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T.Hさん念願の白根山にご案内。大展望にご満悦だったようす。

2018年6月30日(土) 晴れ

菅沼登山口(8:05)~弥陀が池(9:39)~山頂(11:05/11:55)~五色沼(13:06/13:35)~弥陀が池(13:59)~菅沼登山口(15:45)
距離:12.6キロメートル
時間:7時間40分
累積:1280メートル

管理人が主催しているツアーの中に「クリーンハイキング」がある。
フィールドに落ちているゴミを拾いながらハイキングするという、他のツアー会社にはないユニークな内容だ。
ゴミを故意に落とすハイカーはいないと思うがフィールドを歩いているとそれなりに目につくものである。それらのゴミを拾うことで自然を良好な環境に保つと共に、きれいな環境の中で花を観賞するというのがツアーの主旨である。
他人が捨てたゴミを拾うというのは抵抗があるが、ツアーの主旨を理解してくれる自然愛好家はいて毎年、わずかだか参加者はいる。

3年前にクリーンハイキングに参加してくれたT.Hさんはそのひとりであり、その後も交流が続いていて、毎月のようになんらかのツアーに参加するようになった常連さんである。
通勤中の事故で一時は精神的に落ち込み、これで山とはお別れかと思ったそうだ。
しかし、心の持ちようでどん底から脱出し、夏のテント泊を目指しリハビリに専念している。心身ともに不調から立ち直るためにも、なんらかのお手伝いをしてあげたいと思う。

白根山登山は一般的に、丸沼高原スキー場からゴンドラで一気に2千メートルまで上り、そこから山頂へ向かう方法と、日光湯元に近い菅沼登山口を利用する方法がある(これ以外に湯元温泉スキー場から前白根山経由で登ることもできるがかなりマニアック)。
ゴンドラを利用すれば標高差578メートルで百名山に登れるので人気が高い。菅沼からだと840メートルの標高差を上る必要があり、それなりの脚力が求められる。が、こちらも人気だ。T.Hさんとしてはやはり、難易度の高いルートを望むであろう。
今日は土曜日ということもあり駐車場には朝からさまざまな地域から来た車が停まっていた。さすがに百名山、もしかすると駐車場は満車かとも思ったが、まだ十数台分のスペースがあった。
この駐車場、以前は無料だったが現在は入口に係員が駐在する小屋があり、そこで1000円徴収される。また同時に、登山届書もここに預ける。
なお、トイレはこの駐車場に隣接する民間の茶屋のが利用できる。


菅沼駐車場駐車場から南へ、深い林に入っていく。


この日を待ち望んでいたT.Hさんこの日を待ち望んでいたT.Hさん。


ゴゼンタチバナ初めに見つけた花はゴゼンタチバナ。


ルートはギャップが多い菅沼ルートはギャップが多いため脚を高く上げないとクリアできない。


あと900メートルこの道標まで来ると弥陀ヶ池まで900メートル。


カニコウモリの群落カニコウモリの群落。


カニコウモリの花カニコウモリの花。
まだ蕾のようだがとても地味な花なので目を凝らさなければ咲いているのかどうか、よくわからない。


バイケイソウバイケイソウ


弥陀ヶ池に到着弥陀ヶ池に到着すると視界は一気に開ける。
前方に見える荒々しい山が白根山。
右の斜面が弥陀ヶ池からの直登ルートで左の斜面は五色沼を経由するルートである。


シラネアオイの保護地帯シラネアオイの保護地帯。
電気柵で囲んでシカの侵入を防いでいる。
残念ながらT.Hさんが切望するシラネアオイはすでに終わっていた。


ハクサンチドリ代わりに見たのがこのハクサンチドリ。


五色沼への分岐弥陀ヶ池で道は白根山方面と五色沼方面に分かれる。
どちらに進んでも山頂に行くことができるが五色沼経由で山頂に立ち、弥陀ヶ池に下るルートは山頂から下、滑りやすい岩場やザレ場を歩かなくてはならない。危険がともなうため下りは五色沼ルートを使うほうが安全。


イワカガミイワカガミ


ツガザクラツガザクラ


ガレ場始まる。
これから先はずっとガレ場、ザレ場を上っていく。
ザレ場は足が安定せず滑る。


このルートは展望が素晴らしい。
振り返ると眼下に弥陀ヶ池、菅沼、丸沼。遠方に燧ヶ岳ほか福島県や群馬県、長野県の山並みが一望できる。
ただし、下りにこのルートを使うのはスリップが怖いのでお勧めできない。


燧ヶ岳をズームでとらえた。


おそらく会津駒ヶ岳の山並み。


中央手前が弥陀ヶ池、左斜め上が菅沼でさらにその左は丸沼。


火山特有の表情を見せる道弥陀ヶ池からのルートは山頂に近づくにつれて火山特有の表情を見せる。


イワカガミの小群落イワカガミの小群落


眼下に群馬県から福島県にかけての山並みが見える。
右下の湖は菅沼、その左、やや大きいのは丸沼で丸沼の奧は燧ヶ岳。


山頂はものすごい人おぉ、山頂が見えてきたぞ。
でもすごい人の数だ。


見た目だけ山頂独占T.Hさん念願の白根山に登頂。
次から次から上ってくる登山者の切れ目を狙って一枚。見た目だけ山頂独占の写真(笑)


白根山神社山頂を少し下ると白根山神社があり、ここで五色沼への道とゴンドラ駅への道に分かれる。


昼食の場所を探す登山者で賑わう山頂を後に、昼食の場所を探すために下る。


ランチタイム陣取った場所は衝立のような岩の陰。
風除けにしてお湯を沸かすのにちょうどいい。
T.Hさんの今日のランチはカップラーメンでした。
山への傾倒がますます深まっているT.Hさんは7月末にテント泊を計画しているそうだ。そのためにもテント泊に必要な調理道具の使い方をマスターしたいという。


コンビニのあんパン管理人の定番、コンビニのあんパン。4つで400キロカロリーを確保できる。
この他にオニギリとバナナで栄養のバランスをとる(でもないか・笑)。


男体山と中禅寺湖五色沼への下山ルートはこのような光景が見られる。
男体山と中禅寺湖である。


五色沼を見下ろす五色沼を見下ろす。
いい色をしている。


ミツバツチグリミツバツチグリかな?


男体山と中禅寺湖男体山と中禅寺湖


マルバダケブキマルバダケブキ


五色沼下山中に見る五色沼。
人の姿が見えるまでに近づいた。


五色沼へと向かう登山者五色沼へと向かう登山者。
ここを降りると平坦な場所に出て道なりに歩くと避難小屋がある。


五色沼避難小屋五色沼に向かって歩いていくとやがて赤い屋根が特徴の建物が見えてくる。
五色沼避難小屋である。


避難小屋内部ここを利用する登山者が持ち込んだらしい毛布など寝具がたくさん。
無人の小屋だから致し方ないのだろうが年々、持ち込み品が増えている。


五色沼へ向かう次に五色沼へ向かう。


目の前に五色沼目の前に五色沼が見えてきた。


ここにもハクサンチドリここにもハクサンチドリが、、、
こんなに人が集まるところなのにねぇ。


ベニバナイチヤクソウベニバナイチヤクソウかな?


平らな岩があったので腰をかけ、T.Hさんとともに五色沼に魅入る。

そろそろ帰ろう30分ほど時間を費やしただろうか、休憩していた多くの登山者は先に行ったので我々もそろそろ帰るとしよう。
後に足音や鈴の音がするとせっつかれているような気がして気持ちが落ち着かない。事故の元になる。なるべく後続者を作らないようにするための30分であった。


ツマトリソウツマトリソウ


視界良好で歩けるのはここまで。弥陀ヶ池から先は樹林帯の中を歩く。


深い樹林帯はカニコウモリやこのズダヤクシュ(喘息薬種)の天下。


慎重に下るT.Hさん慎重には慎重を重ねながら下るT.Hさん。


一旦、沢に入ると間もなくゴール。


菅沼駐車場菅沼駐車場に戻った。


歩き始めて7時間40分、よく頑張りました。


常連さんと行く男体山は厳しくもあったがシロヤシオの宝庫だった。

2018年5月25日(金) 晴れ

二荒山神社(8:45)~四合目(9:44)~山頂(12:09/13:30)~四合目(15:30)~二荒山神社(16:25)
歩行距離:12.2キロメートル
所要時間:7時間40分(休憩を含む)
累積標高:1532メートル
※残雪を想定しチェーンスパイクを持参したが、その心配はないとわかり車内に置いて歩き始めた。

多彩な趣味を持つ当ペンションの常連、T.Hさんだが、今の関心事はもっぱら登山だという。
夏のテント泊デビューを目指し、テントや寝袋もろもろ一式を買う予定でいるそうだ。
そして夏の山行のために交通事故のリハビリを兼ねて現在、トレーニングに余念がない。

日光の山をよく知っているのと近隣であるという理由で、2016年に初めて管理人がガイドを引き受けて今日で10回目。
今年になって赤薙山(8回目)、社山(9回目)と難易度を上げ、そして今日10回目は男体山。仕上げは白根山という計画を組んでいるT.Hさんなのである。
几帳面かつ慎重な性格が幸いしているのか、リハビリ登山は順調で、管理人が見ても事故の影響などまったくわからないほど回復している。

日光を象徴する山、男体山は日本百名山に数えられているため人気が高く、登山者が多い。
標高は2486メートルで白根山より90メートル低いが特筆すべきは登り口からの標高差だ。
中禅寺湖畔の二荒山神社から登り始めるのだが、標高差は1200メートルもある。女峰山のようにアップダウンがあったり平坦な稜線があるわけでなく、ただひたすら登っていく。苦行そのものなのである。
深田久弥をして「非常に急峻で、湖畔から頂上までひたすら登りずくめである」と言わしめたのが男体山である(深田は1942年8月に登っている)。

管理人は過去に二度、登っているがその厳しさゆえに三度目はよそう、と腰が引けていたところへT.Hさんからガイドの依頼だ。
依頼主に楽しんでもらうにはガイドの心に余裕がなくてはだめなのに、腰が引けていてはどうしようもない。男体山よりも厳しい山に登って体力をつけ気力を奮い立たせようと登ったのが21日の女峰山であった→女峰山

さあ、今日はT.Hさんの期待にガイドとして応えることができるのでしょうか?

男体山登拝門男体山の登拝門。
山に登るのに鳥居をくぐることはあってもこのような重厚な門をくぐるのは日光ではここ男体山だけ。
なんだか気持ちが引き締まる思いがする。


登拝門の先は急な階段登拝門をくぐるといきなり急な階段が出現する。


階段を登り切ると一合目。ここから樹林帯となる。
これから先、新緑の下の快適な道、、、を想像していると裏切られること必至。
なにしろ階段と同じように急傾斜なんだから。


アスファルト道路三合目から四合目まではアスファルトの林道を歩く。
登山靴でアスファルト道路を歩くのは苦痛だが、今日は女性のゲストと一緒だ。楽しく歩こう。


アスファルト道路地図で計測すると距離約1.3キロ。単調だが男体山登山で唯一、息を抜けるところ。


四合目四合目で再び急な山道となる。


傾斜は急で立ち止まるとザックの重みで後へ転倒しそうになる、ということはありませんが、目の前に見えるのは地面しかないというほどの傾斜。
ときどき振り返っては景色を見て疲れを癒すことに。


シロヤシオうふぉっ、シロヤシオだ。


T.Hさんは管理人にピタリと着いてきてくれているので安心していられる。


もしやこれはヒカゲツツジかと思わせる、やや緑がかったシロヤシオ。


五合目五合目に到着。


五合目の避難小屋トタン板でおおわれた建物は避難小屋


休憩できるようベンチはあるが板の間はない。それに補修用の資材が積まれている。
突然の雨や雷から身を守る緊急避難のための小屋と考えた方がいいであろう。


シロヤシオの向こうに中禅寺湖シロヤシオの向こうに中禅寺湖が見える。


ガレ場始まるガレ場始まる。


急傾斜のガレ場急傾斜のガレ場。
石の多くは地面に埋まり動くことはないが、小さい石は浮いているので足下をよく見ながら慎重に上っていく。


八合目に到着八合目に到着。
滝尾神社(たきのおじんじゃ)の小さな祠がある(画像の建物は社務所のようなもの)。


九合目の砂礫帯九合目から上は火山の砂礫帯。


この砂礫は実に厄介で、滑って足に力が入らない。


ふ~、やっと山頂が見えた。


男体山山頂念願、悲願叶って男体山山頂に立つことができ、手を合わすT.Hさん。
ここまで休憩を含んで3時間25分。標準時間(※)だった。
※昭文社「山と高原地図」に記載の時間(ただし、休憩時間は考慮されていない)。

御神剣小高い岩の上に建つ御神剣。昔は鉄製であったが腐食により折れたことからステンレス製(県内の篤志家が奉納)に替わった。

男体山の山頂は広い。三角点や太郎山神社、御神像、噴火口など興味をそそられる対象があるので入念に見て歩くことにする。


白根山白根山


一等三角点2484メートルの一等三角点。
2002年まではここを男体山の山頂、というよりはもっとも高い場所としていたが、2003年になってここよりも2メートル高い場所が見つかり、現在は標高2486メートルとしている。
ちなみに女峰山とは2メートル違うだけ。


さあ、昼ご飯さあ、昼ご飯だ。
コッフェルを火にかけたT.Hさん。
なにが入っているのかな?


今日の山メシコッフェルの中はレトルトカレーでした。
持参したご飯に湯煎したカレーがT.Hさんの今日の山メシ。
う~ん、幸せ、満足!!


カレーメシ図らずもT.Hさんと同様、管理人もカレー(^^)
日清の「カレーメシ」でした。
カレーメシは容器が大きいので中味をジップロックに移し替えて持参。ジップロックの中に沸騰したお湯を直接、注ぎ入れて5分。食べる前によくかき混ぜればできあがり。それなりの味がします。
ただし、これだけだとカロリー(448kcal)が足りないのでコンビニのおにぎりとバナナを組み合わせて食べた。


太郎山太郎山


御神像の二荒山大神
このあと、噴火口が見える場所に移動して身を乗り出してのぞき込むなど広い山頂を歩き回って1時間ほど費やした。
そろそろ下山することにしよう。


下山こそ注意に注意を重ねて慎重に降りましょう。


岩場も慎重に。


中宮祠の町並み中宮祠(ちゅうぐうし=この辺り一帯を指す地名)の町並みが見えてきた。


往路では頭上の木々を見落としがちだが、下りだとシロヤシオがやたらと多いことに気づく。


シロヤシオとトウゴクミツバツツジの下を歩くT.Hさん。


四合目の鳥居四合目の鳥居に到着。
ここから三合目まではアスファルト道路。


三合目。ふたたび樹林帯の中へアスファルトの林道が終わると三合目。
ここからふたたび樹林帯の中へ。


登拝門に着いて今日の山行が終わった。登拝門に着いて今日の山行が終わった。
T.Hさんは大いに満足された様子でほっとする管理人である。

奥日光の絶景地、社山で男体山と中禅寺湖を堪能する。

2018年4月20日(金) 晴れ

歌ヶ浜(8:50)~狸窪(9:27)~阿世潟(9:55)~阿世潟峠(10:25)~社山(11:53/12:35)~阿世潟峠(13:40)~半月峠(14:43)~狸窪(15:40)~歌ヶ浜(16:20)

管理人がガイドを務める自然ガイドの中でもっとも需要が多いスノーシューツアーには目もくれず、ひたすら登山のガイドを求めてくる女性がいる。
今から3年前にクリーンハイキングに参加したT.Hさんである。
スノーシューツアーの機会がありながら、冬であればアイゼンで歩きたがるほど、登山に傾倒している。

昨年6月のこと、T.Hさんは管理人との白根山登山を計画しながら直前になって交通事故に遭い、それまで積み上げてきた実績を無に帰すほどの精神的そして身体的なダメージをうけた。
救いはダメージを受けながらも克服しなくてはならないという強い意志と、回復に向けての計画性をT.Hさんが持ち合わせていることだ。ゼロからやり直さなくてはならないというのは大変な苦痛を伴うと思うが、管理人がその手助けとなれるのなら幸いだ。
事故後、管理人とは小田代ケ原(平坦)、赤薙山(2010メートル)を一緒に歩きそして今日の社山(1826メートル)を迎えた。

社山は赤薙山と比べて標高そして登山口との標高差こそ小さいが、距離と累積標高差は2倍強に達する。つまり同じ日に赤薙山を2往復するのと等しいわけだ。
計画的に物事を進める理論派のT.Hさんらしい選択である。

では行ってきます。


金曜日の早い時間にもかかわらず、中禅寺湖の歌ヶ浜駐車場には多くの車が駐まっていた。
解禁になった釣り客の車だろうか?


今日の目的地、社山へは中禅寺湖の東岸を歩いて登山口まで行く。
社山の登山口は狸窪(タヌキ窪と書いてムジナ窪と読む)と、その先の阿世潟のふたつあるが、阿世潟から登る方が距離が短くて往路としては楽。


最初の登山口、狸窪。
ここは通過して次の阿世潟へ向かう。


歩き始めからここまでずっと男体山を見ながら、退屈せずに歩けるのがいいところ。
これから厳しい登りになるためここでひと休み。


中禅寺湖は水深が最大160メートルもある。
水面と湖底とで水温が違うことから水は絶えず対流し、そのため水の透明度が高い。
凍らないのも対流しているからである。


阿世潟に到着。
ここで湖を一周する遊歩道と阿世潟峠への道に分かれるので社山は左(南)へと入る。


中禅寺湖畔から登り始めて阿世潟峠に向かっているが、初めは緩やかだった道は進むにつれて傾斜が厳しくなってくる。


歩き始めて1時間半、阿世潟峠に着いた。
ここを右へ行くと社山、左は半月山に続いている。
今日は気温が高い。
背中にうっすら汗をかいているのでここで上着を脱ぐことにした。

リハビリ中とは言え、T.Hさんは好調のように見える。この分だと管理人の方が先にバテそうだ。


社山へ向かう道。
地図によると社山まで同じような傾斜が続いている。


ここは標高1570メートル付近。
男体山より900メートルも低いにもかかわらず、まるで男体山を見下ろしているかのようだ。
T.Hさんは感受性が強い。この景色に大いに感動している。

それにしても男体山もデカイが中禅寺湖もデカイ。
中禅寺湖は一周する遊歩道があってその距離なんと25キロもある。


右前方には白根山


部分的に笹がせり出して道をふさいでいるところがある。


今まで疎林だったのがコメツガの密生地となった。まもなく山頂である。


歩き始めてちょうど3時間でT.Hさん念願の社山に立つ。
交通事故による後遺症からの回復を目指し、昨年10月に小田代ケ原、先月は残雪の赤薙山と難易度を上げ、そして今日は社山だ。疲れを残さず下山できれば元の身体に戻ったといっていい。
次は男体山、その次は白根山を視野に入れているというT.Hさんだが、ここまで歩ければなにも心配することはないでしょう。


社山は南面の展望が開けていて足尾の山並みがよく見える。


三等三角点
時間をかけて昼食を食べ、これから下山。


阿世潟峠
朝は案内板の左から上がってきた。
帰りは変化をもたせるために阿世潟へは下りず、直進して半月峠へ向かう。

往きものんびりだが帰りものんびりだ。
なにしろ雄大な男体山と中禅寺湖が嫌でも視野に入ってくる。
なんども立ち止まっては嘆息し、写真を撮り、山の雑談をするものだから当然ながら時間がかかる。それが管理人がガイドを務めるツアーというものなのである。


尾根を登り返す。
半月峠まで標高250メートルを一気に上らなくてはならない。


振り返ると社山が視界に入る。
いい形の山だ。
あの尾根を歩いてここまで来た。


上りはまだ続く。
根を上げたくなるような斜面である。


半月峠に到着。
ここを下ると狸窪、直進すると半月山に行く。
半月山から茶ノ木平を経由して歌ヶ浜へ下りる道もあるが、あまりにも距離が長くなるので社山とセットで歩くのは避けたい。


日陰はまだ少し雪が残っている。


狸窪まで下って湖畔の道と合流。


T.Hさんは慎重ながらも管理人と差がなく下りてきた。


出発地の歌ヶ浜に戻ってきた。
男体山は相変わらず悠然と構えていた。


往きと帰りで変化をつけるため図のルートにしてみた。
往路の狸窪→阿世潟に相当するのが帰路の阿世潟峠→半月峠だが、この間、距離1.5キロにもかかわらず標高差は実に250メートルもある。疲れた身体にはつらい区間だ。


阿世潟から社山まで標高差550メートルの一方的な上りが続く。
救いは男体山と中禅寺湖が視界に入ること。
これがもしも霧や雨だとすればこのルートの面白みは半減どころか皆無と言っていい。

ツアーの下見にお客さんと某氷瀑(雲竜瀑に非ず)へ

2018年2月5日(月) 晴れ 寒い

今回で4回目となるTさんと来週おこなう、別のお客さんのツアーの下見に奥日光の氷瀑へ行ってきた。
ツアーの下見にお客さんを付き合わせるなど、他社では絶対にしないと思うがそこは管理人とお客さんとの信頼関係で成り立っていることなので、管理人まったく意に介さない。Tさんにとっては初めて観る氷瀑だし下見であることを十分、理解してもらっている。
本来なら管理人ひとりで行く下見と、お客さんを同行する本番とにどのような違いがあるのかといえば、第一にルート上の危険箇所、次に「氷瀑」が本当に凍っているかどうか、次に所要時間などの把握である。所要時間は健脚のお客さんかそうでないお客さんかによって大きく変わるが、来週のツアーは健脚のお客さん(常連客)なので早足で歩いて時間を計測することにする。
それによって本命の氷瀑を観て時間が余れば他にふたつの氷瀑を観ることができる。
下見といえども手の抜けない仕事なのだ。

湯川にかかる木橋湯川にかかる木の橋を渡ると道は小田代ケ原へと向かう。
快晴だが気温が低く、身体がぜんぜん温まりません。


小田代ケ原へ向かってひたすら歩く歩き始めて1キロの地点。
小田代ケ原へのルートは多くの人が歩くため完全に踏み固められていて、スノーシューだとアスファルト道路の上を歩いているようでとても歩きづらい。靴のままあるいはチェーンスパイクで歩いた方がよほど効率がいい。


小田代ケ原入口のシカ避けゲート前方にこんなゲートが見えたら小田代ケ原である。
ゲートはシカが中に侵入して草木を食い荒らさないようにするための防護柵。
画像では見えないが金網の右を見ると針金を横に這わせてあるがそれは電気柵。ところが電気柵に電気を供給する電線が見えない。
さて、この針金にはどのように電気を供給しているのでしょうか?


小田代ケ原展望台から貴婦人を眺める展望台の200メートル奥に小田代ケ原の象徴ともいえる樹齢80年のシラカンバ、通称「貴婦人」が佇んでいる。


間もなく氷瀑沢沿いに歩いて行くと間もなく林の間から氷瀑が望めるようになる。
前を行くのは横浜のTさん。


雲竜瀑と並んで人気の高い氷瀑今日のお目当て、氷瀑に着いた。
落差わずか20メートルに過ぎない小さな滝ながら凍った姿は見事のひと言に尽きる。
凍ってはいるが水は流れており、近くによるとゴウゴウと音がする。


スノーブリッジを慎重に渡る滝の裏側に回り込むため流れにかかるスノーブリッジを渡る。
気温が上がるとブリッジが崩れて水中へドボン。渡れるのは気温が低い今のうちである。


氷瀑の裏側滝の裏側に回り込むと表から見たのとは違った美しさがある。


滝の裏側の右手は氷のカーテンになっている。
どうですか、この氷の色。


さあ、お次の氷瀑へ。


第二の氷瀑、全景。
これからあそこまで近づいてみよう。


第二の滝も見事に凍りついている第二の氷瀑。
段々状の巨大な岩壁を伝って流れる滝が凍ったもの。実に見事。
ちなみにこの位置から写真を撮るのは命がけです。


第三の滝は雪に覆われて見えなかった第三の氷瀑。
ここは雪で覆い隠されてしまって見ることはできなかった。


山の中で沢の流れを見ると気持ちが落ち着きますね。


往復約15キロの氷瀑ツアーでした。
このところ気温の低い日が続いていて実に見事な凍りっぷりでした。
次回は2月15日に健脚の常連さんとのツアーを予定しています。

文中、滝の名前を表記しないで氷瀑とか第二の滝とか第三の滝などと書いているのは管理人の商売上の理由によります。お察しのほどを。

雪の山王帽子山と赤薙奥社へ。Tさんの要望はそれは過酷なものであった。

日光駅を起点にいくつものスノーシューのフィールドを有し、そればかりか冬でも安全に登ることのできる2千メートル峰もある、それが冬の日光を際立たせる魅力ではないかと思っている。

管理人が日光をスノーシューのフィールドとして利用を始めたのは1998年のこと。翌99年には商業ツアーとして確立し、現在に至っているわけだがその間、延べ2000名ほどの人が管理人が主催するスノーシューツアーに参加してくれた。
そのごく一部、ほんのひとにぎりではあるがリピート、そして常連に至ってくれているのがありがたい。

管理人も高齢者群に属するようになりこの先、あと何年ガイドを続けられるかわからない。今の体力、脚力が維持できるならばあと2シーズンは務まるだろうが、以後はわからない。
そこで以後は参加者を常連客に限定して、管理人も楽しめる有意義な時間を過ごしたい。いわば冥土の土産になるような楽しく、充実したツアーにしたいのだ(お客さんを冥土に連れて行くつもりはありませんのでご安心ください)。

スノーシューのガイドとしての終末を、常連客だけを対象に、いっしょに管理人も楽しめるツアーができればベストである。ときにはお弁当を担いでピクニック気分で(チーズフォンデュパーティーのように)、ときには重装備で冬山へ挑むというように、相手に応じてスタイルを変え、難易度を変える。ガイドと客という垣根を取り払い、体調が悪いときは健脚の常連さんに管理人がガイドされるというのもありだ。それが管理人の終末にふさわしいスタイルではないかと思っている。

ピクニックにするか冬山登山にするかは常連さんの脚力と精神力次第ということになるが、後者の最右翼として、2012年から毎年ツアーに参加しているTさんを挙げる。脚力が群を抜いている。たぐいまれな脚力の持ち主といって過言ではない。
なにしろ同時に歩き始めて10分もすれば、管理人と100メートルもの差がついてしまうくらいだ。管理人、足が遅いのは自認しているが、それにしても恐ろしいほどの速さだ。
その上で特筆できるのは、強靱な精神力をもっていることだ。
危険と隣り合わせで挑むスキューバダイビングの長い経験が山でも生きているのであろう。
終末の管理人をガイドしてくれる常連さんとしてTさんほど適役の人はいない。
そんなTさんからの今回のリクエストは2日間、ガッツリ歩きたい、というものであった。

管理人に100メートルもの差をつけてしまうTさんの“ガッツリ“とはどんなレベルなのか、これまでの付き合いでおおよそのことは想像できる。
つまり、距離が長くなおかつ高低差が大きいこと。端的に言えばスノーシューによるハイキングなどではなく、雪山登山だ。
Tさん、冬の丸山にも赤薙山にも登っているし、満足してもらえる山は他にどこがある?

そういえば2年前の3月、山王帽子山に挑戦したときはあまりの雪の多さにラッセルの連続そして、ふだんなら頭上にあるはずの木の枝が目の前に立ちはだかり、時間ばかりくって途中で断念したことがあった。再挑戦してはどうだろうかという考えが浮かんだ。
しかしだな、今回は2日間のツアーだ。初日に山王帽子山に登ったとした場合、では2日目の候補はどこにすればいいかという問題が浮上する。Tさんのことだからもっと難易度の高い山へなどと言い出しかねない。
いや、待てよ。初日は丸山か赤薙山でお茶を濁して2日目に山王帽子山という方法もあるな。しかし、そんな子どもだましが通用するTさんではない。う~ん、答が見つからない。
いや、それどころではない。2日続けての冬山登山など管理人の身体が耐えられそうにない。管理人の考えは右へ左へと揺れ動く。

まっ、山王帽子山とてそれほど易しい山ではないから、初日でTさんを疲れさせれば、「あぁ、身体中が痛くてダメよ、アタシ。明日はもっと簡単な山にして」、と弱音を吐くかもわからない。そうすれば管理人のもくろみ通りだ。よしっ、この手で行こう!


2017年3月6日(月)
光徳駐車場~太郎山登山口~山王帽子山~太郎山登山口~山王峠~旧山王峠~光徳駐車場

11:14
光徳駐車場をスタートして山王林道の太郎山登山口に到着。
ここまでスノーシューで歩いてきた。
9:35の出発だったから1時間40分というゆったりペースだ。
一般客のツアーとは違うルートを歩いたのも時間がかかった理由。
ちなみに道標は「太郎山」となっているが太郎山へ行くには山王帽子山が経由地になる。
今日はその山王帽子山を目的地としている。


山王帽子山山頂へはコメツガの深い樹林帯を歩く。
コメツガは常緑樹なので林内は陽が差さず、雪は固く締まっている。
このような状況ではスノーシューよりもチェーンスパイクの方が効率がいい。


ここからはスノーシューをザックにくくりつけて歩くが、今日は管理人が所有するスノーシューの中でもっとも軽いタイプを選んだ。むかし、イワタニが輸入販売した「TUBBS」社製で小型ながら靴のサイズを選ばない優れものだ。ただし現在は入手困難なレアものである。


山頂近くに展望が開けた場所があり、西からやや南寄りに白根山が望める。空が青ければ見栄えがするんですが。


12:39
登山口から1時間25分で無事に山頂に到達。標高は2077メートルだから赤薙山より67メートル高いが、冬でも安全に登れる山の筆頭だ。ただし、今年のように雪が少なければ。
さて、ここでランチといきたいところだが風が強く、冷たい。
早々に退散して樹林帯に潜り込んでランチとした。


山頂からの男体山の眺め。
山頂の向こう側が二荒山神社の登山口で右の裾野に戦場ヶ原が広がっている。


14:05
無雪期ならば山王帽子山だけで終わりとせず、太郎山とセットで登るべきだが、冬は厳しい。
足早に下山して山王峠を横切って、、、


むかし、登山道に利用されていた旧山王峠へ。
現在とは別のルートで涸沼とを結んでいたらしいことが朽ちた道標に刻まれた文字からわかる。
こういう風情、郷愁をそそられて好きだなぁ。
いつ頃まで使われていたルートなのか知りたいのだが、資料らしきものはない。
ちなみに夏は背丈ほどの笹に阻まれてこれを探すのは大変な仕事だ。
場所は秘密にしておく。山王峠とそれほど離れていないからどうかご自分で。


帰りは地図にある登山道で光徳駐車場へ向かう。
今夜のペンションの宿泊者はTさんひとりだけ。帰りの時間を気にすることはないのでアストリアホテルの温泉で疲れを癒して帰路についた。



2017年3月7日(火)
キスゲ平(8:23)~小丸山(9:09)~焼石金剛(9:46/9:50)~赤薙山(10:26/10:40)~奥社(11:34/12:14)~赤薙山(13:00)~焼石金剛(13:09)~丸山鞍部(13:40)~小丸山(13:48)~キスゲ平(14:14)

※登山計画書に記載したタイムスケジュール
キスゲ平(8:30)~小丸山(9:15)~焼石金剛(9:50)~赤薙山(10:35)~奥社(11:55/12:15)~赤薙山(13:35)~焼石金剛(14:15)~小丸山(14:50)~キスゲ平(16:00)

昨日、山王帽子山を降りたTさん、根を上げたかと淡い期待はしたのだが、それほど甘くはなかった。
管理人:「かなりの傾斜でしたね、疲れたでしょ?」
Tさん:「2年前の豪雪に比べたら楽に歩けてとっても楽しめました」
管理人:「ははは、そうですか。緊張してたからそう感じるんですよ。疲れはあとから出てくるもんです」
Tさん:「ううん、ようやくエンジンがかかったところなの。もっと歩けそう」
管理人:「いやぁ、あんまり無理をするもんじゃありません。寝てるときに足が痙ったりしますよ。あれは痛いですよ~」
2日目は軽くすまそうと、“疲れ“という暗示をTさんに植え付けようと必死になっている管理人なのであるw

さあ困ったぞ。
初日で疲れさせて2日目は軽いコースをという管理人のもくろみはすっかり外れてTさん、元気そのものである。まるで疲れを知らない子どものように元気なのだ。
こうなったら山王帽子山を凌ぐ厳しい山へ案内するしかTさんを満足させる方法はないとみた。

8:23
2日目はここをスタート地点にした。
おなじみのキスゲ平である。
目指すは赤薙山のひとつ先のピーク、赤薙神社・奥社跡だ。地理院地図に奥社跡という明記はなく、ピーク2203となっている場所だ。
奥社跡は女峰山への中間点に当たるが、仮に女峰山を目指そうとした場合は奥社跡までが厳しい。キスゲ平からの標高差は850メートルもあり、これは全体の70パーセントにもなる。達成感はあるし自信がつくことは確実だ。今日はそこを目指すことにする。


キスゲ平は元スキー場を園地としたもの。
ここはスキー場の上級者コース部分だ。傾斜は30度ほどある。
今日は全行程をチェーンスパイクで歩こうと考えている。もちろんスノーシューはザックにくくりつけてある。


9:09
標高1601メートルの小丸山へは46分で着いた。
正面に見えるピークが赤薙山(2010M)で奥社跡はそのふたつ右のピーク。


小丸山から先はだだっ広い尾根が続く。道は複数つけられているがこの時期、当然ながら雪に隠れて見えない。赤薙山を正面に見ながら上へ上へと向かっていけば道迷いの心配はないし安全上の問題もない。
管理人と先を行くTさんとの差は広がるばかりだ。画像はズームしたものなので実際はもっと離れている。
お~い、待ってくれ~。ガイドを置いてかないでくれ~(笑)


進行右を見るといつも登っている丸山と、その向こうに高原山(鶏頂山、釈迦ヶ岳、中岳、西平岳の総称)が見える。ここは標高1700メートル台だが雄大な景色が広がる。


9:46
標高1810メートルの焼石金剛。
小丸山と赤薙山を結ぶ稜線からの眺めはいいが標高が上がるにつれて視野はさらに広がる。
奥日光に魅力的な山は多いが2千メートル未満でこれだけの眺めが得られる山はない。


眺めのいい稜線も終わりに近づき、次に谷底まで300メートルというやせ尾根を通過する。
左が中ノ沢への斜面。ここは右に見える樹林帯に沿って歩くのが正解。


やせ尾根から中ノ沢をのぞき込む。
怖いっすねぇ。
雪庇を踏み抜いたら滑り落ち、冷たい水が流れる沢にぽっちゃん、などという生やさしいものではないはずだ。なにしろ沢まで300メートルを一気に滑り落ちるのだ。雪の上とはいっても凹凸があるからそのたびにバウンドして雪面にたたきつけられ、そのうちに意識をなくす。身体はなんども回転し、腕や足はねじ曲がり、無残な姿で収容されるというのが滑落遭難らしい(幸いなことにここでの事故はありません)。


10:12
女峰山と赤薙山を分ける分岐路。
女峰山へ行く場合も赤薙山方面に行った方がいい。
斜面が崩落している場所があるし、あまり歩かれていないため笹藪化している場所がある。雪のあるこの時期なら危険性はもっと高いはずだ。


10:26
赤薙山に到着。スタートして2時間03分だった。
積雪期でこのタイムはまずまずだろう。これもTさんに引っ張られたのが理由。


赤薙山山頂からのビューポイントは鳥居の奥の一箇所のみ。
女峰山がよく見える。来月になれば雪が少なくなるからあの頂へでも。
それでは、これからが今日の核心部分なので先を急ぐとしよう。Tさんにとって未知の領域へと。


赤薙山山頂を過ぎるといきなりこのような場所と出くわす。
尾根は切り立っている。尾根のトップは岩なのですぐ下についている道を行く。


11:34
唐突と思われるかもわからないが、着いた。
ここが奥社跡だ。
Tさんのペースが速すぎてこの間、写真を撮る余裕がなかった(^^;)
スタートして3時間11分は早い。
昨年4月、雪がもっと少ない時期に管理人がソロで歩いたときは3時間25分かかったから、やはりTさんのペースだ。
ちなみに地図を見ればわかると思うが、女峰山への道のりで厳しい場所はここまでで、ここから先は緩やかな稜線歩きとなる。行程の半分がここで終わるのであとは女峰山を眺めながらゆっくり歩けばいい。
それにしても相変わらず風が強い。のんびりとランチなどとはいかない。樹林帯に潜って食べたのは昨日と同じ。


目的は達したのでTさんは満足そうだ。
でもここは岩尾根、気を抜かずに帰ろう。


振り向くと女峰山が吹雪いているように見える。


Tさん曰く、ここが一番怖かったという岩場。


12:54
二度目の赤薙山通過。


山頂直下は傾斜が急なのでスリル満点なのである。
尾根さえ間違えなければ危険はないから積極的に行こう。


13:12
やせ尾根を通過するTさん。


13:19
続いて焼石金剛を通過。
さて、ここから小丸山へ向かって下るかそれとも、冒険するか?
Tさんの答はもちろん後者だ。


冒険コースにはこんな魅力的な斜面が待っている。ここを降りない手はないだろう。
ただし、商売上の観点からルートは秘密(笑)


適度に締まった雪は快適なのだ。
スノーシューにすべきかとも思ったが履き替えるのも面倒に思え、チェーンスパイクのまま下る。


降りた先は丸山の鞍部。
ここからは地図にあるルートで小丸山へ。


13:50
鞍部から登り返して小丸山に着いた。
ここでもう一度、冒険を!
だが先ほどと同じくルートは秘密だ(ケチ・笑)。
20分かけてスタート地点に戻った。


赤薙山までは山頂直下のやせ尾根に気をつければ安全ですが、赤薙山から奥社跡までは切り立った尾根や片側急斜面があります。
また、3月初旬なのに奥社跡まで行けたのは雪が少ないことが理由。例年並みの積雪だと残雪を楽しめるのは4月後半以後です。くれぐれもご注意ください。

いつもの男3人、強風をついて刈込湖を目指したが深い新雪に四苦八苦する。

2017年2月3日(金)

栃木県の面積の1/4を占める日光市は広いだけに気象状況が異なり、人の住む地域でいえば標高200メートルの市街地と1500メートルの湯元では天気も気温も大きく違ってくる。
標高530メートルの日光駅からわずか4キロしか離れていない我が家(820M)でも同じことが言えて、日光駅前が晴れているのに我が家には雪が舞い落ちているなどというのが日常的な光景なのである。夏で言うなら市街地にギラギラと日差しが降り注いでいるというのに、我が家の上空には赤薙山から押し寄せる真っ黒な雲が立ちこめ、雷雨だ。
標高1500メートルに位置する湯元など、季節は市街地とひと月も違うから別世界である。
昔、仕事で日本にやってきた欧米人が東京の暑さに閉口し、避暑地として奥日光を選んだという話がよくわかる。

それだけの環境差のある日光市だからスノーシューのフィールドは多彩だ。
管理人がお客さん相手にツアーを始めた19年前の1999年、グリーンシーズンと様相を異にするフィールドを、おっかなびっくり歩いたのを皮切りに、毎年あらたなフィールドを開拓していき、今では参加者の経験や性別、年齢を問わず、ほぼすべての人に的確なフィールドを提供できるまでになった。
ツアーのフィールドを決めるのは管理人の役割なので参加者に選択権はないが、選択の判断は概ね正しいようだ。次の年もまた参加してくれることでそれがわかる。

だが、フィールドの選択の妥当性とそこでの気象は別物であり、ときに過酷な体験をすることがある。
今日の参加者、Kさんは2010年に初参加だからツアーの古株で、その後2013年に同僚のTさんを誘って参加してくれるようになり、おふたりでの参加は今年で5回目だ。
実はふたりで来るようになって過去4回、管理人が主催するスノーシューツアー史上、他の参加者が経験しえない過酷な出来事を経験している。低気温と強風である。
・2013年 刈込湖→マイナス15度の吹きさらし。体感気温マイナス20度の中で昼食(※)
・2015年 丸 山→強風でツェルトが張れず昼食を断念
といった具合だ。

※管理人はこの他に昼食時にマイナス17度を経験しているがそれは想像を絶する寒さだった。パンをくわえたまま凍死してしまうのではないかとさえ思った(ホントの話し)。

KさんとTさんのどちらかが嵐を呼ぶのか、あるいはそこに管理人が入り込むことで悪天候となるのか、理由はわからないが、過去4回のうち2回も過酷な思いをしているのはなんらかの因縁があるに違いない。
そして5回目の今回だ。
果たして今日はなにが起こるのだろう。戦々恐々としてツアーに臨んだ。こうなったら記録を塗り替えてやるぞw


刈込湖コースの起点は湯元温泉の源泉である。
ここから湧き出た湯が旅館に供給されている。
雪こそ降っていないが空は鉛色で今にも降りそうだ。今日の前途を予兆している。


源泉からいきなり急登が始まり、一度、金精道路に乗り、金精道路から蓼ノ湖に冬道を降りる。
金精道路まで通常は10分程度だが今日は雪が深いから15分ほど見る必要がある。


金精道路脇にある刈込湖コース入口。実質的にここが登山口となる。
積雪期はここで地図にある登山道、いわゆる夏道と、雪が積もったときだけ歩ける冬道に分かれる。往きに夏道、帰りに冬道あるいはその逆というコースが取れるが、夏道は三岳の裾野をトラバースするため雪崩の危険がありお勧めはできない。
③という標識があるのが冬道。
※冬道も雪崩の危険箇所はいくつもある。くれぐれもご注意のほどを。


夏は道がないため降りることのできない蓼ノ湖。
荒涼として神秘的だ。


蓼ノ湖から小峠を目指す。
斜面は広く方向を見失いがちだが木の枝につけられたリボンを探して歩けば問題ない。


40分かかって小峠に着いた。
高さ2メートルの道標が半分埋もれている。
なお、ここまで古い踏跡を辿って歩いたが小峠から先、踏跡はない。ラッセル必至だ。


ここからは3人で協力し合ってラッセルなのだ。
それにしてもこの深さだものなぁ、先頭は辛い。


今度は管理人が先頭に立つ。
今シーズンこれで8日目のツアーなので身体が慣れているとはいえ、深い雪に潜ったスノーシューを持ち上げるにはそれなりの脚力を必要とする。順繰りにラッセルするのが疲れない方法。
ちなみにここに女性が混じるとどうなるか。
見栄っ張りの男達はいいところを見せようと思って疲れても交代を言い出さない。その結果、疲れ果てる。今日は男3人で良かった(笑)


さあ、これから刈込湖へ向かって階段を一気に下る。
道標の下に半分以上埋もれた階段があるが、道は雪の下にあって見えないから見当をつけて次の階段を見つける。


階段の段差は埋もれて斜面になっている。
今日はまっさらな雪なので滑ることがないが圧雪されているとよく滑る。それもまた楽しい。


さて、次の階段はいずこに。
雪が深いと階段を探すのも容易ではない。


最後の階段を下りるとそこは大きな雪原が広がる刈込湖だ。


ふ~、2時間半もかかった。


下を向いてなにかをしているKさんとTさん。
ここは凍った湖の上。氷の厚さを確かめているのでしょう。


とにかく風が強い。常時、強い風が吹き荒れている。
男3人、かつてのように寒さと強風に耐える身体に今はない。
迷わずツェルトを張って風よけとし、ランチは中でと決め込んだ。
ナイロン生地1枚だが、あるとないとでは大違いというもので、中でストーブを焚くと寒さとは無縁の別世界に変わる。
本日のランチは自家製のサンドウィッチとウインナ(この日のオプション)にKさんが持参したワインをホットで。もちろん食後はコーヒーを忘れなかった。

※ツアーは基本的にランチ(サンドウィッチ)がつきますがコースによっては例外があります。また、飲み物はつきません。


刈込湖からの戻りは冬道が面白い。
岩場に積もった深い雪をかき分けながら小峠に向かう。
ときに岩と岩の隙間にはまってしまい、ひとりでは脱出できなくなることがある。


ドビン沢に差しかかる頃になってようやく青空が広がった。
風は相変わらず強いが上空が曇天なのと青空なのとでは気分が変わる。


再び小峠。
往きにつけた踏跡は強風で飛ばされてきた雪で埋まっている。


帰りに別角度で見る蓼ノ湖もまたいい。
面積の3/4ほど凍るがここは北から沢の流入があるため凍ることはない。
なお、水辺にカワガラスが棲んでいて、ときおり人の足音に驚いて飛び立つ姿が見られる。


蓼ノ湖から金精道路に這い上がるダラダラした傾斜が疲れた身体に堪える。
これが終わると金精道路に乗り、あとは源泉に向かって下りを残すのみ。
このあと男3人は日帰り温泉に寄って冷えた身体を温め、ペンションに戻って無事に生還したことの祝杯を挙げた。

で、結果である。
5回のツアー中、3回は強風と低気温を味わったのでKさん、Tさんそして管理人が揃うと「何かが起きる」ことは間違いないらしいw
・2017年 刈込湖→強風、ツェルトの中でぬくぬくとランチ
・2015年 丸 山→強風でツェルトが張れず昼食を断念
・2013年 刈込湖→マイナス15度の吹きさらし。体感気温マイナス20度の中で昼食

スノーシュー最後の下見。

2017年1月19日(木)

今年も昨年同様、暖冬少雪でスノーシューの開催が危ぶまれましたが、14日から降り続いた雪のおかげでスノーシューのフィールドは十分すぎるほど雪が積もりました。
例年に比べて3週遅れの開幕となりましたが、これでお客さんにはスノーシューを存分に楽しんでもらえるでしょう。

明後日、土曜日の今シーズン最初のスノーシューツアー開催を前に積雪は十分とは思うものの、念のためにフィールドの下見をおこないましたのでそのご報告を。


「おとぎの森」コース入口の光徳園地です。
ミズナラの林が広がり気持ちが安らぐ場所。小田代ケ原や戦場ヶ原に比べると人が少なく、この広いフィールドを独り占めしたかのような贅沢な気分になれます。


う~ん、いい青空だ。


道路のカーブミラーで自撮り(笑)
ふだんなら頭上にあるミラーが目の前に。


昨シーズンは終わりが2月と早く、今シーズンはスタートが1月後半という遅さ。
そのため例年だと8ヶ月の空白期間なのに今シーズンは10ヶ月と、2ヶ月も余計に空いてしまった。
無雪期の山歩きで使う筋肉とスノーシューで使う筋肉は別物なので、シーズン始めはとても疲れる。今週は土日にツアーがあるので今日の下見で身体を慣れさせないと。
画像のスノーシューはモンベルが輸入販売しているATLAS社の製品。抜群の登攀能力があるのでツアーに参加するお客さんには同じメーカーのスノーシューをお貸ししています。


はて、なんでしょう?
これを見て即答できる人は自然に精通しています。
答はシカの足跡、いや胴体の跡です。
シカの足は細いので雪が深いとお腹が接するまで潜ります。その状態で前進するとこのような深い溝になります。
昔、今の何倍もの雪が降った頃、胴体まで潜って前進できず、その場で餓死する例が数多くあったとのこと。それで個体調整がされていたんですね。


日光では珍しいブナがここでは見られます。


光徳牧場の牛たち。
グリーンシーズンであればノンビリ草をはむ牛と書くところですが、今は雪の下。牧草は牛舎で食べるのでしょう。


管理人が歩いた跡。


シカに表皮を食われたウラジロモミ。ここではよく見る光景です。


場所を金精沢に移して散策。
笹が茂ってふだんなら歩けない林の中をのんびり歩きました。
画像はドライフラワーと化したツルアジサイ。


白根山登山口を示す道標も間もなく雪に埋もれるでしょう。


今月12日はこんな状態でした。


最近はこの車が管理人の足となって活躍しています。
トラックみたいな乗り心地、スピード出ない、燃費悪いの三拍子ですが頑張ってくれています。

白根山は駐車場で門前払い。しかたなく刈込湖から光徳へ。

2016年12月15日(木)

国道120号・金精道路~小峠~刈込湖~涸沼~山王峠~光徳~バスで湯元温泉へ

日本海側の気象の影響を受ける群馬県は日光に比べて断然、雪が多いから、県境に近い菅沼あたりの積雪を見ればその年の日光の積雪がおおよそ予想できる。

去年の12月20日、金精道路の冬季閉鎖前に白根山に登っておこうと、群馬県の菅沼まで車を走らせたが、あまりの雪の少なさに拍子抜けしたことがあった→こちら
年が明け、案の定、日光は雪が積もらず、管理人の冬の収入源たるスノーシューツアーは2月になってようやく開催できるといった状態であった。

来年はどうだろう、それが気にかかり、仕事が空いた今日、菅沼まで車を走らせることにした。そして、どうせ菅沼へ行くのなら白根山に登らない手はない、そんなつもりであった。
厳冬期の白根山だと管理人の手に負えるものではないが、雪の降り始めと残雪期であれば頑張って登れないことはない→残雪期の白根山
ただし、身の危険を感じたらその場で引き返す、それが大前提である。


国道120号線は湯元で通称金精道路に名を変えて山岳道路になる。
その道路は金精トンネルの途中で群馬県となるがトンネルを抜けると景色が一変し、真冬の光景が目に飛び込んでくる。
トンネルの手前と向こうでなぜこうも違うのか。それは群馬県側が日本海側の気象の影響をうけるからで、日光はそのおこぼれを頂戴しているようなものだ。

ここは白根山登山口の菅沼。
この奥、木立に挟まれた部分が駐車場。
積雪は10センチくらいだが圧雪されていないため、我がへたれ四駆だと一度はいったら出ることができなくなってしまいそう。といって路上(一応、国道)は危険だし、ここは無理をしないのがベスト。我が身よりも我が車の遭難が懸念される。
よって白根山は諦めることにした管理人である(泣)


7時前には白根山に登り始めようと自宅を5時半に出たものの、駐車場で門前払いをくらってしまい途方にくれる管理人。まさかこれから宇都宮まで走って古賀志山でもないだろう。
近場でいいところはないかと考えながら車を走らせていたところ、目にしたのがこの案内板。そうだ刈込湖という手があった!
白根山転じて刈込湖というのはあまりにも落差が大きいが、このまま引き下がるよりはいいだろう。前回の山行から2週も空いてしまっているし、光徳まで10キロくらい歩ける。距離に不足はない。


積雪は3センチくらいなのでまだ本格的な雪とはいえない。
ここをスノーシューで歩けるようになるにはあとどれくらい待つのだろう。
なお、ここは地図にあるハイキングコースだが、雪がたっぷり積もるとこれとは別に冬道という、積雪時専用の道ができ、そちらの方が安全。つまり、地図にあるこの道は積雪量と気温によって雪崩の危険があるのだ。


これくらいの積雪なら靴のままで十分歩けるが、スリップは体力を奪うので、チェーンスパイクを装着して疲労の軽減に努めることにした。
年老いた管理人はこのように物理的、科学的な力を借りて山歩きをしている。そうでなかったら身が持ちません(笑)


小峠には30分弱で着いた。
ここは刈込湖ハイキングの際の休憩ポイントになる。
ここまで来ると積雪は5センチほど。ようやく雪の上を歩いてるんだという感触が得られる。
ちなみに例年だと2月になると道標板の下すれすれまで雪が積もる。管理人が経験したもっとも多いときは2メートルある道標がすっぽりと雪に埋もれたことがある。
また、ここから先、地図にある夏道の他に積雪時は冬道もでき、往きは夏道、帰りは冬道というふたつのコースが楽しめる。どちらも安全。


小峠を過ぎるとすぐ、刈込湖方面を示す道標があるのでそれにしたがって歩く。
その道標でクランク状に曲がる場所がある。
ここはアスナロが茂っているが積雪が多くなるとその分、人の位置が高くなるため、これらの枝が胸から顔の位置に来て、歩く邪魔をする。そんなときはここを這いつくばって通過する。


小峠から1キロほどは平らな道が続いているが今度は刈込湖に向かっていくつかの階段を下るようになる。階段の数は12ヶ。地面を歩く距離よりも階段を歩く方が長い。
階段はコメツガやアスナロが茂る林を縫うように設置されている。雪が積もっていると道がわからないため次の階段を探すのに苦労する。そればかりか階段が雪に埋もれてしまうと探しようがない。
そんなときは階段の形をした雪のかたまりを探して歩くわけだが、それはそれでゲームでもしているかのようで楽しみながら歩けるというものだ。


12ヶの階段を下りきると眼前に刈込湖が現れる。
グリーンシーズンは自然美を提供してくれるがこの時期はただ荒涼とした景色が広がっているだけ。
グリーンシーズンの刈込湖→こちら


刈込湖は早くも氷結が始まっている。
1月半ばを過ぎると全面、氷に覆われる。
中央、遠くに見えるのは太郎山。
ちなみに管理人が主催している刈込湖のスノーシューツアーだとここでランチにして折り返す。
ところがここは太郎山から吹き込んでくる風が厳しくて、ゆっくりランチを食べられることなど希だ。マイナス17度というとてつもない寒さを経験したのもここ。若い参加者よりも老齢の管理人の方が先に逝ってしまいそう(^^)


湖からハイキングコースに戻り、これから光徳に向かう。


刈込湖と水路で結ばれている切込湖。


冬は野生動物が活動がよくわかる。
これはホンドリスの足跡。他にノウサギ、キツネ、シカがさかんに活動しておりました(足跡で)。


涸沼。
山から吹き下ろす風に凍えそう。


いよいよ本日のハイライト部分、涸沼から山王峠へ向かって急斜面の登り。
距離は短いながら標高差120メートルも斜面を一気に(途中で休んでもいいのですが・笑)に登る。
地図(最後の画像)で見てわかるとおり、この道はジグザグにつけられている。積雪が多くなると当然ながら道は見えなくなる。そんな場合は雪に埋もれている道を探して歩くなどいうことはできなくなる。でどうするかというと、見当をつけて涸沼から山王峠までほぼ直線的に登っていくのである。傾斜は約30度、実に気持ちのいい登りが楽しめる(^^)


山王林道の峠付近。
生活道路ではないためここも冬は閉鎖してしまう。
最後に通過したであろう車の跡を横目に、ここから再び林間に入っていく。


ハイキングコースの山王峠。
ここから光徳までコメツガ林の中の長い下りだ。


雪の重みで笹が道をふさいでしまっている。
が、それも今のうちだけ。積雪が増すと笹は雪に隠れて歩きやすくなる。


ハイキングコースの始点終点となる光徳に着いた。
マイカー登山の場合、登山口と下山口が異なると、登山口まで車を取りに行かなくてはいけない。今日だとその距離5キロ。白根山を予定していたため重たい冬パンツに冬ジャケット、ザックもいつもより重いから汗をかくこと必至となる。冬の汗は身体を冷やす。
ここんところはお手軽にバスで移動しよう。今日は白根山を断念せざるを得なかったが、駐車場に雪が積もっていたためという理由はサマにならない。その時点で気分が萎えていた。今さら頑張ってもしかたがないと考える管理人なのである(笑)


本日の歩行、約9キロ、3時間50分。

雷霆ノ滝と咆哮霹靂ノ滝。こんなへんてこな名前の滝は是が非でも訪れたくなるというもんだ。

2016年10月6日(木) 一日中晴れ

今年3月、残雪の釈迦ヶ岳に二度、登った。
この冬は極端に雪が少なく、冬の営業の柱となるスノーシューツアーを早々に切り上げざるを得なかった。スノーシューツアーは管理人の冬の仕事として、参加するお客さんとともに楽しむことにしているのにそれが叶わなかったという不満が残った。かつて管理人が経験したことのない、最悪な冬であった。
それが管理人をして残雪の山に向かわせた。

赤薙山、女峰山、前白根山、白根山、山王帽子山、外山などスノーシューで歩くには厳しくて、ツアーには組み込むことのできない山を狙って出かけていった。
それにも飽きたらず、より遠方にある高原山へ遠征もした。
高原山は鶏頂山、釈迦ヶ岳、中岳、西平岳の4座の総称で、日光市と塩谷町、那須塩原市の境界線上にある。自宅からだと奥日光よりは遠いが那須の山ほど遠くはなく、移動に苦痛を伴わない。
すぐ近くに人気の高いハンターマウンテンスキー場があるくらいだから雪は多いんだろう、そんなレベルの動機であった。

初回は鶏頂山スキー場跡から歩き始めて息絶え絶えになりながら4座を縦走し、二度目はツツジの名所として名高い矢板市の八方ヶ原から釈迦ヶ岳へのロングコースを、これも息絶え絶えで帰ってきた。
とにかく長距離、長時間のコースを息絶え絶えで歩くというのが管理人の山歩きのスタイルであり、年甲斐もなくそれが満足につながっている。
両コース、管理人と同じようなスタイル、というか性癖のある方にぜひともお勧めしたい(笑)。きっと満足できることでしょう。

二度目の釈迦ヶ岳は県道56号線の学校平から歩き始めたが、そこで見つけた案内板に「ライテイ滝」、「ホウコウヘキレキ滝」という、奇妙な名前の滝があることに、滝好きの管理人は大いに興味をもった。
他にも雄飛の滝、素簾の滝、仁三郎の滝というのも案内板にある。
地図で見ると滝の源は釈迦ヶ岳の東北東に位置する剣ヶ峰(1540M)のようだ。
その剣ヶ峰から、桜沢という優雅な名前の流れとスッカン沢という奇妙な名前の流れが始まり、桜沢にライテイ滝とホウコウヘキレキ滝が、スッカン沢には素簾の滝、仁三郎の滝、雄飛の滝がかかっている。

学校平からだとライテイ滝とホウコウヘキレキ滝を巡ることはできるが、スッカン沢にかかる滝へは道の崩落で行けないらしいことがわかった(別の入口からなら行けるらしい)。
それらは日を改めて巡ることにして、今日はライテイ滝とホウコウヘキレキ滝に絞り、もしも崩落しているとされる道が安全に通れるようならば踏み込んでみたいと思う。

なお、ライテイ滝は正確には「雷霆ノ滝」、ホウコウヘキレキ滝は「咆哮霹靂ノ滝」と書く。漢字だと紙に書けないような難しい名前だ。
名は体を表す、日光の滝は名前と姿形が一致するのが多いが、はたして雷霆や咆哮霹靂とは、名前からでは姿形など想像もできない。大体、読むことすらできないもの(笑)


東北自動車道の矢板インターと西那須野塩原インターのちょうど中間くらいを県道56号線が北西に向かって延びている。車を矢板市郊外まで走らせたところがツツジの名所として有名な八方ヶ原で、ツツジの季節になるとそうとうな賑わいを見せるらしい。
釈迦ヶ岳は「山の駅・たかはら」が登山口になる。
今日は同じ場所に車を駐めて釈迦ヶ岳とは反対方向に歩いて行く。


駐車場の入口の方を見たところ。
釈迦ヶ岳へはあのこんもりした林の中へ入っていく。


「山の駅・たかはら」の左にトイレがあり、その脇の煉瓦敷きの道が「雷霆ノ滝」と「咆哮霹靂ノ滝」へと向かっている。
とはいってもこの煉瓦敷きがずっと続いているわけではなく、すぐ地面に変わる。


道は山の裾野を巻くようについていて、両側は笹だが路幅は広くて歩きやすい。
この平坦なままで滝まで行けるのかと思いきや、、、


那須塩原市に入った辺りから傾斜が厳しくなってきた。


左に沢が見えるようになると下り斜面になった。
あらかじめ調べたところスタート地点の学校平の標高が1050メートルで、目指す雷霆ノ滝が800メートル、咆哮霹靂ノ滝が700メートルなので下り一方のコースだ。帰りが大変だな。


沢が間近に迫ってきた。
これが桜沢でしょう。


コースを横切って桜沢に注ぐ小さな沢がいくつもある。


ハイキングコースというだけあって道標があちこちにあり、迷いようがない。


おっ、これが雷霆ノ滝だな、と誰が見てもわかる(笑)
落差は10メートルくらいだろうか、小ぶりだが水量豊かで豪快。
雷霆とは雷の激しいやつだそうだ。この豪快な流れを雷に例えた?
滝壺には大きな岩があり上に乗って滝を正面から見ることができる。でもこの角度が立体感があっていい。


次は咆哮霹靂ノ滝を目指すのに桜沢を横切る吊り橋を渡る。
結構な揺れを体験できるぞ(笑)


桜沢を横切ったので今度は流れを右に見ながら進んでいく。


ここで咆哮霹ノ滝への道と雄飛ノ滝へのコースと分岐する。


が、残念ながら通行止めの案内板と木の柵に阻まれる。


咆哮霹靂ノ滝。
辞書でひもとくと(笑)、咆哮とは獣が吠え叫ぶことであるし霹靂とは突然の激しい雷とある。
雷霆ノ滝も激しい雷のことを指しているがこの滝はさらに輪をかけて激しく流れ落ちている、ということなのだろう。
昔、人が猟をするためにこの山に入って見つけた2つの滝を見て、その驚いた様子がわかる名前だ。


咆哮霹靂ノ滝の流れを追っていくと通行止めの案内板がかかった吊り橋があった。
橋が壊れているような様子ではないので渡ってみることにした。


下をやや白濁した水が流れている。
滝の流れは透明だったのになぜ、と疑問に思った。
その疑問はすぐに解けた。
地図で見るとこの流れはスッカン沢で、咆哮霹靂ノ滝の桜沢ではないのだ。
それにしてもなんとも不思議な水の色だ。まるで硫黄泉のような濁り方である。
剣ヶ峰から東へ派生している尾根の北側がスッカン沢で南側が桜沢になっている。
尾根の北と南という違いだけで水質が違うようだ。
ちなみにスッカン沢は「酢っ辛い沢」が転じたらしいので、硫黄や炭酸成分が含まれているのかもしれない。


吊り橋を渡りきり、とりあえず安全が確保される道を歩いてみた。
進むほどに道は荒れ、魔界へと案内されている感じがする。この辺りで引き返すべきでしょう。


咆哮霹靂ノ滝、雷霆ノ滝を抜けて学校平へ、今度は300メートルの上りが待っていた。




食べ物は1ヶ109キロカロリーのあんパン2ヶと同79キロカロリーのスティックパンを2ヶ、計376キロカロリーだった。これに砂糖入り缶コーヒーとスポーツドリンクを加えると500キロカロリーくらいだろうか。
今日は登山と言えるほどの難易度ではなかったので、消費エネルギーは1200キロカロリーくらいだったと思う。
それに対して補給が500キロカロリーだから700キロカロリーの不足だ。
ゴールまで数時間もある状況で700キロカロリーも不足していたならハンガーノックを起こす危険性があるから、適時小まめに補給するのが望ましいが、4・5時間程度の軽いハイキングであれば無理して詰め込むこともない。

駐車場に着いたときはさすがに腹ぺこだったが1時間ちょっとで自宅に戻れるんだと考えると、いまここで空腹を満たしてしまったら晩酌が進まなくなる。そんな計算が働いたわけだ(笑)。

※登山で消費されるエネルギー量のことを詳しく説明してあります→こちら
※1200キロカロリーは5メッツ×4.5時間×55キログラムという計算。5メッツとは軽いハイキング程度の運動強度。7・8時間に及ぶ本格的な登山だと7~8メッツで計算するといいと思う。55キログラムは管理人の体重。

満水に期待して行ったが干上がって見る影もなかった西ノ湖。が、意外な事実に謎が解けた。

2016年8月31日(水) 晴れ

極端に少ない雪、長梅雨、晴れる日のない夏といった異常気象を象徴する今年の日光は、秋(8月下旬の日光はすでに秋)に入ってもおかしな天気が続いていて、これは日光だけの現象だけではないのだが、台風が南海上から直接、北上して関東を直撃するなど異常はとどまることを知らない。一刻も早く例年通りの天候に戻ってほしいものだがこれは地球規模の問題であり、一国民の手に負える問題ではない。

夏と秋の自然現象、なかでも台風に伴う大雨は水害や土砂災害などをもたらせ深刻だが人への被害を心配する必要のない、建物も植林地も人工物も一切ない場所では恵みの雨となり、普段では見ることができない自然の美というものが我々の前に現れる。
奥日光でいえばその代表が「小田代湖」の出現である。
台風が強い勢力を保ったまま奥日光を直撃したときだけに見られる現象で、頻度は実に希で数年に一度しかないが、その美しさには惹きつけられる。
小田代ケ原の象徴、貴婦人が湖に映り、そこをカモが悠然と泳いでいるなど、小田代ケ原に足繁く通っている人でさえ滅多に見ることのない光景がそこに展開する(画像は11年10月、台風直後の小田代ケ原)。

一方で、干上がった湖が水位を取り戻すのも大雨による恩恵だ。
中禅寺湖西端のさらに奥にある西ノ湖は、流入する川がないため雨の降らない期間が長く続くと水が湖底にしみこんで水位が低下し、渇水期におけるダム同様、干上がってしまう。
干上がった湖の水位が元に戻るにははやり、雨が降らないことにはどうしようもないわけであり、その雨こそ台風に依存するしかない。

今月になって台風9号と10号が相次いで関東を直撃した。日光もそれなりの降雨量とはなったが、とはいえ日光は栃木県北部に位置するので多くの場合、通過するのは勢力がだいぶ弱まってからだ。
長梅雨そして、台風9号と10号の恩恵にあずかれたのかどうか、この目で確かめられずにはいられない。
画像上は07年9月の台風で氾濫した西ノ湖。ここまで望まないがそこそこあってほしい。


西ノ湖へは赤沼駐車場から出ている低公害バスに乗り、西ノ湖入口で下車するのが一般的。
他には低公害バスの車道を歩くという手があるが、2時間は覚悟しなくてはならない。
ハイキングのつもりなら龍頭滝から中禅寺湖に沿って千手ヶ浜まで歩き、さらに千手ヶ原を歩いて西ノ湖まで、景色やツツジ(5月)を楽しみながら約3時間で行ける。


バス停・西ノ湖入口で下車し道標にしたがって西ノ湖へと向かう。


カラマツとシラカバに挟まれた道は開放的でとても気持ちが良いものだ。
一応、車道なのだが一般車は入ってこない。が、熊が歩いてることがたまにあるらしい。


柳沢川にかかる吊り橋。


鬱蒼とした林の中は夏でも涼しい。
この時期はシロヨメナが咲き誇っている。


バス停から約20分で西ノ湖に到着。
水はずっと後退してこの有様。
満水時はここまで水があるのに今年の長梅雨と台風でもだめだったか。


湖の西から見たところ。
平時なら左の木立ぎりぎりまで水があるのに、まさに渇水状態である。


水際に近づこうと歩いていると不思議な光景を目にした。
干上がった湖底から水が湧き出ていてわずかに残った湖に向かって流れていくではないか。
西ノ湖は外からの水の流入がないばかりでなく、湖底から水が湧いているという話もこれまで聞いたことがない。はたしてどうしてここに水が湧き出しているのか、長年通っているが新しい発見だ。


流れは水際に近づくにつれて幅が広くなり、湖底を潤している。


今度は西ノ湖を東側から眺めてみた。
画像の右の方から水が流れ込んでいる。
今日の現象を考えてみると、湖底に水源があって常時、水が湧き出ているのなら西ノ湖は渇水しない。したがって湖底に水源があるとは考えにくい。
この謎を解く鍵は西ノ湖の北、350メートルに流れる柳沢川だ。
地図で見るとわかるが柳沢川と西ノ湖の水面は標高1300メートルで同じだ。
もしも柳沢川の一部が西ノ湖の近くで伏流しているとすれば、湖底が見えるほど西ノ湖の水位が低下した場合だけ伏流水が湖底からひょっこり顔を出すということが考えられる。管理人がいま見ている現象はまさにそうなのであろう。
ということは、柳沢川の流れが十分にあるのなら雨が降らなくても西ノ湖の水位は復活する、そう考えても良さそうだ。ただし、そのためには西ノ湖の水が湖底にしみ込む量を柳沢川の伏流水の量が上回るという条件がつく。

これまで管理人は、西ノ湖の水位は雨の量で決まる、そう思い込んでいた。
ところが湖底から水が湧き出しているのを目にして、それが答だとは言えない、そう考えるようにした。


西ノ湖が干上がるのはよくあることだ。
そして干上がった湖底のあちこちにイトキンポウゲの愛らしい姿を見ることができる。
花は直径5ミリほど、目を凝らさなければわからないほど小さい。


林の向こうに白根山が見える。
満水状態で言えば管理人が立っている場所は水の中なので平時は見ることができない。


巨大なハルニレの木。


さて、次は小田代ケ原と戦場ヶ原をぐるっと回って花を見ることにしよう。
同じバス停から乗ったのでは面白くないので、千手ヶ原を中禅寺湖まで歩いて低公害バスの終点から乗ろう。


中禅寺湖の西端、千手ヶ浜。
男体山の眺めが実にいい。
6月になるとこの近くのクリンソウの群落を見る観光客でごった返すが、季節外れの今は静かだ。


バスが小田代ケ原に着いた。
まずは小田代ケ原全体を見回すことに。
残念ながら小田代湖はできていなかった。
これから半周して次に戦場ヶ原に入り、車を置いた赤沼まで歩く。


アキノキリンソウ


木道が整備され途中までなら車椅子が入れる。


ニッコウアザミ


ホザキシモツケ


トネアザミ


ハクサンフウロ


トモエシオガマ


戦場ヶ原から男体山を眺める。


ワレモコウ


ウメバチソウ


エゾリンドウ


戦場ヶ原を龍頭滝へ向かって流れる湯川。


今日はCanonのG9Xで撮ってみました。初撮りです(^^)
この画像を撮ったのは左に写っている、RICOH のCaplio R6。720万画素の古いカメラですが写りのよさといい手の平にすっぽり収まるサイズといい、山歩きに携行するのに最適で管理人のお気に入り。
1台目はストロボの発光が弱くなったのでボツにして、中古を2台買って使っています。
黒いボディはRICOH のCX5。名機と言われていました。