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高原山5座目の明神岳を果たしたが計画の甘さで大失態。

2017年4月5日(水)

7:50/大鳥居~8:19/枯木沼~9:18/弁天沼~10:36/明神岳分岐~12:47/明神岳~13:08/展望台(昼食)~14:01/P1640~14:15/ゲレンデ下降~14:35/管理道路~15:08/有料道路~15:47/大鳥居

計画では明神岳ピストンの予定だった。
7:30/大鳥居~8:20/枯木沼~9:10/弁天沼~9:50/明神岳分岐~11:30/明神岳~11:45/ゴンドラ駅(昼食)~13:50/明神岳~14:10/御岳山~14:30/弁天沼~15:10/枯木沼分岐~15:40/大鳥居

スノーシューツアーの定番コース、霧降高原丸山へ向かって歩いて行くとまず八平ヶ原で、次に丸山の尾根から高原山がよく見える。
高原山は鶏頂山、釈迦ヶ岳、中岳、西平岳の総称で日光市に属する鶏頂山から始まり、東へ右回りに釈迦ヶ岳、中岳、西平岳へと尾根が続き、外輪山の様相を呈している。尾根に立って見下ろすとそこは深さ700メートルもある噴火口に見えるから、これら4峰は外輪山に間違いないのであろう。
4峰とも標高1700メートルを超えるが1794.9メートルの釈迦ヶ岳が主峰といえそうだ。実際に八平ヶ原から遠くに見る釈迦ヶ岳は中岳と西平岳を従えて堂々とした山容を見せている。
釈迦ヶ岳は日光市、塩谷町、那須塩原市にまたがり、登山道も釈迦ヶ岳に収束されている。このことから見て、釈迦ヶ岳主峰説に間違いはないであろう。と、管理人は独自のというか、勝手な説を唱えている(笑)遠くに見えるあの山の頂に立ってみたい。
これは山歩きをたしなむ人、共通の思いであり、誰も否定できないはずだ。
昨年3月、主峰・釈迦ヶ岳を目指した。
しかし、せっかく尾根続きの4峰だ。釈迦ヶ岳だけで終わらせるのはもったいない。4峰縦走をやってみようと考えた。9時間かかって駐車場に着いたときは足がふらつく始末であった。雪は少なかったとはいえノートレースの雪の上を自分でルートを考えながら歩かなくてはならなかったし、釈迦ヶ岳から西平岳へ向かうルートは隠れて見えない危険箇所がいくつかあった。距離も長かった。だが、疲れ果てはしたが達成感も大きかった。
高原山9時間の死闘→こちら

釈迦ヶ岳の頂にもう一度。2日後の31日、今度は矢板市・学校平からのルートで登ったのだが、前回とは趣が異なり、このルートは15キロのトレッキングが楽しめることがわかり大きな収穫となった。
こちら

鶏頂山、釈迦ヶ岳、中岳、西平岳の4峰を総称して高原山と呼ぶのは先ほど書いた通りだが、鶏頂山と釈迦ヶ岳を結んでいる尾根の中間に位置する御岳山から北へ向かって延びる尾根があって、御岳山の2キロ先に明神岳がある。さらには明神岳の北東1.3キロの位置に前黒山がある。明神岳はハンターマウンテンスキー場の母体となっている山だ(画像参照:明神岳と前黒山の間の斜面が白く見えるのがスキー場)。
この2峰を高原山に含めていいのかどうか管理人にはわからないが、高原山と尾根でつながっているから同じ山域であることは明らかである。
ならば次の目標は明神岳と前黒山と決め、6峰完登をやってみたい。

問題はルートである。
明神岳はハンターマウンテンスキー場の最上部に位置し、車道からの距離は2.6キロと短い。しかし、地図に道は描かれていない。そこで昨年、4峰を歩いたときのように、鶏頂山の東の麓、大鳥居を起点に地図に描かれているルートで御岳山に出て、そこから尾根伝いに北上する方法を考えた。
地図で見る限り、最初の下りと明神岳直下の登りが厳しそうだがその間は緩やかなアップダウンと読める。だが、歩き始めてからの距離が片道推定6キロ強と長いのがいやな材料だ。
昨年の実績では御岳山までの4キロを2時間半かかっているから、大鳥居から御岳山の往復8キロだと4時間が消費される。残りの2キロに果たしてどれほどの時間がかかるのか。無雪期であれば1時間、浅い残雪だと1.5時間と見ておけばいいのだが、雪が深いと2時間は見ておく必要がある。すなわち、大ざっぱには次のような計画だ。

大鳥居~4.0キロ/2時間半~御岳山~2.3キロ/1時間半から2時間~明神岳=計6.3キロ/4時間から4時間半
もちろん、これは片道なので、往復だと帰りの御岳山からの長い下りを減算して7~8時間といったところ。まっ、いつものことながら10時間以内ならば良しとして、実行に移すことにした。


鶏頂山の登山口はふたつある。
いずれも日塩有料道路に面していて日光に近い方の赤鳥居の建つ登山口と、そこから800メートル先の元鶏頂山スキー場だ。両者並行し枯木沼で交わるからどちらから歩き始めても時間のロスはない。
昨年は元スキー場から歩き始めたので今回は赤鳥居にしようと考えたのだが道路脇の駐車場にはまだ雪がごっそり積もっていて使えず、昨年と同じように元スキー場を出発点とした。
なお、昨年はこの大鳥居を車でくぐって大駐車場まで入れたが、今年はご覧の通りだ。道路脇の待避所に車を置いて歩き始めた。先着車が1台駐まっていた。
ちなみに、ここから歩き始める場合は鳥居をくぐると遠回りになる。鳥居の反対、鳥居に背を向けて歩くのが正解。



元スキー場のロッジ脇が登山口で信仰対象の山らしく、案内板には登拝口と書いてある。この奥に見える林に向かって歩いて行く。



雪は締まっているので始めはチェーンスパイクで歩いてみよう。
深くなったらスノーシュー、アイスバーンの急な斜面に出合ったらアイゼンにピッケルをと、今日は冬道具満載で歩き始めた。ザックの重さは12キロほどになっている。



この斜面など荒れてもいないのでスキー場のゲレンデとしてまだ十分に使えそうだ。
踏跡がいくつか確認できるが真新しいのがある。先着車の持ち主かもわからない。


振り返ると展望が開けていた。
おそらく会津の山並みだと思うがあまりにも遠くて山名は特定できず。


これはゲレンデなのか登山道なのかわからないが広く歩きやすい。


歩き始めて30分。枯木沼入口に到着した。
鳥居の先は湿地帯になっている。
昨年は池塘が見られたし木道も露出していたが今年はまだ厚い雪に被われている→昨年3月29日の枯木沼


枯木沼を抜けた辺りから雪が深くなり、ここでチェーンスパイクからスノーシューに履き替えることにした。



おそらくリフト券売り場だったのであろう朽ちた小屋。
1961年にオープンしたらしいが当時、日本は好景気に沸いていたはずだ。
バブル景気崩壊後、数年は営業を続けたが隣接する大規模かつ近代的なスキー場に規模、設備とも勝てず、2000年に閉鎖されたという。


弁天沼
雪のない季節の状況は知らないが質素な鳥居に石碑、鐵の鐘楼、祠などがあり、ずいぶんと神々しい雰囲気が漂っている。


地名から察してどこかに沼でもあるのだろうことを想定し、念のため地図にある道の通りに歩くことにする。
道を外して沼にどぼん、などといった事態にならないようにするためだ(笑)


弁天沼からはこれ以上スノーシューで歩くのに適したフィールドはないというほど、平坦で広い林が広がっている。周りを見回しながらのんびり歩いているうちに傾斜が変わった。


傾斜がきつくなった先が鶏頂山と釈迦ヶ岳を結ぶ稜線だ。
ここを右へ行くと鶏頂山、左が釈迦ヶ岳。
先行者の踏跡はここから鶏頂山へ向かっている。管理人は釈迦ヶ岳方面に向かう。


分岐から釈迦ヶ岳へのルートの積雪は多くない。
それが返って足を遅くした。
傾斜がきつくまた、木々がこみ入っているのでスノーシューがじゃまになった。といってアイゼンあるいはチェーンスパイクに履き替えようという気持ちにもなれなかったのは、先を急ごうという焦りがあったのかもしれない。


尾根の南側は切り立っていて大きな雪庇が張り出している。木がある場所までなら大丈夫と思って近づくと雪のブロックもろとも数百メートル落下する。なにしろ足は地面の上ではなく雪の上にあるのだから。


ピーク1690。このすぐ手前が御岳山。
ここで道は釈迦ヶ岳方面と明神岳方面に分岐する。
昨年はここを直進して釈迦ヶ岳へと向かった。800メートル先、1時間弱で釈迦ヶ岳に着いた。
今日は明神岳方面へ北上するが未踏ルートであるため時間が読みづらいところだ。
地図を見ると分岐から明神岳に向かって市境線が続いているのだが、この分岐は市境線よりやや東に位置していることがあとからわかった。ただし、明神岳へ向かうのになんら差し支えはない。
まずはいきなり30度もある急斜面を下ることになった。斜面は広く、尾根にはなっていないため、とにかく北へ向かって下ることにする。


ピーク1690からの急な下りをクリアすると、そこは広い雪原が広がっていた。
今いる位置が市境線の上らしいことがGPSが示す緯度経度でわかった。
市境線の次の変曲点に向かってコンパスを合わせる。


なんとなく尾根らしくなってきた。
それにしても広くていい尾根だ。


ふたたびだだっ広い雪原と化す。


ミズナラの古木。


急斜面への進入を防止するロープがある。
明らかに人が歩いている証。


ヤシオツツジに違いない。


見上げると木の構造物が見えた。
見晴らし台なのだろうか。
傾斜も急になったしここは明神岳直下と思われる。


明神岳への道を示す道標の脇をすり抜けると、、、、


先ほどの見晴らし台よりも大きい構造物が見えた。
ここから左へ杭が一定間隔で並んでいる。雪の下は木道らしい。
一応、順当に杭に沿って歩いてみた。だが、杭は明神岳を巻いて敷設されていることがわかった。


見当をつけて杭から外れて斜面を上がったところ、そこが明神岳山頂だった。
木々に囲まれて視界はない。山名板は明神岳西峰山頂、標高は1640メートルとある。
おかしい。
GPSで現在地を確認するとここは地理院地図にある1627メートルの明神岳に間違いない。しかしなぜか、山名板は1640メートルになっている。それに地理院地図には西峰という記載はない。
地図を見るとこの北北東にもうひとつのピークがある。そこの標高が1640メートルだ。
この山名板にある標高1640メートルとは、もうひとつ先のピークを表していることは明らかだ。山名板の制作ミスであろう。


山頂をあとにさらに北へ向かって歩いてみると、ふたつの展望台があることを示す道標があった。
右つまり、いま来た道を戻ったところに日光連山を眺める展望台があるらしい。ということはさきほどの大きな構造物がそうなのか?
今日の目的は高原山そして明神岳から振り返って日光連山を眺めることにある。
時間のロスはやむを得ないが先ほどの構造物すなわち、展望台に戻ろう。


丸太の杭に沿って戻り、展望台にやってきた。


展望台に立って眺めると高原山がすぐ目の前に見える。いい眺めだ。
ここからだと丸山から眺める山の位置関係が逆転し、左が釈迦ヶ岳、すぐ右の小さなピークが中岳、西平岳は釈迦ヶ岳に隠れて見えない。
その右のこんもりしたのが御岳山でその右のきれいな三角形を描いているのが鶏頂山である。


高原山の右が日光連山のはずなのだが今日はかすんで見えない。
おそらく気温が高まるこれからの季節はかすんでしまうのだろう。

今日は思いの外、時間をくってしまった。
計画だと明神岳山頂に11時半に着く予定だった。
歩き始めが計画よりも20分遅くなったことにくわえて雪が深かったこと、さらには御岳山からのルートが広すぎてわかりづらかったことなどが理由である。
これから昼メシを食べて、いま来たルートを辿って戻るとすれば日没の可能性もある。高原山5座目は終わったのだから欲張らず、時間をかけて探索してみたいと思う。
帰りはスキー場のゴンドラで下山すればいい。同じルートを戻って日没を迎えるよりもその方が安全だ。
そう思ったら気持ちに余裕が出た。山頂を隅々まで歩いて次の目標とする前黒山の参考にしよう。


ゴンドラで帰ることに決めたことで時間は気にしなくてもよくなった。
展望台を降り、さきほどの明神岳山頂を通りすぎ、道標にあった関東平野展望台までやって来た。ここが地図にあるもうひとつのピークで標高は1640メートル。祠のある明神岳よりも高い。

山名板が立木にくくりつけてあった。
山名板は明神岳となっているがここは地理院地図に山名が描かれていない。
地理院地図にある明神岳は先ほどの祠のある場所、正確には北緯36度55分14.10秒、東経139度46分18.60秒の場所なのであり、ここではない。

察するに、祠のある場所が明神岳「西峰」となっているので、そこは本当の明神岳ではないと考えた取り付け主は、西峰よりも標高が高いこの場所を本当の明神岳だと思い込んで山名板を取り付けた、そう考えると合点がいく。
ただし、それは地理院地図が間違っていることを前提とした場合だ。はたして地理院地図が間違っているのかどうか、それは管理人にはわからない。

いずれにしても地理院地図のピーク1627が山名板だと1640になっていたり、地図にない場所が明神岳になっていたり、とてもややこしく不自然な感じがした。


さらにおかしいのは同じ場所に別の山名板があって、それには標高1627とあることだ。ここは地図で明らかなように標高1640メートルなのである。
同じ場所に標高1640メートルと1627メートルの山名板が並んでいることの違和感。こうなるともう、基本となる地理院地図の記載を無視した自己主張争い、山名板取り付け争いというほかに言いようがない。
山の所有者の許可なく山名板を取り付けることの是非は別問題として、山名板を取り付けるのなら地形図を読む能力を身につけてからにしてほしいと願う。
地理院地図にも間違い、というよりも長い間、更新されないことによる現状との不一致(特に登山道)が散見されるが、標高や山名は間違いないはずだ。
したがって、明神岳を例にとると、山名板に記載されている標高が地図に記載されている標高と違っている場合は、山名板を取り付ける側の地図の誤読あるいは無視に原因があるように思える。
いずれにしてもこのようなデタラメは登山者を惑わすだけである。


山頂をあとにして、ご覧の通り管理人はいま、スキー場のゲレンデ内を歩いて下っている。
山頂からゴンドラ乗り場まで行ってみると、4月になって運行を終了したことがわかった。
リフトはまだ動いているが下りでは利用できないことは知っている。リフトの係員に相談したところ、ゲレンデの端なら歩いてもかまわないとのことだった。
ゲレンデの端、まさにこの部分を下っていたところ、パトロール員に咎められ、丁重ながらも厳しく注意された。リフトの係員よりも権限が強いはずなので素直に従うことにした。
が、ここから明神岳に登り返して同じルートで帰ることなどとてもできそうにない。パトロール員監視の下、このまま降りることを許してくれた。
山姿の男がゲレンデを降りていく様は周りには奇異に映ったであろう。それを許したスキー場は利用者に非難されるかもわからない。大げさかもわからないが、それくらいの感性は管理人にもある。
シーズン終了間際の平日ということもあって例外扱いをしてくれたものと考え、自分の不甲斐なさを恥ながら下っていった。
ゴンドラで降りることなど計画外であったため、当然ながら運行期間は調べていない。その迂闊さに気持ちが萎えた。
のんびりと昼メシなど食べず、山頂で余計な探索などせず、山名板になど気を取られずにいたならば同じルートで戻れたはずだ。計画の変更が災いをもたらせた。思考はどんどんマイナス側に振れていく。気持ちはますます萎えていく。


最後のリフト降り場の手前にスキー場の管理道路があって、そこから有料道路に出るようにとの指示があった。


ようやく有料道路に出られたが管理道路はやけに長く感じられた。
ここから大鳥居までどれくらいの距離なんだろう。そんなことを思いながら重い足を運んだ。


ハンターマウンテンスキー場より一足早くシーズンを終えたエーデルワイススキー場。


管理道路から歩き始めて5キロ、1時間10分かかってようやくスタート地点の大鳥居まで戻った。実に長い道のりだった。


昨年、初めて歩いたとき、大鳥居から弁天沼を抜けて鶏頂山と釈迦ヶ岳を結ぶ稜線に出るまでの間の雪原の素晴らしさに感嘆した。
今日も昨年と同じルートを辿ったわけだが、この雪原こそスノーシューで歩くのに相応しいことを確信した。
稜線に出るまで約2時間、往復4時間ならツアーに最適である。ルートがわかりづらいという難点はあるが、これはなんどか通うことで克服できる。
明るく開放的で変化に富んだ景色。危険な場所はなくまた、読図の練習にもってこいのフィールドの広さはきっとお客さんに満足してもらえることだろう。問題は日光から遠いということ、これさえ解消できれば頻繁に利用したい。

雪の山王帽子山と赤薙奥社へ。Tさんの要望はそれは過酷なものであった。

日光駅を起点にいくつものスノーシューのフィールドを有し、そればかりか冬でも安全に登ることのできる2千メートル峰もある、それが冬の日光を際立たせる魅力ではないかと思っている。

管理人が日光をスノーシューのフィールドとして利用を始めたのは1998年のこと。翌99年には商業ツアーとして確立し、現在に至っているわけだがその間、延べ2000名ほどの人が管理人が主催するスノーシューツアーに参加してくれた。
そのごく一部、ほんのひとにぎりではあるがリピート、そして常連に至ってくれているのがありがたい。

管理人も高齢者群に属するようになりこの先、あと何年ガイドを続けられるかわからない。今の体力、脚力が維持できるならばあと2シーズンは務まるだろうが、以後はわからない。
そこで以後は参加者を常連客に限定して、管理人も楽しめる有意義な時間を過ごしたい。いわば冥土の土産になるような楽しく、充実したツアーにしたいのだ(お客さんを冥土に連れて行くつもりはありませんのでご安心ください)。

スノーシューのガイドとしての終末を、常連客だけを対象に、いっしょに管理人も楽しめるツアーができればベストである。ときにはお弁当を担いでピクニック気分で(チーズフォンデュパーティーのように)、ときには重装備で冬山へ挑むというように、相手に応じてスタイルを変え、難易度を変える。ガイドと客という垣根を取り払い、体調が悪いときは健脚の常連さんに管理人がガイドされるというのもありだ。それが管理人の終末にふさわしいスタイルではないかと思っている。

ピクニックにするか冬山登山にするかは常連さんの脚力と精神力次第ということになるが、後者の最右翼として、2012年から毎年ツアーに参加しているTさんを挙げる。脚力が群を抜いている。たぐいまれな脚力の持ち主といって過言ではない。
なにしろ同時に歩き始めて10分もすれば、管理人と100メートルもの差がついてしまうくらいだ。管理人、足が遅いのは自認しているが、それにしても恐ろしいほどの速さだ。
その上で特筆できるのは、強靱な精神力をもっていることだ。
危険と隣り合わせで挑むスキューバダイビングの長い経験が山でも生きているのであろう。
終末の管理人をガイドしてくれる常連さんとしてTさんほど適役の人はいない。
そんなTさんからの今回のリクエストは2日間、ガッツリ歩きたい、というものであった。

管理人に100メートルもの差をつけてしまうTさんの“ガッツリ“とはどんなレベルなのか、これまでの付き合いでおおよそのことは想像できる。
つまり、距離が長くなおかつ高低差が大きいこと。端的に言えばスノーシューによるハイキングなどではなく、雪山登山だ。
Tさん、冬の丸山にも赤薙山にも登っているし、満足してもらえる山は他にどこがある?

そういえば2年前の3月、山王帽子山に挑戦したときはあまりの雪の多さにラッセルの連続そして、ふだんなら頭上にあるはずの木の枝が目の前に立ちはだかり、時間ばかりくって途中で断念したことがあった。再挑戦してはどうだろうかという考えが浮かんだ。
しかしだな、今回は2日間のツアーだ。初日に山王帽子山に登ったとした場合、では2日目の候補はどこにすればいいかという問題が浮上する。Tさんのことだからもっと難易度の高い山へなどと言い出しかねない。
いや、待てよ。初日は丸山か赤薙山でお茶を濁して2日目に山王帽子山という方法もあるな。しかし、そんな子どもだましが通用するTさんではない。う~ん、答が見つからない。
いや、それどころではない。2日続けての冬山登山など管理人の身体が耐えられそうにない。管理人の考えは右へ左へと揺れ動く。

まっ、山王帽子山とてそれほど易しい山ではないから、初日でTさんを疲れさせれば、「あぁ、身体中が痛くてダメよ、アタシ。明日はもっと簡単な山にして」、と弱音を吐くかもわからない。そうすれば管理人のもくろみ通りだ。よしっ、この手で行こう!


2017年3月6日(月)
光徳駐車場~太郎山登山口~山王帽子山~太郎山登山口~山王峠~旧山王峠~光徳駐車場

11:14
光徳駐車場をスタートして山王林道の太郎山登山口に到着。
ここまでスノーシューで歩いてきた。
9:35の出発だったから1時間40分というゆったりペースだ。
一般客のツアーとは違うルートを歩いたのも時間がかかった理由。
ちなみに道標は「太郎山」となっているが太郎山へ行くには山王帽子山が経由地になる。
今日はその山王帽子山を目的地としている。


山王帽子山山頂へはコメツガの深い樹林帯を歩く。
コメツガは常緑樹なので林内は陽が差さず、雪は固く締まっている。
このような状況ではスノーシューよりもチェーンスパイクの方が効率がいい。


ここからはスノーシューをザックにくくりつけて歩くが、今日は管理人が所有するスノーシューの中でもっとも軽いタイプを選んだ。むかし、イワタニが輸入販売した「TUBBS」社製で小型ながら靴のサイズを選ばない優れものだ。ただし現在は入手困難なレアものである。


山頂近くに展望が開けた場所があり、西からやや南寄りに白根山が望める。空が青ければ見栄えがするんですが。


12:39
登山口から1時間25分で無事に山頂に到達。標高は2077メートルだから赤薙山より67メートル高いが、冬でも安全に登れる山の筆頭だ。ただし、今年のように雪が少なければ。
さて、ここでランチといきたいところだが風が強く、冷たい。
早々に退散して樹林帯に潜り込んでランチとした。


山頂からの男体山の眺め。
山頂の向こう側が二荒山神社の登山口で右の裾野に戦場ヶ原が広がっている。


14:05
無雪期ならば山王帽子山だけで終わりとせず、太郎山とセットで登るべきだが、冬は厳しい。
足早に下山して山王峠を横切って、、、


むかし、登山道に利用されていた旧山王峠へ。
現在とは別のルートで涸沼とを結んでいたらしいことが朽ちた道標に刻まれた文字からわかる。
こういう風情、郷愁をそそられて好きだなぁ。
いつ頃まで使われていたルートなのか知りたいのだが、資料らしきものはない。
ちなみに夏は背丈ほどの笹に阻まれてこれを探すのは大変な仕事だ。
場所は秘密にしておく。山王峠とそれほど離れていないからどうかご自分で。


帰りは地図にある登山道で光徳駐車場へ向かう。
今夜のペンションの宿泊者はTさんひとりだけ。帰りの時間を気にすることはないのでアストリアホテルの温泉で疲れを癒して帰路についた。



2017年3月7日(火)
キスゲ平(8:23)~小丸山(9:09)~焼石金剛(9:46/9:50)~赤薙山(10:26/10:40)~奥社(11:34/12:14)~赤薙山(13:00)~焼石金剛(13:09)~丸山鞍部(13:40)~小丸山(13:48)~キスゲ平(14:14)

※登山計画書に記載したタイムスケジュール
キスゲ平(8:30)~小丸山(9:15)~焼石金剛(9:50)~赤薙山(10:35)~奥社(11:55/12:15)~赤薙山(13:35)~焼石金剛(14:15)~小丸山(14:50)~キスゲ平(16:00)

昨日、山王帽子山を降りたTさん、根を上げたかと淡い期待はしたのだが、それほど甘くはなかった。
管理人:「かなりの傾斜でしたね、疲れたでしょ?」
Tさん:「2年前の豪雪に比べたら楽に歩けてとっても楽しめました」
管理人:「ははは、そうですか。緊張してたからそう感じるんですよ。疲れはあとから出てくるもんです」
Tさん:「ううん、ようやくエンジンがかかったところなの。もっと歩けそう」
管理人:「いやぁ、あんまり無理をするもんじゃありません。寝てるときに足が痙ったりしますよ。あれは痛いですよ~」
2日目は軽くすまそうと、“疲れ“という暗示をTさんに植え付けようと必死になっている管理人なのであるw

さあ困ったぞ。
初日で疲れさせて2日目は軽いコースをという管理人のもくろみはすっかり外れてTさん、元気そのものである。まるで疲れを知らない子どものように元気なのだ。
こうなったら山王帽子山を凌ぐ厳しい山へ案内するしかTさんを満足させる方法はないとみた。

8:23
2日目はここをスタート地点にした。
おなじみのキスゲ平である。
目指すは赤薙山のひとつ先のピーク、赤薙神社・奥社跡だ。地理院地図に奥社跡という明記はなく、ピーク2203となっている場所だ。
奥社跡は女峰山への中間点に当たるが、仮に女峰山を目指そうとした場合は奥社跡までが厳しい。キスゲ平からの標高差は850メートルもあり、これは全体の70パーセントにもなる。達成感はあるし自信がつくことは確実だ。今日はそこを目指すことにする。


キスゲ平は元スキー場を園地としたもの。
ここはスキー場の上級者コース部分だ。傾斜は30度ほどある。
今日は全行程をチェーンスパイクで歩こうと考えている。もちろんスノーシューはザックにくくりつけてある。


9:09
標高1601メートルの小丸山へは46分で着いた。
正面に見えるピークが赤薙山(2010M)で奥社跡はそのふたつ右のピーク。


小丸山から先はだだっ広い尾根が続く。道は複数つけられているがこの時期、当然ながら雪に隠れて見えない。赤薙山を正面に見ながら上へ上へと向かっていけば道迷いの心配はないし安全上の問題もない。
管理人と先を行くTさんとの差は広がるばかりだ。画像はズームしたものなので実際はもっと離れている。
お~い、待ってくれ~。ガイドを置いてかないでくれ~(笑)


進行右を見るといつも登っている丸山と、その向こうに高原山(鶏頂山、釈迦ヶ岳、中岳、西平岳の総称)が見える。ここは標高1700メートル台だが雄大な景色が広がる。


9:46
標高1810メートルの焼石金剛。
小丸山と赤薙山を結ぶ稜線からの眺めはいいが標高が上がるにつれて視野はさらに広がる。
奥日光に魅力的な山は多いが2千メートル未満でこれだけの眺めが得られる山はない。


眺めのいい稜線も終わりに近づき、次に谷底まで300メートルというやせ尾根を通過する。
左が中ノ沢への斜面。ここは右に見える樹林帯に沿って歩くのが正解。


やせ尾根から中ノ沢をのぞき込む。
怖いっすねぇ。
雪庇を踏み抜いたら滑り落ち、冷たい水が流れる沢にぽっちゃん、などという生やさしいものではないはずだ。なにしろ沢まで300メートルを一気に滑り落ちるのだ。雪の上とはいっても凹凸があるからそのたびにバウンドして雪面にたたきつけられ、そのうちに意識をなくす。身体はなんども回転し、腕や足はねじ曲がり、無残な姿で収容されるというのが滑落遭難らしい(幸いなことにここでの事故はありません)。


10:12
女峰山と赤薙山を分ける分岐路。
女峰山へ行く場合も赤薙山方面に行った方がいい。
斜面が崩落している場所があるし、あまり歩かれていないため笹藪化している場所がある。雪のあるこの時期なら危険性はもっと高いはずだ。


10:26
赤薙山に到着。スタートして2時間03分だった。
積雪期でこのタイムはまずまずだろう。これもTさんに引っ張られたのが理由。


赤薙山山頂からのビューポイントは鳥居の奥の一箇所のみ。
女峰山がよく見える。来月になれば雪が少なくなるからあの頂へでも。
それでは、これからが今日の核心部分なので先を急ぐとしよう。Tさんにとって未知の領域へと。


赤薙山山頂を過ぎるといきなりこのような場所と出くわす。
尾根は切り立っている。尾根のトップは岩なのですぐ下についている道を行く。


11:34
唐突と思われるかもわからないが、着いた。
ここが奥社跡だ。
Tさんのペースが速すぎてこの間、写真を撮る余裕がなかった(^^;)
スタートして3時間11分は早い。
昨年4月、雪がもっと少ない時期に管理人がソロで歩いたときは3時間25分かかったから、やはりTさんのペースだ。
ちなみに地図を見ればわかると思うが、女峰山への道のりで厳しい場所はここまでで、ここから先は緩やかな稜線歩きとなる。行程の半分がここで終わるのであとは女峰山を眺めながらゆっくり歩けばいい。
それにしても相変わらず風が強い。のんびりとランチなどとはいかない。樹林帯に潜って食べたのは昨日と同じ。


目的は達したのでTさんは満足そうだ。
でもここは岩尾根、気を抜かずに帰ろう。


振り向くと女峰山が吹雪いているように見える。


Tさん曰く、ここが一番怖かったという岩場。


12:54
二度目の赤薙山通過。


山頂直下は傾斜が急なのでスリル満点なのである。
尾根さえ間違えなければ危険はないから積極的に行こう。


13:12
やせ尾根を通過するTさん。


13:19
続いて焼石金剛を通過。
さて、ここから小丸山へ向かって下るかそれとも、冒険するか?
Tさんの答はもちろん後者だ。


冒険コースにはこんな魅力的な斜面が待っている。ここを降りない手はないだろう。
ただし、商売上の観点からルートは秘密(笑)


適度に締まった雪は快適なのだ。
スノーシューにすべきかとも思ったが履き替えるのも面倒に思え、チェーンスパイクのまま下る。


降りた先は丸山の鞍部。
ここからは地図にあるルートで小丸山へ。


13:50
鞍部から登り返して小丸山に着いた。
ここでもう一度、冒険を!
だが先ほどと同じくルートは秘密だ(ケチ・笑)。
20分かけてスタート地点に戻った。


赤薙山までは山頂直下のやせ尾根に気をつければ安全ですが、赤薙山から奥社跡までは切り立った尾根や片側急斜面があります。
また、3月初旬なのに奥社跡まで行けたのは雪が少ないことが理由。例年並みの積雪だと残雪を楽しめるのは4月後半以後です。くれぐれもご注意ください。

いつもの男3人、強風をついて刈込湖を目指したが深い新雪に四苦八苦する。

2017年2月3日(金)

栃木県の面積の1/4を占める日光市は広いだけに気象状況が異なり、人の住む地域でいえば標高200メートルの市街地と1500メートルの湯元では天気も気温も大きく違ってくる。
標高530メートルの日光駅からわずか4キロしか離れていない我が家(820M)でも同じことが言えて、日光駅前が晴れているのに我が家には雪が舞い落ちているなどというのが日常的な光景なのである。夏で言うなら市街地にギラギラと日差しが降り注いでいるというのに、我が家の上空には赤薙山から押し寄せる真っ黒な雲が立ちこめ、雷雨だ。
標高1500メートルに位置する湯元など、季節は市街地とひと月も違うから別世界である。
昔、仕事で日本にやってきた欧米人が東京の暑さに閉口し、避暑地として奥日光を選んだという話がよくわかる。

それだけの環境差のある日光市だからスノーシューのフィールドは多彩だ。
管理人がお客さん相手にツアーを始めた19年前の1999年、グリーンシーズンと様相を異にするフィールドを、おっかなびっくり歩いたのを皮切りに、毎年あらたなフィールドを開拓していき、今では参加者の経験や性別、年齢を問わず、ほぼすべての人に的確なフィールドを提供できるまでになった。
ツアーのフィールドを決めるのは管理人の役割なので参加者に選択権はないが、選択の判断は概ね正しいようだ。次の年もまた参加してくれることでそれがわかる。

だが、フィールドの選択の妥当性とそこでの気象は別物であり、ときに過酷な体験をすることがある。
今日の参加者、Kさんは2010年に初参加だからツアーの古株で、その後2013年に同僚のTさんを誘って参加してくれるようになり、おふたりでの参加は今年で5回目だ。
実はふたりで来るようになって過去4回、管理人が主催するスノーシューツアー史上、他の参加者が経験しえない過酷な出来事を経験している。低気温と強風である。
・2013年 刈込湖→マイナス15度の吹きさらし。体感気温マイナス20度の中で昼食(※)
・2015年 丸 山→強風でツェルトが張れず昼食を断念
といった具合だ。

※管理人はこの他に昼食時にマイナス17度を経験しているがそれは想像を絶する寒さだった。パンをくわえたまま凍死してしまうのではないかとさえ思った(ホントの話し)。

KさんとTさんのどちらかが嵐を呼ぶのか、あるいはそこに管理人が入り込むことで悪天候となるのか、理由はわからないが、過去4回のうち2回も過酷な思いをしているのはなんらかの因縁があるに違いない。
そして5回目の今回だ。
果たして今日はなにが起こるのだろう。戦々恐々としてツアーに臨んだ。こうなったら記録を塗り替えてやるぞw


刈込湖コースの起点は湯元温泉の源泉である。
ここから湧き出た湯が旅館に供給されている。
雪こそ降っていないが空は鉛色で今にも降りそうだ。今日の前途を予兆している。


源泉からいきなり急登が始まり、一度、金精道路に乗り、金精道路から蓼ノ湖に冬道を降りる。
金精道路まで通常は10分程度だが今日は雪が深いから15分ほど見る必要がある。


金精道路脇にある刈込湖コース入口。実質的にここが登山口となる。
積雪期はここで地図にある登山道、いわゆる夏道と、雪が積もったときだけ歩ける冬道に分かれる。往きに夏道、帰りに冬道あるいはその逆というコースが取れるが、夏道は三岳の裾野をトラバースするため雪崩の危険がありお勧めはできない。
③という標識があるのが冬道。
※冬道も雪崩の危険箇所はいくつもある。くれぐれもご注意のほどを。


夏は道がないため降りることのできない蓼ノ湖。
荒涼として神秘的だ。


蓼ノ湖から小峠を目指す。
斜面は広く方向を見失いがちだが木の枝につけられたリボンを探して歩けば問題ない。


40分かかって小峠に着いた。
高さ2メートルの道標が半分埋もれている。
なお、ここまで古い踏跡を辿って歩いたが小峠から先、踏跡はない。ラッセル必至だ。


ここからは3人で協力し合ってラッセルなのだ。
それにしてもこの深さだものなぁ、先頭は辛い。


今度は管理人が先頭に立つ。
今シーズンこれで8日目のツアーなので身体が慣れているとはいえ、深い雪に潜ったスノーシューを持ち上げるにはそれなりの脚力を必要とする。順繰りにラッセルするのが疲れない方法。
ちなみにここに女性が混じるとどうなるか。
見栄っ張りの男達はいいところを見せようと思って疲れても交代を言い出さない。その結果、疲れ果てる。今日は男3人で良かった(笑)


さあ、これから刈込湖へ向かって階段を一気に下る。
道標の下に半分以上埋もれた階段があるが、道は雪の下にあって見えないから見当をつけて次の階段を見つける。


階段の段差は埋もれて斜面になっている。
今日はまっさらな雪なので滑ることがないが圧雪されているとよく滑る。それもまた楽しい。


さて、次の階段はいずこに。
雪が深いと階段を探すのも容易ではない。


最後の階段を下りるとそこは大きな雪原が広がる刈込湖だ。


ふ~、2時間半もかかった。


下を向いてなにかをしているKさんとTさん。
ここは凍った湖の上。氷の厚さを確かめているのでしょう。


とにかく風が強い。常時、強い風が吹き荒れている。
男3人、かつてのように寒さと強風に耐える身体に今はない。
迷わずツェルトを張って風よけとし、ランチは中でと決め込んだ。
ナイロン生地1枚だが、あるとないとでは大違いというもので、中でストーブを焚くと寒さとは無縁の別世界に変わる。
本日のランチは自家製のサンドウィッチとウインナ(この日のオプション)にKさんが持参したワインをホットで。もちろん食後はコーヒーを忘れなかった。

※ツアーは基本的にランチ(サンドウィッチ)がつきますがコースによっては例外があります。また、飲み物はつきません。


刈込湖からの戻りは冬道が面白い。
岩場に積もった深い雪をかき分けながら小峠に向かう。
ときに岩と岩の隙間にはまってしまい、ひとりでは脱出できなくなることがある。


ドビン沢に差しかかる頃になってようやく青空が広がった。
風は相変わらず強いが上空が曇天なのと青空なのとでは気分が変わる。


再び小峠。
往きにつけた踏跡は強風で飛ばされてきた雪で埋まっている。


帰りに別角度で見る蓼ノ湖もまたいい。
面積の3/4ほど凍るがここは北から沢の流入があるため凍ることはない。
なお、水辺にカワガラスが棲んでいて、ときおり人の足音に驚いて飛び立つ姿が見られる。


蓼ノ湖から金精道路に這い上がるダラダラした傾斜が疲れた身体に堪える。
これが終わると金精道路に乗り、あとは源泉に向かって下りを残すのみ。
このあと男3人は日帰り温泉に寄って冷えた身体を温め、ペンションに戻って無事に生還したことの祝杯を挙げた。

で、結果である。
5回のツアー中、3回は強風と低気温を味わったのでKさん、Tさんそして管理人が揃うと「何かが起きる」ことは間違いないらしいw
・2017年 刈込湖→強風、ツェルトの中でぬくぬくとランチ
・2015年 丸 山→強風でツェルトが張れず昼食を断念
・2013年 刈込湖→マイナス15度の吹きさらし。体感気温マイナス20度の中で昼食

スノーシューツアー開幕早々から赤薙山登山で疲労困憊す。

2017年1月22日(日)

14日から丸4日間、降り続いた雪はさらさらの粉雪でスノーシューを楽しむには絶好のコンディションとなった。
とはいえ、ツアーの予約は少なく、予定表は空白が目立つ。
なにしろ年が明けてもフィールドに雪はなく、これでは昨年と同じくスノーシューツアーのスタートが大幅に遅れるとみて、情報発信もおこなわないできた。
そこへもってきていきなりの降雪に急遽、下見をおこない、その結果をブログやFacebookで知らせてはみたものの、情報が浸透するにはそれなりの日数がかかるというもので、予約は今のところ少なく、しかも2月の予約ばかりだ。

その数少ない予約のうち、昨日は「おとぎの森」をフィールドにしてご婦人ばかり5名のツアーをおこなった。まだ誰も歩いていないまっさらな雪という“ご馳走”を前に、皆さんに楽しんでいただけたのは言うまでもない。
続く今日、大量の雪が積もったとの情報を見て、急遽申し込んでくれたスノーシューの常連Oさんとのツアーをおこなった。

管理人にとって2日続けてのツアーとなるわけだが、シーズン始めのスノーシューはまだ身体が慣れていないため疲れる。
無雪期のハイキングや登山に比べて雪の上を歩くのは、その運動量が倍にも3倍にも達するとてつもなくハードな運動なのである。
冬のツアー開幕、2日目にして、管理人の身体がまだ雪になれていないというのに、Oさんからのリクエストはハイキングを超えて赤薙山登山という過酷なものであった。

この無謀なリクエストを回避すべく説得を試みたのだがOさん、頑として受け入れてくれない(悲)
管理人:「あのね、雪は降ったばかりのふかふかで、スノーシューを履いても膝まで潜りますよ。小田代のほうが無難な気が、、、」
Oさん:「だったらなおさら、やってみた~い。膝まで潜ってみた~い」
管理人:「その~、赤薙山の手前にさしかかると雪庇が張り出したやせ尾根があってとても危険なのだよ。300メートル下の谷に滑落するかも」
Oさん:「あ~、その場所知ってる。去年歩いてちゃんと頭に入ってる」
管理人:「え~と、私、加齢と運動不足で体力面で不安があるのでもっと楽なコースを」
Oさん:「いっぽさんにもしものことがあったらアタシが助けてあげるから安心して」
万事がこんな調子なのである。どちらがガイドなんだか、まったくw

単独登山女子として自立を目指すOさんの今回の目的は、一歩でもいいから女峰山に近づきたいというものであった。昨年、二度の無雪期単独女峰山登山を果たしたOさん、すっかり女峰山の虜となってしまい今年もまた挑戦への意欲を燃やしている。そのためにも今から訓練を重ねておきたいらしい。赤薙山は女峰山に向かう稜線上に位置しているので、女峰山を目指すための訓練には最適なのだ。
ただし、さすがにこの時期は不安なのだろう、こんな老ガイドを頼みの綱とするOさんに敬意を表し、ガイドを務めることにした。

※管理人が主催するツアーは赤薙山登山も含んでいますが、それなりの登山経験がないと厳しいと思います。事前の相談をおこなった上で応じたいと考えます。


9:21
気持ちのいい青空だ。実に素晴らしい!!


ここはまだ標高1400メートルくらいなのに関東平野が一望という素晴らしい展望が得られる。
画像中央は高原山(鶏頂山、釈迦ヶ岳、中岳、西平岳の総称)。


キスゲ平園地はスキー場の跡地を利用している。
こんなに狭いスキー場ながら傾斜は初級、中級、上級とあってその変化が楽しめる。ここは中級コース。これからが厳しくなる。


上級コースの斜面を真横から撮ったところ。
傾斜の程度がおわかりだろうか。


女峰山登頂へ向けての訓練登山。きっと楽しいんだろうなぁ、笑顔のOさん。
今日の出で立ちはスノーシューを履いて手にピッケルという変則的なもの。ザックにはあとで使うことを考えてトレッキングポールをくくりつけてある。
ピッケルはこの程度の積雪量、新雪、傾斜では役に立たない。つまり、いまは両足だけの力で急な斜面を登っているわけだ。脚に大きな負担がかかってスクワットと同じ効果がある。厳しいのひと言に尽きるがこれも訓練。


10:12
歩き始めて50分。長い斜面を登りきり小丸山(1601M)に達した。
正面に今日の目的地、赤薙山とそこまでの稜線が見通せる。振り返ると関東平野の大展望が待っている。
写真を撮ろうとしたらOさん、なにを思ったか、雪の上でジャンプをした。30センチほど浮き上がった。
陸でのジャンプは完成したので、今年は雪上ジャンプを完成させるのだという。


小丸山の右に目を転じるとツアーメニューにある丸山がそびえている。
丸山にも雪はたっぷり積もっているようだ。


さあ、小丸山をあとに赤薙山へ向かいましょう。
正面の大きな尾根は仮称・赤薙山南尾根といってツツジが生い茂る藪尾根。昨年挑戦した→こちらに詳しく


11:05
赤薙山直下の焼石金剛。
ここまで来れば赤薙山はすぐだ。
息を整え、小腹を満たすためにやや長い休憩を取る。


赤薙山は稜線上のどこからでもよく見えるが、焼石金剛まで来ると時間が読めるようになる。あと30分くらいかな。


11:31
ここが例のやせ尾根。
無雪期であればなんてことのない尾根だが、北からの風で雪が堆積し片側が雪庇になる。
正しい道は雪庇に近い側にあるが、踏む位置を間違えると雪庇ごと深い谷に落ちてしまう。
ここは樹林帯の際を歩くのが正しい。
余談だがここで柴のワン子を連れたご夫婦とすれ違った。
挨拶すると即座に、管理人の名前(本名)を言い当てられた。ご夫婦は当ブログの読者で市内在住のHさんであると名乗られた。
管理人、このブログに自撮りした顔を晒しているので記憶してくれていたらしいが、挨拶しただけでブログ主であることを言い当てられたことに驚く。それほどこのブログと管理人の顔が知られていることにありがたみを感じると同時に、責任ある情報提供を心がけないといけないなと思う次第だ。


やせ尾根を抜けると山頂はすぐ目の前。
大きな岩が見えたらあと一息だ。


12:03
登頂~~!
無雪期であれば頭上にある鳥居が今はご覧の通り。
冬山を制したという気分になれるというもんです。


赤薙山山頂は樹林帯に阻まれ展望は良くないが、一箇所だけ、木の間から女峰山と男体山が望める。
画像中央、一番奥に見えるのが女峰山。ここからだと近いように見えるが、ピークをいくつも越えなければ到達できない、難関の山である。
Oさん、昨年だけで3回登頂しそのうち2回は単独。管理人はルートを替えて5回登った。生涯あと何回登れるかわからないが、Oさんと同様、女峰山は管理人にとっても挑戦意欲をかき立ててくれる名山なのである。


Oさんのいる場所が赤薙山唯一のビューポイント。
女峰山にじっと魅入っていたOさんがにこやかな顔で戻ってくる。女峰山を前になにを思ったのであろうか。


2千メートル級の山としてはもっとも低い赤薙山だが、長居していると身体が冷える。
昼ご飯を食べたら早々に下山するに限る。
段差が大きいコースは雪が積もると斜面になってスノーシューでも滑る。そこでピッケルの出番である。雪面深く突き刺すとしっかり固定されるから、片手でヘッドを握って身体を支え、ゆっくり歩を進ませる。
管理人のうしろから「キャー、怖い」、「滑る~」、「たすけて~」とOさんの叫び声が聞こえる。が、もちろんそれは楽しんでいるからである。


昨年に続いてピッケル二度目の経験のOさんだが、急な下りもだいぶ慣れてきた。


ここで尾根は二手に分かれる。
広く、緩やかで歩きやすそうな尾根が右に見えるが、それは正しい尾根ではない。尾根の末端が急激に落ち込んでいて谷に続いているので絶対に進んではならない。
往きに登ってきた踏跡に沿って忠実に、同じ道を戻る。


やせ尾根を上方から眺める。なんと素晴らしい景色なんだ。
雪庇の危険性を認識し、安全ゾーンを歩く限り危険がないことがこの画像からわかると思う。


焼石金剛近くの笹原だが、どういうわけかここだけ雪が薄い。
おそらく地熱が高く雪が融けやすいのではないかと想像している。それが焼石金剛の由来ではないのだろうか。そのように考えた方がロマンがあって登山が楽しくなるというものだ。


13:20
小丸山へ向かって稜線を下るOさん。
この展望はなんど見ても素晴らしい。霧降の誇りでもある。


小丸山から先はスキー場を使わず、登山道で下るのが面白い。
無雪期は藪と化しているが冬は雪が積もって歩き甲斐がある。ここではスノーシューはそのままに、ピッケルをトレッキングポールに持ち替えて歩くことにする。
50センチほどの細い踏跡はシカが歩いた跡。


これは野ウサギ。
このように雪が積もると冬でも野生動物が活発に動き回っていることがわかり、自然に対する親しみがより深くなる。

スノーシュー最後の下見。

2017年1月19日(木)

今年も昨年同様、暖冬少雪でスノーシューの開催が危ぶまれましたが、14日から降り続いた雪のおかげでスノーシューのフィールドは十分すぎるほど雪が積もりました。
例年に比べて3週遅れの開幕となりましたが、これでお客さんにはスノーシューを存分に楽しんでもらえるでしょう。

明後日、土曜日の今シーズン最初のスノーシューツアー開催を前に積雪は十分とは思うものの、念のためにフィールドの下見をおこないましたのでそのご報告を。


「おとぎの森」コース入口の光徳園地です。
ミズナラの林が広がり気持ちが安らぐ場所。小田代ケ原や戦場ヶ原に比べると人が少なく、この広いフィールドを独り占めしたかのような贅沢な気分になれます。


う~ん、いい青空だ。


道路のカーブミラーで自撮り(笑)
ふだんなら頭上にあるミラーが目の前に。


昨シーズンは終わりが2月と早く、今シーズンはスタートが1月後半という遅さ。
そのため例年だと8ヶ月の空白期間なのに今シーズンは10ヶ月と、2ヶ月も余計に空いてしまった。
無雪期の山歩きで使う筋肉とスノーシューで使う筋肉は別物なので、シーズン始めはとても疲れる。今週は土日にツアーがあるので今日の下見で身体を慣れさせないと。
画像のスノーシューはモンベルが輸入販売しているATLAS社の製品。抜群の登攀能力があるのでツアーに参加するお客さんには同じメーカーのスノーシューをお貸ししています。


はて、なんでしょう?
これを見て即答できる人は自然に精通しています。
答はシカの足跡、いや胴体の跡です。
シカの足は細いので雪が深いとお腹が接するまで潜ります。その状態で前進するとこのような深い溝になります。
昔、今の何倍もの雪が降った頃、胴体まで潜って前進できず、その場で餓死する例が数多くあったとのこと。それで個体調整がされていたんですね。


日光では珍しいブナがここでは見られます。


光徳牧場の牛たち。
グリーンシーズンであればノンビリ草をはむ牛と書くところですが、今は雪の下。牧草は牛舎で食べるのでしょう。


管理人が歩いた跡。


シカに表皮を食われたウラジロモミ。ここではよく見る光景です。


場所を金精沢に移して散策。
笹が茂ってふだんなら歩けない林の中をのんびり歩きました。
画像はドライフラワーと化したツルアジサイ。


白根山登山口を示す道標も間もなく雪に埋もれるでしょう。


今月12日はこんな状態でした。


最近はこの車が管理人の足となって活躍しています。
トラックみたいな乗り心地、スピード出ない、燃費悪いの三拍子ですが頑張ってくれています。

スノーシューツアー開幕!!

2017年1月12日(木)

日本海側と北日本を覆っている寒気の影響で日光もようやく本格的な雪になりました。
市街地はまだ降っていませんがスノーシューのフィールドとなる奥日光と霧降高原はサラサラの雪が降っています。

今日は奥日光の光徳温泉と湯元、霧降高原を見て回りましたがこれなら間違いなく積もるという雪がしきりと降っていて、日曜日頃まで降り続くとの予報です。
昨年は暖冬少雪でなかなか雪が恵まれず、スノーシュー初日は1月23日と、例年よりも3週間も遅いスタートでした。今年も同じような傾向ですが、なんとか開幕にこぎ着けることができ、ホッとしています。

長らくお待たせしましたが、私(ペンションはじめのいっぽ店主・波多江定夫)がガイドを務めるスノーシューツアーは21日(土)を初日としてスタートいたします。

ツアーをご希望の方は開催日程表をご覧になり、奮ってお申し込みください。

ツアーの詳細は専用のホームページで→こちら


途中、中禅寺湖前を通過しようとしたところ、湖は大荒れ。寒気の影響でものすごい風でした。


「おとぎの森」コース入口となる光徳温泉。
さらさらしたいい雪が降っていました。
看板の支柱が半分埋まればスノーシューで歩けるようになります。
週明けになれば大丈夫でしょう。
駐車場の様子(下の動画)


「金精の森」コース入口となる湯元の白根山登山口。
積雪は20センチほど。本格的には笹が隠れるくらいが望ましいですが、しきりに雪が降っているので週明けには大丈夫でしょう。



場所を霧降高原に移し、天空回廊と並行するハイキングコースの様子。丸山コースはこの道を使います。
ここも週明けになれば大丈夫でしょう。

雨後の風荒れ狂う山王帽子山にチェーンスパイクで登る。

2016年2月21日(日)
光徳~おとぎの森コース~太郎山登山口~山王帽子山ピストン~光徳

お客さんとのツアーを予定していた今日21日は、前々から雨の予報は出ていた。
が、予報は奥日光の天気を正確には表してくれない。
観測計が奥日光と50キロ以上離れた大田原にあり、その観測データに基づいて予測されるのが奥日光の予報であるため、往々にして外れる。
特に標高の高い奥日光は大田原とは気温差が5度もあるので雨の予報が雪になるのは当たり前のこととなっている。

管理人が住む霧降高原の麓は予報通り、土曜日の午後から雨になった。
奥日光の天気が気になるところだがその場合は、戦場ヶ原にある「三本松茶屋」がネットで公開しているライブカメラの映像と気象観測データを観ることにしている。大田原の観測データよりも当然だが、現地の実態を正確に表していて役に立つ。ただし、気圧や気温の傾向から予測は自身でおこなわなくてはならない。

霧降に雨が降り出した時間からずっと、三本松茶屋のライブカメラを観続けていると13:15現在の気温は0.1度まで下がり、気圧も急降下している。ライブカメラに映る三本松茶屋の駐車場は雨に濡れているが背景に映るしずくはみぞれのようにも見える。雪に転じる兆しだ。

15:30、それまで濡れて黒っぽく見えていた地面がうっすらと白くなったのを確認した。よしっ、いいぞ! このまま気温が下がれば雪になる。そうすれば雪質は一気に改善されること間違いないはずだ。気分はハイに向かっていった。

15時半に雪に変わったので安心して仕事に取り組むことにしたのだが、仕事の合間にライブカメラを覗いてみると、18時を過ぎたころ気温が上昇に転じているのを確認した。とはいえ、春の雪は2度くらいがもっとも降りやすい。こうなったらパウダースノーなど望まない、春特有の水雪でもいい。とにかく積もってくれさえすればいいのだ。

実はこの日、スノーシュー常連のOさんと、スノーシューが縁でOさんと知り合ったこれも常連のKJさん、KTさんの二人合わせてKKコンビと、山王帽子山への冬山登山を約束していた。Oさんの名前は「kyoko」さんだからKKコンビと一緒になるとトリプルK。あるいはちょっと無理があるかもしれないが綺麗、可愛い、健脚で3K(^^)。ともかく、若き女性三人を2千メートル超えの冬山へ誘う魂胆が管理人にあったのだ。

山王帽子山は赤薙山に次いで、日光の2千メートル超えの山では安全で登りやすい。雪が少ない今年であれば安全性はより高まる。
三人ともすでに冬の丸山登山を経験しているから当初は丸山の延長にある赤薙山と決めていた。ところが、14日に降った大雨で赤薙山は稜線上の雪が一夜にして溶けてなくなり、無残にも地肌が剥き出しとなってしまった。雪解け直後の登山道は危険度が増す。であるならば次に安全な山王帽子山を候補とした次第だ。

夜になって気温は下がるどころか上昇の一途だ。ライブカメラはすでに暗くなった駐車場を映すようになり、雨なのか雪なのかそれとも、止んでいるのかがわからない。
気圧は低いままだ。安普請の我がペンションの屋根をうつ雨音が、室内にいても激しく聞こえる。

気温の高さといい気圧の低下といい、雨あしの強さといいこの分だと奥日光も雨かもしれないという不安がつのってきた。
霧降高原のキスゲ平は14日の大雨であっという間に溶けてしまった。奥日光の積雪は霧降よりは多いものの例年に比べると1/3だ。雨だとすればダメージは避けられない。

管理人、雨後の雪というのを経験しているが、雨がしみこんだ雪は夜半から早朝にかけての気温の低下で凍りつき、その上を歩くとバリバリと耳障りな音をたててスノーシューが沈み込む。沈んだスノーシューを引き出すのに今度は凍った雪がじゃまをして、ラッセルとは違った負担が足にかかる。ときにはスノーシューが凍った雪に固定されて顔から固い雪に突っ込むこともある。

フカフカの新雪を蹴散らしながら歩くといった状況とは明らかに違ってなんとも不快である。それをトリプルKに経験してもらうというのも自然の変化を知る要素のひとつなのだが、強いる気持ちにはとてもなれない。

すでに支度を調えて出発を楽しみにしている三人には気の毒だが、明日のツアーは中止にしよう。それがもっとも賢明な選択だ。奥日光の天候を読み取るのに時間がかかってしまい、中止を決定したのはすでに23時を回っていた。
楽しみにしていたツアーが中止になって落胆すると同時に、こんな遅い時間になって中止を決めたことにたいする、三人の戸惑いの表情がうかがえる。

夜が明けると青空が広がっていた。昨日、雨さえ降らなかったら絶好のスノーシュー日和となったはずだ。霧降から見上げる奥日光の空はそのように見えた。
今日はバリバリに凍った雪の上を管理人が自ら歩いて、三人への罪滅ぼし(になるのかこういう場合)としよう。それに月曜日は別のお客さんを“どこかへ”案内しなければならない。その“どこか”はもはや、劣悪ながらわずかに雪の残る、「おとぎの森」しかない。


「おとぎの森」は昨年、管理人が開拓し、Oさんが命名した新コースである。
ミズナラの広大な林を抜けると次にカラマツ林に変わる。葉が落ちたカラマツ林は見通しがよく、開放感に溢れじつに気分が良い。それと一日に数百人ものハイカーが訪れる小田代ケ原や戦場ヶ原と違って、いつ行っても静かだ。
雪が降っている日など、ウラジロモミやコメツガなど常緑樹の葉に雪が積もりとても幻想的な雰囲気に変化する。それが「おとぎの森」の名前の由来。
営業上、秘匿しておく必要があるため地図は掲載しない。

案の定、スタートからバリバリと音を立てながら歩き、おとぎの森コースの折り返し点近くまで来ると、それまで木々の間からのぞいていた日光連山をはっきりとらえる場所がある。
火口をぱっくり開けた男体山、とんがり帽子の大真名子山である。他の場所からの見慣れた山容と異なり、その展望は雄大で息をのむ光景だ。

山王峠に達すると太郎山の登山口がある。山王帽子山は地図には掲載されているが太郎山への通過点として、無雪期は軽んじられている。
女峰山への通過点という意味では赤薙山も同じだ。が、どちらも冬はがらりと変わって、冬山登山入門編として利用できる、貴重な2千メートル峰だ。

ここまで来るとバリバリ感はなくなり、といってフカフカでもなく固く締まった雪だ。登山口から先、スノーシューは必要ない。
だが、傾斜を登山靴のまま登るのは滑って効率が悪いので、ここでチェーンスパイクに換えた。その方が速度も速くなる。

登山道はウラジロモミとコメツガの樹林帯の間をぬうように、ジグザグにある。
今日の積雪は50センチくらいだろうか、積雪が少ないので枝のほとんどは頭上にあるが、雪が深い年だと木々の枝が身体の前に立ちふさがって前進のじゃまをする。昨年はそのため捗らず、時間切れで敗退したほどだ。
それと、雪が深いと目印となるリボンさえ雪に埋もれてしまい、登山道がわからなくなる。
したがって、冒頭に書いたように冬でも安全な山という形容は今年だから当てはまると言っていい。

ようやく樹林帯を抜け出て視界が開けた。
雲ひとつない青空が広がっているが、この画像など自然の瞬間を切り取ったものに過ぎない。
実際にはものすごい風が吹き荒れている。

昨年は確か、このダケカンバを見た覚えがある。この先の樹林帯まで行って時間切れで引き返したのかもしれない。

傾斜が緩くなり山頂に近づいたことを思わせる。
風さえなければここから気持ちに余裕を持って戦場ヶ原を見下ろすことができるのだが。

ふ~、やっと山頂にたどり着けた。風を遮るものがない山頂は厳しいのひと言。
脱いだフリースを再び着込みジャケットのフードを被って風を防ぐ。

気温はマイナス5度なので普通なら寒くはないはずなのだが、とにかく身体が持っていかれるほどの強風に泣く。
バナナの皮をむく手に感覚がない。カメラに三脚をセットするのももどかしく、確認もせずに撮ったのがこれ。
早々に退散することにしたが、もしもトリプルKをこの場に置いたとしたら一体、どうなるのか。管理人でさえ寒さに根を上げたのだから、おそらくもう二度と付き合ってはくれまい。

過酷な山頂から逃れるべく、急いで下山したのはいうまでもない。登山口まで下りてホッとした。手の感覚が戻ってきたのもこのころだ。

山王林道に出てようやく人心地がついた。これで遭難せずに済むw

前日、深夜近くになって中止の判断を下したのだが、結果論になるものの判断は良かったと思う。それだけ過酷な登山であった。
冬でも登りやすい山とはいえ、2千メートルを超える山の怖さをあらためて実感した。、
風速20メートルの風に晒されて疲れが激しい。寒さに慣れているとはいえ、さすがにこの老体には耐えられず、早々に下山したのだが、トリプルKに2千メートル超えの冬山の経験はないからこの風による寒さの中に身を置くことは生命の危険を意味する。今日のツアーを中止にした決断は正しかった、と自分を納得させる。
しかし、あまりのタイミングの悪い決定に、三人には大変な迷惑をかけてしまった。
か弱き乙女三人を独占しようといった、管理人のやましい心が天に知れたのか、その罰をうけた一日であった(泣)。早く帰って熱燗にしようww

赤薙山にチェーンスパイクで登り、時間が余ったので丸山にも登ってしまった(^^)

2016年2月12日(水) 快晴
霧降高原レストハウス~(ゲレンデ)~小丸山~焼石金剛~女峰山分岐~赤薙山~焼石金剛~丸山~(東斜面)~レストハウス

2月になって晴れる日が多くなってきた。
例年でいえば1月の空は雪雲におおわれて大量の雪が降り、2月は1月に降った雪が締まりその上に雪が降り積もるため、スノーシューには絶好のコンディションとなる。
ただし、そのコンディションは寒さと引き替えに得られるもので、ときはマイナス10度以下という低気温を経験する。
管理人、低気温はいつも刈込湖で経験するが最低でマイナス17度という日が二度あった。刈込湖ではマイナス15度も経験したし、マイナス10度というのは2月では当たり前のことである。
ところが今年は暦をひと月先取りしたかのような暖冬で、2月でも低気温という日がない。ただし、雪は降らない。
今日のツアーも例年ならば極寒の中でというべきなのだが、幸か不幸か3月の気温と天候の下におこなうことになった。

Tさんは2012年からスノーシューツアーに参加している常連さんで、正直に言うと管理人が手を焼いている人のひとりだ(^^)
管理人がガイドを務めるスノーシューツアーはリピーターが多い。日光のフィールド以外は眼中にない人もいればTさんのように、他のエリアでは物足りないという人がいる。つまり、長距離、急傾斜を求めて管理人のツアーに参加する人が多いのだ。そのニーズが日光のフィールで叶えられるから毎年、管理人のスノーシューツアーに参加してくれる。ありがたいことだ。

問題はだねぇ、そういう人たちをガイドする管理人が肉体的に辛いのだよw
今年で18回目の冬を迎えて当然ながらガイドは衰えている。その一方でニーズは高まっているのだ。そこのところを少し考えて欲しいものだと、内心思っているのだが容赦はしてくれない(^^)

Tさんは超多忙な中で今回は休暇が取れたので宿泊して前後、二日間、スノーシューをしたいという。
昨日は到着日だったのと他に初めての参加者がいたので、霧降高原の丸山登山にしたのだが快晴の下、素晴らしい展望を眺めながらピクニック気分で楽しめたのが幸いであった。

今日12日も朝から晴れ渡り、気温も上がりそうだ。
昨日の丸山から少し足を伸ばして赤薙山に行くことにした。


08:29
霧降高原の元スキー場から小丸山方面を見上げる。雪は適度に締まっていて申し分のないコンディション。
気合いが入る緊張の一瞬である。

足下はチェーンスパイク。
雪がもっと深いとスノーシューがいいのだが、これだけ締まっているとチェーンスパイクの方が断然、歩き易い。
チェーンスパイクはアイゼンに比べて爪が小さいのでグリップが劣り、下手をすれば滑落もあり得るが、Tさんならその心配はない。

スノーシューはザックにくくり付けたまま登る。
出番はあるのかって?
後のお楽しみということに(^^)

北西に高原山。う~ん、と唸るほどのこの光景、素晴らしいの一言に尽きる。

東には関東平野が広がっている。
雲海に隠れて見えないがこの方角に筑波山がある。

南に目を転じると、はるか彼方に今日は富士山が見える。

 

09:23
小丸山に到着。
向こうに延びる稜線が赤薙山そして、女峰山へと続いている。

小丸山の少し先に丸山への分岐(写真右)がある。
昨日は丸山山頂からここへ降りてきたが今日はここから稜線を歩いて行く。

09:59
焼石金剛。
この50メートル奥にも道標があり、そこは大小様々な石がごろごろしている。
名前の由来は定かではないが、夕日に大きな石が浮かび上がって見え、それが真っ赤に染まってまるで焼石のように見えたのではないかと推察する。

焼石金剛から見る赤薙山とその手前のやせ尾根。気をつけなくてはならないところだ。

幅1メートルくらいの尾根道だが雪が積もると三角屋根となり、どこが道なのかわからなくなる。
左は雪庇なのでいつ崩れるかわからないのでなるべく右側を歩く。

やせ尾根が終わるといよいよ山頂に向かって急登になる。

山頂直下の急登。
Tさん、この傾斜をものともせずに登ってくる。

10:49
とうちゃ~く!
Tさんとむさ苦しい管理人とのツーショット(^^)
2010メートルの赤薙山は日光連山の中でもっとも標高が低いが、それでも2千メートル峰に登った達成感はある。
ふたりともジャケットを脱いで薄着になっているのがわかるだろうか。とても暑い。

山頂は無雪期だと木々の葉が生い茂って展望が利かないが、この時期は男体山と女峰山が覗き見える。
雲が出て気温が下がってきたので長居は禁物。ここで昼ご飯にして下ることにした。

さあ、下りだ。
このショットは展望を見せたいために掲載しているのではなく、赤薙山から下る際の注意喚起のためだ。
中央やや左の茂みが来るときに歩いたやせ尾根方向。ここから眺めると右側の方が林が粗く、どうしてもそちらへ行ってしまいたくなる。
だが、そこは少し行くと尾根が沢に向かって急激に落ち込んでいて危ない。滑ると300メートルもの落差を一気に落ちる。

高原山を眺める。

急斜面を安定した姿勢で下ってくるTさん。管理人にとってなんら不安がない。

続いてやせ尾根を慎重に歩く。

12:06
いくらなんでもこれで終わったのでは早すぎる。
焼石金剛まで来てザックにくくり付けたスノーシューを下ろしてここから丸山へ向かうことにした。

30度以上ある急斜面を下ってそして登り、丸山に着いた。その間、急すぎて写真など撮る気持ちの余裕がなく、ここにきてようやく振り返る。
斜面にTさんと管理人のスノーシューの跡が並行してクッキリ見える、記念の一枚だ。
ちなみにこんなに素晴らしい雪質では、前を歩く人の踏み跡を辿るなどという野暮なことはしない。まっさらな雪の上を歩くのが粋というものだ(なんのこっちゃ?)。

12:53
丸山山頂。
歩き始めて4時間半。普通の脚力の人だとそろそろ体力の限界に近い時間だがTさんにはまだ足りない。

丸山登山の醍醐味は低山ながら本格的な冬山登山ができるのと、塩原や那須方面、条件によっては福島の山並みを眺められることだ。
それに北斜面だから雪質は申し分ない。

今日は北斜面から八平ヶ原に降りるつもりだったが管理人のリードミスがあり、東斜面を降りてしまった。
したがって、いつも通る八平ヶ原をショートカットするルートになった。
ゴールが近づいた。丸山を北回りで登るときに難所となるトラバース部分だが、今日のように反対回りでは問題ない。

13:47
赤薙山と丸山はそれぞれ一日コースとして設定しているツアーだが、今日はそれを同時にやってしまった。
これも強靱な脚力のTさんだからこそのことで、一般の参加であったら根を上げていたであろう。
ガイドたる管理でさえ根を上げたのだから(^^)

男3人、霧降高原丸山の東斜面を直登して山頂へ。いやぁ、もの凄い傾斜(^^)

2016年2月5日(金) 天候:快晴

これまで丸山へのスノーシューツアーはなんどもおこなってきたが、八平ヶ原へ向かう一般ルートから見上げる東斜面の傾斜は憧れであった。山頂まで30度以上の傾斜がずっと続いている。
雪はここ数日、降っていないので適度に締まり、スノーシューで歩くにはちょうどいい固さだ。スノーシューの限界ともいえる急傾斜に挑戦してみたい。

今日の参加者は常連のKさんとTさん、管理人のわがままを聞いてくれるのはおふたりしかいない。どうか、今日は管理人のわがままに付き合ってください。KさんとTさんには迷惑な話だが、男3人いればなんとかなる。35度の斜面にチャレンジしてみることにした。


いつものようにレストハウス裏の登山道を歩き始めるがここ数日、雪が降っていないため前回のツアーの際の踏跡が残ってる。
でも雪質は悪くはない。

登山道はここで分岐する。
園地内の天空回廊と並行し、小丸山へ向かうルートと八平ヶ原を経由して丸山を北から登るルートだ。
北ルートは難所がいくつかあるのと傾斜が厳しいが迷わずそっち(^^)

ここが最大の難所といえば難所。
斜面を横切るのだが傾斜がきつくて右足が谷側に流れてしまう。

難所が終わると傾斜は緩やかになるが油断大敵、ここで力を出し切ってしまうとこのあと待っている急斜面が登れなくなる。

このルートではお馴染みのサルオガセ。
地衣類(ちいるい)に分類され和名は猿尾枷と書くから、木に登った猿の尾っぽが絡みつく、というのが由来なのだろうか?
この辺りからルートを外れ、斜面を山頂めがけて登り始めた。

東斜面中腹、カメラのアングルが悪いせいだと思うが傾斜のきつさが再現されていない。
実際はこんなものではない。
左に見える大きな岩は小丸山からも見えるが、離れてみるとこの傾斜がよくわかる。

こちらの方が実際の傾斜に近い。
なにしろ一歩進むのに10秒くらいかけないと上に移動できないほどの傾斜だからすごい。

もう一枚。これも実際に近い。
10歩前進しては立ち止まって息を整える、その繰り返しだ。

正面を見ながら歩いているつもりなのに目の前は雪の壁。おかげで雪の結晶をとらえられた。

おぉ、苦労の甲斐あってなんとか一般ルートと合流できた。

丸太で組んだ階段を登って振り返るとこのような展望が目に入る。
高原山だ。

続いてTさんが階段を登り始めた。

Tさん、Kさんも階段を登り終えた。丸山山頂まであとわずかな距離。

この上が山頂であることはわかっているものの、なかなかどうしてそう簡単ではない。

この景色もここまでで終わり。山頂からは見ることはできないのでしっかりと目に焼き付けよう。

ふ~、標高1689メートルの丸山山頂に立てた。もう完全な冬山登山(^^)
管理人(中央)の右がKさん、左がTさん。おふたりには難題にお付き合いくださってどうもありがとうございました。

青空の下、さっそくランチといくがKさん、Tさんとは昨年同じこの場所で猛吹雪に遭い、ランチどころではなく撤退したことがあるだけに、今日の青空は最高のご馳走となった。

丸山山頂からは視界が変わり、稜線の向こうに赤薙山がよく見える。
今月中に一度、スノーシューで登ってみようと思っている。

丸山を下山して主稜線と合流、小丸山へと向かう。

小丸山からは元スキー場のゲレンデを下るのと登山道を下る、ふたつの下山方法があるが今日はゲレンデを下った。
登山道は林の中なので安心して下れるがゲレンデはご覧の通りなにもない。林間より怖いかも。

霧降高原・丸山。深い雪と急斜面に手こずったが全員、無事に登頂。

2016年1月31日(日) 天候:晴れ→濃霧

年が明けても雪がまったく降らず開幕が危ぶまれたスノーシューツアーだが17日以後、3度、数十センチ単位で降ってくれたおかげで3週間遅れたものの、無事にスタートできた。ただ本来、降っては締まり降っては締まりしながら良いコンディションになるところ、締まる間もなく次の雪が降るといった具合で、雪の上をすいすい歩けるといった状況ではなく、正直言って厳しさを強いられる。
雪がなければ泣き言を言い、降れば降ったで辛いだの厳しいだのとぼやくし、人の心はじつに勝手なものである(^^)

昨年同時期はすでに15回ものスノーシューツアーをおこなったが、今年は今日でようやく3回目。一時など今シーズンのツアーは諦め、出稼ぎで生活の糧を得なければならないと考えたほどなので、突然の雪にありがたみを感じる。辛いとか厳しいなどと言ってる場合ではない(^^)

今日は昨日、宿泊されたTさんご夫妻とNさんTさんのペア、昨年から毎週のように参加してくれているOさんというメンバーだった。
コースは現在、ツアー全体の半数を占める霧降高原の丸山にしたが、昨日の雪が30センチほど積もったはずなので歩きやすさを考えていつもの登山道は使わずキスゲ平という、元のスキー場のゲレンデを歩くことにした。


今日の目当てのひとつがこれ。
木々の枝に着雪しそれが気温の低下で凍りつき、白い花が咲いた状態になる。

標高1340メートルから今日の目的地、丸山を見上げる。丸山は標高1689メートルだから350メートルの標高差がある。
無雪期ならなんでもない登山だが今日は雪が深いからねぇ、どうなることやら。
で、ここから直接、丸山に登るルートはないため小丸山(1601M)を経由する。

ゲレンデ1枚だけの小規模なスキー場(元)だが一応、初・中・上級コースがある。
ここはその上級部分。距離は短いながらも傾斜は25度もある。
見渡すとスノーシューの人、アイゼンの人、スキーを担いで登っている人、様々である。
写真は快調に登るOさん。これで管理人主催のツアーに参加するのは7回目。スノーシューを知り尽くしている。

標高1550メートル付近から下界を見下ろすと関東平野が一望できる、、、はずなのだが先ほどまで青空が広がっていたのに雲がもくもくと湧き上がっている。天気が悪化する前兆かな?

小丸山に近づき、最後の展望台が視界に入ってきた。
悪いことに行く手にも雲が出だした。

赤薙山から張り出した尾根に乗った。このまま進めば標高2010メートルの赤薙山に行けるが、標高差400メートルをクリアできる脚力があるかどうかで決まる。赤薙山からさらに進めば5つめのピークが女峰山だがこの時期はちょっとね。
丸山へはこのすぐ先を右(北)へ折れる。

丸山の麓へのトラバース。右足が沢に流れるいやらしいところだ。

深い雪に足を取られながらも無事に丸山登頂。まさに雪山登山だった。
ここからの展望も最高なのだが辺り一面、霧で真っ白。
こんな日はランチを早めに終わらせて歩きを楽しむに限る。

丸山と小丸山の中間にある鞍部。先行するTさんご夫妻がいるのだが、深い霧でかろうじて見える程度。
小丸山からはいつものようにゲレンデを避けて登山道を下ることにした。
登山道は傾斜は同じだが、なにもないゲレンデを下るよりも林の中を歩くという安心感がある。

登山道はこの時期、雪に埋もれて見えない。したがって経験と勘に頼って下るしかないのだが管理人は遅れがちのNさんをフォローするため、他の4人には先に行ってもらうことにした。
林の中は安心とはいえ、コース取りを間違えると危険な沢に踏み入ってしまう。沢に踏み込んでしまわないよう、ポイントを説明したのは言うまでもない。
その後、4人はゴールへ向けて駆けるように下りていき、管理人の視界から消えた。


Nさんは丸山の手前で遅れだしたため以後、管理人がフォローしながら歩くことになった。そのため、他の4人から離れてしまったのだがその間、リーダーシップをとってくれたのが今回で7回目の参加となるOさんだった。管理人が出すであろう指示そして、ルートを推察してゴールまで的確に導いてくれた。とてもありがたく思っている。

そのOさんから、ツアー終了後メールをいただいたが、管理人の目が届かなかった間にいろいろなことがあったようなので、紹介しておきたい。

『いっぽさんは遅れていた女性をサポートしていたのでわからなかったと思いますが今回は色んなドラマがありました。 丸山山頂前最後の登りはラッセルを強いられましたが私と若夫婦は交代で一番キツい先頭歩いたり、下山では足がハマり抜け出せなかった時に若夫婦に助けてもらい、体力の余っていた奥様を道をわかっている私が先に下まで誘導し、その間旦那さんはもう一人の女性を誘導してくれてました。一緒に参加したペア同士で歩くのではなくみんながそれぞれ判断し協力しあったツアーでした。それが今日は一番よかったと思いました。』