2登目の百名山・会津駒ヶ岳はキリンテから登って滝沢へ下るロングコース。中門岳の大展望に圧倒される。

2016年10月19日(水) 晴れ

キリンテ登山口(6:45)~大津岐峠(9:27/9:45)~駒ノ小屋(11:10/11:26)~会津駒ヶ岳(11:38/11:45)~中門岳(12:20/12:33)~駒ノ小屋(13:23/13:30)~滝沢登山口(15:29)
※距 離:19キロメートル(GPSログより)
※時 間:8時間44分(1時間の休憩を含む)

会津駒ヶ岳から中門岳へ向かう雄大な稜線

今月7日、栃木県と福島県の県境にある馬坂峠から帝釈山に登った帰りに檜枝岐の国道を通過中、旅館や民宿が集まる一角に、会津駒ヶ岳(以下、会津駒)の登山口があるのを見つけた。あれれっ、帝釈山よりも近いところに会津駒の登山口があるんだと驚いて、5日後の12日、さっそく登ってみた→こちら

そして今日、2週続けて会津駒に登ることにしたわけだがこの辺、管理人の性格とでもいうか、初登でなにか気にかかることがあるとそれを次回、次々回、、、さらに次の機会にと同じ山に通ってこの目で確認してみないことには気持ちが治まらないのだ。アタシって偏執的なのかしら?

会津駒初登でなにが気になったかといえば、山頂から中門岳(ちゅうもんだけ)に向かって実になだらかな稜線が延び、そこは池塘が点在する広大な湿原になっているらしい。その湿原は初夏になるとさまざまな植物の花で賑わいを見せ、それは見事だそうだ。
さらには管理人が見つけた登山口(滝沢登山口)の他にもキリンテという登山口があって、往復、別のルートを歩くことができ、そうすると20キロほどの長いトレッキングが可能という、まさに管理人好みのルート設定ができそうだということが地図とガイドブックでわかった。
12日は会津駒まで行ったところで天候が急変したため、やむを得ず下山。中門岳を諦めた経緯がある。
それだけに次は中門岳までの稜線と、キリンテと会津駒を結ぶ稜線を歩いてみたいという思いが強くなった。

そんなことを考えていたところに、解決しなくてはならないふたつの大きな問題にぶつかった。
登山口と下山口を別にすると下山後、車を置いた登山口まで戻る必要がある。それは当然のこととして、問題はその手段だ。
登山口と下山口はそれぞれ国道沿いにある。バスが運行しているが日に数本しかないことがわかった。登山口と下山口との距離は約5キロ、徒歩で1時間以上かかる。登山靴でアスファルト道路を5キロも歩くのは勘弁してほしい。
そこでこの問題を解決するための手段として、登山口と下山口の間を自転車で移動しようと考えた。
自転車をキリンテにデポし、車は滝沢登山口の駐車場に置いて歩き始め、キリンテに下山して自転車で滝沢登山口に戻るというものだ。

ただし、この反対はだめだ。致命的な疲れとなって現れる。
なぜなら滝沢登山口からキリンテに向かって上り坂になっているからだ。20キロも歩いて最後に上り坂を自転車で走ろうものなら疲れ果て、帰りは居眠り運転必至だ。

もうひとつの問題は12日は日帰りだったのだが、登山に要する時間が短かったのが救いとなった。下山後は檜枝岐から自宅まで3時間の運転だったが、なんとか無事に自宅に帰り着いた。しかし今度はそうはいかない。
推定20キロ、歩行9~10時間としてその上に往復6時間もの車の運転が加わる。年老いた管理人にそれを日帰りでおこなえというのはいくらなんでも無理がある。
前の日に宿泊して翌日、朝早く登り始める、それが答だ。それしか問題を解決する方法はない。

解決方法が決まれば行動は早い。
折りたたみ自転車、一人用のテントと寝袋、自炊道具他、野営道具一式を車に積み込んで出発に備えた。
檜枝岐を通る国道に面して清潔なトイレを備えた駐車場があるので、そこで一晩明かす予定だ。テントは気温が下がるのを想定し、車内に張るつもりで持参する。
国道は尾瀬御池で行き止まりになるので、駐車場前を走る車は少ない。夜間は皆無とみた。静かな環境で十分な睡眠が約束される、そんな考えであった。

そこまで準備を進めたところでふと、別の案件が頭をよぎった。
会津駒に登るのにどのガイドブックを見ても滝沢登山口を推奨していて下山も同じルート。
キリンテを登山口にする場合は距離が長くなるので山小屋に泊まって翌日、下山することを推奨している。キリンテは駐車場が数台分しかないこともその理由らしいが、大きな理由はルートの厳しさらしい。もしもキリンテを利用する場合は下りのみだそうだ。
昭文社「山と高原地図」に書かれている所要時間を比較すると、滝沢登山口から会津駒山頂へは3時間20分が標準らしいがキリンテからだと5時間かかる。だからガイドブックは小屋泊まりを推奨しているわけだ。たしかに山歩きでの1時間40分の差は大きい。疲労度に大きな違いが出てくるものねぇ。

であるならば、ガイドブックと反対のルートすなわち、キリンテから登ってみたい、と偏屈な管理人は考えるのである。山小屋も利用しない。
山と高原地図で所要時間を計算すると、キリンテから登り始めて会津駒を経て中門岳を往復し、滝沢登山口に下る場合の標準時間は9時間、もちろん休憩は含まない。前泊したとしてもこれに自宅までの運転に3時間は必要だ。しかも夜間の慣れない道を。
なかなかの苦行である。苦しいだろうなぁ、辛いだろうなぁ、と思う。
この苦行を想像するとなんだかとても可笑しくなって、我ながら笑い出してしまう。
汝、苦痛を愛し、苦痛を友として生きよ!
ぜひともキリンテから登ってみたい。その方法はないものか。下山後の移動手段さえ確保できればそれが可能になるのだ。そうすれば苦痛を味わいながら歩くことができる(笑)

会津駒の登山情報をネットで探していたところ、登山口まで車で送迎してくれる宿が数件みつかった。もしもキリンテまで送ってくれるのなら管理人の望みが叶う。
滝沢登山口に近い「こまどり」という民宿に管理人の計画を伝えたところ、滝沢登山口に管理人の車を置いた後、キリンテまで宿の車で送ってくれることになった。
その上、ありがたいことに、朝食は5時半に用意してくれるそうだ。9時間の山行計画を遂行するには早い朝食は願ってもないことだ。この2点が決め手となった。予約は宿泊当日というタイミングの悪さだったが電話の応対は快かった。
尾瀬檜枝岐温泉 会津駒ヶ岳登山口 そばと山人料理 尾瀬の宿 こまどり

これでキリンテから登って滝沢登山口に下りてくる計画は準備万端整った。
夕食は6時なので翌朝5時半の朝食まで、十分な睡眠時間が確保できる。
自宅からここまで運転した疲れを宿の温泉で癒し、ぐっすり寝て明日の山行に備えよう。
そして今夜はアルコールを慎もう、、、、


6:45
国道352号線にあるキリンテ登山口。
滝沢登山口の駐車場に車を置いた後、ここまで宿のご主人に送っていただいた。
国道からすぐに登り始めることができるのは便利この上ない。
ちなみに、この道をさらに進んでいくと尾瀬御池で行き止まりになる。袋小路の道なので尾瀬ハイキングのトップシーズン以外、それほど混雑はないそうだ。
それにしても頭が重い。右こめかみの辺りがズキンと痛む。胃も重い。昨夜はアルコールを慎もうと考えながら銚子を2本空けてしまった。山行前夜に飲み過ぎという節操のなさだ。大丈夫かね、今日は長丁場だというのに。


始めは杉がこみ入った林だったが、杉林はすぐに終わって明るい広葉樹林に変わった。ブナが多い。黄葉真っ盛りだ。


直径1メートルはあろうかという大きなブナ。


コハウチワカエデの紅葉。


黄葉しているのはブナとミズナラ、赤いのはカエデ類。


笹がきれいに刈られていて手入れの良さがわかる。


んっ、傾斜が変わったぞ。かなりきつい。
救いはこの先に空が見えること。こういう地形になった場合、この先がピークだったり見晴らしのいい峠であることが期待できる。


9:27
急傾斜を登りきるといきなり視界が開け、そこは大津岐峠だった。
人がいるが登山者ではなさそうだ。
やはりこのルートは長い。ここまで2時間42分かかった。
滝沢登山口からだと会津駒の山頂に立っている時間だ。


聞くと、倒れた道標を元の位置に戻すための作業をおこなっているとのことだ。
そういえば先ほどから上空をヘリが行き来していたがこの作業をおこなうために資材や発電機、人を運んでいたらしい。


ヤッホ~、大津岐峠からの展望は素晴らしい。
南南西に燧ヶ岳が一望できる。燧ヶ岳の右に見えるのは至仏山だろうか。


これから向かう方向には木道を挟んでなだらかな草原が広がり、その向こうには会津駒を中央にして、右へ大戸沢岳への稜線が、左に中門岳への稜線が見える。これからあの山を越えてさらに左へ続く稜線を歩いて中門岳まで。
う~ん、なんて素晴らしい眺めなんだ。日光では得られない絶景!!
日光から檜枝岐に引っ越したい(笑)


草原に見えたのは湿原だった。
標高1900メートルの高層湿原だ。


肉眼でも駒ノ小屋の存在がわかるほど会津駒に近づいた。
先を見ると草原はこの辺りで終わり、一度、林の中に入るようだ。
いや~、素晴らしいねぇ、この稜線。
登山者の多くは滝沢登山口から会津駒へのルートを歩くらしいが、この稜線を歩かないのはもったいない気がする。


なだらかに見えても実際にその中に入ってみないとなにが待ち受けているかわからないものだ。
樹林帯の中にはこんな仕掛けがあって楽しませてくれる(笑)


管理人好みのガレ場まで用意してくれている。


11:10
樹林帯から駒ノ小屋が見えた。
ここがキリンテからのルートの終着点だ。
このすぐ先で滝沢登山口からのルートと交わる。
キリンテから登り始めてここまで、大津岐峠での休憩を含んで4時間25分。山と高原地図に書かれている標準時間が4時間40分なのでまずまずといったところ。


この時期は係員が常駐する山小屋として営業している。
利用者は多いらしい。
管理人、花が終わった時期だから標準時間を下回っているが、花の季節だったら立ち止まって観察したり写真を撮るため標準時間を大きく上回る。そうなると今日、歩くルートの日帰りは厳しい。
いずれこの小屋を起点に2・3日、滞在して花をゆっくり楽しみたいものだ。


駒ノ小屋のすぐ下には駒ノ大池があり、そこから眺める会津駒ヶ岳がいい。
管理人が今いる場所には木製のテーブルとベンチがあって休憩できる。今、そのベンチに腰かけて写真を撮っているところだ。
気温は15度。暑くもなく寒くもなく長居をするにはちょうどいいが、これからあの会津駒ヶ岳に登り、さらに中門岳まで足を延ばす予定だ。あまりゆっくりしていられない。
それにしてもあれだな、この景色を目の前に、さっと通り過ぎてしまうのはもったいない。ベンチに腰をかけ、缶ビール片手に、時間無制限でこの景色を眺めるのが会津駒にもっとも似合うのかもしれない。そのために駒ノ小屋が存在するようなものだ。次は是非、そうしよう。
でその時期だが、やはり花の季節だろう。6月半ばから8月にかけてだろうか。来年の予定に組み入れておこう。でも混み合うだろうな。


会津駒ヶ岳に向かって歩くと木道が分岐する。
ここを右へ急登すると会津駒ヶ岳の山頂、直進すると中門岳へ行く。


11:38
歩き始めて4時間55分。大津岐峠からだと駒ノ小屋での16分の休憩を含んで1時間53分。
先週に続いて百名山・会津駒ヶ岳に立つ。先客8名。


会津駒山頂から中門岳(画像右端)に向かってなだらかな稜線がずっと続いている。
実に雄大な光景にうっとりする。大津岐峠からの稜線も素晴らしいがここも実にいい。
大津岐峠から駒ノ小屋に至る稜線も、会津駒から中門岳に至る稜線も管理人が夢に見る理想の稜線だ。いつかはこのような稜線の上を歩いてみたいと思っていたが、それがいま現実のものとなって目の前にある。


ここも大小の池塘が点在する。
池塘の数からいえば鬼怒沼を凌いでいる。それに広大だ。
夏はここがお花畑になるという。


遠方に見えるピークは三岩岳だろうか?


道標が立つ大きな池に着いた。
近づいてみると「中門岳」とある。ただし、中門岳(ちゅうもんだけ)という明確なピークがあるわけではなく、この辺り一帯を指す、と道標に書かれている。


12:38
道標の先、木道はまだ続いていたので、木道の外れまで行ってみるとそこに最後の池塘があった。
地図を見るとここが標高がもっとも高く、2060メートルになっていて地図には中門岳と描いてある。
ここでふと疑問がわいた。
鬼怒沼は標高2000メートルにあって日本でもっとも標高の高い湿原だという。会津駒から中門岳に至るいくつもの池塘が点在するこの草原が湿原であるならば、こここそ鬼怒沼よりも標高の高い高層湿原ということになる。ここを湿原とは呼ばないのであろうか?


木道の最終地点で菓子パンをかじり昼ご飯とする。
帰りも同じ木道を会津駒に向かって進むが景観が異なるので飽きることはない。


燧ヶ岳が見える。


ここからも燧ヶ岳が、、、
燧ヶ岳は中門岳から会津駒に戻る木道からずっと見えるのだ。


13:14
会津駒への分岐まで来た。
ここは会津駒の側道になっていて会津駒の山頂を迂回して駒ノ小屋に行くことができる。


13:24
前方に駒ノ小屋が見えてきた。


駒ノ小屋直下の湿原を抜けると樹林帯に入る。
あとは滝沢登山口に向かってひたすら下る。


コハウチワカエデ
下りルートの紅葉も見事。


かなりバテ気味なので黄葉した木々の種類まで特定するに至らず、ただただこの美しさを呆然と眺めていた。


15:29
滝沢登山口
ふ~、2登目にしてキリンテから会津駒へ、会津駒から中門岳を往復そして下山は滝沢登山口という20キロに渡るロングコースを無事に歩き終えた。しかも二日酔いの身体で(笑)


15:36
滝沢登山口の駐車場に着いた。
ここは今朝、6時半にはすでに満車になっていた。
駐車場は登山口にもっとも近いこの場所と、ここから下がった国道寄りに3ヶ所ある。
管理人はこの次に登山口に近い場所に車を置いた。


先週12日は滝沢登山口から駒ノ小屋を経て会津駒ヶ岳を往復した。このコースの見所は駒ノ小屋の下に広がる草原であろう。樹林帯から抜け出すといきなり視界が開けてハッとするような光景が広がっている。
花はすべて咲き終わっていたが初夏にはたくさんの花で彩られるだろうことが想像できる。
ただし、登山口から草原に至るまでは眺めのない樹林帯を歩くので面白みはない。

今日はキリンテ登山口から大津岐峠を経て会津駒ヶ岳、さらには中門岳を往復して滝沢登山口へ下りた。
大津岐峠から会津駒ヶ岳そして会津駒ヶ岳から中門岳へと延びる稜線はなだらかかつ雄大で、実に気持ちよく歩けた。これぞ会津駒ヶ岳の醍醐味、魅力といえるのではないだろうか。もちろん、初夏には花も期待できそうだ。

その花のことだが、登山コースで花を見つけるとじっと魅入ってしまい足が先に進まない。写真をたくさん撮るので時間がかかる。
今日は休憩を含んで8時間44分を要したが花の季節であれば10時間をはるかに超えるであろうと思う。そう考えると会津駒をたっぷり楽しむには宿泊が必須である。初日は大津岐峠から駒ノ小屋に至る草原の花を観察、次の日は駒ノ小屋から中門岳に至る花を観察という具合に、2泊3日の行程を考える必要がありそうだ。ただし、2泊とも駒ノ小屋にだ。
初日に駒ノ小屋まで行くのに6時間はみておきたいので、自宅からの移動を考慮すると今回と同じように檜枝岐で前泊したい。う~ん、そうすると3泊4日になるな。いくら仕事が暇だからとはいえ、4日も留守できるのかね。でも実現に向けて計画だけは組んでおきたい。


昨夜お世話になった会津駒登山口のすぐ近くにある民宿「こまどり」。
翌日はここに車を置き宿の車でキリンテに送ってもらうつもりでいた。
管理人の計画を話したところ、車2台で出発し滝沢登山口の駐車場に管理人の車を置いてキリンテまで送ってくれることになった。
もしもここに車を置いてキリンテから登り始めた場合、下山時は滝沢登山口からここまで1.8キロのアスファルト道路を歩かなくてはならない。滝沢登山口の駐車場に車を置けるのは願ってもないことなのだ。こまどりさんのご配慮に感謝。


こまどりさんの夕食。
天ぷら、山菜、イワナの塩焼きなど9品に自家製果実酒。これに裁ち蕎麦とご飯、味噌汁がつく。
十分すぎる量だ。それに野菜類が多いのはありがたい。
問題はだね、管理人にはこれらすべてが酒の肴に見えてしまうことだ。
ふだんなら山行前のアルコールは控え目にしているのだが、これだけのご馳走を前にして大いに迷った。
起床まで10時間はある。ぐっすり眠るためにも血流をよくしておくことが大切だ。先月ひいた風邪がまだ治らないので身体を芯から温めたい。
諸事情を踏まえ、銚子1本注文し飲む。しかし、小鉢や小皿に盛られた料理がなかなかなくならない。すべてを食べるにはもう1本必要だと判断した。こうして1本が2本となり、ふらつく足で階段を上がっていった。

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