ザックの中味。「GPSそしてGPSロガー」

私が山歩きを始めたのは1998年ですから今年で16年になります。
始めて登った山は赤薙山。男体山から見て北東にある標高2010メートルの、今思えば誰にでも登れる易しい山です。
それまで山歩きとは無縁の私でさえ2千メートルの山に登れた喜びがきっかけとなり、それから日光の山を片っ端から登るようになりました。

翌99年にはスノーシューで歩くようになりましたが無雪期と違って、地形図にルートがあっても雪で隠れてしまって勝手が違いました。
なんとなく夏、歩いたような気はすれど木々の葉は落ちているので見える景色が違うし積雪分だけ目の高さが違うしで、不安をかかえながら歩く状態でした。
ちなみにこの当時、使っていた地図は昭文社・山と高原地図という、ハイカーならほとんどの人が使っているであろう5万分の1の地図です。

地図を見て面白そうな場所へ行ってみようと歩いては道に迷って長時間要したり、無事に帰れるかどうか不安になったりで、これからのことを考えるとこれはまずいと手に入れたのがGPSでした。

GPSといえば今やスマホアプリで優れたのがあり利用者も多いようですがスマホの電池寿命を考えると、山へ持っていくのは躊躇いがあります。地図を表示しっぱなしで10時間以上は稼働してほしい。
というわけで私の山のお伴は山専用のGPSと弱電波地帯に強いドコモのガラケーというスタイルです。

さて、そのGPSですが時を経て現在、2代(台)目となるGARMIN社のeTrex 30Jを使っていますが初代に比べると受信感度が格段に向上し私が好んで歩く(笑)、深い樹林帯でも電波をロストすることがありません。
このことは現在位置を正確に知らせてくれ、道迷いから脱出する際の強い味方となるし目的地へ向かう際の誘導性能に優れることを示します。

一方、GPSロガーはGPSの機能の一部のみを搭載した機器であり、製品によって機能は千差万別です。
中には歩いたコースの記録だけに特化した製品もありますが、私が使っているのは小さいながらも液晶画面があってなんらかの情報を表示してくれるタイプです。

その情報の中で私がもっとも重要視するのが現在地を数値で示す機能です。度分秒で表される緯度経度というやつですね。
緯度経度は自分がいる場所を数値で表しているわけですから、その数値を地図上に投影すれば、自分が今、地図上のどこにいるのかがわかるという理屈です。
道に迷った場合に限らず、自分がいる位置がわかるだけでも安心感が抱けるというものです。

簡単に書きましたけど、上に書いたことをやろうとすれば、あらかじめ地図上に緯度経度線というのを引いておく必要があります。
ここまで読んでなんだ面倒な、と思うなかれ。Windows用のアプリケーションを利用することでモニタ上の地図に緯度経度線が引かれ、その地図を任意の縮尺で印刷までできます。

そのアプリケーションこそ実に多くのハイカーに利用者されている「カシミール3D」というフリーソフトです。地図は国土地理院がオンラインで公開している1/25000地形図をカシミール3Dに取り込んで利用することが可能です。
カシミール3Dのすべての機能をマスターするには多くの時間を必要としますが、緯度経度線入りの地図を印刷するには数時間の操作で十分でしょう。

と長々と書きましたが最後に、GARMIN社のeTrex 30JとHOLUX社製のGPSロガー、カシミール3Dの画面の画像を挙げておきましょう。

gps初代GPS(左・GARMIN VISTA)とGPSロガーたち。

GPSロガーはGARMINのすぐ右、HOLUX社・m-241がベスト。

IMG_7272現在のお伴は2機種。

左:eTrex 30J
右:m-241

kashカシミール3Dのインターフェース。地図は地理院のをオンラインで呼び出している。

縦横の青線が緯度経度線で斜めの赤線は磁北線。
使い方は別途。