとき、各所に新しい鎖が取り付けられているのを確認した。


岩をよじ登り、鎖の支点となる部分に達するとそこにアルミ板のタグが取り付けられていた。
それによると設置者はNPO法人「古賀志山を守ろう会」で、その下に刻まれている「2016.8」とは鎖を取り付けた年月のこと、「NEXT 2017.1」とは次回の点検の時期を示していると読み取れる。

設置者のNPO法人「古賀志山を守ろう会」(以下、守ろう会)について詳しいことは同会のホームページをご覧いただくこととして、このタグが持つ意味は大きいと感じている。
もしもこの鎖の材質や強度、取り付け方法などが原因で重大な事故が起こった場合、設置者に大きな責任が生じるのは自明だ。このタグはそれら鎖に起因する事故の責任の所在を明確にしているのだ。とても大きなリスクを伴う。そんなリスクを冒してまで鎖の取り付けを英断した守ろう会に敬意を表したい。

NPO法人「古賀志山を守ろう会」

一方で心配もしている。
守ろう会が鎖を設置するよりも前から、危険な箇所にはロープや鎖が取り付けられている。それは無許可であり、工作物を設置してはならないという自然公園条例に反しているとはいえ、登山者有志による危険防止のための善意として受け止められ、今日にいたっている。

しかし驚くことに、それらのロープや鎖が外されたり切られたりといった、人身事故に直結するような危険な行為が頻繁におこなわれている。
登山者がまだ少ない早朝から、下山し終わった夕刻を狙ったものだと思う。
日中だとしても登山者が少ない場所を狙っていることから、古賀志山に精通する人物の仕業と断言してもよさそうだ。
どのような理由があって行為に及ぶのか知る由もないが、同じ人物が今度は守ろう会に罪を負わせることを目的に、新しい鎖で事故が起こるような細工をしないとも限らない。

有志が安全のために善意で取り付けたロープを切断したり鎖を取り外すことに偏った正義感を持ち、執念を燃やしている人物がいるは事実だ。
その矛先が、今度は守ろう会が取り付けた新しい鎖に向けられるのではないか、それを心配している。

複数人によるものではないであろう。
なぜならそのような目的のために意気投合するなどというのはふつう、考えられないからだ。それに目立つ。
性格が陰湿かつ執拗なことから、古賀志山をよく利用する登山者からは疎まれ、行動は常にひとりだ。古賀志山へ来る目的はロープの切断や鎖の取り外し、地名板の損壊といったことだけ。決して歩くのを楽しみに来るのではなく頭の中は次はどこでどんなことをしようか、それしかない。登山者を困らせたり事故が起こるのを喜んだり、古賀志山に人を寄せ付けない悪評を立てることを目的とした、鬱屈した心の持ち主による仕業だと思う。
もしかするとこの人物は、古賀志山は子供の頃から慣れ親しんだ自分の山なんだという倒錯した考えをもっていて、自分以外に古賀志山を利用する人をよく思っていないのかもわかならい。
それが本人の正義感を駆り立てているとすれば一般の登山者にとっては迷惑この上ない。人格が破綻しているとしか思えない。
本人の言い分も聞いてみたいが、ネズミのようにこそこそ動き回るだけで、表に出てくるほど器の大きな人物ではないのであろう。


古賀志山と北ノ峰を結んでいる主稜線を歩いて赤岩山を過ぎ、主稜線から少し外れたところに「猿岩」がある。
猿にしか上れないあるいは、猿でさえ落ちるという急峻な岩にたとえて名前が付けられたのだと思うが、この岩の上に乗って南から西へ広がる雄大な景色を楽しむことができる。
岩の基部に「猿岩」と書かれた地名板が設置されている。これも守ろう会によるものである。
画像は今年1月に撮ったものだが冬枯れで葉が落ちた木々のすき間から地名板がよく見える。

古賀志山山域は地元の人にとって昔から信仰の対象にされ、大切にされてきた。山域には奇岩があちこちで見られ、それらひとつひとつが信仰の対象物として名前がついている。
しかし一般登山者に知られることなく、俗称で言い伝えられるようになっていてたとえば、不動岩、マラ岩、子マラ岩、カミソリ岩、モアイ像、団子岩、弁当岩などといった名称がネットに散見されるに及んで、整備が必要との観点から、守ろう会によって昔から呼ばれている正しい名称の山名板や地名板が設置されてきた。「猿岩」もそのひとつである。


古賀志山主稜線は古賀志山~御嶽山~中岩~赤岩山~北ノ峰を結ぶ岩を含んだ尾根。
猿岩は赤岩山の西、主稜線から少し外れた場所にある。ただし、そこへ導く道標はないので地図とコンパスを頼りに探すしかない。
このことからも猿岩の所在をよく知っている人物の仕業に間違いないと見当をつけるのが正しいと思う。この人物にとって猿岩は、訪れる人はいないし眺めがいいので憩いの場所なのかもしれない。そこに地名板が設置されたり管理人のような地元外のものが来たりするのを、自分の領域を侵されるような気がするのかもしれない、と心情に理解を示すもののそれと器物の損壊とは別物であり許せることではない。


これは今日撮ったもの。
葉が茂っているため地名板の存在を見落としたが、大きな問題があることに写真を撮ったときは気がつかなかった。


異変に気がついたのは猿岩のトップに上るつもりで近づいたときだ。見慣れた地名板がないのだ。
地中に埋め込まれた柱が折られて、地名板ごとなくなっている。
古賀志山は国と宇都宮市(栃木県)そして、個人の所有物であり、そこに構造物を設置するには所有者の同意が必要だ。地名板を設置するにあたって、NPO法人である守ろう会は正規の手続きを経ているはずである。
それを損壊するのは明かな犯罪であろう。

先ほども書いたが、当人は子供のころから古賀志山に慣れ親しみ、古賀志山を “おら(俺)が山“ と考えているのではないかと思う。古賀志山に精通していることから、地名板などなくても縦横無尽に歩き回ることができるし、難易度の高い岩場をロープ、鎖を使わずに上り下りする技術をもっていることが考えられる。
そのような高度な能力をもちながら、精神的に鬱屈していることから、他の登山者を古賀志山に寄せ付けないあるいは排除しようという心理が働いてロープの切断や鎖の取り外し、地名板の損壊という行為に及んでいるのではないか、そう思わざるを得ない。
やり方が陰湿で執拗である。
高度な能力を他の登山者に役立つように使えばいいのに、と管理人は考えるのだが当人の性格上、そのような前向きな思考はできないのであろう。

古賀志山は3.5キロ四方という狭い山域が特徴である。そこに多くの登山者がやって来る。その中で繰り返される行為は言ってみれば、衆人環視の下での行為といえる。犯人はどこかで必ず姿を見られるはずだ。
管理人はブログを使って気づいたことを読者に知らせるようにしている。それが犯人への警告であり行為をやりづらくすることに結びつくのではないかと思っている。
実はこのブログでもっとも多く読まれているのが古賀志山に関する記事なのだ。ブログの読者はこのブログで提起した問題に関心をもって古賀志山を訪れていることと管理人は確信している。
ちなみに、管理人は古賀志山を守ろう会の会員ではないし同会となんら利害関係をもたない、古賀志山を楽しむ利用者のひとりに過ぎない。

古賀志山の猿岩、地名板損壊という無残な光景に強い怒り。犯人像に迫ってみた。」への2件のフィードバック

  1. 三輪健治(みわけんじ)

    古賀志山を守ろう会の三輪と申します。貴ブログをときどき拝見(拝読)しては自分で歩いているかのような気分を頂戴しています。
    守ろう会の活動が始まって3年、主稜線の鎖設置をほぼ終えたところです。
    さて、これまでも古賀志山について実に正確、丁寧な記録を記されていることに感心していましたが、今回の山屋にあるまじき非道をよく取り上げてくださったと感謝しています。
    エッチラオッチラ山仕事に集まる会員は60代半ばから70代後半十数名(蛇足ながら私は22年生まれの69歳です)、ジイサンの集まりですが、いたって意気軒昂、これしきのことでへこたれてはいられません。
    今後ともご高配のほどよろしくお願いします。

    返信
    1. 亀歩き 投稿作成者

      三輪様
      コメントをどうもありがとうございます。
      古賀志山を守ろう会の皆さまの想像できないほどのご苦労とご尽力のおかげで、一般登山者である私たちが安心して歩けるというものです。
      それを察することなく損壊を繰り返す不心得者がいることは、本当に許し難いことであると思っております。
      当ブログの古賀志山に関する記事がより多くの登山者に読まれ、問題意識を持って古賀志山を歩いてくれれば、注視の目が増えて不心得者も行動しづらくなるのではないかと思っています。
      古賀志山の健全性を保つために当ブログが少しでもお役に立てれば幸いです。

      返信

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