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古稀を迎えての第1登はやはり女峰山でなくちゃ(70歳の記念登山)。

2018年8月10日(金) 晴れ→雨

キスゲ平(6:02)~小丸山(6:33)~焼石金剛(7:01)~赤薙山(7:30/7:35)~奥社(8:19/8:22)~一里ヶ曽根(9:08/9:10)~P2318(9:35)~女峰山(10:14/10:38)~雨具着る~P2318(11:21)~一里ヶ曽根(11:50/11:55)~奥社(12:44/12:50)~赤薙山(13:47)~焼石金剛(14:12)~小丸山(14:33)~キスゲ平(15:55)
※距離:16.5キロ
※時間:9時間53分
※累積:1760メートル
※下山時に雨具を着たり脱いだりを繰り返したため時間をくう。

管理人が登山を始めたのは遅く、50歳に手が届くころのことである。
脱サラから一転し日光という自然に恵まれた土地に転居してペンションを開業したのが45歳のときだから、登山はそれから数年という月日を経て始めたわけだ。
それまでまったく意識外にあった周りの景色が目につき始め、昭文社の「山と高原地図」を買って(これが手にした最初の地図)調べると、ペンションの窓から見える雪を被って白い山々は丸山や赤薙山、女峰山であった。日光連山と呼ばれる山並みの一部である。赤薙山と女峰山は2千メートルを超えていることも地図で知った。
綺麗だ、と柄にもなくそれまで口にすることなどなかった言葉が自然と出たのは開業以来、多忙で景色などじっくり眺める気持ちの余裕がなかったためだ。
とにかく忙しく、よく働いた。7月から8月にかけて30日、40日という日数、休みなく働いた。バブル景気は終わったというものの、人々はまだレジャーを貪欲に楽しむよき時代だったのだ。

デジカメの画像として残っている最古のアウトドア体験は、1999年7月に戦場ヶ原の泉門池に行ったときのものである。ガスストーブを使って昼ご飯を作っている画像がPCに残っている。
山道具はそれなりに揃っていることが画像から読み取れるので、これよりも前に別の場所を歩いていたのは間違いない。
記録には残っていないがこの前年すなわち、1998年にはスノーシューツアーを開催した記憶(初めてのツアーでハラハラした)が鮮明に残っている。スノーシューそれもお客さんを集めてのツアーは山歩きの経験なしではできないから、それよりも前、1997年あるいは1996年には山を歩いていたことになる(記憶は記録の正確さに劣るから、やはり記録は大切)。

さて、それから長い年月が経過した。
管理人、この7月で齢70になった。
山を歩き始めたころは仕事の合間をみて歩いたものだが今では逆転し、仕事を抑えて山歩きを楽しむというスタイルに変わった。理由はいろいろあるが45歳で脱サラし、それから20年以上も頑張って、仕事に疲れたんでしょうね。今では唯一の息抜きが登山ということになりました。
サラリーマンでいえば定年後も第二の職場で頑張っているようなものだ。もう仕事よりも趣味に没頭してもいいじゃないか(問題はそのための資金繰りだ)。

70歳最初の息抜きは地元の女峰山と決めていた。
毎週一度は山に登っているので70歳になったからといって体力がいきなり衰えるわけではない。しかし70歳の第1登として女峰山は必須であった。
日光に移住して山歩きを始め、トレッキング主体から山頂を目指すようになった最初の山が赤薙山、その次が女峰山だった。これが管理人が山の楽しさを味わう決定打となったのである。
厳しいが変化に富んだルート、2千メートルを超える場所から湧き出る水、山頂に立って見渡す360度の展望はトレッキングでは味わえない達成感と山の醍醐味を教えてくれた。いってみれば管理人をして山歩きの楽しさに開眼させ、育て上げてくれた母なる山が女峰山なのである。疎かにしたら罰があたるというものだ。

片道8キロという距離は日光の他の山の往復に相当する長さだし、累積標高差は1800メートルにもなるから、気が向いたときに気軽にホイホイと登れる山ではない。体力、気力ともに充実していなければ登れないことはこれまでの経験で知っている。その厳しさに震えるほどの快感を得る管理人なのである。
この山に登れるうちは他の山は大丈夫。管理人、自分にそう言い聞かせている。
でもいつかは必ず、登れなくなる日が訪れる。
目下の課題はその日を1ヶ月さらに1ヶ月と先に延ばすことだ。
そのためにも筋力の低下を阻止するトレーニングは欠かせない。女峰山に登り続けるためにはどんな努力も惜しまない、そう決めている管理人なのである。

いい天気に恵まれた。
古稀を迎えた管理人を祝ってくれているかのような青空が広がっている。今日は思いっきり楽しもう。
女峰山霧降ルートはここ霧降高原キスゲ平から始まる。
さあ、無事に登頂できるのかそれとも途中で追い返されるのか、その正否は女峰の神様の手に委ねられている。
まずは天空回廊と呼ばれる1445段の階段を上がる。
画像右の陰の中にいる人は女峰山に登るという、トレランの練習に来たランナー。


キスゲ平園地の植物はすでに秋の花たちに変わっていた。


タムラソウ


ツリガネニンジン


天空回廊終段の小丸山を見上げる。
ここはかつて冬はスキー場、初夏はニッコウキスゲ観賞の地として使われていた日光市の施設。
2010年にリフトを撤去した跡に小丸山に通じる階段を設け、天空回廊と名付けた。
1445段、標高差にすると240メートルもある登山者泣かせの難所である。しかし、それを楽しみに訪れる強者もいて人気がある。
国土地理院地図には階段の北側(画像に見える階段の右)に登山道が描かれているが、天空回廊ができてからはほとんど使われなくなり藪化している。廃道になる日も近い。


シシウド


ゴマナかなぁ?

天空回廊の700段目からはスキー場でいう上級者コースの傾斜に変わり、それなりに厳しい。ここでバテてしまっては女峰山に到達できない。
管理人は100段ごとに立ち止まって息を整えるようにしている。
前を行くのは管理人とほぼ同時にスタートしたトレランランナー。差は開くばかり。


振り返ると関東平野の上空に見事な雲海が広がっているのが見える。


27分かかって天空回廊の最終段に到着。
最初の難関が終わった。


ヤマハハコ


ノハラアザミ


標高1601メートルの小丸山。
これから正面に見える赤薙山(2010M)を目指す。
ちなみに女峰山へ行くにはここから赤薙山(2010M)→ピーク2070→ピーク2203(奥社跡)→ピーク2209→ピーク2295(一里ヶ曽根)→ピーク2318→ピーク2462(三角点)を超えてようやく到達する。縦走の醍醐味が味わえる。


リンドウ


イタドリ


道はやがてガレ場に差しかかる。
浮き石が多いのでうっかり乗ってしまうとバランスを崩して転倒ということも。


ガレ場の途中に焼石金剛があり北東に位置する塩原から矢板、塩谷の山並みが見渡せる。


北東に高原山(鶏頂山、釈迦ヶ岳、中岳、西平岳の総称)がよく見える。


日光の市街地と鳴虫山(手前の山)、鹿沼や宇都宮の山並みがきれいだ。雲海の上にうっすらと筑波山が見える。


歩き始めて最初のピーク、赤薙山に到着。
所要1時間28分とまずまず。


山頂からの展望は1ヶ所のみ。鳥居の奥からこれから向かう女峰山をとらえることができる。


山歩きは前月の22日以来なので脚力低下を想定して身軽に動けるようにしてきた。
荷物は6キロに抑え、靴はローカット。ポールは岩を乗り越えるのにじゃまなので車に置いてきた。
ここまで来る間に、笹についた朝露のせいで靴もパンツもびしょ濡れ。歩いているうちには乾くだろう。


アキノキリンソウ


赤薙山から次のピークへ行くにはアップダウンを繰り返すが、このような歩きやすい場所もある。


スギゴケ


オオカメノキ


ミヤマホツツジ


崩落箇所に差しかかった。


おやっ、前回来たときと様子が違うぞ。崩落した部分が埋められているのだ。
ここは慎重に通過しなければならない場所だっただけに助かる。
それにしても登山口から2時間近くもかかるここまで、崩落を埋めるほどの大量の土砂を誰がどのようにして運んだのだろう?
いずれにしてもありがたいことだ。


ここから正面に奥社跡が見える。
霧がピークを覆い隠しているのが気がかり。


キオン


奥社跡に到着。
所要2時間17分。5分ほど休みを取る。


奥社跡と次のピークとの標高差はわずか6メートル。
しかしこの6メートルは50メートル下って56メートル上がることで得られる。
画像はその鞍部。
なお、ピーク2209は奥社跡から見て真北からほんの少し東に向いている。
しかし道はピークへ向かわず、この鞍部からやや西へ向かう。ピークへの道はない。
雪で道が隠れて見えない季節は地理院地図にしたがって忠実に歩こうとすると深い藪に突入する。地理院地図はピークに向かって描かれているからである。


ピーク2209から西へ延びる稜線にのった。
ここからピーク2295の一里ヶ曽根までの1キロ強、シャクナゲが茂る平坦な道がつづく。


シャクナゲの花はすっかり終わってタネになっていた。


ヤハズを通過。


歩き始めて3時間6分でガレ場のピーク、一里ヶ曽根に到着。


一里ヶ曽根から先へ進むにはまずこの急傾斜のガレ場を降りる。
石は浮いているので不用意に乗るとズルッといくから注意。


テントでも張れそうな広くて気持ちのいい鞍部。


鞍部を過ぎて登りになるとすぐ、水場への分岐に差しかかる。
ちょっと覗いてみよう。


ひと頃に比べると水量は多い。


ピーク2318を通過


キオンの群落


ウメバチソウ(上)とシラネニンジン(下)


ロープがかかる落差3メートルほどの岩場を登る。


女峰山手前、最後のピークとなった。


女峰山神社


通算17回目の女峰山である。
初めて女峰山に登ったのは2002年だが、この山の面白さの虜になって集中的に登るようになったのは2016年後半からで、今日で11回(うち1回は500メートル手前で撤退)に達した。
古稀を迎えてこれから先、いやでも体力は衰える。衰えて山歩きができなくなるまで、あと何回、この山に登れるだろうか。
おもしろいのは、今日の所要時間は休憩や撮影を含めて4時間12分だったが、昨年まで5時間を切ることはなかったのだ。
管理人、特に時間にこだわっているわけではないので、あえて休憩を少なくしたり、写真を撮る枚数をけずったりはしていない。
しかし、休憩については、結果的には回数とそのときの時間が少なくなっているのを自覚している。時間を短縮するために無理して少なくしているというわけではなく、多くの休憩を必要としなくなっていることに気づく。このへんのところはあらためて考察したい。
※霧降ルートからの片道の所要時間(積雪期の記録は除外)
・2018年08月10日 4時間12分(今回)
・2018年06月04日 4時間01分
・2018年05月21日 4時間34分
・2017年09月26日 5時間35分
・2017年08月09日 5時間17分
・2016年11月07日 5時間14分
・2016年06月10日 5時間23分


いつもは女峰山とセットで登っている帝釈山は霧で隠れて見えない。
今日は最終目標を女峰山としたのであそこへは行かない。


お見苦しくて失礼、、、
久しぶりの登山なので膝を保護するためにサポーターを装着してきた。
以前、左膝の靱帯断裂で再建手術をしたが不安定さがいまだに解消されない。
エレキバンでお馴染みのピップ社の膝サポーターだが、長距離やアップダウンが激しい登山の際に使うことにしている。ただし肌がかぶれる(なにしろ柔肌なもので)のがイヤな材料。


身軽に歩けるようザックは15リットルという小型のにした。
小さいがゆえに荷物の取捨を真剣に考えなくてはならない。
事故に備えて救急セット、スズメバチに刺されたときのためにポイズンリムーバー(毒出し)、日没も想定してヘッドランプは持参している。
外したのはポール、GARMINのGPS、薄手のダウン、ウインドシェル、手袋、ツェルト、雨傘、スパッツ、充電器、着替えなどだ。なお、ツェルトと雨傘は本来、必須の小物としているのだが今日の予報ならば雨具でしのげると判断して置いてきた。
そうやって今日は水2リットルを含めて6キロに抑えた。


コケモモ
このように真っ赤なうちはまだ食べられない。


ミヤマダイコンソウ
花はとっくに終わっていた。


ウメバチソウ(梅鉢草)


雨が強くなってきた。
これまでも着たり脱いだりしていたが、これからはずっと着ていなければならないほどの強さだ。


ピーク2318を通過


早くも朱色に染まったナナカマド


ガレ場を上って一里ヶ曽根


濡れそぼったシャクナゲの間を歩く。


奥社跡


朝は見逃したが水を含んでぐっしょり濡れた軍手を回収する。


シロヨメナ


奥社跡から赤薙山への稜線は岩場があるし大きなギャップもある。雨で濡れると滑るから細心の注意を払いながら下山する。


赤薙山のひとつ前の2070ピークが見えてきた。


赤薙山は休まず通過


赤薙山を降りると笹が深くなる。


マルバダケブキ


焼石金剛を通過


リンドウ


ネバリノギラン(花は終わっている)


う~ん、なんだったっけな?


コバノコゴメグサ(木葉小米草)


ヘビイチゴ


シモツケソウ


小丸山


さて、これから天空回廊を下る。
雨具はまだ身につけている。
今日は園内に咲いている花を観賞するつもりなので700段目で階段から外れて散策路を歩くことにする。


ソバナ


シラネニンジン? いや、違うなぁ。


園内の広場でひと休み。
氷を詰めた水筒から氷と冷たい水をカップに注いでアイスコーヒーを作り、フルーツグラノーラを使って作ったシリアルバーで小腹を満たす。


ツリガネニンジン


ノハラアザミ


よく似ているがこちらはタムラソウ


リョウブ


ワレモコウ


記念すべき古稀の第1登が無事に終わった。



天上の楽園、田代山湿原へふたたび。今回はお客さまと。

2018年7月22日 晴れ

猿倉峠登山口(10:45)~小田代(11:57)~田代山山頂(12:41)~弘法大師堂(13:11/14:15)~猿倉峠登山口(15:42)

3日間の福島遠征から戻って間もなく、今度はリピーターを福島県の田代山湿原にご案内した。
今年3月、管理人が主催するスノーシューツアーに参加してくれたKさんとYさんで、その際に雪のない季節の日光も素晴らしいから是非とPRしておいたのだ。
それが実現して喜んだのはもちろん、管理人に他ならない。
ふたりとも豊富な登山経験と知識があるから話が楽しい。空に雲がかかっていても景色が明るく見える。花がより美しく映える。さらには、、、これがもっとも大切なことなのだが、井の中の蛙を自認する管理人にとって、世界が広がるのがいい。
それがガイドを生業とする醍醐味と言って過言ではない。
もちろん、相手による。
話題に乏しい管理人に話を合わせてくれる気遣いや、ときに的外れな解説で浅学を露呈する管理人を大目に見てくれるなど、知的センスを感じさせてくれる必要がある。ということを歳を重ねるとともに深く思うようになってきた。
あと数日で古稀を迎える管理人なのである。

さてと、独り言はこれくらいにしてそろそろ出かけることにしましょうか。
場所は栃木県と福島県の境(日光市との境ともいえる)にある田代山湿原である。
隣接する帝釈山とともに、降った雨を日本海と太平洋にわける中央分水嶺の山として知られている。

県境にある山とはいえ、日光からのアクセスは悪い。電車だと絶望的である。マイカーの場合、日光からのルートは2本。距離が短いのは霧降高原経由で栗山から土呂部を抜けて林道を走るルート。ただし、土呂部から先はとんでもない悪路を走ることになる。速度は20キロ以上出せないから土呂部から1時間はかかる。
あちこちで山が崩れているしガードレールもない。冒険なのである。
もう1本は福島県南会津町の舘岩まで走り、そこから南下して湯ノ花温泉を抜けるルートである。この林道も砂利道だが田代山登山で利用する人が多く日光側ほど酷くない。ただし、日光から舘岩までの距離が90キロメートルと長い。2時間かかる。舘岩から登山口までの20キロは1時間かかる。
どっちもどっちなので飽きがこないよう、往きは日光側から入り帰りは福島県に抜けて舘岩から日光に戻ることにした。
田代山猿倉登山口お客さんとは8時半に東武日光駅で待ち合わせ、コンビニで昼食を買って現地へ向かった。
ここまでの所要時間は約2時間。それでも田代山は日光からもっとも近い福島県の山だ。管理人、一昨年から福島県の山を登るようになったのが遠くは5時間かかった。それに比べれば2時間は近い。

田代山の登山口となる猿倉峠の駐車場は日曜日ということもあってこの時間、管理人の車を駐めると満車であった。
でも心配はいらない。
ここから300メートル先(南会津町側)へ行けば同じくらいの広さの駐車場があり、トイレも備わっている。登山口から遠ざかるという理由だけでガラ空きなのである。


登山口の案内板大きな看板には田代山・帝釈山登山口と表示されている。帝釈山は田代山と稜線続きの分水嶺の山。その帝釈山には田代山から1時間10分くらいで登れる。
帝釈山に先に登って田代山という方法もあって、その場合は檜枝岐から林道を走って馬坂峠まで行く。そうすると登山口から40分もかからず登れてしまう。
一昨年の10月、中央分水嶺を踏破した人が書いた本を読んで興味をもち、田代山と帝釈山、荒海山といった山が手近にあることを知って、初めに田代山から帝釈山、二度目に帝釈山から田代山を登ったことがある。
一度目は冒頭に書いたように土呂部から悪路を走って猿倉峠へ行き、二度目は檜枝岐を通過して馬坂峠まで走ったのだがその際、檜枝岐に会津駒ヶ岳の登山口があることを見つけた。日光から近いと思っていた帝釈山よりもさらに近いところに会津駒ヶ岳(日本百名山)があることに思わぬ発見をした気分になって喜んだものだ。
会津駒ヶ岳に登ったのはその5日後であった→こちらに詳しく
ちなみに分水嶺(尾根、峰)だからといってそこが必ず登山道になっているわけではない。登山道がたまたま分水嶺に位置しているということである。分水嶺の多くは深い藪になっていてそこを歩くには大変な苦労を強いられるということが本を読んでよくわかった。
藪が雪に埋もれる冬が分水嶺歩きの適期だそうだ。

参考
新樹社・細川舜司著「日本の分水嶺をゆく」単独初踏破の全記録


登山者カードのポスト前回、6月22日に訪れたときもそうだったが、この山では登山者カードを受け付けていない。管理している南会津町からここまで砂利道を走って30分かかるから、おいそれと回収に来ることができないという理由なのかもわからない。しかし、せっかくのポストがもったいない。
※前回の様子→こちら


ツルアリドウシツルアリドウシ
地味な花である。


前回(6月22日)も記事にしたが田代山へのルートは登山口からすぐ急登になる。
ときおりこのような平坦な場所があるが、小田代までは急登と考えた方がいい。


オトギリソウオトギリソウ


ワタスゲは終わっただいぶしょぼくれてしまったがワタスゲ


キンコウカ尾瀬でも人気のあるキンコウカ(金黄花)


キンコウカ少しアップで


キンコウカ小田代の標柱に着いた。
ひと月前のワタスゲ乱舞はすでになく、今はキンコウカの盛りだ。


KさんとYさん今日のお客さまは今年3月にスノーシューツアーに参加してくれたKさん(左)とYさん(右)。
Yさんは各地の山を登っている山女子、Kさんは苔に詳しいコケジョなんである。


サワランキンコウカに混じって鮮やかな色合いのサワランが咲いている。


キンコウカキンコウカをアップで


イワショウブイワショウブ
花が終わるとピンクの実に替わる。


キンコウカキンコウカは湿原のどこでも見られた。


田代山湿原小田代は小さく、通り抜けると再び急登。
急登はすぐに終わり、本命の田代山湿原に着く。


田代山湿原田代山湿原の入口に佇んで日光から那須にかけての山並みを眺める。


田代山湿原を謳歌するKさんとYさん我々の後ろには誰もいない。
湿原を謳歌するKさんとYさん。


Kさんはしきりと湿原をのぞき込んでいる。
苔を探しているのだ。


モウセンゴケモウセンゴケが見つかった、というよりもよく見ると一面、モウセンゴケだ。


モウセンゴケの花モウセンゴケの花も多く見られた。


弘法沼田代山湿原は水は豊富だが池塘は少ない。
これは弘法沼。

サワラン鮮やかな紫色のサワラン。が、株は少ない。


イワショウブこれもイワショウブ


湿原をのぞき込むふたり腰を落として湿原をのぞき込むおふたり。
その視線の先は、、、


ミズゴケとモウセンゴケミズゴケと食虫植物のモウセンゴケだった。
モウセンゴケのこれは葉っぱ。葉っぱからはたくさんの毛が出ていて甘い香りの粘液を出す。それにつられて昆虫がとまると葉っぱが丸まって昆虫を包み込んでしまう。昆虫はその状態で消化吸収されるという恐ろしい植物なのである。
自然界では植物と昆虫は共存していると思われがちだが、非共存関係ということもあるのだ。


ミズゴケミズゴケをマクロで撮ってみた。
表情豊かだ。


イワショウブイワショウブもマクロで。


チングルマそろそろ散髪はどうだい、チングルマくん?


弘法大師堂湿原の折り返し点から帝釈山の方向に進むと2棟の建物がある広場に出る。
そこには弘法大師堂という避難小屋とチップ制のトイレがある。


綺麗なトイレ週に4~5回はスタッフが掃除に訪れるという綺麗なトイレ。
その脇にはコンクリート敷きの休憩所がある。
登山者への気遣いが感じられる。


下山話が弾んだ。
十分すぎるほどの休憩の後、下山することにした。
折り返し点まで戻って木道を湿原入口へ向かう。


ニッコウキスゲおぉ、ニッコウキスゲが!!
先月来たときに登山届け入れの中に田代山のパンフレットがあったので持ち帰り、咲く花のリストを見たらこの花があったので期待していたのだが、本当だった(^^;)
日光だと霧降高原の群落が有名だが福島県では各地で見られるようだ。管理人、福島県内のニッコウキスゲはここと那須連峰北の大峠で見た。


ヨツバヒヨドリヨツバヒヨドリ


ガクアジサイう~ん、ガクアジサイなんでしょうねぇ。


センジュガンピセンジュガンピ
奥日光の千手ヶ浜で発見されたことから名前がついている高山植物だが前述のパンフレットには載っていない。


水場で登山口の近くまで降りると水場がある。
綺麗な沢水で、飲める。


無事に下山ちょうど5時間の山と湿原の旅だった。
日光からの移動時間は長く、山の中を歩くのとほぼ同じ時間だ。
しかし、湿原の光景と花を楽しむのに移動時間の長さは負担にはならなかった。


猿倉登山口へ行くのに日光から土呂部を経由するのと舘岩を経由するルートの距離と時間を比較してみた(いずれもグーグルマップで計測)。

ルート 距離 時間
ペンション~土呂部~猿倉登山口(霧降高原、栗山経由) ペンション~土呂部:54キロ
土呂部~猿倉登山口:18キロ
72キロ
ペンション~土呂部:55分
土呂部~猿倉登山口:65分
2時間
ペンション~舘岩~猿倉登山口(川治、会津田島経由) ペンション~舘岩:91キロ
舘岩~猿倉登山口:18キロ
109キロ
ペンション~舘岩:116分
舘岩~猿倉登山口:56分
2時間52分

舘岩まで行って南下すると52分も余計にかかる。猿倉登山口に早く着きたいので、往きは悪路を我慢して土呂部から北上するのが常道。帰りは南会津町の田園風景を楽しみながらドライブするのがいいかも。


田代山湿原をグーグルアースで見ると、小田代から上がってきて弘法大師堂に至るまで見事に真っ平ら。広さは約25haもあるそうだ。これほど広い山頂は他に類を見ないのではないだろうか。


次の日

イタリア大使館別荘跡予備日としていた翌23日は丸一日、自由時間となった。
日光はあまり馴染みがないおふたりに管理人が観光案内をして差し上げた。
ここは中禅寺湖畔にある元イタリア大使館の別荘。
1997年まで実際に使われていたものを栃木県が買い取って改修し、一般に公開するようになった。贅沢な時間が過ごせる→より詳しく
なお、以前は任意のチップ制だったが現在は維持管理の名目で200円の入館料が必要。次に紹介するイギリス大使館別荘跡も200円だが共通券を買うと300円。


イギリス大使館別荘跡こちらはイギリス大使館別荘跡。イタリア大使館別荘跡に隣接する。
使われていたのは旧イタリア大使館よりも最近で2008年まで。やはり栃木県が買い取って改修し公開されるようになった。→より詳しく


窓ガラスから望む中禅寺湖。
写真では伝わらないが肉眼だと景色が歪んで見える。
建物は老朽化に伴って再建築したものだが、ガラス戸は当時の雰囲気を再現するため建具そのものを再利用している。
管理人の古い記憶では、たしか通っていた小学校の窓ガラスも外の景色が歪んで見えた。
当時はそれを普通に感じていたが、いまこうして中禅寺湖を眺めるとガラス製造技術の未熟さが返って新鮮に感じる。


広いロビーで往時を偲ぶYさんとKさん。
実際に利用されていた頃の大使館など見たこともないが、壁が白に統一されていてモダンな雰囲気を醸し出している。


大使の執務室(だったかな?)


中禅寺湖と男体山場所を中禅寺湖スカイライン展望台に移し、景色を楽しんだ。


中禅寺湖と男体山ここは中禅寺湖を俯瞰する絶景の地。


福島遠征、3日目は東吾妻山と湿原めぐり。アサギマダラとご対面。

2018年7月19日 晴れ

浄土平(6:30)~鎌沼(7:23)~姥ヶ原四差路(7:42)~姥ヶ原姥神(7:50)~姥ヶ原四差路(7:56)~東吾妻山(8:35)~景場平(10:12)~鳥子平(11:15)~吾妻小舎(12:18)~桶沼(12:29)~浄土平(12:39)
※距離:12キロ
※時間:6時間9分
※累積標高:560M

福島遠征も今日で最後になった。
欲を言えば浄土平より自宅に近い安達太良山に登って今回の最後にしたいところだが、食糧が尽きた。正確に言うと尽きたのではなく、クーラーボックスの食料がまだ2食分、残っている。しかし、炎天下の車内はクーラーボックスの保冷剤と氷を容赦なく溶かし、食料は熱を帯びている。危険だと判断した。
地図で調べても浄土平と安達太良山登山口の間は町らしき表示がなく、買い物は絶望的だ。
残っている手付かずの食料を車内に置いておくわけにはいかない。処分しなくてはならない。
今回は今日の東吾妻山を最後に潔く帰ろう。
そのためにも思い出に残る3日目としよう。

浄土平駐車場初日は他車のエンジン音とヘッドライトのおかげでなかなか寝られなかったため、広い駐車場のもっとも奧、一切経山を目の前に見る場所に移動して夜を明かした。
今日、予定している東吾妻山は12キロほどの距離なのでそれほど時間がかからない。その分、出発は遅くていい。


鎌沼へ向かうここまでは昨日、一切経山に登るときに歩いた道だ。
今日はここを直進(画像では左へ)して鎌沼へ向かう。


ハナニガナハナニガナ


ヤマハハコヤマハハコ


シラネニンジンシラネニンジン


赤く染まったナナカマド赤く染まったナナカマド
ナナカマドの紅葉は他の樹木に比べると早いが、まだ7月なのに早すぎないか?


このルートも整備が行き届いていてとても歩きやすい。


階段が続く階段が続く


この階段の場所を念のため地図に書き込んでおくことに。


ハクサンシャクナゲハクサンシャクナゲ


東吾妻山が見えてきた左前方にこれから行く東吾妻山が見えてきた。
雲が多いのがやや気がかり。


今日の靴はローカット今日は身軽に歩けるよう靴はローカットにした。
ガレ場を歩いたり渡渉をしない限り、楽なのは断然、ローカットだ。


露岩の道に変わったがすぐに終わった。


道は平坦になり鎌沼が近くなったことを示している。


ハクサンシャクナゲの群落ハクサンシャクナゲの群落


コバイケイソウこれはコバイケイソウ


ワタスゲワタスゲはまだしっかりしているぞ。


ここで鎌沼と東吾妻山への近道に分岐。
鎌沼を経由しても時間はそれほど変わらない。
それよりも昨日、帰り道に見た鎌沼の美しさをもう一度、見てみたいという気持ちにしたがうことにした。


木道の先に鎌沼が見えてきた。


ネバリノギランネバリノギランの群落


鎌沼。やはり美しい一切経山や前大巓を従えた鎌沼。やはり美しい!


オトギリソウオトギリソウ


ハクサンシャクナゲハクサンシャクナゲ


モミジカラマツモミジカラマツ


ここで再び道が分岐する。
右は鎌沼の北岸に沿って酸ヶ平へ行く。
東吾妻山へは左に折れる。


アズマシャクナゲアズマシャクナゲ


木道の分岐ここで木道はもう一度、分岐する。
東吾妻山へは左、右へ行くと姥ヶ原分岐(昭文社「山と高原地図」の表記)へ。


タテヤマリンドウタテヤマリンドウ


鎌沼を見納める鎌沼を見納めるようにして東吾妻山へと向かう。


東吾妻山東吾妻山がぐっと近づいた。
のっぺりした山容だが標高は1975メートルと、それなりに高い。
ここ(姥ヶ原)の標高自体1780メートルあるから低そうに見えるだけだ。


東吾妻山の姥ヶ原登山口
鎌沼から来て直進すると東吾妻山、左は浄土平、右へ行くと姥ヶ原分岐へ行く。
昨日、帰り道に姥ヶ原分岐を通過した際に、石像があるのを見落としてしまったため、東吾妻山に登る前に探してみることにした。
したがってここは右へ。


この近くに石像があるはず昭文社「山と高原地図」によるとこの近くに石像があるはずなんだが、、、


姥神石像あぁ、これだ。
姥神石像だ。この右隣には吹雪地蔵が建っている。
この地で修行が盛んだった頃、修行の邪魔になるとのことから女性はこの先へ行きたくても行けない。そこでこの姥神に願いを託したとの言い伝えがある、というのが全国の姥神伝説らしい。
一方、死者が三途の川を渡るのに着ているものは邪魔だということから衣類を剥ぎ取る脱衣婆という鬼女が姥神の姿であるとの言い伝えがある。
もしかするとここから先は地獄への道なので入ってはいけない、そのためここに石像を建てたのかもしれない。


木道四差路四差路に戻りこれから東吾妻山へ向かう。


登山口であることを示す標識。わかりやすい。


登りは悪路うっ、これまでの平らな木道からガラッと変わって悪路だ。


うへっ、道はますます悪くなる。


ハクサンシャクナゲハクサンシャクナゲ


林を抜けると目の前に一面の火山礫が広がっていて、そこが山頂だった。
遠方には雲がかかっていてどこまで見渡せるのかがわからないが、眺めはいいと思う。


東吾妻山山頂火山礫は半径10~20メートルほどの楕円状になっていて、そのスペースだけ見事に木々がない。火山礫が植物を寄せ付けない様がよくわかる。
東吾妻山は標高1975.1メートル、三等三角点を持つ山で管理人が昨日登った一切経山よりも高い。福島市内ではもっとも高いらしい。


イタドリ?イタドリのように見えるが、、、
宿題にしておこう。


これから湿原廻りさて、下山して湿原廻りでもしましょう。


展望台山頂から10分ほど下ると裏磐梯が見渡せる展望台があるので行ってみた。
が、残念なことに雲がかかって展望なし。
なお、ここに来るまでの間は笹が道にかぶさる藪だった。


オオシラビソの実誰かが食い散らかしたらしいオオシラビソの実


チングルマの花後の綿毛チングルマの花後の綿毛


湿原が赤っぽく見えるのはモウセンゴケに埋め尽くされているからだ。


モウセンゴケここにも池塘が、、、
そしてモウセンゴケ。
モウセンゴケは奥日光・戦場ヶ原でも見ることができるが、場所は限られていて目を凝らさないと見つからない。ここでは一面のモウセンゴケだ。


これから藪道モウセンゴケ
湿原はここで終わり、これから藪道に変わる。


ゴゼンタチバナゴゼンタチバナ


景場平湿原の入口1時間弱の藪歩きから開放されると景場平湿原の入口に差しかかる。
昨日歩いた谷地平湿原と同じくらいのスペースらしいので、景観と植物に期待できそうだ。


タテヤマリンドウタテヤマリンドウ


コバギボウシコバギボウシ


景場平の大きな池塘景場平の中心部にある25メートルプールほどの大きな池塘。
腹がへってきたことだしここで大休止としよう。


長めのランチ夏の山行になってからというもの、火照った身体を冷やすために飲み水の他に水筒に氷だけを詰めて持ち歩くようにしている。
氷だけだと溶けにくいので長持ちする。冷たい水を飲みたいときはボトルの水を水筒に入れて飲めばいいし、濃縮コーヒーを持参すれば氷り入りのアイスコーヒーが飲める。


水辺に咲くコバギボウシを眺めながらのランチ。アイスコーヒーを傍らに至福のひとときである。
とはいえ、口にしたのは福島入りする前に買ったオニギリとランチパック。車内で温まってしまったので怖々と口に運んだ。


いつまでいても退屈しないくらい、居心地のいい場所だ。
実に贅沢な時間を過ごすことができた。
そろそろ腰を上げなくてはキリがない。


オオカメノキオオカメノキが真っ赤な実をつけている。


再び悪路になった。


車道と出合う20分ほどで車道と出合う。
車道を横断し、今度は車道と並行する道を歩いて浄土平へ向かう。


鳥子平湿原鳥子平湿原。
車道に隣接しているとは思えないほどの環境。
規模は小さいながら植物は多い。


モウセンゴケここのモウセンゴケはたくさんの花が見られた。


モウセンゴケの花5ミリほどのモウセンゴケの花


見事なコケ群鳥子平を離れてゴールとなる浄土平に向かう林間で見事なコケ群を見つけた。名前はわからない。


ワイルドな道なかなかワイルドな道


アサギマダラだおぉ、アサギマダラ様と遭遇したぞ。
どこからやってきたのだろうか?
ひらひら舞っては笹に止まって吸蜜行動を繰り返し、管理人を10分ほど楽しませてくれた後、飛び立っていった。


吾妻小富士吾妻小富士


吾妻小舎吾妻小舎


日本最古のログハウス表に回ってもう一枚。吾妻小舎は1934年(昭和9年)築の日本最古のログハウスとなにかの説明で読んだ。


ハナニガナハナニガナ


桶沼桶沼の脇を通過


浄土平湿原へ車道に出たので横断し、今度は浄土平湿原に入る。


無事に戻ることができた。


17日の初日から今日にかけて、いくつ湿原を歩いたのか数えてみた(※印は地図に名称がない湿原)。
17日:浄土平
18日:酸ヶ平、東大巓(※)、谷地平、鎌沼(※)
19日:鎌沼(※)、東吾妻山(※)、景場平、鳥子平、浄土平
3日間で8つの湿原(延べにすると10ヶ所)を歩いたことになる。短期間にこれほど多くの湿原を、それも同じ起点(浄土平)から巡ることができるというのは感動に値する。
浄土平と鳥子平はこの空梅雨でやや乾燥している印象を受けたが、山の中にある他の湿原は水をたっぷり蓄え植物も多かった。
湿原といえば尾瀬ヶ原があまりにも有名(管理人、実はまだ歩いたことがない)だが、広さには敵わないものの「山と水」という今回、管理人が設定したテーマを楽しむには十分に応えてくれた。
管理人の地元、日光から訪れるには距離が長く(なにしろ山形県も歩いたからね)覚悟が必要だが、それを補ってなお余りある感動が得られた。時間や金銭、労力に代えられない、自然の醍醐味とでもいうか、登山歴20年にもなるが管理人が味わったこの体験は生涯忘れることはないはずだ。それがこのブログとなっている。

福島遠征、2日目は一切経山他5座 23キロ縦走。多くの湿原に癒される。

2018年7月18日 晴れ

浄土平(5:42)~酸ヶ平分岐(6:23)~一切経山(7:00)~五色沼分岐(7:56)~兵子(8:56)~ニセ烏帽子山(9:15)~烏帽子山(9:51)~昭元山(10:52/10:59)~谷地平分岐(11:52/11:55)~東大巓(12:13/12:45)~谷地平分岐(13:11)~谷地平湿原(15:24)~姥ヶ原(17:32)~鎌沼(17:37)~酸ヶ平分岐(17:52)~浄土平(18:41)
※距離:23.2キロ
※時間:12時間59分
※累積標高:1454メートル

街中から20キロ以上離れた山の中の駐車場だというのに、深夜にもかかわらず車やバイクの出入りはけっこう多く、そのたびにエンジン音やヘッドライトの明かりが車の窓を通して侵入してくるから、無音・真っ暗闇の部屋で寝るのが日常となっている管理人は目が覚めては眠れなくなる。
でも途切れ途切れながら4時間は寝たのであろうか、4時前に目が覚めたものの眠くはなかった。いや、睡眠時間は足りていないが神経が張り詰めているのであろう、きっと。
なにしろ初めて訪れる地の山を20キロ(推定)も歩く計画なのだ。気の弱い管理人などどうしたって緊張する。

さて、なぜ20キロもの計画かといえば一切経山を中心に、半径5キロの範囲に大小いくつもの湿原が点在し、今は花盛りのはずなのだ。一切経山は2時間半もあれば往復できるので、湿原と組み合わせることで磐梯朝日国立公園の魅力を思う存分に味わいたいと思う。
なにしろ日光から片道200キロも走るのだ。ガソリン代の元を取らなくては、と貧乏根性が染みついた管理人は思うだよ。

もとい、その湿原だが、国土地理院の地図にある湿原記号を数えると浄土平から延びる登山コース上に8つもある。これを今日と明日ですべてを見て歩こうというかなり欲張った計画なのである。
湿原には池塘がつきものである。
池塘は火山活動によって噴出した火山灰が堆積、風化して水が染み込みにくい物質に変化し、その上に水が溜まったもので、それらが湿原に点在する光景は実に美しい。美しさは尾瀬の写真を見ればよくわかる(ただし、池塘の成り立ちは違うようだ)。
そして地図には沼と沢がいくつか描かれている。
すなわち、「山と水」が今回のテーマなのである。
それらを巡る旅を計画したところ20キロになったわけだ。

吾妻小富士の日の出吾妻小富士の裾野から陽が昇るのが見える。
今日もいい天気になりそうだ。


カップうどんの朝食リクライニングさせたシートからマットと寝袋を片付けるとダイニングテーブルに替わる。
まだ腹が減っているわけではないがお湯を沸かしてカップうどんを食う。
これ一杯で400kcalはあるから3~4時間は保つ計算。
ちなみに今回は長距離を走るため疲労を少しでも軽減できるよう、いつものジムニーではなく普通車にした。


ビジターセンター浄土平ビジターセンターに登山届けを投函する。
ビジターセンターは全国の国立公園に存在し、園内の詳細がここでわかるようになっている。
ここの運営は湯元ビジターセンターと同じで一般財団法人自然公園財団


目の前は一切経山これから登る一切経山を前にして気持ちを奮い立たせる。


登山口登山口はビジターセンター裏手の駐車場奥、湿原の西側にある。
木橋の両脇に長さ3メートルくらいの竹竿がくくりつけられている。
おそらく積雪時でもここが登山口であることがわかるようにするためのものであろう。


カウンター入山者を数えるカウンター


晴天続きのはずなのだがやや湿った道。
湿原の脇なので土壌が水分を多く含んでいるのであろう。


オトギリソウオトギリソウ


道はここで二手に分かれるがどちらを進んでも1時間ほどで交わる。
明日もここまで来るので今日と明日、違う道を歩こう。


酸ヶ平へ向かう分岐を酸ヶ平へ向かう。
一切経山がよく見える。


オニノヤガラほう、オニノヤガラじゃないか。
なぜこんな場所に?


ハクサンシャクナゲハクサンシャクナゲ


イワシモツケ花が次から次へと出てくるぞ。
これはイワシモツケ。


よく整備された道酸ヶ平への道は整備されていてとても歩きやすい。


アズマシャクナゲアズマシャクナゲ


分岐を右へ歩き始めて40分で酸ヶ平分岐に差しかかる。
直進すると鎌沼だが一切経山から離れてしまうのでここは右へ折れることにする。


酸ヶ平避難小屋分岐を右へ行くとすぐ酸ヶ平避難小屋のふたつの建物と出合う。


酸ヶ平避難小屋避難小屋内部。
スペースの大部分は土間になっていて就寝するためのスペースは壁際に寄せられている。
一切経山の噴火に備えるための避難小屋といった方が適切。


酸ヶ平避難小屋のトイレ隣の建物はトイレ。
これも清潔。個室は3つある。


トイレの中個室の中を拝見。
驚いたことに水洗なのである(笑)。しかもトイレットペーパーまで備え付けられている。
といってもここに水道が引かれているわけではなく、下水も通じていない。水は雨水を溜め、さらに流した汚水を浄化して再利用している。
壁にパイプが2本、片側にポンプがつけられレバーを引くとタンクから水を吸い上げ、押すと吸い上げた水を便器の中に送り込む仕組みだ。


小屋から鎌沼を小屋から鎌沼を見下ろす。
あそこへは帰りに立ち寄る計画である。


シラネニンジンシラネニンジン


避難小屋から先へ進むとなだらかではあるが実に荒々しい光景に変わる。
地図に砂礫帯として描かれた場所だ。


空気大感謝塔歩き始めて1時間18分で一切経山に到着。
大小の石が積まれ数種の木柱が埋め込まれている。
「空気大感謝塔」なる柱もある。
麓から見上げると山頂に卒塔婆のようなものが見えたのはこれらの柱であった。
山頂を示す柱はここから数メートル離れてあった。


五色沼、魔女の瞳今日のお目当てのひとつはこの五色沼。
通称「魔女の瞳」としてここを訪れる人に愛されている、かなり大きな沼である。
昨日のブログに書いた、FB「福島の山を歩きたい」にメンバーがよく投稿するのでぜひ、行ってみたいと思っていたのだ。
霧で少しかすんで見えるが晴れたら緑がきれいそうだ。
また、冬は厚い雪に覆われるが雪解けの時期になると沼が少しずつ見えるようになり、その様を”魔女開眼”と称してFBで話題に上がる。


ゴゼンタチバナゴゼンタチバナ
当ブログでゴゼンタチバナを取りあげることは多い。
注意してみると花が咲いているゴゼンタチバナの葉っぱは必ず6枚ある。
4枚のはまだ未成熟で花芽がつかない。じっくりと成長していくのだ。


ハクサンシャクナゲハクサンシャクナゲ


ネバリノギランネバリノギラン
高原の花である。


一切経山を北側から見る五色沼に沿って北上するとさっき登った一切経山を北側から見る場所に出る。なかなかいい眺め。


ケルンのあるガレた場所上りきると標高1700メートル、ケルンのあるガレた場所に出る。
しかし家形山ではない。山名板もない。


主図根ケルンのすぐ近くに三角点と同じような石柱がある。
「主図根」と刻まれている。
これまで管理人が見たことのない石柱である。
帰宅して調べると、三角点だけだと測量が不正確となるため、主図根なる基準点を設ける場所があるそうだ。そのひとつが家形山近くらしい。
では家形山はどこだ?
国土地理院地図を見ると家形山はこの近くに存在するのだが、登山コースは家形山の少し南を通過するようにつけられていて家形山には登らないのだ。
ここにケルンがあるのもそんな理由からのようだ。


泥濘が始まる主図根を少し進むと泥濘が始まる。
ドロドロではないが足は沈む。


泥濘に石畳そこからさらに歩くと石畳が出現した。
おそらく泥濘を避けて歩けるようにとの配慮なのであろう。
しかし、このような場所までどうやって平石を運んだのか、管理人の関心はもっぱらそこに集中した。


ミズバショウ石畳で驚くのはまだ早い。
石畳の両脇にはなんとミズバショウが、、、
見ごろは終わっているので気づかず通り過ぎてしまいがちだが、この大きな葉っぱと緑色の実。間違いなくミズバショウだ。尾瀬だけの植物ではないのだ。
このルートのミズバショウは谷地平湿原まで点在していた。


家形山の木柱なんと、ここが家形山であることを示す木柱がある。
これはおかしい。
GPSで現在地を調べるとここは国土地理院地図に描かれた家形山から340メートルも北西に位置している。
登山者を惑わす謎の木柱なので無視することにして先へ進んだ。


モミジカラマツモミジカラマツ


倒木倒木


ギンリョウソウギンリョウソウ


再び石畳再び石畳


笹藪笹藪


そして泥濘
繰り返しやってくる泥濘なのだ。


兵子と書いて「ひょっこ」と読む。兵子と書いて「ひょっこ」と読む。


米沢市を歩いているシラビソにつけられた看板。
注意してみると「米沢市」とある。
そうなのだ、ここは福島県と米沢市(山形県)との境から、ほんの少し山形県に入り込んだ登山道なのである。
管理人は現在、福島県よりも北の山形県の山を歩いているのだ。そう考えると感無量である。


ニセ烏帽子山標高1836メートルのニセ烏帽子山。
なぜ「ニセ」なのかはよくわからない。
この先に43メートル高い烏帽子山があってそれと間違いやすい山だからニセと名付けたのだろうか?


笹藪は限りなく続く。
笹の葉を通して道は見えるので迷うことはないが、泥濘だったり枝が横たわっていたりするので注意しなくてはならない。


烏帽子山藪から一転、視界が開けそこが烏帽子山であった。


いい眺めだ。
次の目標、昭元山その右前方には折り返し点の東大巓が見える。


コメツツジコメツツジが目の保養になる。


烏帽子山から昭元山へは大きな石が積まれた尾根を下らなくてはならない。
二足歩行だとふらつくので注意して下っていく。


ハリブキ足にチクッと痛みが走った。
全体にトゲのある植物、ハリブキである。


実をつけたユキザサ実をつけたユキザサ


昭元山に到着昭元山に到着。
今日の折り返し点、東大巓はこの先だ。


ギンリョウソウギンリョウソウ


イワイチョウイワイチョウ


タテヤマリンドウタテヤマリンドウ


コバイケイソウコバイケイソウ


ネバリノギランいきなり視界が開けるとそこは湿原だった。
名前はないが国土地理院地図に湿原の記号が描かれている。
ネバリノギランが多い。


チングルマの果穗チングルマの果穗
あの花がこんなに様変わりするんだと妙に感心する→チングルマの花


ワタスゲワタスゲ


広く開放的な湿原広く開放的な湿原と出合うことができ、ここまで来てよかったと思う。


東大巓木道から20メートル脇に入るとそこが今日の折り返し点となる東大巓。展望はない。
標高1927メートルと書かれているが国土地理院地図によると1928.3メートルだ。


谷地平を目指す木道まで戻って昼メシとし、次の目標の谷地平を目指すことにした。


ここまで戻ると木道は分岐するので、右へ入る。
直進すると元来た烏帽子山へ。


国土地理院地図には湿原の記号があるだけで名前はないが開放的。


コバギボウシコバギボウシ


モミジカラマツモミジカラマツ


オオシラビソの実オオシラビソの実。後にマツポックリになる。


大倉新道このルートは「大倉新道」と呼ぶらしいが谷地平までいくつもの沢を渡っていく。


シナノキンバイシナノキンバイ
後で知ったのだが花に見える黄色の片は実は花を包む萼片で、本当の花は雄しべよりも内にある裂けて見えるのがそれだ。


渡渉ここも渡る。


藪でこそないが実にワイルドな道なのである。


泥濘とシダ泥濘とシダ


名前のない湿原視界が開けて湿原のような場所に出た。
地図を見ると谷地平湿原に隣接する、名前のない湿原である。


ツリガネニンジンツリガネニンジン


マルバダケブキマルバダケブキ


エビネチドリ遠目にはクガイソウかと思ったが背が低く穂は垂れていない。
エビネチドリであった。


渡渉
これまで数回、沢を渡ったがいずれも水深浅く危険はなかった。
しかし増水時はこんなものではないだろうな。


オオバセンキュウオオバセンキュウ


谷地平湿原どうやらここが谷地平湿原らしい。


池塘が現れた。


ここにもエビネチドリここにもエビネチドリ。
これは図鑑で見る特徴が表れている。


クルマユリクルマユリ


谷地平避難小屋谷地平避難小屋のようだ。
さっそく見学しよう。


谷地平避難小屋内部ほう、体育館の床のようにツヤツヤだ。
ゴミひとつ落ちていないし、日光の避難小屋のように利用者が置いていった寝具やペットボトルもない。実に整然としている。
水は近くを流れる沢で足りる。場所もいいし利用する価値大といった印象。


次の目標地は姥ヶ原。鎌沼の少し手前だ。


渡渉


姥ヶ原に到着姥ヶ原に到着。
鎌沼が一望できる絶景地だ。


鎌沼鎌沼に近づいてもう一枚。
いやぁ、実に素晴らしい! 美しい!


沼の向こうは蓬莱山角度を変えてもう一枚。
沼の向こうは蓬莱山。


酸ヶ平分岐鎌沼に沿った木道を歩くと酸ヶ平分岐。
左へ行くと避難小屋。ここは直進して朝、歩いた道を戻る。


時刻は18時を過ぎた。11月なら日没間違いなしだ。
火口をぱっくり開けた吾妻小富士が見える。


アズマシャクナゲ朝も見たアズマシャクナゲ


歩き始めてちょうど13時間。
初めての山ながらなんとか無事に戻ることができた。


駐車場に誰もいないことを確かめて汗だくの身体を濡れた手ぬぐいで清めた後、一切経ならぬ独り言を唱えながら乾杯!!
クーラーボックスに入れて持ってきた缶ビールは炎天下の車中でもまだ冷たかった。

GPSには歩行距離21.9キロと表示されているが、これを地図ソフト「カシミール3D」で処理すると23.263キロメートルとなる。管理人はそれを記録として用いている。


浄土平から90分もあれば登れ、山頂から雄大な景色が眺められるので一切経山はとても人気があるらしい。また、山頂からは五色沼を見下ろすことができ、それを目当てに登る人が多いと聞く。
手軽に登れる山だけに管理人のように早朝から登る人はいないようで、この日は山頂を独占してしまった。
さらにはその先、東大巓までそれに東大巓から浄土平まで人っ子ひとり出会うことなく戻るという、貴重な体験をさせてもらった。
かなり前、季節外れの白根山で同じ贅沢な体験をしたことがあったが、今は登山シーズンのまっただ中だ。こんなことがあってもいいのだろうか、罰は当たるまいな(^^;)
花が咲く湿原をひとりで歩くのは実に気持ちよかった。山の中に湿原や沼、沢があるのはいい。気持ちが安らぐし疲れを感じない。
福島の山がますます好きになった。


福島遠征、初日は軽く吾妻小富士と浄土平湿原散策。

2018年7月17日(火) 晴れ

福島県の山に魅せられて3年目。
会津駒ヶ岳の魅力もたっぷり味わったし、そろそろ他の山に登ってみたいと思うようになった。
情報収集のためにとメンバーになったFaceBook、「福島の山を歩きたい」には管理人にとって新鮮でなおかつ、魅力的な情報に溢れ、行ってみたい山が日一日と増してくる。
中でも仏教経典の総集(って、管理人にそんな知識はなく受け売り)が山の名になっている「一切経山」など、山というよりもその名前に惹かれてしまった。
福島県には他に磐梯山や安達太良山といった日本百名山があるが、それらを差し置いても一切経山には行きたい。
管理人、もはや心は日光に非ずなのである。

場所は福島県北部、山形県にも近い磐梯吾妻国立公園内の浄土平が起点になる。
今日から3日間、初めての地で修行を積むことになった。

一切経山を含む6座縦走今回はここ浄土平を起点に3日間、これから向かう吾妻小富士の他に画像の一切経山と東吾妻山に登る予定。
明日18日が本命の一切経山を含む6座縦走なので、今日は長時間にわたる車の運転で凝り固まった全身をほぐすために吾妻小富士と浄土平湿原を歩くことにした。


吾妻小富士吾妻小富士。
見上げると大地状の山容だが山頂は大きな火口になっていることが事前の調べてわかっている。


では登ってみましょうか。


振り向くと一切経山吾妻小富士の火口の縁に着いて振り向くと一切経山とその麓の浄土平がよく見える。
浄土平からわずか50メートル強しか登っていないのにこの雄大な展望。すばらしい!!


噴火の威力火口に到着。デカイ!
噴火の威力とは恐ろしいもんだ。
明日の足慣らしに少しでも歩いておこうと、40分かけて火口の縁をぐるっと回ることにした。


次に浄土平湿原を散策するため一旦、吾妻小富士を下りる。
遠方、左に見えるのが明後日に予定している東吾妻山。


浄土平湿原湿原にはビジターセンターの脇から入る。
湿原は乾燥化が進んでいるのかあるいは、空梅雨だったからか水気がなく草原と化している。


木道を南に進むと車道を交わるので横断し、桶沼へと向かってみた。


桶沼の水深は13メートル桶沼
説明板によると桶沼は今から5000~6000年前の火山活動によってできた火口に水が溜まったものだそうだ。水深は浅く13メートルとある。


ハクサンシャクナゲ深い緑に囲まれたハイキングコースは、ここが車道と100メートルしか離れていないことを忘れさせてくれる静けさ。
植物の種類も多い。画像はハクサンシャクナゲ。


アカショウマアカショウマ(たぶん)


吾妻小舎吾妻小舎
浄土平から適度な距離をおいて建つ有人の山小屋で、1934年(昭和9年)築の日本最古のログハウスだそうです。


マイヅルソウマイヅルソウの花は終わって実になっている。


ハナニガナハナニガナ


車を置いた浄土平へ戻り、あらためて一切経山を眺める。

車内で夕食明日のために早起きしなくてはならないのでまだ早いが夕食を!


T.Hさん念願の白根山にご案内。大展望にご満悦だったようす。

2018年6月30日(土) 晴れ

菅沼登山口(8:05)~弥陀が池(9:39)~山頂(11:05/11:55)~五色沼(13:06/13:35)~弥陀が池(13:59)~菅沼登山口(15:45)
距離:12.6キロメートル
時間:7時間40分
累積:1280メートル

管理人が主催しているツアーの中に「クリーンハイキング」がある。
フィールドに落ちているゴミを拾いながらハイキングするという、他のツアー会社にはないユニークな内容だ。
ゴミを故意に落とすハイカーはいないと思うがフィールドを歩いているとそれなりに目につくものである。それらのゴミを拾うことで自然を良好な環境に保つと共に、きれいな環境の中で花を観賞するというのがツアーの主旨である。
他人が捨てたゴミを拾うというのは抵抗があるが、ツアーの主旨を理解してくれる自然愛好家はいて毎年、わずかだか参加者はいる。

3年前にクリーンハイキングに参加してくれたT.Hさんはそのひとりであり、その後も交流が続いていて、毎月のようになんらかのツアーに参加するようになった常連さんである。
通勤中の事故で一時は精神的に落ち込み、これで山とはお別れかと思ったそうだ。
しかし、心の持ちようでどん底から脱出し、夏のテント泊を目指しリハビリに専念している。心身ともに不調から立ち直るためにも、なんらかのお手伝いをしてあげたいと思う。

白根山登山は一般的に、丸沼高原スキー場からゴンドラで一気に2千メートルまで上り、そこから山頂へ向かう方法と、日光湯元に近い菅沼登山口を利用する方法がある(これ以外に湯元温泉スキー場から前白根山経由で登ることもできるがかなりマニアック)。
ゴンドラを利用すれば標高差578メートルで百名山に登れるので人気が高い。菅沼からだと840メートルの標高差を上る必要があり、それなりの脚力が求められる。が、こちらも人気だ。T.Hさんとしてはやはり、難易度の高いルートを望むであろう。
今日は土曜日ということもあり駐車場には朝からさまざまな地域から来た車が停まっていた。さすがに百名山、もしかすると駐車場は満車かとも思ったが、まだ十数台分のスペースがあった。
この駐車場、以前は無料だったが現在は入口に係員が駐在する小屋があり、そこで1000円徴収される。また同時に、登山届書もここに預ける。
なお、トイレはこの駐車場に隣接する民間の茶屋のが利用できる。


菅沼駐車場駐車場から南へ、深い林に入っていく。


この日を待ち望んでいたT.Hさんこの日を待ち望んでいたT.Hさん。


ゴゼンタチバナ初めに見つけた花はゴゼンタチバナ。


ルートはギャップが多い菅沼ルートはギャップが多いため脚を高く上げないとクリアできない。


あと900メートルこの道標まで来ると弥陀ヶ池まで900メートル。


カニコウモリの群落カニコウモリの群落。


カニコウモリの花カニコウモリの花。
まだ蕾のようだがとても地味な花なので目を凝らさなければ咲いているのかどうか、よくわからない。


バイケイソウバイケイソウ


弥陀ヶ池に到着弥陀ヶ池に到着すると視界は一気に開ける。
前方に見える荒々しい山が白根山。
右の斜面が弥陀ヶ池からの直登ルートで左の斜面は五色沼を経由するルートである。


シラネアオイの保護地帯シラネアオイの保護地帯。
電気柵で囲んでシカの侵入を防いでいる。
残念ながらT.Hさんが切望するシラネアオイはすでに終わっていた。


ハクサンチドリ代わりに見たのがこのハクサンチドリ。


五色沼への分岐弥陀ヶ池で道は白根山方面と五色沼方面に分かれる。
どちらに進んでも山頂に行くことができるが五色沼経由で山頂に立ち、弥陀ヶ池に下るルートは山頂から下、滑りやすい岩場やザレ場を歩かなくてはならない。危険がともなうため下りは五色沼ルートを使うほうが安全。


イワカガミイワカガミ


ツガザクラツガザクラ


ガレ場始まる。
これから先はずっとガレ場、ザレ場を上っていく。
ザレ場は足が安定せず滑る。


このルートは展望が素晴らしい。
振り返ると眼下に弥陀ヶ池、菅沼、丸沼。遠方に燧ヶ岳ほか福島県や群馬県、長野県の山並みが一望できる。
ただし、下りにこのルートを使うのはスリップが怖いのでお勧めできない。


燧ヶ岳をズームでとらえた。


おそらく会津駒ヶ岳の山並み。


中央手前が弥陀ヶ池、左斜め上が菅沼でさらにその左は丸沼。


火山特有の表情を見せる道弥陀ヶ池からのルートは山頂に近づくにつれて火山特有の表情を見せる。


イワカガミの小群落イワカガミの小群落


眼下に群馬県から福島県にかけての山並みが見える。
右下の湖は菅沼、その左、やや大きいのは丸沼で丸沼の奧は燧ヶ岳。


山頂はものすごい人おぉ、山頂が見えてきたぞ。
でもすごい人の数だ。


見た目だけ山頂独占T.Hさん念願の白根山に登頂。
次から次から上ってくる登山者の切れ目を狙って一枚。見た目だけ山頂独占の写真(笑)


白根山神社山頂を少し下ると白根山神社があり、ここで五色沼への道とゴンドラ駅への道に分かれる。


昼食の場所を探す登山者で賑わう山頂を後に、昼食の場所を探すために下る。


ランチタイム陣取った場所は衝立のような岩の陰。
風除けにしてお湯を沸かすのにちょうどいい。
T.Hさんの今日のランチはカップラーメンでした。
山への傾倒がますます深まっているT.Hさんは7月末にテント泊を計画しているそうだ。そのためにもテント泊に必要な調理道具の使い方をマスターしたいという。


コンビニのあんパン管理人の定番、コンビニのあんパン。4つで400キロカロリーを確保できる。
この他にオニギリとバナナで栄養のバランスをとる(でもないか・笑)。


男体山と中禅寺湖五色沼への下山ルートはこのような光景が見られる。
男体山と中禅寺湖である。


五色沼を見下ろす五色沼を見下ろす。
いい色をしている。


ミツバツチグリミツバツチグリかな?


男体山と中禅寺湖男体山と中禅寺湖


マルバダケブキマルバダケブキ


五色沼下山中に見る五色沼。
人の姿が見えるまでに近づいた。


五色沼へと向かう登山者五色沼へと向かう登山者。
ここを降りると平坦な場所に出て道なりに歩くと避難小屋がある。


五色沼避難小屋五色沼に向かって歩いていくとやがて赤い屋根が特徴の建物が見えてくる。
五色沼避難小屋である。


避難小屋内部ここを利用する登山者が持ち込んだらしい毛布など寝具がたくさん。
無人の小屋だから致し方ないのだろうが年々、持ち込み品が増えている。


五色沼へ向かう次に五色沼へ向かう。


目の前に五色沼目の前に五色沼が見えてきた。


ここにもハクサンチドリここにもハクサンチドリが、、、
こんなに人が集まるところなのにねぇ。


ベニバナイチヤクソウベニバナイチヤクソウかな?


平らな岩があったので腰をかけ、T.Hさんとともに五色沼に魅入る。

そろそろ帰ろう30分ほど時間を費やしただろうか、休憩していた多くの登山者は先に行ったので我々もそろそろ帰るとしよう。
後に足音や鈴の音がするとせっつかれているような気がして気持ちが落ち着かない。事故の元になる。なるべく後続者を作らないようにするための30分であった。


ツマトリソウツマトリソウ


視界良好で歩けるのはここまで。弥陀ヶ池から先は樹林帯の中を歩く。


深い樹林帯はカニコウモリやこのズダヤクシュ(喘息薬種)の天下。


慎重に下るT.Hさん慎重には慎重を重ねながら下るT.Hさん。


一旦、沢に入ると間もなくゴール。


菅沼駐車場菅沼駐車場に戻った。


歩き始めて7時間40分、よく頑張りました。


60代男二人、花を愛でに会津駒ヶ岳へ。極上の展望と多くの花に出会えた。

2018年6月25日(月)~26日(火) 両日共に晴れ

1日目
滝沢登山口(11:05)~水場(12:41/12:55)~駒ノ小屋(14:33/14:40)~会津駒ケ
岳(15:06/15:20)~駒ノ小屋(16:00/泊まり)
※当初、中門岳まで行く計画だったが思いの外、花が多く、観察に時間がかかったので諦めた。
※歩行距離:7.5キロ

2日目
駒ノ小屋(5:49)~中門岳(6:40/6:50)~駒ノ小屋(8:05)~大津岐峠(10:17/11:05)~キリンテ(12:44)~バス(13:17)~会津駒登山口で下車して車を回収
※4時に起床後、ご来光を期待したが雲が厚くて拝めず。
※歩行距離:14キロ

会津駒ヶ岳は一昨年10月の初登以来、その登りやすさや展望の良さ、どこまでも続く湿原、その湿原に咲く花に魅せられ昨年までで5回も通った。
気に入った山であれば短期間になんども訪れる傾向、というか性癖のある管理人である。
今年になって5月の残雪期そして今回と、勢いは止まらない。
会津駒ヶ岳の魅力を余すところ無くブログに書くため、このブログのタイトルである「春夏秋冬、日光を歩こう!」の主旨から外れてしまうほどだ。

管理人が経営しているペンションの宿泊客(アウトドアを楽しむ人が多い)のひとり、常連のWさんにはことあるごとに会津駒ヶ岳の魅力を語るためか最近になって興味を示すようになった。Wさん、花好きで知識欲旺盛なことにかけては管理人に勝るから、日光にはない花が会津駒ヶ岳で観られるなら行ってみようかということになった。

今年の開花はどの地域でも早い。
昨年は7月9日に管理人単独で訪れて残雪歩きと花を堪能したが、昨年は3月の気温が低くて花は遅め。今年は反対に早いとのことなので2週前倒しの予定を組んだ。
解決すべき問題は東京住まいのWさんとどこで何時に待ち合わせるかということだ。
ペンションに前泊し翌早朝に出発して8時頃から歩き始め、その日は山小屋に泊まって次の日も山歩きを楽しんで、夕方帰途につくようにすれば会津駒ヶ岳をくまなく歩ける。
しかし、ここに大きな問題が浮上する。せっかく二日も歩くのに、下山後に帰ってしまっては反省会というか打ち上げを開く機会がないのだ(^^;)

Wさんが当ペンションに泊まる場合は必ずといっていいほど、管理人と夕食を共にする。もちろん、ふたりの共通の嗜好であるアルコールもだ。
それを計画のどこに盛り込んだら問題は解決するのか?
山小屋でそれを可能にしようとすれば他の登山者の迷惑になる。なにしろ消灯は8時だし、みなさん朝が早いのだ。

Wさんからの提案は一日目は浅草から東武線、野岩鉄道と乗り継いで(実際には乗り換えなしの直通))会津駒ヶ岳にもっとも近い鉄道の駅「会津高原駅」で待ち合わせてその後、会津駒ヶ岳に向かうというものだ。
浅草駅6:22発だから東京住まいのWさんには無理のない時間だし、日光から向かう管理人は7時過ぎに出発すればいいので楽だ。
登山開始は11時と遅くなるが山小屋に泊まる計画であればまったく差し支えない時間である。

でわでわ出発といきましょう。

会津高原駅東京在住のWさんは浅草から特急に乗り、9時22分着の野岩鉄道でやってくる。
それまで少し時間があるので構内の売店を覗いたりトイレに入って時間を費やす。


Wさんと無事に合流し、9時25分に会津高原駅を出発。
途中で腹ごしらえを済ませてここ登山口手前の駐車場に着いた。
計画では11時ちょうどに登山開始だったのでほぼ予定通り。
会津駒ヶ岳に登るのはこれで7回目だが計画の精度がだいぶ良くなってきた。
20台ほどの駐車場だが時間が時間だけに空いてはいないだろうと思っていたが、運良く登山口にもっとも近い特等席に駐めることができた。
会津駒ヶ岳は30日になって山開きとなるのでまだ数日は駐めやすいのかも?


登山計画書をポストに登山計画書をポストに入れていざ出発!
どんな花が観られるのだろうか、楽しみである。


ヤマツツジ最後の最後まで粘るヤマツツジ。


ハナニガナハナニガナ


会津駒ヶ岳の登山道は山頂近くになってようやく展望が開ける。
それまで右左から木々が迫る樹林帯を歩く。が、決して見通しが悪いわけではないし暗いわけでもない。


ウラジロコヨウラクウラジロコヨウラク


ハウチワカエデの実ハウチワカエデの実。
翼を持ち、熟すと風の勢いで回転しながら飛んでいく。


ブナの木管理人が登った福島の山はブナの木が多い。
ブナは樹高が高くまた、葉が小さいためか日差しをよく通し明るい。


クモイイカリソウクモイイカリソウ


ギンリョウソウギンリョウソウ
まだ生えたばかりなのかとてもきれい。


ナナカマドナナカマド


ヤマトユキザサユキザサ
尾瀨広域には3種類のユキザサがあるそうで、これはヤマトユキザサのようだ。


ハウチワカエデの実これもハウチワカエデの実。
熟しているのか赤っぽい。


カラスシキミカラスシキミ


駒ノ水場歩き始めて1時間35分で水場に到着。
急傾斜を下りた大きな岩から水が流れ落ちている。
Wさんはここで水筒に水を満たしに下りていったが管理人は必要量を持参したので補給せず、Wさんが戻るまで体を休めることにした。


40リットルのザック布団付きの山小屋に泊まるとは言え、自炊道具と食料はそれなりに必要である。
今夜の夕食と明日の朝食、昼食それに酒のつまみ、水3リットルで40リットルのザックは満杯になった。


マイヅルソウマイヅルソウは全行程で見られた。


ムラサキヤシオムラサキヤシオ


大戸沢岳進行右(北)に会津駒ヶ岳から続く稜線がよく見える。
中央は5月に行った大戸沢岳。


ゴゼンタチバナゴゼンタチバナ


オオカメノキオオカメノキ


ノウゴウイチゴノウゴウイチゴ(能郷苺)
なんでも岐阜県能郷に由来した名前らしい。


ツマトリソウツマトリソウ


イワナシイワナシ


コミヤマカタバミ開いたばかりのコミヤマカタバミ


ハクサンシャクナゲハクサンシャクナゲ
この色合いを見るとアズマシャクナゲかとも思うが、ここは標高が2千メートル近いことからハクサンシャクナゲに間違いないと思う。


コヨウラクツツジコヨウラクツツジ


ハクサンシャクナゲハクサンシャクナゲ
実に美しい。


木々の間から今夜の宿泊場所、駒ノ小屋が見えてきた。


ハクサンコザクラ今回の目的であるハクサンコザクラと出会えた。会津駒ヶ岳を代表する花だ。


ワタスゲの花ワタスゲの花
真っ白な穂になるのはまだ数日、先になりそう。


傾斜湿原樹林帯を抜けると目の前に傾斜湿原が広がり、その先に駒ノ小屋が構えている。


ショウジョウバカマショウジョウバカマ


駒ノ小屋歩き始めて3時間28分で駒ノ小屋に到着。
残雪の時期でさえ3時間で来るのに30分も余計にかかった。
そのはずでここに来るまでの間に写真を200枚も撮っているのだ。


駒ノ小屋からこれから登る会津駒ヶ岳を眺める。
駒ノ大池はまだ半分、雪に覆われている。


ミツバノバイカオウレンミツバノバイカオウレン
図鑑で調べるとこの花は至仏山にしか生育していないらしいので管理人が第一発見者か(笑)


駒ノ小屋と中門岳との分岐駒ノ小屋から中門岳に向かうと分岐するので会津駒ヶ岳はここを右へ入る。


ベニサラサドウダンベニサラサドウダン


ショウジョウバカマショウジョウバカマ


キヌガサソウキヌガサソウ


会津駒ヶ岳登~頂~!
歩き始めてちょうど4時間。管理人7回目の会津駒ヶ岳である。


サンカヨウ咲いたばかりのサンカヨウ


ツバメオモトWさんがとても貴重な花を見つけた。
ツバメオモトだ。
日光では非常に珍しい植物だがここでは普通に咲いているのが驚き。


エンレイソウエンレイソウ
直径30センチはあろうかという大きな葉の上に地味で小さな花を咲かせる(画像は実になった状態)。


ツマトリソウツマトリソウ


駒ノ小屋駒ノ小屋に戻ってきた。
今夜はここにお世話になる。


ハクサンコザクラ小屋近くのハクサンコザクラ


まだ早い?
いいえ、山小屋の消灯は8時。
その前に夕食を済ませておかないといけない。
小屋前のテーブルでWさんと向き合い今日、出会った花たちに感謝をこめてまずは乾杯。
そして明日、出会うであろう花たちに敬意をこめてもう1本、さらに1本。


今夜の宿泊客はわれわれをいれて8名と少ない。
他の登山者が夕食を終え寝室へと移動したのを見計らい、気温が下がった屋外からわれわれも自炊室へ。


大戸沢岳の向こうが橙色に染まってきた小屋番(管理人)さんによると日の出は4時18分とのこと。
朝日を拝むため4時に起きて外で待機すること20分。
大戸沢岳の向こうが橙色に染まってきたが雲に覆われて残念ながら陽は上らず。
とはいえ、このような光景を拝めたので良しとする。
さあ、今日はこれから中門岳まで足を延ばし、それから大津岐峠を経由してキリンテに下る予定だ。どんな花が観られるか楽しみ。


会津駒ヶ岳に向かう自炊室で朝食を済ませ、半分雪に覆われた駒ノ大池の上を歩いて会津駒ヶ岳に向かう。


シャクナゲのつぼみシャクナゲのつぼみ


昨年は雪解け時期になっても気温が上がらず、7月でも厚い残雪に覆われていた。それより10日も早いが今年はだいぶ少ない。


ショウジョウバカマショウジョウバカマ


イワナシイワナシ


早朝の中門池早朝の中門池。


最後の池塘木道の終わり、最後の池塘である。
地図ではここがもっとも標高が高く、実質的な中門岳となっている。


ミツバオウレンミツバオウレン


イワカガミこれから咲こうとするイワカガミ


ワタスゲワタスゲ


大津岐峠への稜線振り返ってこれから向かう大津岐峠への稜線を眺める。
ほれぼれする。


駒ノ小屋に戻り軽量化のためにデポしておいた荷物を受け取り、これから花を探しながら大津岐峠へ。


イワカガミイワカガミ


ゴゼンタチバナゴゼンタチバナ


アカモノアカモノ


ミツバオウレンミツバオウレン


シラネアオイ今回の花旅の目的、シラネアオイ。
名前の由来となった日光の白根山ではシカの食害にあって柵で保護しているというのに、ここでは道ばたで見られる。


イワウチワイワウチワ


ハクサンチドリハクサンチドリも多い。


ムラサキヤシオムラサキヤシオ


ジョウエツキバナノコマノツメジョウエツキバナノコマノツメ
「上越黄花の駒の爪」と書くそうだが説明するのが大変ななんとも凄い名前である。


シラネニンジンシラネニンジン(たぶん)


コケモモコケモモ


大津岐峠へのハシゴ大津岐峠への稜線は、緩やかな湿原が続く中門岳への稜線と正反対で岩場が多い。なかにはこのようなハシゴで岩場をクリアしなくてはならない。


シラネアオイシラネアオイ


イワイチョウイワイチョウ


う~ん、わからない。
花や葉っぱの特徴をもっとよく見るべきであった。


ミツバオウレンミツバオウレン


オオカメノキオオカメノキ


ベニバナイチゴベニバナイチゴ


遠方に燧ヶ岳遠方に燧ヶ岳が見える。


ミヤマエンレイソウ花が終わって実になっているが、萼片が緑色なのでもしかするとミヤマエンレイソウ?


ハクサンコザクラハクサンコザクラ
ここでは小群落になっていた。


大津岐峠大津岐峠に到着。
昭文社「山と高原地図」に記載されている時間だと90分だが2時間を超えた。
今朝は5時前の朝食だったのでここで昼メシとする。
管理人はコンビニで買ったランチパックとバナナ、Wさんは袋麺。
さて、これからの行程について考える。
ここから駒ノ小屋に引き返して滝沢登山口に下れば車に乗って帰ることができるが、御池またはキリンテに下山すると路線バスで戻らなくてはならない。路線バスの本数は少なく、乗り遅れると次のバスまで2時間も待つことになる。
昭文社「山と高原地図」によれば御池までは3時間半、キリンテへは2時間20分。ここを11時に発つとして、今から間に合うバスは御池だと14:40発、キリンテだと13:17発なので、標準時間で歩けばどちらも間に合う。
下山したら日光に戻ってWさんと打ち上げを予定しているので帰宅は早いほうがいい。
よっし、13:17のバスに乗ろう。


コバイケイソウキリンテに2時間20分で下山するためには写真を撮る時間を惜しまなくてはならない。
昨日から今日にかけて観た花は割愛してどんどん進もう。
とはいうものの、花が目につくとどうしても撮らずにいられない(笑)
もうすぐ咲きそうなコバイケイソウ。


マイヅルソウマイヅルソウの群落


キリンテへの道キリンテへの道はなだらかで歩きやすい。


ヤグルマソウヤグルマソウ


バスに間に合うよう時間を気にしながらの歩きだったので登山道を歩くには早足だった。
キリンテまで30分という表示を見つけ、バスには十分間に合うことがわかったら急に気が抜けて失速。いつものペースでのんびり歩くことにした。
俊足のWさんはおそらくキリンテに着いていることだろう。


キリンテ沢苔むした岩の間を流れるキリンテ沢


車道が見えてきたらこのルートも終わる。


キリンテ登山口ほどなくキリンテに到着。


滝沢登山口までバスで戻るバス停は「白樺キャンプ場」の前。
ここでバスに乗り「会津駒ヶ岳登山口」で降りるわけだが、車はさらに20分歩いた駐車場に置いてある。


天上の楽園、田代山湿原でワタスゲを堪能してきた。

2018年6月22日(金) 晴れ

猿倉峠(11:32)~田代山(12:59)~弘法大師堂(13:25/14:00)~猿倉峠(15:17)
※距離:6.4キロ

当初の予定
猿倉峠(9:00)~田代山(11:10)~弘法大師堂(11:25)~帝釈山(12:45)~弘法大師堂(14:10)~猿倉峠(15:45)

福島県の山へ行くのに管理人がもっともよく利用するのが国道121号線を北上して会津田島で352号線に乗り換えるというルートである。会津駒ヶ岳に登るのに便利だ。
距離は120キロもあるが自宅から2時間40分で会津駒ヶ岳の登山口に着く。決して楽とは言えないが、それは管理人が日光の山の利便性に慣れてしまっているからであろう。他県の山に登るのだから贅沢は言えない。

とはいえ、欲深い管理人のこと、もっと短い時間で福島の山に行けないだろうかと地図で探したところ、、、あった(笑)
地図によると日光市土呂部(どろぶ)から北へ向かって延びている道が2本ある。1本は田代山と帝釈山の登山口になっている猿倉峠を経て南会津町で国道352号線に合流する。もう1本は帝釈山と台倉高山の登山口である馬坂峠を経て檜枝岐に通じている。
国土地理院地図では前者は県道350号線、後者は軽車道の扱いとなっている。

一昨年の9月、福島県境の山が中央分水嶺になっていると知って興味を持ち、そのうちのひとつ帝釈山に登ってみることにした。そのときに利用したのが県道350号線なのである。土呂部から先は未舗装でとんでもない苦労を強いられたが初めて利用する道路ということもあって、半ば楽しみながら走った記憶がある。→田代山と帝釈山(2016/09/15)

帝釈山に登るには猿倉峠から歩き始めて田代山を経由する。
その田代山は全体が高層湿原になっていて雪解けから夏にかけて一面、湿原特有の花で埋め尽くされるのではないかと想像した。
それを確かめたくて今日、訪れることにした。

県道350号線は通行止めぐわ~ん!!
いきなりこれだ(笑)
猿倉峠への県道350号線はゲートが閉じられ「冬期豪雪につき」の立看が、、、
雪はとっくに解けているし、大雨による災害にも遭っていないのに通行止めとは理解できないが、これでは先へ進めない。

※後日わかったのだが、道路を管理する日光土木事務所のホームページには7月20日まで通行止めとあった。工事をしているわけではなく、通年、その期間みたいだ。
だけど、よほどのことがなければ土木事務所のホームページなんか見ないよなぁ。


馬坂林道も通行止め出鼻をくじかれたので、ではもう1本別の道、檜枝岐へ通じる林道はどうかと車を走らせたところこちらも同様、通行禁止であった。
福島県側から猿倉峠そして馬坂峠へ行く道は問題なく通れるのに栃木県側からだと通行禁止になっていることに、その違いが釈然としないが事実を受けとめるしかない。
時間はまだ早い。天気もいい。
こうなったらゲートを突き破ってでも田代山に行ってやる、というのは冗談だが急がば回れだ。国道121号線まで戻って会津田島で352号に乗り、舘岩で県道350号線を南下して猿倉峠まで走ろう。


大回りして猿倉峠へ福島県側の道(県道350号線)は整備が行き届いていて危険はない。
ただし、未舗装路なので時間がかかる。
閉じたゲートから2時間40分かかって猿倉峠の登山口にたどり着いた。ざっと数えて15台ほどの先着があった。
駐車場はこの手前にもあり、そこにはトイレ(チップ制)まである。
管理人、福島県の山はまだ経験が浅いが、会津駒ヶ岳には登山口にも山頂付近にもトイレがある。この山もそうだ。
山に人を迎える市町村の対応が栃木県とはずいぶん違っているように思える。


田代山まで2キロ田代山まで2キロとあるので2時間みておいたほうがいい。
ということは今日は帝釈山は諦めか。


登山届けを持参したが投函口は閉じられていた。
隣の窓口にパンフレットが。


いきなり階段猿倉峠登山口から田代山への道はいきなり階段から始まる。


ベニサラサドウダンベニサラサドウダンが見ごろ。


ゴゼンタチバナゴゼンタチバナ


木の階段倒木したと見られるダケカンバで作られた階段が続く。


マイヅルソウマイヅルソウ


山頂まで1キロ、1時間とあるから時速1キロで計算した妥当な表示。


ベニサラサドウダン見事なベニサラサドウダン


明るい樹林帯明るい樹林帯


高原山が見える南東の方角に高原山(鶏頂山、釈迦ヶ岳、中岳、西平岳の総称)。


南には日光連山が南には日光連山が見える。

まもなく小田代木道が出現し、まもなく小田代(こたしろ)。


ワタスゲつ、ついにワタスゲがおでまし。
ワタスゲはこの真っ白、フワフワを見て感激するのが一般的だが、これは花後の実で、花はいたって地味。
花はこちらを。


タテヤマリンドウタテヤマリンドウ?


コバイケイソウコバイケイソウはまだつぼみ


この先、ワタスゲの群落が見られそうな予感。


ワタスゲのアップワタスゲのアップ


小田代(こたしろ)小田代に到着
規模は小さいながら立派な湿原。


ヒメシャクナゲヒメシャクナゲ
奥日光・戦場ヶ原でもここ数年、株が増え、木道から見つけることができる。
ただし、背丈10センチほどの大きさなのでそのつもりで探さないと見つからない。


イワカガミイワカガミ


再び急登小田代はすぐに終わり、再び急登するようになる。


高原山明神ヶ岳(中央左)と高原山(中央右)


イワカガミイワカガミ


視界が開けると田代湿原林間を抜けると視界が開け、そこが田代山湿原である。
木道は湿原を一周するように敷設され左回りの一方通行になっている。
さあ、どんな花が見られるのでしょうか?


モウセンゴケ湿原特有の植物、モウセンゴケ。


弘法沼池塘のうちでもっとも大きい弘法沼。


弘法沼弘法沼


田代山山頂田代山山頂


モウセンゴケこの辺りはモウセンゴケの天下である。


ものすごい数のワタスゲものすごい数のワタスゲ


チングルマ尾瀨ではお馴染みのチングルマ


コバイケイソウコバイケイソウ


ワタスゲがびっしりワタスゲがびっしり


イワカガミイワカガミ


木道を半周すると分岐になるのでここで湿原を抜け出して帝釈山に向かうと、、、


トイレがあるすぐ休憩ポイントに出る。
と、そこにこぎれいな建物がある。トイレである。
山の中腹あるいは山頂にトイレがあるなど日光では考えられないが、福島県(管理人が行ったのはまだ少数だが)では尾瀨を筆頭に会津駒ヶ岳も途中にトイレがある。
国立公園という位置づけは日光も尾瀨も同じで環境省の管理下だが、どうしてここまで違うのか?
実際に管理しているのは市町村だと思うが、山に人を迎え入れる体制(考え方)の違いとしか考えられない。


トイレ脇のテラストイレ脇にある清潔感溢れるテラス。


トイレはチップ制トイレはチップ制で100円を求められるが山の中にトイレがあるのはとてもありがたい。
女性の登山者が多いのもこういった設備のおかげなのであろう。
トイレの床は泥汚れなどはなく、素足で歩いても違和感がないほどキレイ。


トイレ内部そのはずでこのような仕組みになっているのだ。
家庭で使う倍の大きさのスリッパ。靴のまま履く。


帝釈山へは1.9キロ帝釈山まで1.9キロ、2時間の道のりだが今日はとっくに諦めている。
その分、ここでゆっくり休憩しよう。


ミツバオウレン休憩所脇にミツバオウレン


弘法大師小屋トイレに隣接した弘法大師小屋。緊急時の避難小屋である。


中には弘法大師像中には弘法大師像が祀られている。
床にはゴザが敷かれ、ゴミひとつ落ちていない。
日光の避難小屋(唐沢小屋、五色沼避難小屋)のように登山者の残置物はなく、清潔。
ちなみにトイレと避難小屋の維持管理は行政(たしか南会津町?)が人を雇っておこなっている→こちらを


木道の分岐まで戻って残りの木道を歩いて戻ることにしよう。


凄いものだなぁ。このワタスゲ。今が盛りのようだ。


このルートは所々、このような平坦路があるものの多くは急傾斜だから油断はできない。


小田代に到着小田代に到着


咲いているコバイケイソウ咲いているコバイケイソウ発見


ベニサラサドウダンベニサラサドウダン


コケモモコケモモ


水場登山口近くまで降りてきて水場に寄ってみた。
持参した飲み水は十分、残っているが山の水を見つけるとどうしても飲みたくなるというもんだ。


無事に下山登り始めて3時間45分、無事に下山。


オサバグサ祭り今日は行けなかったが帝釈山は毎年6月初めから半ばまで、オサバグサ祭りというのをやっていて登山者をもてなしている。このテントはその名残りではないだろうか?


今年3度目の女峰山は花と絶景を堪能。過去最短のワケは筋トレ効果か?

2018年6月4日(月) 晴れ

キスゲ平(6:00)~小丸山(6:33)~焼石金剛(6:58)~赤薙山(7:22/7:23)~奥社(8:09/8:13)~一里ヶ曽根(8:56/9:00)~女峰山(10:02/10:10)~帝釈山(10:39/11:02)~女峰山(11:35/11:54)~一里ヶ曽根(12:55/13:00)~奥社(14:16)~赤薙山合流点(14:23)~焼石金剛(14:37)~小丸山(15:01)~キスゲ平(15:24)
歩行距離:17.2キロメートル
所要時間:9時間24分(休憩や撮影など動きのない時間も含む)
累積標高:1981メートル(最下段の画像)
※軽量化を図るために靴はローカット、ザックはトレラン用の15Lにした。

★★
以下は無雪期に霧降ルートで女峰山に登ったときの片道の所要時間。
今年の1登目は残雪のため除外してある →ブログ
・2018年06月04日 4時間01分 →今回
・2018年05月21日 4時間34分 →ブログ
・2017年09月26日 5時間35分 →ブログ
・2017年08月09日 5時間17分 →ブログ
・2016年11月07日 5時間14分 →ブログ
・2016年06月10日 5時間23分 →ブログ

時間を競うわけではないが昨年までと今年とでは所要時間が大きく違っている。
さらには、今回は前回よりも30分も短い。
理由はマシンを使った筋トレと走る筋トレの効果であることがわかっているが、そのへんのことは書くと長くなるのでここでは割愛してブログを進める(後日、考察してブログにします)→筋トレ効果についてはこちらを。
なお、所要時間には休憩と300~400枚ほどの写真撮影(植物観察も)、読図が含まれているがこれらは毎回ほぼ同じとみていい。

 

キスゲ平の天空回廊霧降ルートの登山口となる霧降高原キスゲ平。
前回(5月21日)に続いていい天気に恵まれた。


登山届けをポストに入れて歩く準備は整った。
今日は訳あって6時ちょうどに登山を開始することに決めている。あと4分30秒待つ。


ナルコユリ6時になった。登山開始!
初めに目に入った植物はナルコユリ。


ベニサラサドウダン続いてベニサラサドウダン


ユキザサユキザサ


ベニバナノツクバネウツギ階段を上り始めてまだ5分も経っていないのに花がどんどん出てくる。
これはベニバナノツクバネウツギ。
キスゲ平はニッコウキスゲの群落で有名だがそのニッコウキスゲが咲くにはまだ2週間、早い。しかし、それまで待つこともなくこうしていろいろな花が楽しめる。


靴はローカットで雪はすっかり溶けたので身軽に歩けるよう、靴はモンベルのローカット。パンツはTRIMTEX社のトレラン用にした。


レンゲツツジひときわ鮮やかな色彩のレンゲツツジ


ハルカラマツハルカラマツ
楚々として実に美しい。


天空回廊700段目天空回廊700段目。
ここまではスキー場でいう初級者用コース。


700段から上は傾斜が急ここから傾斜がきつくなる。
タネを明かせばここから先は元スキー場の上級者コースなのだ。
女峰山までまだ4時間以上、歩かなくてはならないのでここでバテるわけにはいかない。コツは100段ごとに立ち止まり、乱れた息を整えてそしてまた歩き始めることだ。健脚の人は別にして。


サラサドウダンツツジサラサドウダンツツジ


鈴なりのサラサドウダンツツジ今年はツツジ類の当たり年なのかサラサドウダンツツジが鈴なりである。


鈴なりのベニサラサドウダンこちらはベニサラサドウダン。同じく鈴なり。
それにしても凄いな!


天空回廊トップ写真を撮りながら、100段ごとに休みをとりながら、27分で階段トップ。
これから女峰山に登るんだと思うと気持ちが引き締まる思いがする。


小丸山シカ避けネットから出ると標高1601メートルの小丸山。
正面に赤薙山が見えるが女峰山ははるか彼方。


小丸山から富士山おぉ、今日は富士山がはっきり見える。
冬はよく見るが今日はよほど空気が澄んでいるようだ。


焼石金剛手前のガレ場焼石金剛に差しかかるとガレ場が出現する。
石の多くは浮いているのでしっかり見ながら歩いて行く。


焼石金剛から赤薙山を見る焼石金剛から見る赤薙山。
あそこまで推定30分。


焼石金剛から高原山振り返って高原山(鶏頂山、釈迦ヶ岳、中岳、西平岳の総称)を眺める。
ここからだと逆光になるため早朝はいつもこのように墨絵のような景色になる。


シロヤシオシロヤシオがまだ咲いている。


赤薙山直下のアズマシャクナゲアズマシャクナゲ


登山道はここで赤薙山方面と女峰山方面に分岐するが躊躇うことなく赤薙山に向かう。


木の根が露出したギャップだらけの道を上っていく。
往きはいいが帰りは要注意。


赤薙山山頂焼石金剛から24分、赤薙山に着いた。
いつもならここで10分くらい休憩をとるところだが、今日はその必要がないと身体が主張している。


束の間の平坦路


ヤマイワカガミヤマイワカガミ


ピーク2075すぐ目の前に見えるのは2075ピーク。
岩だらけのなかなか厄介な道である。


オオカメノキオオカメノキ
大きな花弁状のは装飾花で、この小さな5弁のが本花。


ここからも富士山が見えるおっ、ここからも富士山が見えるぞ。
今日はなにか良いことがあるのかもしれないな。


富士山をズームで15倍ほどズームしてもくっきり。


イワカガミの群落すごい!
イワカガミの群落だ。
ヤマイワカガミと混成している。


ミツバオウレンの群落こっちにはミツバオウレンだ。


奥社跡歩き始めて2時間と9分で奥社跡。
女峰山ルートはここまでが厳しい。


自作のシリアルバーをかじる今朝は4時半にカップうどんを食べたがここでひと休みして自作のシリアルバーをかじる。
先月25日、常連のT.Hさんと男体山に登ったときに、T.Hさんが持ってきたシリアルバーをお裾分けしてもらって食べたのだが、自作とは思えないほど美味しかった。願い出てレシピを教わった。
実際、自分で作ってみても初めてとは思えないほどの出来映えで、今日はこうして行動食としてザックに入れてきた。
8センチ×3センチの大きさで150kcalあるので行動食として十分に思える。


ミツバオウレンのアップミツバオウレンをアップで。


奥社跡から女峰山へさあ、次はピーク2209を目指そう。


奥社跡とピーク2209の鞍部が終わると上りになるが、道はピーク2209から少し西へ向いている。踏跡がいくつかあるが迷うことはないと思う。


コミヤマカタバミコミヤマカタバミ


ピーク2209の稜線に乗った。
これからしばらくの間、道は平坦になるので疲れの回復にちょうどいい。


この稜線はアズマシャクナゲの宝庫でもあり、管理人のお気に入りなのだ。


アズマシャクナゲの群落地帯アズマシャクナゲの間を縫って歩いて行く。


ヤハズを通過ヤハズ


アズマシャクナゲにナナカマド、ダケカンバなどが成育し、日光の山の中ではピカイチの環境。


ミネザクラミネザクラ


一里ヶ曽根平坦で快適な稜線もここ一里ヶ曽根で終わる。
ここから次のピーク2318まで一旦、急傾斜を下って次に急傾斜を登り返す。


一里ヶ曽根のガレ場を下るとピーク2318との鞍部。正面に立ちはだかるのがピーク2318。


登山道のすぐ脇に水場がある。
歩き始めて3時間経過したが持参した2リットルの水はまだ十分、残っている。


一里ヶ曽根の水場喉の渇きはないが山で水の流れを見るとつい飲んでしまう。
やはり山の水は美味い。


ピーク2318へのきつい登りピーク2318へ急な斜面を登っていく。


ここで女峰山が目視できるようになる。
といってもまだ遠く、この画像で言えば中央の平坦な稜線を右に辿っていくと急角度で落ちているが、そのさらに右に見える小さなピークが女峰山である。山頂の山名板が見える。


ピーク231810数本の枯れた木が目印のピーク2318。
道はここから南に転じ女峰山へと向かっていく。


燧ヶ岳と平ヶ岳遠くに尾瀨・燧ヶ岳が望める。
その左奥、雪をかぶった山は平ヶ岳らしい。


ミヤマダイコンソウミヤマダイコンソウ。
黄色のきれいな花を咲かすが紅葉もきれい。


ピーク2318から先のルートにはとても怖い場所が2ヶ所ある。
ひとつ目はこのザレ場。
登山靴でも安定しない。


岩場にかかるロープ2ヶ所目はロープがかかった岩場。
岩は脆い。
管理人はできるだけ両手両足で上り、ロープはあくまでも補助的に使うだけ。その方が神経を集中できる。


岩場を超えるともう危険な場所はない。
山頂はもう間もなく。


ひとつ手前のピーク。
地理院地図には2463.7メートルとなっていて三等三角点がある。


画像の左隅に三角点の標石があるのがおわかりだろうか?


10時まであと1秒。


4時間1分で山頂に着いたその1分後、着いた~~~


時刻はあと5秒で10時2分になる。
歩き始めて4時間1分55秒。これまでの最短時間だった。
歩き始めるにあたり時刻が6時になるのを待ったのは時間の計測を容易にする狙いがあったためだ。


山頂は誰もいなかった。
サコッシュから三脚を取り出して自撮り。


女峰山から日光連山を眺める歩き始めたときの天候はまだ保っていてくれた。前回もこの景色を拝むことができたが今回もだ。女峰の神に感謝しなくてはいけない。
ここから眺める山並みでもっとも近いのがこれから訪ねる帝釈山、中央が小真名子山、その左は大真名子山でその左、裾野だけ見えているのが男体山。
帝釈山の奥に薄ぼんやり見えているのは太郎山である。そのずっと奥、遠くの山並みから頭ひとつ出ているのは白根山であろう。


白根山白根山をズームで


燧ヶ岳と平ヶ岳燧ヶ岳を思いっきりズームで。
左は平ヶ岳。


次は帝釈山へでわでわ、これから稜線続きのあの帝釈山まで足を延ばそう。


専女山行程のちょうど中間に位置する専女山。鎖がかかっている。


帝釈山からの素晴らしい眺め帝釈山からの眺めも素晴らしい。


燧ヶ岳と平ヶ岳燧ヶ岳と平ヶ岳


男体山男体山


ここで昼メシとするがその前に、、、燧ヶ岳と南会津の山並みをバックに自撮り。


荷物の軽量化登山での疲れは筋力をつけることと体重を減らすこと、そして荷物を軽くすることで克服できるはずである。
身体改造はそれほど簡単ではないから、今日は外的要素を改善するため容量15リットル、重さ400グラムを切る軽量ザックに替えた。とはいえ、中味はそれほど軽減できたわけではなく、置いてきたのはポールにヘッドランプ、ダウンウェア、傘、手袋、クッカーとガス。
こう書いて思ったのだが日頃、データ重視の登山を心がけるようにしている管理人にしてはザックの総重量を計っておかなかったのは失敗だった、と反省。


専女山から女峰山を見る久しぶりに20分という長い休憩をとった。そろそろ帰ることにしよう。
専女山から仰ぎ見る女峰山は三角定規を立てたように鋭いエッジを見せている。


その名とは裏腹に荒々しい急傾斜を登っていく。


記念にもう一枚(Mさん撮影)
実は女峰山まで戻ると、そこに管理人が主催しているスノーシューツアーに参加したことのあるMさんがいた。余りの偶然にお互い驚いたのだが20分ほどの情報交換の後に管理人は山頂をあとにした。


ミネザクラ山頂のミネザクラ


岩場を下る岩場を下りる。


危険箇所は過ぎたがあくまでも慎重に、、、


水場を通過水場
朝と同じく水を飲む。


一里ヶ曽根一里ヶ曽根
しばし休憩。


ピーク2209への平坦なルート


ヒメイチゲヒメイチゲ


イワカガミイワカガミ


シャクナゲ咲く日本庭園シャクナゲ咲く日本庭園


奥社跡へ行く鞍部


奥社跡奥社跡
いつもならこの辺りでバテて休むところだが今日は通過する。


ピーク2205奥社跡と赤薙山の中間に位置するピーク2205


赤薙山の山頂を巻いて小丸山へ行く分岐。
今日はルートの状況を把握するために「キスゲ平」と書かれた方へ進んだが、危険箇所はないことを確認した。


シロヤシオ


小丸山こんなに早い時間に小丸山に下りたのは久しぶりいや、初めてだろうか?


さあ、最後のひと踏ん張り。
階段を転げ落ちないよう、慎重に下っていこう。


天空回廊から関東平野を俯瞰する天空回廊の700段目から関東平野を俯瞰する。
いや~、気持ちがいいなぁ!!


無事に下山したここから歩き始めて9時間24分。
人がいる。車も何台か駐車している。
過去には日没後になったのを何度か経験しているのでこの時間に戻ることができたのは上出来である。


高低図と累積標高

常連さんと行く男体山は厳しくもあったがシロヤシオの宝庫だった。

2018年5月25日(金) 晴れ

二荒山神社(8:45)~四合目(9:44)~山頂(12:09/13:30)~四合目(15:30)~二荒山神社(16:25)
歩行距離:12.2キロメートル
所要時間:7時間40分(休憩を含む)
累積標高:1532メートル
※残雪を想定しチェーンスパイクを持参したが、その心配はないとわかり車内に置いて歩き始めた。

多彩な趣味を持つ当ペンションの常連、T.Hさんだが、今の関心事はもっぱら登山だという。
夏のテント泊デビューを目指し、テントや寝袋もろもろ一式を買う予定でいるそうだ。
そして夏の山行のために交通事故のリハビリを兼ねて現在、トレーニングに余念がない。

日光の山をよく知っているのと近隣であるという理由で、2016年に初めて管理人がガイドを引き受けて今日で10回目。
今年になって赤薙山(8回目)、社山(9回目)と難易度を上げ、そして今日10回目は男体山。仕上げは白根山という計画を組んでいるT.Hさんなのである。
几帳面かつ慎重な性格が幸いしているのか、リハビリ登山は順調で、管理人が見ても事故の影響などまったくわからないほど回復している。

日光を象徴する山、男体山は日本百名山に数えられているため人気が高く、登山者が多い。
標高は2486メートルで白根山より90メートル低いが特筆すべきは登り口からの標高差だ。
中禅寺湖畔の二荒山神社から登り始めるのだが、標高差は1200メートルもある。女峰山のようにアップダウンがあったり平坦な稜線があるわけでなく、ただひたすら登っていく。苦行そのものなのである。
深田久弥をして「非常に急峻で、湖畔から頂上までひたすら登りずくめである」と言わしめたのが男体山である(深田は1942年8月に登っている)。

管理人は過去に二度、登っているがその厳しさゆえに三度目はよそう、と腰が引けていたところへT.Hさんからガイドの依頼だ。
依頼主に楽しんでもらうにはガイドの心に余裕がなくてはだめなのに、腰が引けていてはどうしようもない。男体山よりも厳しい山に登って体力をつけ気力を奮い立たせようと登ったのが21日の女峰山であった→女峰山

さあ、今日はT.Hさんの期待にガイドとして応えることができるのでしょうか?

男体山登拝門男体山の登拝門。
山に登るのに鳥居をくぐることはあってもこのような重厚な門をくぐるのは日光ではここ男体山だけ。
なんだか気持ちが引き締まる思いがする。


登拝門の先は急な階段登拝門をくぐるといきなり急な階段が出現する。


階段を登り切ると一合目。ここから樹林帯となる。
これから先、新緑の下の快適な道、、、を想像していると裏切られること必至。
なにしろ階段と同じように急傾斜なんだから。


アスファルト道路三合目から四合目まではアスファルトの林道を歩く。
登山靴でアスファルト道路を歩くのは苦痛だが、今日は女性のゲストと一緒だ。楽しく歩こう。


アスファルト道路地図で計測すると距離約1.3キロ。単調だが男体山登山で唯一、息を抜けるところ。


四合目四合目で再び急な山道となる。


傾斜は急で立ち止まるとザックの重みで後へ転倒しそうになる、ということはありませんが、目の前に見えるのは地面しかないというほどの傾斜。
ときどき振り返っては景色を見て疲れを癒すことに。


シロヤシオうふぉっ、シロヤシオだ。


T.Hさんは管理人にピタリと着いてきてくれているので安心していられる。


もしやこれはヒカゲツツジかと思わせる、やや緑がかったシロヤシオ。


五合目五合目に到着。


五合目の避難小屋トタン板でおおわれた建物は避難小屋


休憩できるようベンチはあるが板の間はない。それに補修用の資材が積まれている。
突然の雨や雷から身を守る緊急避難のための小屋と考えた方がいいであろう。


シロヤシオの向こうに中禅寺湖シロヤシオの向こうに中禅寺湖が見える。


ガレ場始まるガレ場始まる。


急傾斜のガレ場急傾斜のガレ場。
石の多くは地面に埋まり動くことはないが、小さい石は浮いているので足下をよく見ながら慎重に上っていく。


八合目に到着八合目に到着。
滝尾神社(たきのおじんじゃ)の小さな祠がある(画像の建物は社務所のようなもの)。


九合目の砂礫帯九合目から上は火山の砂礫帯。


この砂礫は実に厄介で、滑って足に力が入らない。


ふ~、やっと山頂が見えた。


男体山山頂念願、悲願叶って男体山山頂に立つことができ、手を合わすT.Hさん。
ここまで休憩を含んで3時間25分。標準時間(※)だった。
※昭文社「山と高原地図」に記載の時間(ただし、休憩時間は考慮されていない)。

御神剣小高い岩の上に建つ御神剣。昔は鉄製であったが腐食により折れたことからステンレス製(県内の篤志家が奉納)に替わった。

男体山の山頂は広い。三角点や太郎山神社、御神像、噴火口など興味をそそられる対象があるので入念に見て歩くことにする。


白根山白根山


一等三角点2484メートルの一等三角点。
2002年まではここを男体山の山頂、というよりはもっとも高い場所としていたが、2003年になってここよりも2メートル高い場所が見つかり、現在は標高2486メートルとしている。
ちなみに女峰山とは2メートル違うだけ。


さあ、昼ご飯さあ、昼ご飯だ。
コッフェルを火にかけたT.Hさん。
なにが入っているのかな?


今日の山メシコッフェルの中はレトルトカレーでした。
持参したご飯に湯煎したカレーがT.Hさんの今日の山メシ。
う~ん、幸せ、満足!!


カレーメシ図らずもT.Hさんと同様、管理人もカレー(^^)
日清の「カレーメシ」でした。
カレーメシは容器が大きいので中味をジップロックに移し替えて持参。ジップロックの中に沸騰したお湯を直接、注ぎ入れて5分。食べる前によくかき混ぜればできあがり。それなりの味がします。
ただし、これだけだとカロリー(448kcal)が足りないのでコンビニのおにぎりとバナナを組み合わせて食べた。


太郎山太郎山


御神像の二荒山大神
このあと、噴火口が見える場所に移動して身を乗り出してのぞき込むなど広い山頂を歩き回って1時間ほど費やした。
そろそろ下山することにしよう。


下山こそ注意に注意を重ねて慎重に降りましょう。


岩場も慎重に。


中宮祠の町並み中宮祠(ちゅうぐうし=この辺り一帯を指す地名)の町並みが見えてきた。


往路では頭上の木々を見落としがちだが、下りだとシロヤシオがやたらと多いことに気づく。


シロヤシオとトウゴクミツバツツジの下を歩くT.Hさん。


四合目の鳥居四合目の鳥居に到着。
ここから三合目まではアスファルト道路。


三合目。ふたたび樹林帯の中へアスファルトの林道が終わると三合目。
ここからふたたび樹林帯の中へ。


登拝門に着いて今日の山行が終わった。登拝門に着いて今日の山行が終わった。
T.Hさんは大いに満足された様子でほっとする管理人である。