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スノーシュー最後の下見。

2017年1月19日(木)

今年も昨年同様、暖冬少雪でスノーシューの開催が危ぶまれましたが、14日から降り続いた雪のおかげでスノーシューのフィールドは十分すぎるほど雪が積もりました。
例年に比べて3週遅れの開幕となりましたが、これでお客さんにはスノーシューを存分に楽しんでもらえるでしょう。

明後日、土曜日の今シーズン最初のスノーシューツアー開催を前に積雪は十分とは思うものの、念のためにフィールドの下見をおこないましたのでそのご報告を。


「おとぎの森」コース入口の光徳園地です。
ミズナラの林が広がり気持ちが安らぐ場所。小田代ケ原や戦場ヶ原に比べると人が少なく、この広いフィールドを独り占めしたかのような贅沢な気分になれます。


う~ん、いい青空だ。


道路のカーブミラーで自撮り(笑)
ふだんなら頭上にあるミラーが目の前に。


昨シーズンは終わりが2月と早く、今シーズンはスタートが1月後半という遅さ。
そのため例年だと8ヶ月の空白期間なのに今シーズンは10ヶ月と、2ヶ月も余計に空いてしまった。
無雪期の山歩きで使う筋肉とスノーシューで使う筋肉は別物なので、シーズン始めはとても疲れる。今週は土日にツアーがあるので今日の下見で身体を慣れさせないと。
画像のスノーシューはモンベルが輸入販売しているATLAS社の製品。抜群の登攀能力があるのでツアーに参加するお客さんには同じメーカーのスノーシューをお貸ししています。


はて、なんでしょう?
これを見て即答できる人は自然に精通しています。
答はシカの足跡、いや胴体の跡です。
シカの足は細いので雪が深いとお腹が接するまで潜ります。その状態で前進するとこのような深い溝になります。
昔、今の何倍もの雪が降った頃、胴体まで潜って前進できず、その場で餓死する例が数多くあったとのこと。それで個体調整がされていたんですね。


日光では珍しいブナがここでは見られます。


光徳牧場の牛たち。
グリーンシーズンであればノンビリ草をはむ牛と書くところですが、今は雪の下。牧草は牛舎で食べるのでしょう。


管理人が歩いた跡。


シカに表皮を食われたウラジロモミ。ここではよく見る光景です。


場所を金精沢に移して散策。
笹が茂ってふだんなら歩けない林の中をのんびり歩きました。
画像はドライフラワーと化したツルアジサイ。


白根山登山口を示す道標も間もなく雪に埋もれるでしょう。


今月12日はこんな状態でした。


最近はこの車が管理人の足となって活躍しています。
トラックみたいな乗り心地、スピード出ない、燃費悪いの三拍子ですが頑張ってくれています。

白根山は駐車場で門前払い。しかたなく刈込湖から光徳へ。

2016年12月15日(木)

国道120号・金精道路~小峠~刈込湖~涸沼~山王峠~光徳~バスで湯元温泉へ

日本海側の気象の影響を受ける群馬県は日光に比べて断然、雪が多いから、県境に近い菅沼あたりの積雪を見ればその年の日光の積雪がおおよそ予想できる。

去年の12月20日、金精道路の冬季閉鎖前に白根山に登っておこうと、群馬県の菅沼まで車を走らせたが、あまりの雪の少なさに拍子抜けしたことがあった→こちら
年が明け、案の定、日光は雪が積もらず、管理人の冬の収入源たるスノーシューツアーは2月になってようやく開催できるといった状態であった。

来年はどうだろう、それが気にかかり、仕事が空いた今日、菅沼まで車を走らせることにした。そして、どうせ菅沼へ行くのなら白根山に登らない手はない、そんなつもりであった。
厳冬期の白根山だと管理人の手に負えるものではないが、雪の降り始めと残雪期であれば頑張って登れないことはない→残雪期の白根山
ただし、身の危険を感じたらその場で引き返す、それが大前提である。


国道120号線は湯元で通称金精道路に名を変えて山岳道路になる。
その道路は金精トンネルの途中で群馬県となるがトンネルを抜けると景色が一変し、真冬の光景が目に飛び込んでくる。
トンネルの手前と向こうでなぜこうも違うのか。それは群馬県側が日本海側の気象の影響をうけるからで、日光はそのおこぼれを頂戴しているようなものだ。

ここは白根山登山口の菅沼。
この奥、木立に挟まれた部分が駐車場。
積雪は10センチくらいだが圧雪されていないため、我がへたれ四駆だと一度はいったら出ることができなくなってしまいそう。といって路上(一応、国道)は危険だし、ここは無理をしないのがベスト。我が身よりも我が車の遭難が懸念される。
よって白根山は諦めることにした管理人である(泣)


7時前には白根山に登り始めようと自宅を5時半に出たものの、駐車場で門前払いをくらってしまい途方にくれる管理人。まさかこれから宇都宮まで走って古賀志山でもないだろう。
近場でいいところはないかと考えながら車を走らせていたところ、目にしたのがこの案内板。そうだ刈込湖という手があった!
白根山転じて刈込湖というのはあまりにも落差が大きいが、このまま引き下がるよりはいいだろう。前回の山行から2週も空いてしまっているし、光徳まで10キロくらい歩ける。距離に不足はない。


積雪は3センチくらいなのでまだ本格的な雪とはいえない。
ここをスノーシューで歩けるようになるにはあとどれくらい待つのだろう。
なお、ここは地図にあるハイキングコースだが、雪がたっぷり積もるとこれとは別に冬道という、積雪時専用の道ができ、そちらの方が安全。つまり、地図にあるこの道は積雪量と気温によって雪崩の危険があるのだ。


これくらいの積雪なら靴のままで十分歩けるが、スリップは体力を奪うので、チェーンスパイクを装着して疲労の軽減に努めることにした。
年老いた管理人はこのように物理的、科学的な力を借りて山歩きをしている。そうでなかったら身が持ちません(笑)


小峠には30分弱で着いた。
ここは刈込湖ハイキングの際の休憩ポイントになる。
ここまで来ると積雪は5センチほど。ようやく雪の上を歩いてるんだという感触が得られる。
ちなみに例年だと2月になると道標板の下すれすれまで雪が積もる。管理人が経験したもっとも多いときは2メートルある道標がすっぽりと雪に埋もれたことがある。
また、ここから先、地図にある夏道の他に積雪時は冬道もでき、往きは夏道、帰りは冬道というふたつのコースが楽しめる。どちらも安全。


小峠を過ぎるとすぐ、刈込湖方面を示す道標があるのでそれにしたがって歩く。
その道標でクランク状に曲がる場所がある。
ここはアスナロが茂っているが積雪が多くなるとその分、人の位置が高くなるため、これらの枝が胸から顔の位置に来て、歩く邪魔をする。そんなときはここを這いつくばって通過する。


小峠から1キロほどは平らな道が続いているが今度は刈込湖に向かっていくつかの階段を下るようになる。階段の数は12ヶ。地面を歩く距離よりも階段を歩く方が長い。
階段はコメツガやアスナロが茂る林を縫うように設置されている。雪が積もっていると道がわからないため次の階段を探すのに苦労する。そればかりか階段が雪に埋もれてしまうと探しようがない。
そんなときは階段の形をした雪のかたまりを探して歩くわけだが、それはそれでゲームでもしているかのようで楽しみながら歩けるというものだ。


12ヶの階段を下りきると眼前に刈込湖が現れる。
グリーンシーズンは自然美を提供してくれるがこの時期はただ荒涼とした景色が広がっているだけ。
グリーンシーズンの刈込湖→こちら


刈込湖は早くも氷結が始まっている。
1月半ばを過ぎると全面、氷に覆われる。
中央、遠くに見えるのは太郎山。
ちなみに管理人が主催している刈込湖のスノーシューツアーだとここでランチにして折り返す。
ところがここは太郎山から吹き込んでくる風が厳しくて、ゆっくりランチを食べられることなど希だ。マイナス17度というとてつもない寒さを経験したのもここ。若い参加者よりも老齢の管理人の方が先に逝ってしまいそう(^^)


湖からハイキングコースに戻り、これから光徳に向かう。


刈込湖と水路で結ばれている切込湖。


冬は野生動物が活動がよくわかる。
これはホンドリスの足跡。他にノウサギ、キツネ、シカがさかんに活動しておりました(足跡で)。


涸沼。
山から吹き下ろす風に凍えそう。


いよいよ本日のハイライト部分、涸沼から山王峠へ向かって急斜面の登り。
距離は短いながら標高差120メートルも斜面を一気に(途中で休んでもいいのですが・笑)に登る。
地図(最後の画像)で見てわかるとおり、この道はジグザグにつけられている。積雪が多くなると当然ながら道は見えなくなる。そんな場合は雪に埋もれている道を探して歩くなどいうことはできなくなる。でどうするかというと、見当をつけて涸沼から山王峠までほぼ直線的に登っていくのである。傾斜は約30度、実に気持ちのいい登りが楽しめる(^^)


山王林道の峠付近。
生活道路ではないためここも冬は閉鎖してしまう。
最後に通過したであろう車の跡を横目に、ここから再び林間に入っていく。


ハイキングコースの山王峠。
ここから光徳までコメツガ林の中の長い下りだ。


雪の重みで笹が道をふさいでしまっている。
が、それも今のうちだけ。積雪が増すと笹は雪に隠れて歩きやすくなる。


ハイキングコースの始点終点となる光徳に着いた。
マイカー登山の場合、登山口と下山口が異なると、登山口まで車を取りに行かなくてはいけない。今日だとその距離5キロ。白根山を予定していたため重たい冬パンツに冬ジャケット、ザックもいつもより重いから汗をかくこと必至となる。冬の汗は身体を冷やす。
ここんところはお手軽にバスで移動しよう。今日は白根山を断念せざるを得なかったが、駐車場に雪が積もっていたためという理由はサマにならない。その時点で気分が萎えていた。今さら頑張ってもしかたがないと考える管理人なのである(笑)


本日の歩行、約9キロ、3時間50分。

雷霆ノ滝と咆哮霹靂ノ滝。こんなへんてこな名前の滝は是が非でも訪れたくなるというもんだ。

2016年10月6日(木) 一日中晴れ

今年3月、残雪の釈迦ヶ岳に二度、登った。
この冬は極端に雪が少なく、冬の営業の柱となるスノーシューツアーを早々に切り上げざるを得なかった。スノーシューツアーは管理人の冬の仕事として、参加するお客さんとともに楽しむことにしているのにそれが叶わなかったという不満が残った。かつて管理人が経験したことのない、最悪な冬であった。
それが管理人をして残雪の山に向かわせた。

赤薙山、女峰山、前白根山、白根山、山王帽子山、外山などスノーシューで歩くには厳しくて、ツアーには組み込むことのできない山を狙って出かけていった。
それにも飽きたらず、より遠方にある高原山へ遠征もした。
高原山は鶏頂山、釈迦ヶ岳、中岳、西平岳の4座の総称で、日光市と塩谷町、那須塩原市の境界線上にある。自宅からだと奥日光よりは遠いが那須の山ほど遠くはなく、移動に苦痛を伴わない。
すぐ近くに人気の高いハンターマウンテンスキー場があるくらいだから雪は多いんだろう、そんなレベルの動機であった。

初回は鶏頂山スキー場跡から歩き始めて息絶え絶えになりながら4座を縦走し、二度目はツツジの名所として名高い矢板市の八方ヶ原から釈迦ヶ岳へのロングコースを、これも息絶え絶えで帰ってきた。
とにかく長距離、長時間のコースを息絶え絶えで歩くというのが管理人の山歩きのスタイルであり、年甲斐もなくそれが満足につながっている。
両コース、管理人と同じようなスタイル、というか性癖のある方にぜひともお勧めしたい(笑)。きっと満足できることでしょう。

二度目の釈迦ヶ岳は県道56号線の学校平から歩き始めたが、そこで見つけた案内板に「ライテイ滝」、「ホウコウヘキレキ滝」という、奇妙な名前の滝があることに、滝好きの管理人は大いに興味をもった。
他にも雄飛の滝、素簾の滝、仁三郎の滝というのも案内板にある。
地図で見ると滝の源は釈迦ヶ岳の東北東に位置する剣ヶ峰(1540M)のようだ。
その剣ヶ峰から、桜沢という優雅な名前の流れとスッカン沢という奇妙な名前の流れが始まり、桜沢にライテイ滝とホウコウヘキレキ滝が、スッカン沢には素簾の滝、仁三郎の滝、雄飛の滝がかかっている。

学校平からだとライテイ滝とホウコウヘキレキ滝を巡ることはできるが、スッカン沢にかかる滝へは道の崩落で行けないらしいことがわかった(別の入口からなら行けるらしい)。
それらは日を改めて巡ることにして、今日はライテイ滝とホウコウヘキレキ滝に絞り、もしも崩落しているとされる道が安全に通れるようならば踏み込んでみたいと思う。

なお、ライテイ滝は正確には「雷霆ノ滝」、ホウコウヘキレキ滝は「咆哮霹靂ノ滝」と書く。漢字だと紙に書けないような難しい名前だ。
名は体を表す、日光の滝は名前と姿形が一致するのが多いが、はたして雷霆や咆哮霹靂とは、名前からでは姿形など想像もできない。大体、読むことすらできないもの(笑)


東北自動車道の矢板インターと西那須野塩原インターのちょうど中間くらいを県道56号線が北西に向かって延びている。車を矢板市郊外まで走らせたところがツツジの名所として有名な八方ヶ原で、ツツジの季節になるとそうとうな賑わいを見せるらしい。
釈迦ヶ岳は「山の駅・たかはら」が登山口になる。
今日は同じ場所に車を駐めて釈迦ヶ岳とは反対方向に歩いて行く。


駐車場の入口の方を見たところ。
釈迦ヶ岳へはあのこんもりした林の中へ入っていく。


「山の駅・たかはら」の左にトイレがあり、その脇の煉瓦敷きの道が「雷霆ノ滝」と「咆哮霹靂ノ滝」へと向かっている。
とはいってもこの煉瓦敷きがずっと続いているわけではなく、すぐ地面に変わる。


道は山の裾野を巻くようについていて、両側は笹だが路幅は広くて歩きやすい。
この平坦なままで滝まで行けるのかと思いきや、、、


那須塩原市に入った辺りから傾斜が厳しくなってきた。


左に沢が見えるようになると下り斜面になった。
あらかじめ調べたところスタート地点の学校平の標高が1050メートルで、目指す雷霆ノ滝が800メートル、咆哮霹靂ノ滝が700メートルなので下り一方のコースだ。帰りが大変だな。


沢が間近に迫ってきた。
これが桜沢でしょう。


コースを横切って桜沢に注ぐ小さな沢がいくつもある。


ハイキングコースというだけあって道標があちこちにあり、迷いようがない。


おっ、これが雷霆ノ滝だな、と誰が見てもわかる(笑)
落差は10メートルくらいだろうか、小ぶりだが水量豊かで豪快。
雷霆とは雷の激しいやつだそうだ。この豪快な流れを雷に例えた?
滝壺には大きな岩があり上に乗って滝を正面から見ることができる。でもこの角度が立体感があっていい。


次は咆哮霹靂ノ滝を目指すのに桜沢を横切る吊り橋を渡る。
結構な揺れを体験できるぞ(笑)


桜沢を横切ったので今度は流れを右に見ながら進んでいく。


ここで咆哮霹ノ滝への道と雄飛ノ滝へのコースと分岐する。


が、残念ながら通行止めの案内板と木の柵に阻まれる。


咆哮霹靂ノ滝。
辞書でひもとくと(笑)、咆哮とは獣が吠え叫ぶことであるし霹靂とは突然の激しい雷とある。
雷霆ノ滝も激しい雷のことを指しているがこの滝はさらに輪をかけて激しく流れ落ちている、ということなのだろう。
昔、人が猟をするためにこの山に入って見つけた2つの滝を見て、その驚いた様子がわかる名前だ。


咆哮霹靂ノ滝の流れを追っていくと通行止めの案内板がかかった吊り橋があった。
橋が壊れているような様子ではないので渡ってみることにした。


下をやや白濁した水が流れている。
滝の流れは透明だったのになぜ、と疑問に思った。
その疑問はすぐに解けた。
地図で見るとこの流れはスッカン沢で、咆哮霹靂ノ滝の桜沢ではないのだ。
それにしてもなんとも不思議な水の色だ。まるで硫黄泉のような濁り方である。
剣ヶ峰から東へ派生している尾根の北側がスッカン沢で南側が桜沢になっている。
尾根の北と南という違いだけで水質が違うようだ。
ちなみにスッカン沢は「酢っ辛い沢」が転じたらしいので、硫黄や炭酸成分が含まれているのかもしれない。


吊り橋を渡りきり、とりあえず安全が確保される道を歩いてみた。
進むほどに道は荒れ、魔界へと案内されている感じがする。この辺りで引き返すべきでしょう。


咆哮霹靂ノ滝、雷霆ノ滝を抜けて学校平へ、今度は300メートルの上りが待っていた。




食べ物は1ヶ109キロカロリーのあんパン2ヶと同79キロカロリーのスティックパンを2ヶ、計376キロカロリーだった。これに砂糖入り缶コーヒーとスポーツドリンクを加えると500キロカロリーくらいだろうか。
今日は登山と言えるほどの難易度ではなかったので、消費エネルギーは1200キロカロリーくらいだったと思う。
それに対して補給が500キロカロリーだから700キロカロリーの不足だ。
ゴールまで数時間もある状況で700キロカロリーも不足していたならハンガーノックを起こす危険性があるから、適時小まめに補給するのが望ましいが、4・5時間程度の軽いハイキングであれば無理して詰め込むこともない。

駐車場に着いたときはさすがに腹ぺこだったが1時間ちょっとで自宅に戻れるんだと考えると、いまここで空腹を満たしてしまったら晩酌が進まなくなる。そんな計算が働いたわけだ(笑)。

※登山で消費されるエネルギー量のことを詳しく説明してあります→こちら
※1200キロカロリーは5メッツ×4.5時間×55キログラムという計算。5メッツとは軽いハイキング程度の運動強度。7・8時間に及ぶ本格的な登山だと7~8メッツで計算するといいと思う。55キログラムは管理人の体重。

満水に期待して行ったが干上がって見る影もなかった西ノ湖。が、意外な事実に謎が解けた。

2016年8月31日(水) 晴れ

極端に少ない雪、長梅雨、晴れる日のない夏といった異常気象を象徴する今年の日光は、秋(8月下旬の日光はすでに秋)に入ってもおかしな天気が続いていて、これは日光だけの現象だけではないのだが、台風が南海上から直接、北上して関東を直撃するなど異常はとどまることを知らない。一刻も早く例年通りの天候に戻ってほしいものだがこれは地球規模の問題であり、一国民の手に負える問題ではない。

夏と秋の自然現象、なかでも台風に伴う大雨は水害や土砂災害などをもたらせ深刻だが人への被害を心配する必要のない、建物も植林地も人工物も一切ない場所では恵みの雨となり、普段では見ることができない自然の美というものが我々の前に現れる。
奥日光でいえばその代表が「小田代湖」の出現である。
台風が強い勢力を保ったまま奥日光を直撃したときだけに見られる現象で、頻度は実に希で数年に一度しかないが、その美しさには惹きつけられる。
小田代ケ原の象徴、貴婦人が湖に映り、そこをカモが悠然と泳いでいるなど、小田代ケ原に足繁く通っている人でさえ滅多に見ることのない光景がそこに展開する(画像は11年10月、台風直後の小田代ケ原)。

一方で、干上がった湖が水位を取り戻すのも大雨による恩恵だ。
中禅寺湖西端のさらに奥にある西ノ湖は、流入する川がないため雨の降らない期間が長く続くと水が湖底にしみこんで水位が低下し、渇水期におけるダム同様、干上がってしまう。
干上がった湖の水位が元に戻るにははやり、雨が降らないことにはどうしようもないわけであり、その雨こそ台風に依存するしかない。

今月になって台風9号と10号が相次いで関東を直撃した。日光もそれなりの降雨量とはなったが、とはいえ日光は栃木県北部に位置するので多くの場合、通過するのは勢力がだいぶ弱まってからだ。
長梅雨そして、台風9号と10号の恩恵にあずかれたのかどうか、この目で確かめられずにはいられない。
画像上は07年9月の台風で氾濫した西ノ湖。ここまで望まないがそこそこあってほしい。


西ノ湖へは赤沼駐車場から出ている低公害バスに乗り、西ノ湖入口で下車するのが一般的。
他には低公害バスの車道を歩くという手があるが、2時間は覚悟しなくてはならない。
ハイキングのつもりなら龍頭滝から中禅寺湖に沿って千手ヶ浜まで歩き、さらに千手ヶ原を歩いて西ノ湖まで、景色やツツジ(5月)を楽しみながら約3時間で行ける。


バス停・西ノ湖入口で下車し道標にしたがって西ノ湖へと向かう。


カラマツとシラカバに挟まれた道は開放的でとても気持ちが良いものだ。
一応、車道なのだが一般車は入ってこない。が、熊が歩いてることがたまにあるらしい。


柳沢川にかかる吊り橋。


鬱蒼とした林の中は夏でも涼しい。
この時期はシロヨメナが咲き誇っている。


バス停から約20分で西ノ湖に到着。
水はずっと後退してこの有様。
満水時はここまで水があるのに今年の長梅雨と台風でもだめだったか。


湖の西から見たところ。
平時なら左の木立ぎりぎりまで水があるのに、まさに渇水状態である。


水際に近づこうと歩いていると不思議な光景を目にした。
干上がった湖底から水が湧き出ていてわずかに残った湖に向かって流れていくではないか。
西ノ湖は外からの水の流入がないばかりでなく、湖底から水が湧いているという話もこれまで聞いたことがない。はたしてどうしてここに水が湧き出しているのか、長年通っているが新しい発見だ。


流れは水際に近づくにつれて幅が広くなり、湖底を潤している。


今度は西ノ湖を東側から眺めてみた。
画像の右の方から水が流れ込んでいる。
今日の現象を考えてみると、湖底に水源があって常時、水が湧き出ているのなら西ノ湖は渇水しない。したがって湖底に水源があるとは考えにくい。
この謎を解く鍵は西ノ湖の北、350メートルに流れる柳沢川だ。
地図で見るとわかるが柳沢川と西ノ湖の水面は標高1300メートルで同じだ。
もしも柳沢川の一部が西ノ湖の近くで伏流しているとすれば、湖底が見えるほど西ノ湖の水位が低下した場合だけ伏流水が湖底からひょっこり顔を出すということが考えられる。管理人がいま見ている現象はまさにそうなのであろう。
ということは、柳沢川の流れが十分にあるのなら雨が降らなくても西ノ湖の水位は復活する、そう考えても良さそうだ。ただし、そのためには西ノ湖の水が湖底にしみ込む量を柳沢川の伏流水の量が上回るという条件がつく。

これまで管理人は、西ノ湖の水位は雨の量で決まる、そう思い込んでいた。
ところが湖底から水が湧き出しているのを目にして、それが答だとは言えない、そう考えるようにした。


西ノ湖が干上がるのはよくあることだ。
そして干上がった湖底のあちこちにイトキンポウゲの愛らしい姿を見ることができる。
花は直径5ミリほど、目を凝らさなければわからないほど小さい。


林の向こうに白根山が見える。
満水状態で言えば管理人が立っている場所は水の中なので平時は見ることができない。


巨大なハルニレの木。


さて、次は小田代ケ原と戦場ヶ原をぐるっと回って花を見ることにしよう。
同じバス停から乗ったのでは面白くないので、千手ヶ原を中禅寺湖まで歩いて低公害バスの終点から乗ろう。


中禅寺湖の西端、千手ヶ浜。
男体山の眺めが実にいい。
6月になるとこの近くのクリンソウの群落を見る観光客でごった返すが、季節外れの今は静かだ。


バスが小田代ケ原に着いた。
まずは小田代ケ原全体を見回すことに。
残念ながら小田代湖はできていなかった。
これから半周して次に戦場ヶ原に入り、車を置いた赤沼まで歩く。


アキノキリンソウ


木道が整備され途中までなら車椅子が入れる。


ニッコウアザミ


ホザキシモツケ


トネアザミ


ハクサンフウロ


トモエシオガマ


戦場ヶ原から男体山を眺める。


ワレモコウ


ウメバチソウ


エゾリンドウ


戦場ヶ原を龍頭滝へ向かって流れる湯川。


今日はCanonのG9Xで撮ってみました。初撮りです(^^)
この画像を撮ったのは左に写っている、RICOH のCaplio R6。720万画素の古いカメラですが写りのよさといい手の平にすっぽり収まるサイズといい、山歩きに携行するのに最適で管理人のお気に入り。
1台目はストロボの発光が弱くなったのでボツにして、中古を2台買って使っています。
黒いボディはRICOH のCX5。名機と言われていました。

五色山~前白根山縦走ルートから百名山の白根山を眺める。ここは花の宝庫だ。

2016年8月15日(月) 曇り

昨年6月、管理人主催のフラワーウォッチングのツアーに参加した宇都宮在住のHさんから、盆最後の15日にガイドをお願いしたいとの依頼があった。

希望は白根山。言わずもがな日光で最高の人気を誇る山である。

百名山として全国的に知られていること、関東以北最高峰の山であること、標高2578メートルのうち2000メートルまで一気にゴンドラで上昇できる手軽さ、山頂からの展望が素晴らしいことなどが人気の理由になっている。

Hさんはフラワーウォッチングの後、鳴虫山高山赤薙山といった順に標高と難易度を上げながら山女子としてのスキルを磨いてきた。そろそろ白根山への要求が生じてもおかしくない時期にきている。
管理人も大賛成なのだがいかんせん、日程が悪い。
レジャー業界に身を置く管理人は盆中は忙しい。一見客であれば即、断ってしまうケースだ。
それに超人気の白根山は平日も週末もなく混む。盆休み中の15日ならばなおさら、登山者が殺到するはずだし、車を置く場所さえ確保できない恐れがある。

Hさんにはこの時期の白根山の状況を説明し、今回は白根山を諦めてもらうことにした。その代案として、白根山以上に満足のゆくルートを提案して差し上げた。
具体的には、白根山とその麓にある五色沼を目の前に見ながら歩く、五色山から前白根山を縦走するルートだ。五色山と前白根山を結ぶ稜線は、距離は700メートルしかないが西側に広がる白根山と五色沼の眺めが素晴らしい。
歩きながら眺める景色の中ではこのルートと、男体山と中禅寺湖を眺めながら歩ける白錫尾根ルートが他を圧倒する。
このルートであれば距離も時間も菅沼口から白根山に登るのとほぼ同じだから、歩いて物足りないということはない。むしろアップダウンが多かったり難所があったりするので難易度は白根山より上だ。

コースは決まったとして問題は、今日は午後から雨の予報になっていることだ。それと帰宅したら宿泊のお客さんのために夕食の準備を整えなくてはならない。したがってできるだけ早い時間に登り始めて早い時間に下山する必要がある。帰宅のリミットは16時だ。
そこでHさんには朝一の電車で来てもらうことにした。といってもローカルのことゆえ始発は遅い。宇都宮始発でも日光駅着が6時39分だから移動時間を考慮すると登り始めは8時になってしまう。天気が目まぐるしく変わる夏山ゆえ、6時には歩き始めたいところだがこればかりは仕方がない。
8時に歩き始めて16時には自宅に戻っている必要があるから、どんなに遅くなっても下山は15時だ。いや、レジャー客の車で国道が混雑することを考えると14時半を目標にすべきであろう。
そのためにも行程中は綿密な時間管理をおこなうことが重要になる。

そうして組んだ行程が左図である。
Hさんにとって2千メートル峰は今回で2度目だが、1登目の赤薙山に比べるとアップダウンを繰り返す分、累積標高差が大きくなる。
したがって所要時間にゆとりを持たせると同時に、各ポイントごとに休み、身体に負担がかからないようにした。
休憩時間はときに計画よりも長く、ときに短くとることで全体の進み遅れを調整することにした。
計画では登り開始から下山までの6時間半のうち、1時間10分の休憩を含むから、息の上がらないゆっくりペースだと思う。

行程全体の流れは次のようになる。
金精トンネル(8:00)~0.5km~金精峠(8:40/8:45)~0.83km~金精山(9:40/9:45)~0.53km~国境平(10:05/10:10)~0.76km~五色山(10:50/11:05)~0.76km~前白根山(11:35/11:55)~0.76km~五色山(12:25/12:30)~0.76km~国境平(12:55/13:00)~0.53km~金精山(13:25/13:30)~0.83km~金精峠(14:00/14:05)~0.5km~金精トンネル(14:30)


07:40
国道120号線の湯元への分岐を過ぎたあたりで名称が通称、金精道路に変わる。
いくつかのカーブを曲がると金精トンネルを目の前にする。その入口部分が金精山の登山口で駐車場がある。
天気予報は数日前から曇りのち雨となっていたのでそれで敬遠されたのか、10数台ほど駐まれるスペースは先着車が5台。苦労することなく駐めることができた。


7:50
登山道は駐車場の隅っこにあり、大きな案内板と登山カード入れが設置されている。
道は金精トンネルの管理小屋(おそらく電光掲示板や照明などの)の裏手を回り込んでから本格的な登りになる。


うふぇっ、いきなり岩が出てきた。


岩の次は崩落した斜面を横切るといった冒険をしなくてはならない。幅30センチほどの踏跡がついてはいるが、火山礫なので滑りやすい。足の置き場所を間違えると数十メートル下の沢底に至る。


早くも花が見つかった。オヤマリンドウ。


登山口から金精峠まで距離は約420メートルと短いが、標高差は190メートルもあるからそれなりに厳しい。
フィールドアスレチック的な冒険気分を味わいたい方にはお勧めかも(^^)


アキノキリンソウ。
笹の葉が濡れているがこれは夜露。雨はまだ降っていない。


ハンゴンソウ。
初めはキオンかと思ったが分裂している葉はハンゴンソウの特徴だ。


帽子をかぶったような独特の形をしたトリカブト(ヤマトリカブト)。猛毒を持つ。
葉がヨモギに似ていることから若芽のうちはトリカブトと気づかず、食して死に至った事例も多いらしい。


8:27
Hさんに花を解説しながら荒れた急斜面を登り切るといきなり平らな地面の上に出て、そこが金精峠。
写真の手前に向かうと金精山、奥が温泉ヶ岳、左斜めが菅沼へのルートだ。


左を見ると古びた社がある。金精神社だ。
扉は閉ざされていてさらに、扉にはまっている格子は内部から板が打ちつけられているのでのぞき見ることができないが、中には「金精神」が祀ってあるそうだ。
子宝、安産、子孫繁栄に霊験があるとされるが管理人、これ以上のことを書くと赤面してしまうので、興味がある方はウィキペディアの説明を読んでほしい。


登山口から金精峠、金精峠から縦走路にかけて、植物が多い。
これはヤマハハコ。中央の黄色の部分が花で、白いのは花を包む萼片。


これから向かう先は金精山。
なかなか歩き易い道のような、、、


真っ赤な実をつけたオオカメノキ


ホタルブクロ


ウスユキソウ。
花はとっくに終わっているがあたかも白っぽい花のように見えるのは葉。きっと虫集めの用をなすのでしょう。


カニコウモリ


シラネニンジン


歩き易くはなかった。
峠から金精山に至る道もトンネルからの急登と同じような厳しさだ。
アルミ製の梯子を登るHさん。


いやぁ、なかなか楽しめるルートですな(^^)


9:18
第1座目の金精山に到着。
地図で見るとわかるがこの山は山頂にナイフを入れて真っ二つに切った形をしていて、湯元側から仰ぎ見る金精山は切った断面だ。
そして山頂からは遮るものなく湯元温泉と湯ノ湖、男体山が一望できる絶好のロケーションなのだ。


山頂から湯元を見下ろすとほら、ご覧の通り。
まっ、こんな日もあるわなw


山頂から下って国境平に至る道は踏跡がいくつかあってわかりづらいが、どれもどこかで交わるからあまり気にすることもない。


9:54
国境平
今日、計画したルートは金精峠から五色山まで、群馬県との県境を歩く。
ここは湯元へ下る道との分岐点となっているため他の山名と同様、識別するためにその地に似合う名前が付けられたのだと思う。


ハンゴンソウが群落をつくっている。
天気が良ければ青空と黄色とのコントラストが見事だろうと思う。


笹とシャクナゲ、シャクナゲと笹の間を縫って歩く。


10:24
2座目の五色山に到着した。
ここで初めて白根山が見えるようになる。


おぉ、悪天候ながら白根山の全貌が見える。
眼下に五色沼もクッキリ見える。悪くない。


ハクサンフウロに、、、


ソバナ


五色山から前白根山に向かう700メートルの稜線は、適度なアップダウンと白根山や白錫尾根の眺めが楽しめる。Hさん、大いに感動してくれる。


岩陰に咲くヒメシャジン


実をつけたコケモモ


11:14
今日の3座目、前白根山に到着。


白根山転じて前白根山となったわけだが、Hさんには大いに喜んでもらえた。


前白根山からの眺め。
白根山は雲に隠れてしまったが五色沼でしっかり目に焼き付けているので雲の中の形はイメージできる。


今日のルートは前白根山で折り返して同じ道を戻るいわゆる、ピストンだが、稜線歩きは景色の変化が楽しめるので飽きることはないはずだ。Hさん、疲れている様子もない。

この時点でHさんの手からストックが消えているのが写真からわかると思う。
ストックは身体のバランスが崩れたときに立て直したり、急傾斜での足への負担を軽減するのに大いに役立つが、頼りすぎると平衡感覚を磨く妨げになる。
これまでHさんを見ていて、ストックに意識が向くあまり、手と足の動きがぎこちないことに気がついたので、帰りは使わずに歩いてみることを提案した。山歩きのキャリアが豊富とはいえないHさんには、足に神経を集中して歩く感覚を身につけてほしいと思った。

そうすることで平衡感覚が磨け、浮き石に乗ってバランスを崩した場合なども自力で体勢を立て直すことができるようになる。大きな段差を安定した姿勢でクリアしたり、ぬかるんだ道を滑ることなく歩けるようになる。平衡感覚を養うことは大切だ。難易度の高い山ほど重要になってくる。
趣味でヒップホップの教室に通っているHさんは身体のバランスがよくそして、脚力があるのでストックを使うのはそれらスキルアップが図れてからでも遅くない。
写真は全体のほんの一瞬を切り取ったものに過ぎないが、ストックから開放されたHさんの歩きはまるで別人のように滑らかにそして、速くなったように管理人には思える。


ハクサンフウロ
花の下に見えるモミジ状の葉は紅葉し、きれいな草紅葉(くさもみじ)となる。


ハンゴンソウの群落の間を国境平へと向かう。


金精山も無事に通過し、トンネルへの悪路を進む。
ストックを手に持つ必要がなくなったので梯子を下りるのも楽になったはずだ。
ザックにカバーがかかっているがこれは金精山に着いた頃、今にも雨が降りそうな気配に備えたもの。幸い最後まで降られることはなかったが。


往きも通った崩落地を慎重に通り抜けるHさん。
だが、ここはさすがに怖かったらしい。


14:44
駐車場を見下ろす場所まで戻った。


駐車場への到着は計画よりも15分遅れた。スタート時間が10分早かったので全体で25分のオーバーとなった。
この理由として、次のことが考えられる。というか間違いない。
(1)15分を超える休憩が都合、3回あったこと。
(2)帰路、五色山から国境平へ向かうところをあろうことか弥陀ヶ池への道を辿ってしまうという凡ミスをやってしまい、17分のロスが発生したこと。
(3)金精峠~金精山は往きは計画55分にたいして実績は49分だったが、帰りは計画30分に対して45分と、計画よりも15分も余計にかかったこと。

休憩時間を長く取ったのはよかったとしても、道間違いはいただけない。なんの疑いももたずに90度も方角が違う道を歩いたのだから我ながら開いた口がふさがらない。花の説明やらなんやらに夢中になっていたのかも?
金精峠~金精山の計画VS実績の大きな差異は理由がわからない。それも気持ちの悪いものなので計画VS実績、往路VS復路の実績という二面でとらえてみた。

      計画    実績
往路    0:55   0:49
復路    0:30   0:45

計画時間は地図上の傾斜と距離から推定したもので、かなりゆとりを持たせてある。復路は下りなので計算上は当然ながら往路よりも時間が短い。
往路での実績は計画よりも6分少なく、これはほぼ計画通りと言っていい。問題は復路の実績だ。往路はほぼ計画通りだったのに復路は15分もオーバーした。
歩いているときの記憶など実に曖昧なもので、帰宅すればすぐに忘れてしまう。そこで撮り溜めた写真を見ながらそして、地図を見ながら記憶を呼び起こすと、金精峠~金精山はたしか梯子やロープが数カ所あったことに思い当たった。そうか、それに間違いない。
地図という平面ではとらえられない障害物が現場にあると上り下りとも思いの外、時間がかかる。まさにそれが原因であろうと思う。次回の計画策定では考慮しよう。
よっし、これで今夜はいや、今夜も気持ちよく飲めそうだ(^^)

湯元から刈込湖・切込湖へ。イトキンポウゲは盛りは過ぎたが健在だった。

2016年8月5日(金) 晴れのち雷雨

湯元駐車場(9:23)~湯元源泉(9:28)~刈込湖(10:27)~切込湖(10:52)~涸沼(11:18)~山王峠(12:04)~光徳温泉(12:36)~湯元駐車場(14:15)

8月に入ってすっきりした青空が広がり朝から気温が上がる日が多くなってきた。そして午後はお決まりのごとく雷を伴った夕立となる。これが夏特有の山の天候なので驚くことはないのだが、いざその中に自分の身を置くことを考えると落雷は怖い。
したがってこの時期の山は日の出と同時に歩き始めて午後早々に戻ってしまうか、短時間で歩けるコースを設定するのが賢明だ。

先月29日は自宅を6時前に出発して歩き始め、14時過ぎに駐車場に戻った。これが夏山のスタンダードである。
今日もそうすべきだったのに実は昨日、買ったばかりのザックを前に、メーカーが違えばザックの構造も違うので、何をどのポケットに移せばそのザック本来の使いやすさが得られるのかについて迷いに迷った挙げ句、何もせずに寝てしまったのだ。

そんなわけで今まで使っていたザックから荷物を移したのは朝になってからという準備の悪さだ。そんなこんなで支度は今朝、慌てて済ませたので出発が遅くなってしまった。

行き先は健康維持になるのならばどこでもよかった。10キロくらい歩ければ満足。
ただこの暑さなので古賀志山は避けたい。
なにしろ我が家よりも標高が低いうえに南に位置しているので暑いに決まっている。
となればやはり行き先は標高の高い奥日光しかない。
とはいっても明日からの本業を控えて疲れて帰るようなハードな山行は避けたい。
暑いのはいやだ、疲れるのはいやだとわがままばかり言っているが盛夏の山歩きは暑さによる発汗で、疲れが普段の3割り増しになるからほどほどにしたいものだ。

そうだ、刈込湖あたりはどうだろうか。
この時間からでも十分、間に合うし、起点となる湯元温泉との標高差は300メートルもないから、汗がとまらず脱水症になることもないであろう。
盛りは過ぎているが刈込湖のイトキンポウゲが見られるかもしれないという期待もある。

荷物はとりあえずそのまんま新しいザックに放り込んだ。なんの工夫もないw
家に帰ったら山行データを整理しながら新しいザックの使い勝手なども振り返ってみよう。


9:28
刈込湖への起点となる湯元源泉。
小屋の中に温泉の湧き出し口があって、パイプラインで湯元と中禅寺湖の各旅館へ温泉を供給している。
地面からも湧き出していて手を入れては歓声を上げている観光客がいる。草津の湯畑ほどの規模ではないし華やかさもないが、田舎の温泉地の素朴さに癒される。
今日は市営の駐車場をスタートして同じ場所に戻ってくるという、約15キロの手頃なハイキングにした。


源泉をスタートしてこの笹の間を上がると国道120号線に出るので、それから本コースに入る。


国道120号線通称、金精道路。首都圏に近い国道なのに一年のうちの1/3は雪に閉ざされ通行止めになる山岳道路だ。雪崩も多い。
湯元と群馬県の沼田を結んでいるが生活道路ではないため冬は除雪をしない。


9:38
国道脇にある本コースの入口。
大きな案内板を右にみながら傾斜を登っていく。
冬は案内板のコースの他に雪が積もって初めて歩ける、ドビン沢コースというのが出現し、夏道よりも面白い。


案内板にある夏道。傾斜は緩く歩き易い。
冬は斜面からの雪崩があるのであまり勧められない。


間もなく休憩に適した小峠だが傾斜はややきつくなる。
小峠に到着したら休憩しようと考えていたところ数十人もの小学生の団体で埋まっていた。記録として峠を示す道標を撮ろうとしても立つスペースがない。やむなくそのまま通過。


10時ちょうど、小峠を通過。
小峠はソバナが多い。


10:15
平坦路が終わると刈込湖へ向かって急降下する。
たしか階段が12箇所だったかな、樹林帯の中に敷設されている。


階段の傾斜はまちまちで冬は雪で埋まりすべり台として遊べる。


最後の階段まで来ると刈込湖が見下ろせる。


10:27
刈込湖に到着。
雨不足の影響か、水位は低いようだ。


お目当てのイトキンポウゲはまだ少し残っていた。
花は直径1センチにも満たない大きさで、花弁はキンポウゲ科特有の光沢がある。
茎は地面を横に這い、葉は糸のように細いことからその名が与えられている。くすんだ緑色のが葉っぱ(上に見える葉の集まりは雑草)。
全国でも生育地域が限られているようで環境省のホームページによると「絶滅危惧ⅠB類」に指定されている。
日光では他に西ノ湖で見られる。


古い写真だが2009年7月15日に西ノ湖で見たイトキンポウゲ。本当に小さい。


木立の中の刈込湖


満開のカニコウモリの群落が見られた。
地味な花だ。筒状の先端が少し開くとそれが満開の状態。
葉がカニの甲羅のような文様でなおかつ、コウモリが羽を広げた形に似ていることから名がついている。


カニコウモリ近撮。
ワタクシ、これでも咲き乱れているのよ、ほほほっ。


11:13
涸沼全景
以前はこの原全体がお花畑だったらしいが小田代ケ原や戦場ヶ原にようにネットで囲われてはいないため、植物はシカによって食い荒らされたそうだ。
管理人が到着したとき、先着していた小学生の団体がいたが休憩が済んだのか先へ進んでいった。


マルバダケブキ


トネアザミ


先着していた小学生たちは山王峠へと向かって行く。
無人になったのでここで昼食とするが、小峠で追い越した小学生の団体がいつ到着するかもしれないので、のんびりとはしていられない。
この時期の日光は小学生の団体の動向を気にしながら行動しなければならないのが難点。


先行した小学生の姿が見えなくなったのとほぼ同時に、後続の団体が到着。ゆっくりしている間もなく、管理人も山王峠へ向かうことにした。


ヤマオダマキ


涸沼から山王峠への斜面は急なので道は斜面を横切るようにジグザグについている。


11:58
この辺りが山王林道の峠。


山王林道と接する辺りからハイキングコースの山王峠まで、木道が敷設されているが距離は短い。


山王峠から光徳までは深い樹林帯の中を下っていく。
遠くで雷が鳴っている。上空は暗く、この辺も雨になるのは間違いないようだ。


12:36
足早に歩き光徳に辿り着いた頃には雨になった。
取り急ぎ、市営駐車場のトイレに駆け込んでザックから折りたたみ傘を取り出しさらに、ザックにカバーをかけた。
雨がひどくなるようならバスで湯元に戻ることにして、バス停で10分ほど待機。夕立とは違って止みそうにはなくといってこれ以上、激しくなることもないようだ。予定通り、5キロの道のりを歩いて湯元に戻ることにした。


光徳牧場の片隅で草を食べる牛たち。
端から端まで見渡せるほどの小さな牧場なのだが実に素朴な光景が広がっている。
小学生の団体は光徳駐車場からバスに乗り今夜の宿泊地へ向かうので、ここは人っ子ひとりいない。今日、初めて訪れる静寂を噛みしめるようにしてゆっくり歩く。


コバギボウシ


13:07
バスの通る車道よりも牧場の脇から光徳沼を経て国道に出る方がいろんな楽しみがある。
光徳沼は土砂が堆積して川床が浅くなっていまい、もはや沼とはいえない。


かつての光徳沼(1999年6月21日撮影)。
逆川(さかさがわ)からの流れはここで一旦、とどまり、沼を潤したあと戦場ヶ原に向かってゆっくりと流れていく。
この姿を再び見ることはないであろう。


バイカモが見られた。


ウツボグサ(ミヤマウツボグサかも)


逆川沿いのコースを国道へ向けて歩いて行く。
雨はかなり激しくなり傘なしではいられないほど。


13:30
国道に出たところで前方に目をやると雲に覆われた五色山がわずかに見える。


湯滝の落ち口付近で国道と分かれて湯ノ湖周遊歩道に入る。
湖畔に沿って歩くと湯元温泉と金精道路との分岐があるのでここを湯元温泉へ。


14:06
歩き始めた湯元に到着。
総距離15キロ。疲れもせずといって物足りなくはない、いい距離だった。



で、ザックのことはどうなったかというと、モンベルの30リットルのを2年ほど使っているが、薄着の季節だとお腹が空いてくると腰ベルトをいくら締めても腰回りにすき間が空いてザックがずり下がってくる。その結果、ザックの荷重を腰で受けとめることができず肩に負担がかかってそれが辛い。
ザックの荷重は基本、腰でしっかり受けとめて肩への負担はできるだけ少なくするほうが長時間、歩いても疲れない。
それだけのためにモンベルからカリマーのザックに替えた。

カリマーリッジ40という製品にしたところ、腰回りにフィットして肩が軽くなった。お腹が空いても腰ベルトにまだ締められるだけの余裕があるから、食糧が尽きて飢餓状態になってもザックがずり落ちてくるようなことはなさそう。
まっ、このように、ほんのわずかな違和感だけで別の製品に取っ替えてしまう傾向が管理人にはあって、自室の壁にはザックがずら~っとかかり、押し入れには登山用品がぎっしり詰まり、衣装ケースにはウエアがはみ出すほど溜まる。溜まらないのはお金だけというのは管理人の性癖からして致し方なしといったところか。

カリマーリッジの背負い心地は良いとして、それとは別の観点からモンベルのザックはよくできていると思う。
最近では水分補給するのにハイドレーションシステムといって、ザックの中に水袋を収納し、水袋から取り出した吸水管を顔の横に配置してどのような状況下でもザックを下ろすことなく水分補給を可能にする構造になっている製品が当たり前となっているが、水袋に入れる飲物として水道水にするかスポーツドリンクにするかで事後のメンテナンスが大きく違ってくる。
すなわち、水道水であれば次の山行までなにもしなくても大丈夫だがスポーツドリンクだと山行後、すぐに洗浄しないと雑菌が繁殖して、大変なことになる。
水袋を洗えばいいというだけの話ではない。水袋も吸水管も吸い口もすべて洗剤をつけたブラシで洗って乾燥させないと黴びてしまい、使い物にならなくなってしまう。大変なのだよ、ハイドレーションシステムのメンテナンスは。

スポーツドリンクの有用性を信じて疑わない管理人はそんな面倒なことはしたくないから、ハイドレーションシステムは使わずもっぱら使い捨てのペットボトルあるいは洗浄しやすい広口の飲料ボトル派だ。
問題はザックのサイドポケットに収納したボトルの取り出しと、飲んだあと、元の場所に戻すという動作。これは普通、身体を思いっきりよじらなければ不可能であり、皆さんとても苦労している。

管理人が主催するスノーシューツアーにご夫婦が参加した場合など、お互いに相手のザックからペットボトルを取り出してあげるといったほほえましい光景が見られるのだが、独り参加の場合はそうはいかない。孤軍奮闘する姿がそこに見える。

モンベルの一部の製品は、ザックを背負ったままサイドポケットからのボトルの出し入れを容易にしている。構造は簡単で、要するにボトルをサイドポケットに真上からも、斜め上からも収納できるようになっていて右のポケットなら右手1本で左も同様に出し入れできてとても便利なのだ。
立ち止まってザックを下ろす必要はなく、歩きながらでもボトルを取り出して飲むことができるから、利用者の立場をよく考慮した設計といえる。

水袋を使ったハイドレーションシステムを優先するあまり、サイドポケットの機能が旧態依然のままで進化が停止しているザックを、カリマーリッジの新モデルにも見てしまった管理人である(まっ、そこんとこは工夫しましたが)(※)。

あっ、それから、なぜ水分補給に水道水だけではいけないのかというと、登山という数時間にもおよぶ激しい運動で発汗すると体内のナトリウムやカリウム、カルシウムなどのミネラル成分も同時に排出され、水道水を飲むとミネラル成分の比率の低下を防ごうとして、飲んだ分の水分を排出する作用が働き、水分を体内に取り込めなくなる。つまり、登山中の熱中症はミネラル成分を含まない水道水他の飲物では防げない。
したがって水分と同時に塩分を積極的に採らないと大量の発汗による足の痙攣や集中力の欠落、意識障害につながってしまうのだ、と本からの知識の受け売りをしておく。

だから管理人はハイドレーションシステムの事後のメンテナンスの煩わしさを考えて、スポーツドリンクはペットボトルや広口ボトルで飲むようにして、ボトルの取り出しやすさだけでザックを選んだり、飲みやすさの工夫をしている。
今回の結論として、ザックの背負い心地はカリマーに分があるがボトルの取り出しやすさはモンベルに軍配を上げる。
ただし、背負い心地はその人の体型と体力で決まってしまうので管理人、もっと太く逞しくならなくては。

※2016年11月現在、サイドポケットのボトルは慣れるにしたがってザックを背負ったままで取り出しと収納ができるようになった。

悲願の『錫ヶ岳』日帰り。あまりの厳しさに精根尽き果てるも無事に生還。

2016年6月27日(月) 晴れのち濃霧

5:23/湯元スキー場~7:12/外山鞍部~7:37/天狗平~8:01/前白根山~8:21/避難小屋分岐~9:11/白根隠山~9:43/白桧岳(25分休憩)~10:45/P2296~11:17/錫の水場案内板~11:23/標高点2170~12:17/錫ヶ岳~13:12/標高点2170~13:25/錫の水場で給水~14:09/P2296~14:57/白桧岳~15:26/白根隠山~15:58/避難小屋分岐~16:19/前白根山~16:43/天狗平~17:00/外山鞍部~18:39/湯元
※全行程:22キロ
※所要時間:13時間16分(ただし、上記各ポイントで5~10分の休憩を含む)
※累積標高:2485メートル(GPSの記録を元にカシミール3Dで算出)


2012年7月4日、白錫尾根からの男体山と中禅寺湖

『事前調査』
前白根山から錫ヶ岳へと延びる緩やかな稜線、通称、白錫尾根は4年前の7月に白桧岳まで歩いている。錫ヶ岳の下見のつもりだった。→2012年7月4日の様子
眺望がじつに素晴らしかった。
男体山を目の高さあるいは、それよりも低く眺め、その足下には一周25キロもある大きな中禅寺湖が広がっている。
大真名子山と小真名子山、太郎山が見える。中禅寺湖の西には西ノ湖の、水を満々とたたえた姿が美しかった。絶景と言っていい。

map今日、錫ヶ岳へ行くにあたり4年前と違うのは、白桧岳から先が未経験のルートであることだ。
地図を見る限り、難しくはない。ただし、距離が長い。白桧岳から片道3.5キロもある。
白桧岳から高度を下げながら地図にある標高点を2つ越え、3つ目のピークが錫ヶ岳だ。錫ヶ岳の手前に等高線が詰まった急登があるが標高差は200メートル、これは頑張ればなんとかなるだろう。
藪などの障害物がないと仮定して時速2キロのペースで1時間半、白桧岳から往復3時間はかかる。

4年前の記録そして、今年になって2度歩いた前白根山の記録を元に行程時間を大まかに推定してみると、湯元~180分~前白根山~90分~白桧岳~90分~錫ヶ岳となり、片道で6時間だ。
ただし、推定なので最低、6時間と見るべきでありこれは霧降から女峰山へ行くよりも長い。
霧降~女峰山はこれまで5回、経験しているから時間が読める。錫ヶ岳は初挑戦にして女峰山よりも距離が長いのだ。それが最大の懸念材料になる。

このルートを選定した理由

『登山前』
長丁場なので4時に湯元をスタートする予定であった。
そのため自宅からの移動時間を節約するため前夜は湯元で車中泊することにした。寝る環境が変わっても熟睡できる自信が管理人にはあった。それは長年にわたるキャンプ生活で身につけたものだ。
携帯電話のアラームを3時に設定し寝袋に潜り込んだが寝付けず、こんなときのためにと持参した睡眠導入剤を服用したもののそれでも眠気は来ない。

明日、初めて歩くルートの難易度のことが頭から離れず、気が高ぶっているのであろう。背もたれを倒して簡易ベッドにしたシートの凸凹が身体に馴染めず、それも安眠を妨げることになったようだ。
テント内で寝ること長じて、キャンピングカーで寝る生活ははるか昔のことであり、すでに身体が受け付けなくなっていたのだ。

うとうとしかかったところでアラームが鳴った。予定の3時だった。しかし、睡眠導入剤はまだ効いていて頭はボーッとしていた。
無理だ。こんな状態では歩けない。せめて薬の効果が切れるまで待とう。
目を一瞬、閉じたらそのまま寝てしまったようだ。だが、頭の片隅では予定の起床時間を過ぎていることが気になっていたのか、アラームをかけていないのに4時に目覚めた。浅い眠りであったが3時間は眠れたのであろうか。

実際の出発までにそれから1時間20分も要したのは、これをやっておかないと気が済まないという、管理人にとっての儀式のようなものが盛り込まれているからだ。
すなわち、腸脛靭帯部分へのテーピング、膝とかかとへのサポーターの装着。着替えて朝食の準備。昨夜のうちにコンビニで買っておいたオニギリをコッフェルに入れ、野菜入りの乾燥スープを使って雑炊を作って食べた。雑炊の水は多めの500ミリにした。山行前の水分補給を兼ねたつもりだ。
歯磨きもきちんとしたしトイレも済ませた。

儀式は多くの項目で成り立っているが、ひとつの組合せによるもので登山がうまくいくと、しばらくの間、同じ組合せが続く。それは山行にあたっての管理人のジンクス、縁起担ぎのようなものであり、これをきちんとやらないと事故が起きそうな気がして落ち着かない。まっ、早い話が小心で臆病なんですね。それとも信心深いのかなぁ(^^)
それから車を登山口に最も近い、スキー場脇の駐車場に移動して登山靴を履いた。
あっ、いけねっ。儀式のひとつ、顔を洗っていなかったw


Impression
『白桧岳から錫ヶ岳へ』
白桧岳へ行くにはいくつかのルートがある。
そのどれも魅力的なのだが錫ヶ岳初挑戦の今日は、前白根山まで行くのに歩き慣れている湯元からにした。
スキー場を抜けて外山鞍部、天狗平を経て前白根山に達し、それから白錫尾根を歩いて予定の4時間30分を少し下回る、4時間23分で白桧岳に達した。ただし、7分は誤差の範囲。
白桧岳の手前は笹原だが踏跡はしっかりしていて歩き易い。しかし、そこからが厳しかった。
笹は膝まである。踏跡はあるのだが笹によって覆い隠されていて見えない。救いは目印となる赤テープと木に取り付けられたブリキ板そして、木の枝に塗布された赤色のペンキだ。地図を見る代わりに目印を見つけることに神経を集中することにした。
踏跡にかぶった笹を足で払いながら進むのはかなりの力を必要とした。コメツガの藪も始末が悪い。枝が顔の前にあるので両手で払い避けながら進まなくてはならず、これも疲れる。
どちらにしても踏跡を見逃さないように、丁寧に歩く必要に迫られた。
笹が踏跡上に倒れているのが見えず、不用意に靴を載せたらスリップし、横倒しとなった。泥濘部分で同じくスリップしてやはり横倒しとなった。笹に隠された倒木に足を取られて、顔から前に倒れた。
ときおり現れるコメツガの深い樹林帯は下草が生えてなく、これは救いとなった。
藪が終わり急登が始まったのでこれを登れば錫ヶ岳の山頂であろうと想像できた。笹藪を抜けてコメツガの樹林帯に入ると傾斜が緩くなりそこが山頂であった。
コメツガの木の地上2メートルの高さに山名板が取り付けられていた。
山頂はのっぺりしたコメツガ林の中にあり、展望は東面のみ。そこから男体山と中禅寺湖が望めるから想像していたほど悪くはない。ただし、山頂は狭く10人も立てば埋まってしまうほどだ。
山頂からさらに境界線に沿って南へと道が延びている。
地図を追うと宿堂坊山を経て皇海山に行けるようだ。しかし、その距離たるや半端ではない。途中、幕営は避けられない。とても行く気にはなれない。

『錫ヶ岳から避難小屋分岐へ』
錫ヶ岳から白桧岳までの藪を抜けると疲れがどっと出た。
藪をかき分けて進むのは力がいる。これを行きと帰りにやったわけだ。
白根隠山本峰から北峰にかけてのなだらかな斜面でさえ、足が重い。
辺り一面、霧が立ちこめている。この霧がいつ雨に変わるとも限らない空の色だ。
前白根山が目前に迫ってきた。
朝、通過した避難小屋への道標前まで来た。疲れはさらに増し、足が前に出ない。
直進すると前白根山、左へ下ると10分で五色沼避難小屋がある。いま、その分岐にいる。

160602-128

五色沼避難小屋(2016/06/02)

テントも寝袋もマットも持参している。食料も水もまだ充分、残っている。保温着もある。
錫ヶ岳は長丁場なので非常時に野営することを想定して、重くなるのを覚悟の上でもってきたのだ。
ここから10分も歩けば避難小屋だ。なにも辛い思いをしてまで今日、下山することはないのだ。このまま避難小屋に駆け込めば足を延ばして横になれる。そして寝不足を補うためにも十分な睡眠をとり、明日の朝、ゆっくり下山すればいい。
今日の山行はオマエの能力をはるかに超えたものだろう、疲れてるんだから無理すんなよ。
どうして、そこまで日帰りにこだわってるんだ?
錫ヶ岳登頂という目的は達したのだから、それで満足すべきじゃないのかね?
さあ、避難小屋へ駆け込んでメシでも食って早く寝ろよ。

いや、錫ヶ岳日帰りは長年の夢であり目標だった。そう簡単に撤回するわけにはいかないのだ。
小屋に泊まれば楽であることは初めからわかってる。
だけどオレは、そんな簡単な登山はしたくない。
難易度が高い山を日帰りでやることに意義があるんだ。
ここまで戻ってきたんだから這ってでも帰ってやる。

自問自答はしばらく続いた。
葛藤があった。
避難小屋に泊まって翌日、疲れが回復してから下山するかそれとも、疲れ切っていつ事故が起こるかわからない身体でこのまま下山を強行するか、答えはどちらかしかない。
選んだのが後者であった。
齢を考えると錫ヶ岳を日帰りできることなどおそらく、今後、望めないであろう。
日帰りでやってみたい、それは自己満足というなんの役にも立たない心の問題であるが、管理人を山へ駆りたてる大きな動機でもある。矜持のようなものでもある。
ここは最大、細心の注意をはらって下山することで自己満足を得ることに力を注ごう。

『避難小屋分岐から前白根山そして湯元へ』
避難小屋分岐を過ぎ五色沼水場から登ってくる道と合流すると前白根山へのザレ場となる。ザレ場の上りは始末が悪い。靴が滑って足に力が入らない。
時間をかけて前白根の山頂に立つとこれが今朝、雲ひとつない空の下で白根山を仰いだ前白根なのかと思うほどあたりは薄暗く、日没を思わせるような空が広がっていた。途中、コマクサが美しい花を咲かしていたが疲れが極致に達していたのでなんの癒しにもならなかった。

前白根山から外山鞍部間は緩やかな下りが続く。
本来なら疲れた身体を歩きながら休ませるのに最適な部分でありながら、この道でさえ苦痛に感じた。
外山鞍部とスキー場を結ぶルートは傾斜が厳しい。大小の石がゴロゴロしているガレ場でもある。ほとんどの石は地面から浮いているため足を着く場所を選んで歩かないとバランスを崩す。一度、浮き石に不用意に足を乗せたとたんに石が動いて尻餅をついた。これで今日、4度目の転倒だ。
50センチ程度の段差になると一度、腰を落として、それから片足ずつ下ろすのが基本の降り方だが、疲弊した太腿の筋肉は硬直し、膝が曲がらない。
段差の前で立ち止まり、腰を落として、片足を下ろし、両手を腰の脇につき、もう片方の足を下ろす。頭でわかっていることをいちいち言葉にしながら身体を動かしていく。傍からはロボットを見ているような動きであったに違いない。

外山鞍部と白根山登山口との標高差は500メートルもある。距離は800メートルしかないのでその傾斜の厳しさが想像できると思う。62.5パーセント、32度という急勾配だ。
登山口へ下りてホッとする間もなく、次はスキー場の中に敷設されている砂利道を1.3キロ歩いて駐車場に戻らなくてはならない。ザレ場と同じような不安定な道を、足を引きずるようにして駐車場に向かう管理人であった。

これで終わりではありません。
説明はここからです。 m(_ _)m


5:23
早朝の湯元温泉スキー場。
この時期はキャンプ場になる。ブルーのテントがひと張り、ぽつんと見える。
正面の茂みの奥に前白根山への登山道がある。


登山道から振り返るとスキー場に隣接する湯ノ湖、その奥に男体山が朝日に照らされている。


登山道はスキー場の管理道路を兼ねている。砂利が敷かれた道なので登山靴だと歩きにくい。登山口まで30分はかかる。
正面に見えるのは五色山。五色山の手前、左の急斜面を登っていくと外山鞍部へ行く。


5:49
砂利道が終わって登山口に到着。これから30度という急勾配が始まる。


五色沢の堰堤にヤマオダマキが。
そういえばこの辺りは植物の種類が多かった記憶がある。


これはアカショウマ、のはず。ショウマの仲間は見分けが難しい。


外山鞍部への道はガレた急斜面でその上、大きな段差がいくつもある。前白根山に行く難関のひとつとされている。


例年ならこの時期が盛りのイワカガミだが今年は10日ほど早く、そろそろ終わりに近い。


ゴゼンタチバナ
これは葉っぱが6枚だが4枚、5枚と成長して6枚になると花が咲く。


7:12
急傾斜が終わると外山鞍部。
前白根山への難関が終わった。


外山鞍部から前白根山への道は平坦で気持ちよく歩ける。
新緑のダケカンバがとても美しい。


7:37
天狗平に到着。
道は尾根からほんのわずか北側に寄っている。
展望がいいとは言えないが広々していてまるで山頂のようだ。
ちなみに標高は2260メートル。地理院地図に天狗平の記載はない。


天狗平からややトラバース気味に登っていくと再び稜線に乗り、正面に前白根山と白根山をとらえる。
中央右が前白根山、左が白根山。白根山の方が奥に位置しているからその巨大さがわかるというものだ。


同じ位置から白根山の左の斜面を追っていくと実になだらかで魅力的な稜線が見える。
これが錫ヶ岳へと続く白錫尾根。
前白根山から歩いて行くとP2362(地図に記載なし)→白根隠北峰(地図にP2385と記載)→白根隠本峰(地図に名称も標高点も記載なし)→白桧岳(地図には標高点2394と記載)→錫ヶ岳(P2388)に達する。ただし、錫ヶ岳は白桧岳のずっと奥にあってここからは見えない。

なお、白根隠本峰と白根隠北峰といった名称は地理院地図になく、ピークを識別するために管理人が便宜上使っている名称。
昭文社の「山と高原地図」には管理人がいう白根隠本峰が白根隠山(P2410)と描かれている。


8:01
今年になってこれで三度目の前白根山。
積雪期の白根山に登るために3月に、錫ヶ岳の下見のために6月に、そして今日。
そうか、今月二度目になるのだ。


ピークから少し先に行くとこのような展望が待っている。
白根山と五色沼だ。
一度、目にすると病みつきになる美しさだ。


前白根山からザレ場を滑るようにして下りるとこの道。
この手前に五色沼そして、先には避難小屋へ導く分岐がある。


8:21
五色沼避難小屋へはこの道標にしたがって急傾斜を10分ほど下りる。
ちなみに地理院地図にも「山と高原地図」にも道はここまでしか描かれていない。
錫ヶ岳へ行くにはそのまま直進する。
白錫尾根の面白さはここから始まる。


ここから先はハクサンシャクナゲの群落。
いままさに咲き始まったところだ。


8:37
白錫尾根を歩く際のシンボルになっている掘っ立て小屋。
昔はなにかの観測所として使われていたらしい。
かなり前、白根山を下っているときにこの小屋が見えたので、五色沼避難小屋とは別にもうひとつ、山小屋があるのかと思ったのだが、それがこの小屋であった。


シャクナゲの群落をぬって歩く。
今年はシャクナゲの当たり年らしく、どの株にもたくさんの蕾がついている。


白根山の右奥に燧ヶ岳がその独特の形を見せている。


8:51
避難小屋分岐からひと登りすると白根隠北峰に着く。
地理院地図には標高点2385と記されている。
山名板はないがケルンがあるのでそれとなくここがピークであることがわかる。
なお、「山と高原地図」には標高点の記載はない。


男体山と中禅寺湖の眺めが良くなるのもこの辺りから。


白根隠北峰から約50メートル下って次の白根隠本峰を見上げる。
ここから標高で70メートルほど登ると山頂。時間が許すならこのなだらかな稜線を、景色を眺めながらのんびり歩きたいものだ。


9:11
白根隠山本峰と白根山。
白根山は日光でもっとも高い山として知られているが、白根隠山は5番目(※)に高く、標高2410メートルの堂々たるピークである。日光連山で知名度のある太郎山や大真名子山よりも高いのだ。展望も素晴らしい。
奥に見える白根山は平日でも多くの登山者で賑わうが、ここは地図に道がないので歩く人もなくひっそりしている。ただし、管理人は平日しか歩かないので週末の人出は知らない。
※白根山(2578M)→男体山(2486M)→女峰山(2483M)→帝釈山(2455M)→白根隠山(2410M)という順。


次の目的地、白桧岳を目指す。
白根隠本峰から先はガレ場なので踏跡がわかりづらい。尾根筋を見失わないように丁寧に歩いて行く。


9:26
白根隠山と白桧岳のちょうど中間に位置する岩場。地図の岩記号がある場所だ。岩場を巻くようにして踏跡がついているが危険はない。


岩場をクリアしてシャクナゲの群落の間を進んでいく。
歩き易いのはこの辺りまで。


白桧岳にさしかかる頃から笹藪となる。
だが笹はくるぶし程度だし踏跡もハッキリ見えるので道を間違う心配はない。


9:43
白桧岳山頂。
4年前に来て以来、二度目だ。
コメツガやダケカンバ、立ち枯れした木が多い山頂だが眺めが悪いというほどではない。
ここでもシャクナゲの群落が見られる。


さあ、ここから先は管理人にとって未知のルートだ。
気を引き締めて行こう。
水たまりはシカのぬた場。


あれが錫ヶ岳だな。
地図でその姿を想像していたがようやく全貌をとらえることができた。


ミツバオウレン


コメツガの樹林帯だが踏跡はしっかりついていて歩き易い。
だがこのようにしっかりした道になっているのは全体のごく一部だ。


コメツガの枝が顔の前に迫るので両手でかき分けながら前進また前進。


腰高の笹に手こずる。両脚でかき分けながら進んでいく。
踏跡があっても見えないのでそこが尾根筋であることを確かめながら歩く。もっとも、目印も多いので迷うことはないが。


11:17
錫の水場への入口。
白錫尾根で標高がもっとも低い場所だ。水場まで1分とある。
時間が気にかかるのでここは帰りに立ち寄ることにしてさっと通過する。


錫ヶ岳の山頂がすぐ目の前に迫ってきた。
ここから200メートル登ると山頂なのだが、、、


またしても腰高の藪だ。
サービス満点。手を変え品を変え、山頂まで飽きさせることなく登らせてくれるww


あれっ、池塘なのかな、それともただの水たまり?
いずれにしても2千メートル超えの山中で静かな池を見ると癒されるね。


藪はしつこいほど続くw
もう勘弁してくれい。


12:17
深い笹藪を抜けホッとしたと思ったら、そこが山頂だった。
スキー場を出発してなんと、7時間もかかったが長年の悲願達成、錫ヶ岳に登れた。
白桧岳からの予定は1時間半としたが甘すぎた。2時間を超えた。藪こぎを強いられ放しだったのでやむを得なかったことにしておこう。
帰りも同じ藪こぎになることを考えると登頂した喜びは湧かない。難事業の喜びは帰ってからじっくり噛みしめよう。
ここで先着していた男女3人組と出会った。まさかここで他に登山者を見かけるとは思いも寄らなかったので驚く。聞くと、県内さくら市から来られたようだ。
丸沼高原スキー場からゴンドラで2千メートルまで上り、そこから沢に沿って登ってきたのだという。それは管理人が昨年、下見で歩いたルートだった。今年はそのルートも狙っている。
写真は3人組の中のご婦人に撮っていただいた。


山頂は樹林帯の中なので展望がないとの情報であったが東面は開けていて、男体山と中禅寺湖が望める。
時間が迫っているので菓子パンをかじって早々に下山することにした。


13:25
水場への目印まで戻ったので下りてみた。
水量は少ないながらも短時間で給水できるほどの流れだ。
空になったボトルにスポーツドリンクの粉末を入れ水を満たした。


同じルートを戻るので藪は避けられないが、下りの藪と登りの藪では使う力が違ってくる。苦しい。


コミヤマカタバミ


14:37
白桧岳山頂にさしかかる頃になると辺り一面、霧が立ちこめてきた。
雨に変わらなければいいのだが。
山頂にはこの20分後に到着。


白桧岳から先、これまでと違って笹は薄くなり踏跡が見えるようになってきた。


15:08
白桧岳を過ぎると左手に地図でいう凹地が見えてくる。
避難小屋まで続いている。
4年前はここを下りて凹地を歩き避難小屋まで行ったのだが、結構な種類の植物があって楽しめた。。


白根隠本峰への上り。
向こう側から見るときれいな笹原だがこちらからは砂礫帯である。


これもあちこちで見た。コケモモ。


15:26
白根隠山。
朝はクッキリ見えていた白根山が上昇気流にすっぽり覆い隠されてしまった。


白根隠北峰から五色沼を見おろす。


ツマトリソウ


目印となる掘っ立て小屋が見えると避難小屋分岐はもうすぐ。


う~ん、たまらないね、この雰囲気。
まるで異界の中へ吸い込まれる感じ。


15:58
避難小屋への分岐に戻ってきた。
あとは前白根山に登り返せば日没前に帰ることができる。
が、疲れは限界に達している。
ここを避難小屋へ向かえば今日の安眠が約束される。
いま、足を投げ出して横になれるのは大きな魅力だ。
どうする?
この疲れた身体を引きずって帰るかそれとも、いますぐにでも寝袋にくるまって一夜を明かすか。その準備は十分整っているではないか。錫ヶ岳に登頂できたのだから無理して帰ることもない。
心は揺れ動いたが錫ヶ岳登頂はどうしても日帰りでなくてはならないことを、疲れ切った脳に伝え、前白根山へと進むことにした。


五色沼から上がってくる道と合流。
ここから前白根山への登り返しだ。


前白根山頂に向かってザレ場を登っていく。
滑って足に力が入らない。
振り返ると白根山と五色沼が見えるが朝のあの青空とは大きな違いだ。


砂礫帯を好んで生育するコマクサ。
高山植物として人気があるが、環境省の調べによると前白根山のコマクサは本来、ここにある種のものではなく、別の場所から運んできて移植した可能性が高いらしい→詳しいことは環境省の資料で


16:19
ホッとため息。
前白根山頂に戻れた。
ここまで来ればひとまず安心できる。

16:43
天狗平を通過。
疲れているがここで休んでしまったら二度と立てなくなりそうな気がする。なので通過。


外山鞍部から急傾斜をスキー場めがけて下っていく。
早く帰って風呂に入りたい、それだけの意志だけで歩いている。
疲れすぎているのかアルコールのことはまったく頭に浮かばなかったw


18:39
スキー場を抜けて出発点となった駐車場に戻ることができた。
疲労困憊、精根尽き果てながらもなんとか無事に生還したぞ。
日没を覚悟していたが明るいうちに戻れたので上出来だわな。が車の運転、大丈夫か?


GPSのデータを基にフリーソフト「カシミール3D」で描画。
縦軸が標高を表しているが、意外にも知名度の低い白根隠山(本峰)が他に比べて高いのがわかると思う。
なお、お勧めできるのは稜線からの眺めがいい白根隠山あるいは白桧岳までで、そこから先は深い藪歩きとなり、その手の歩きが好きな人以外には勧められない。

錫ヶ岳、日帰り山行におけるルートの考察。

管理人未踏の山として錫ヶ岳のことはこのブログでなんどかとりあげている。
地図で白根山山頂から群馬県との境界線を南南西に辿っていくと白桧岳があり、さらに3キロ先が錫ヶ岳だ。
標高は2388メートルだから白根山よりも男体山よりも女峰山よりも低い。錫ヶ岳への通過点となる白桧岳でさえ錫ヶ岳よりも高い。山頂は樹林帯の中にあるため展望はないらしい。
そして地理院地図にも、一般的なハイカーがよく利用している「山と高原地図」にもルートは描かれていない。要するにアプローチが悪すぎるのと山頂からの展望がないから、一般的には登る価値のない山として見られているのが錫ヶ岳であり、それゆえにあの「山と高原地図」でさえルートとして価値を見いだすことができない、そんな山なのである。

フリーソフト「カシミール3D」で描画した錫ヶ岳他

冬、管理人が主催するスノーシューツアーで奥日光へ向かって走っていると中禅寺湖畔でほんの数秒だけ、他に比べてひときわ白い、白根山が見える場所がある。
そして稜線を左に見ていくとピラミッド型をした実に美しく整った形の山が見える。それが錫ヶ岳である。
走行中に数秒、見えるだけなので注意していないとすぐに視界から消えてしまい、記憶にも残らない。
だがスノーシューツアーで18年も同じ景色を見ていている管理人にはその美しい姿が記憶として焼き付いている。
そしていつしか、白根山からあんなに離れていてルートもないあの山に登ってみたい、そんな大それた考えをいだくようになった。
標高など低くてもいい、展望などなくてもかまわない。そのアプローチの悪さゆえ心惹かれるのだ。

地図を子細に眺めてルートを検討するも、これまでの管理人の登山経験からするとどれをとっても難易度が高そうだ。
考えられるルートは次の通りだ。
1.湯元から前白根山、白桧岳を経由して錫ヶ岳へ
2.菅沼から五色沼に達して上記1のルートに合流して錫ヶ岳へ
3.金精道路から金精峠に達し、金精山、五色山を経て上記1のルートに合流
4.西ノ湖脇から赤岩滝へ向かい、滝の手前からピーク2077に達して錫ヶ岳へ
5.丸沼スキー場を横切って蛍塚山脇から沢伝いに登って錫ヶ岳へ

数少ない錫ヶ岳に関するネット情報を見ても、これといって特に多く利用されているルートはない。みなさん、それぞれ工夫されているようだ。
管理人、今から4年前に上記1のルートで錫ヶ岳手前3キロ地点の白桧岳まで下見に行ったことがあるが、それはもう大変な苦労をした。往復で24キロもあって湯元の駐車場に戻ったとたんに地面に座り込み、しばらく動けない状態だった。ちょうど、左膝の靱帯断裂で手術する前の山行だったから、痛みに耐えながらの苦行だった。
※2012年7月4日の湯元~白桧岳の様子→こちら

ルートにこだわらず錫ヶ岳登頂を目的とするなら、5がもっとも実現の可能性が高い。
昨年の9月、下見で錫ヶ岳手前3キロ地点まで行ってみたが、これは割と楽だった。プラス2時間見れば登頂できるという確信を得て帰ってきたが、長年夢にまで見た未踏の山にそう簡単に登れてしまったら困る。このルートはリピートするときに選択しよう。
※2015年9月の錫ヶ岳下見の様子→こちら

4のルートは厳しい藪こぎがあるらしいから、それだと返って時間をくってしまい日帰りが困難になることも考えておかなくてはならない。これもリピートの対象にとっておこう。

さあ、どうするどうする?
残るのは1~3のルートだ。
念のため推定時間を含めて所要時間を比較してみた(区間時間の単位は分)。
1.湯元からのルート(6時間)
湯元~180~前白根山~90~白桧岳~90~錫ヶ岳

2.菅沼からのルート(5時間40分)
菅沼~145~五色沼~20~避難小屋~15~白錫尾根~70~白桧岳~90~錫ヶ岳

3.金精道路からのルート(5時間45分)
トンネル~35~金精峠~40~金精山~60~五色山~30~前白根山~90~白桧岳~90~錫ヶ岳

1~3の差は20分。長い距離であることを踏まえると20分は誤差の範囲と考えて差し支えないと思う。
う~ん、迷うなぁ(^^)

湯元を起点としたルート図

よしっ、ここは歩き慣れた湯元からのルートに照準を合わせよう。
そして管理人がまだ元気なうちに2と3、それが終わったら4と5、という順番で行こう。

とはいえ管理人、ニュースを賑わす高齢ハイカーに類する年齢となり山に賭ける時間はこの先、それほど長くない。その間に5回も登れるのかね?

6月の前白根山、そこには雪の花が咲く感動の光景が、、、

2016年6月2日(木) 晴れ/強風

湯元スキー場(8:11)~外山鞍部(9:50)~天狗平(10:15)~前白根山(10:49)~避難小屋(11:19)~五色沼(11:56)~前白根山(12:30)~五色山(13:07)~国境平(13:40)~湯元(15:44)

我が憧れの錫ヶ岳を今年の目標に据えて、湯元スキー場を起点に3月2日は外山まで、翌週8日は前白根山(白根山を含む)まで予備山行をした。いずれも積雪時という足場の悪い時期の重負荷となる山行だった。
そして今日は無雪期の前白根山だ。
これで予備山行は今年になって今日で3回目となる。
外山も前白根山も錫ヶ岳の通過点となるから、時間の計測を兼ねている。錫ヶ岳は片道15キロと長丁場なのでよほど綿密な計画を組まないと途中で敗退するのは目に見えてわかっているから慎重にならざるを得ない。

錫ヶ岳へのルートは距離が長いため次の3つに分け、それぞれの区間ごとに考えるのがいいと思う。
1.湯元~前白根山の8.7キロ・・・外山鞍部まで急傾斜を上った後は平坦路歩きで前白根山
2.前白根山~白桧岳の3.9キロ・・・緩やかなアップダウンの連続
3.白桧岳~錫ヶ岳の2.9キロ・・・緩やかな稜線を下って最後に標高差200メートルを一気に上がる

今から4年前の7月、やはり錫ヶ岳への下見で白桧岳まで行ったことがある。→こちら
GPSの記録によると片道12キロと、管理人のそれまでの経験を大きく上回る距離であった。
非常時に備えて60リットルのザックに野営の道具一式を詰め込むと、背負うのに足下がふらつくほどの重さとなった。その上、この日はジリジリと照りつける日差しで歩き始めから汗が噴き出し、それだけで体力を消耗した。

命からがら湯元に戻ったときは地面にへたり込み、そのまま動けない状態がしばらくの間、続いた。いまでこそ20キロを超える長距離山行は珍しくないが当時は相次ぐケガで長い空白期間があったから、往復24キロ、12時間の山行がよほど堪えたのだと思う。
錫ヶ岳はさらに6キロも余計に歩かなくてはならない。絶対に無理だ、それしか言葉に出せなかった。

なのに、昨年になって再びというか、懲りずにまたもや錫ヶ岳を思い浮かべるようになってしまった。自分の手の届かない高嶺の花いや、山だからこそ、なおさら挑戦してみたい。そんな気持ちがふつふつと湧き上がってきたのだ。
この先、過酷な山歩きができる時間は限られている。せいぜいあと2年か3年、その間に未踏の山を含めて思い残すことのない人生を送りたい。
それには体調のいい今年こそ、多くの山に登ろう。そして良い思い出も辛い思い出も冥土の土産にもっていこう。

今日は上に書いた区間の1番目、湯元から前白根山を本番前の最終確認のつもりで歩いてみたい。2番目も4年前に経験済みで、緩やかな稜線歩きなので時間が読める。
3番目の区間は試し歩きとは行かない。そこまで行くために1番と2番をやるのだから、本番しかあり得ない。


8:11
朝の湯元スキー場、というかこの時期はキャンプ場。
駐車場から中央の茂みに向かって歩くと砂利道と出合う。それが登山道で前白根山へのルートになる。


スキー場の初級コースなので傾斜は緩やかだが振り向くとわずかに登っていることがわかる。


中ッ曽根(右)と外山への尾根(左)に挟まれて中央に見えるのは五色山。
山頂がなんとなく白いがあれはなんだろう?


思いっきりズームにしてみると白い正体はなんとなく霧氷のように見える。


スキー場歩きが終わると外山への登山道が始まる。


これはなんの花なんだろう。
葉は紛れもなくヤマツツジだが花の色が赤と紫の中間で、園芸種のような色気を醸し出している。


この画像が傾斜の実態を表している。30度の傾斜が外山鞍部まで続く。


おぉ、ハクサンシャクナゲだ。美しい!
この尾根には赤に近い色もあるのでハクサンシャクナゲと断定することはできない。


ここなど大雨のときは水路と化してしまうのだろう、地面がえぐり取られている。


んっ、霜?
いや、手に取るとサラサラしているので雪みたい。


9:50
登り初めて最初の道標がこれ。
外山鞍部に着いた。道標が示す右方向が前白根山だ。
外山はこの南西、約150メートルにあるピークだが登山道はない。
厳しい傾斜はここまでで、これから前白根山まで歩き易い稜線が続いている。


外山鞍部で進路を西へ変え、前白根山へ。


これはミツバオウレンかな?
うん、葉っぱを見ると間違いない。


バイケイソウの群落を抜けて、、、


10:15
天狗平に到着。
これだけ歩くと汗をかいて上着を1枚脱ぐのがこの時期の気温だが北からの風がもの凄く、寒いくらい。帽子の上からフードを被っている。


日光の2千メートル級の山に多いイワカガミだが、ここは特に多い気がする。


満開のミネザクラ(タカネザクラ)


おやっ、風が吹くたびにパリパリという音と共に氷状のものが落ちてくる。
こりゃぁ間違いなく氷だよな。


氷の正体はこれだ。そしてスキー場から見上げた五色山が白かったのもこれだ。
なんとまぁ、6月だというのに霧氷だよ。
あちこちの木が真っ白。まるで白い花が咲いたようだ。


いやぁ、もの凄いことになっている。


ムヒョー、海老の尻尾が見られた、と驚く(^^)


満開のミネザクラにも。


これが前白根山から錫ヶ岳へと続く、通称「白錫尾根」。
じつになだらかな曲線を描いていて美しい。
一番高く見えるのが白根隠山本峰。下りがあって鞍部の奥に見えるのが白桧岳、その右のピークが白根隠山北峰という順。錫ヶ岳はここからでは見えない。


う~ん、素晴らしい光景。それにしても寒いな(^^)


振り返って男体山を眺めると、その手前の斜面が真っ白。


10:49
時季外れの白い花に見とれながら歩いているうちに前白根山に到着。
ここまでの時間は2時間38分と予定した3時間を切っている。まずまずといったところか。


前白根山山頂からはルートがいくつかに分かれる。
この道標にしたがって稜線を北へ向かうと五色山へ、南西に向かうと五色沼避難小屋を経由して白根山へ、その途中に五色沼へ下りる道がある。
管理人の今日の目的はここまでの時間を計測することだったので、あとは自由時間。さあ、どうしようかな?
でもその前に、あまりにも寒いので避難小屋へ下りて昼食としよう。ついでに防寒着の代わりに雨具上下を着ようではないか。


前白根山から白根山と五色沼を眺める。
五色沼の水の色がとてもいい。
紺碧とかエメラルドグリーンなどという洋風の色ではなく、藍染めの中間的な色とでも表現しておこうか。


10:58
前白根山からガレ場を南西に向かって数分、下りると道は分岐する。白根山や白桧岳に行くには直進、五色沼に行くには右へ行く。


白錫尾根からは男体山も望める。
手前の山がじゃまをしているが白桧岳までいくと遮るものなく見渡せる。


11:07
この稜線が白根隠山を経て白桧岳、錫ヶ岳へと続く「2」の区間。
ただし、道標に指示はないし地図に道は描かれていない。


11:19
10分ほど下ると避難小屋がある。
標高で80メートルほど下りただけなのに風はまったくなく、別天地だった。
しかし身体は冷えたままだ。中に入って雨具を着込み外の日差しの下、食事とする。


11:56
今日のもうひとつの目的は五色沼の水場を確認することにある。
避難小屋から北へ向かって20分ほど歩くと五色沼、水場は湖畔(というべきか?)に沿って右へ歩いて行く。


道標があるので従えばいい。前白根山に戻るのも同じルートになる。


12:07
錫ヶ岳への日帰りに失敗し避難小屋に泊まることになった場合、小屋の近くに水場はないからここまで30分かけて水を汲みに来ることになる。
しかし、時節柄なのか流れは細く、大量の水を汲むには不向きだ。それに万一、涸れたことを考えたらとてもではないがこの水場はあてにできない。往復1時間が徒労に終わる。
荷が重くなるが水は持参するしかないらしい。


12:24
水場を先に進み再び稜線に乗る。
先ほど下りてきた前白根山が目の前に座っている。
ここから登り返して次に五色山に向かおう。


コケモモ。
実になると甘酸っぱくてなかなか美味。


すごいね、これは。
枝がぜんぶ東に向いているダケカンバ。幼木の頃から強風に晒されているとこうなってしまうのだろう。


五色山への稜線から右を見下ろすと湯元の温泉街が一望できる。
ズームで撮った画像だが肉眼でもよく見える。


山頂間近の岩場。といっても岩を上り下りすることはない。


山頂付近から右(東側)を見ると日光連山が一望できる。
右から男体山、大真名子山、小真名子山、太郎山。


13:07
五色山山頂。
避難小屋で着込んだ雨具でここまで来たが、暑さを感じることはなかった。
温度は計測しなかったが  体感的におそらく5度くらいではないだろうか。


山頂付近から眺める白根山と五色沼も悪くない。


山頂から国境平へ向かう途中でゴミが入っているレジ袋を見つけたので回収する。


13:40
五色山と金精山のちょうど中間にある国境平。
これを湯元方面に向かう尾根が中ッ曽根という名だたる悪路だ。


目の前に立ちはだかる笹、笹、笹。
両手でかき分けながら前進また前進だ。


時折、視界が開けたりシャクナゲが目に入るがなんの慰めにもならない。


湯元から外山鞍部へ登る尾根が厳しいからといっても、この中ッ曽根の悪路には敵うまい。


15:27
湯元の白根山登山口に飛び出した。
これから先は車道を歩いて途中、スキー場を抜けて駐車場へ。


15:44
朝、歩き出した駐車場に戻って終わりとなった。

薬師岳、大木戸山、三ノ宿山ほかアカヤシオ咲く修験の道を歩く。

2016年4月26日(火) 晴れ
ロープウエー明智平駅~明智平~細尾峠~薬師岳~丸山~大木戸山~三ノ宿山~和の代

春爛漫、アカヤシオが盛りだ。
昨日25日は恒例となった鳴虫山のアカヤシオを堪能したのだが、アカヤシオの美しさはやはりツツジの中では格別だ。
なんというか猪口一杯の日本酒で白肌がほんのり染まった色っぽさというか、といっていやらしさはなくあくまでも楚々とした雰囲気は乱さず、“ねぇ、いっぽさんも一杯いかが?” などとか細い声で迫られでもしたら一杯が二杯とすすみ、おまけに“今夜は帰らないでね、、、” などとずいぶん古典的な落とし文句をささやく。いや待てよ、世の中にそんな甘い話などあるものかとあらためてよく見たらそこには紛れもなくアカヤシオがあるだけ。
なんだ幻想だったのか、罪な花だww

昨日の鳴虫山は7キロを歩くのに6時間半もかかってしまった。別に体調が悪かったわけではなく、アカヤシオを見つけるたびに立ち止まって写真に収めるといった繰り返しで実に効率の悪い歩きだったためだ。
でも今日は推定で13キロ歩かなくてはならないからのんびり歩いていては日没になってしまう。
といってアカヤシオなどに脇目も触れずに先を急ぐというわけにはいかないだろう。今日の山行は計画性が求められる。

今日のルートはアップダウンが多いのが特徴でバテてしまわないように、計画は事前にじゅうぶん練ったつもりだ。
地形の起伏をグラフにしてみると、前半は長い距離のアップダウンが2回、後半は小刻みなアップダウンが7回と多いから、身体に変調を来すとすれば後半だ。前半を無理せず体力を温存しておいて後半に備えることが重要である。

もう少し具体的にとらえてみると、ルートはスタート地点となるロープウエー明智平駅からゴールの和の代まで標高差で700メートル下るのだがその間、ジェットコースターのように激しいアップダウンを繰り返す。
アップダウンのうち上りだけを加算すると1263メートルでこれは男体山に登るのと同じだ。下りにいたっては1932メートルにもなるからいずれにしても足に負担がかかるのは間違いない。
消費するエネルギーは2000Kcalにはなるだろうからエネルギーが枯渇しないよう、行動中に最低でも1000Kcal分は食べなくてはいけない。
朝食で500Kcal摂取しておけば行動中は2000-500=1500Kcal必要、持参の食料で1000Kcal補充すれば1500-1000=500Kcalが体内に残る。下山時は空腹でもいいと考えれば最後に500Kcalを使い果たしても問題ない。その方がビールが旨く感じるし(^^)

また、エネルギーを2000Kcalも消費するということはそれに伴って発汗も激しくなるから、水分はいつもより多めにした。ハイポトニック系のスポーツドリンクを500ミリ2本。それに水道水を700ミリ。水道水は水分補給にも使えるが怪我をした際に傷口を洗い流すのに有効である。スポーツドリンクではそれができない。

この他に非常用のサプリとしてスポーツドリンクの塩分だけでは不足することを想定し、塩分を多く含んだタブレット、ミネラルを多く含んだタブレット、塩の粒などを携行している。
昨年8月、気温30度を超える中、鹿沼の里山に登った際に下りで太腿に痙攣が起き、立っていることができなくなった。多量の発汗にスポーツドリンクだけでは塩分が足りず、痙攣を引き起こしたようだ。そのときに上に書いたサプリを摂取して治まった経験から、管理人の山行には欠かせないものとなった。
鰯の頭も信心からと言われるかも知れないが、スポーツ生理学の本を読んでも塩分の大切さが強調されているから、これらのサプリはあながち鰯の頭ではないと思っている。以上、余談。


9:25
今日はいつもと違って登山口までマイカーでは行けないルート設定だ。
ゴールの和の代に車を置いてそこから路線バスに乗り、第2いろは坂の明智平で下車。ロープウエーで上ったところがスタート地点となる。


ロープウエーの終点は展望台になっていて、中禅寺湖をバックに華厳滝の全貌を見ることができる。日光の絵はがきに収められている景色がここで撮ったもの。


レンズをずっと引くとアカヤシオもカメラに収まるが華厳滝の迫力がなくなった。


まあとにかく、展望台から始まる登山道のアカヤシオはすごい。


09:57
あまりノンビリしていては行程に差し支えるから先に進もう。
まずは茶ノ木平近くまで標高240メートルを一気に上る。
先頭を行くのは常連で健脚のWさん。10年前からのお付き合いだが今日のルートはWさんの提案によるもの。


ほう、男体山の裾野の向こうに白根山が見える。雪はほとんど解けこれからが登山にいい季節となる。


10:42
茶ノ木平と細尾峠との分岐点。まっすぐ進むと茶ノ木平へ。
細尾峠へは笹が生い茂った道を行く。
ちなみにここが今日のルートの標高最高地点で1610メートル。


笹は腰高まである。一応、これが地図に描かれた正規のルート。


10:51
大きな岩の上に不動明王が鎮座している。
ここが地図に描かれた「篭石」かと思ったのだがGPSで現在位置を調べると少し手前だ。
ただし、この大きな岩といい、地形といいここが「篭石」のような気もするが。


地図の「篭石」の先に水が流れている場所があった。地面からの浸出水のようだが雨が降れば水場として利用できそう。
大きな葉の植物はおそらくバイケイソウでしょう。


コースの右手にアカヤシオの群落を見た。
すごい数のアカヤシオだ。それに色がいい。
さっそく近くまで行ってみた。


いやぁ見事だ。
管理人、これまでいろんな場所にあるアカヤシオを見たがここのは圧巻。素晴らしいのひと言だ。


どうです、この色合い。ツツジの女王と言って差し支えないほど。


最高標高点から400メートル下って細尾峠に到着。
車が5台。いずれも目当てはアカヤシオであろうと思う。
ここを起点に茶ノ木平方面にも薬師岳へも行けるがどちらもアカヤシオを観るのに不自由しない。


11:56
車道脇の道標には「前日光高原」などと地図にない名称が書かれているが、前日光とは鹿沼市のことを指す。もっと識別しやすい具体的な名称にすればいいのに。
それを補う意味でハイカー手作りの道標が立てられている。
薬師岳へはここを登っていく。


昨年、薬師岳に登ったとき、ルートが崩壊した危険箇所があったが現在は修復されている。


12:36
4時間ちかくかかってようやく薬師岳に着いた。少しノンビリしすぎた感がある。


360度、どこを見てもアカヤシオ、アカヤシオ。


お次はアカヤシオのトンネル。


ルート南側に昨年登った夕日岳が、、、


フデリンドウ。
アカヤシオばかり観ていたのでこの色にホッとするね。


ピーク1121とピーク1159の鞍部にも石の祠があり、昔、修験道として使われていたことがわかる。

13:53
ここは地図にあるピーク1159のようだ。
ルートはピークを少し離れてついている。


ピーク1159から丸山に登り返すがここは厳しかったぁ。


14:25
丸山着。
地図には標高点1242として書かれている。


このルートはカタクリが多い。
もうほとんどが終わっているが日陰のはまだ美しさを保っている。


14:51
大木戸山。
ここから次の三ノ宿山へ向かうには標高で120メートル下って80メートル上るが、歩き疲れた身体には厳しい。

15:11
大木戸山と三ノ宿山との鞍部にある祠。
中に薬師如来像が収められている。
昨年12月は和の代からここまでをピストンしたのだ。


15:23
大木戸山から30分ほどで三ノ宿山に着いた。広大で平らな山頂をもつ。
これで全行程の2/3を消化した。

16:06
ピーク1158を通過。今日の修験道歩きはここで終え、ピーク1047を経由して和の代に下山する。
修験道はここから東に向かいピーク1051を越えさらに滝ヶ原峠を経由して鳴虫山へと続いている。


ピーク1047の三角点。
ルートを50メートルほど外れるのであえて来なくてもよかったが、写真だけ撮って引き返した。


ピーク1047手前にある朽ちた道標。「やしおの湯」に導いている。


送電線の鉄塔。
送電線は地図に描かれているからいい目印になる。この下をくぐる。


鉄塔から北西の方向がゴールとなる和の代「やしおの湯」だ。


ここまで標高が下がるとアカヤシオは見られなくなり、トウゴクミツバツツジが多い。


古河グループの水力発電所に当たるのでここを右直角に折れる。


17:17
最後にこの鉄塔の下をくぐると「やしおの湯」前の車道に出る。